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特集 野菜の売りかた
日本の食を健全に、日本の農を元気に。
野菜を主役にしたサラダデリ専門店。


「株式会社マルゴワークス」

 日本では、サイドメニューとしての位置づけのサラダであるが、そのサラダをメインとした業態がアメリカで登場し評判となっている。このアメリカの現状に触発され、日本ではまだ馴染みのないサラダ専門のテイクアウトショップに取り組む企業がある。それが株式会社マルゴワークスだ。同社が展開する新業態「サラダデリ専門店」の全貌に迫る。

来、新鮮な野菜は、人間の身体に働きかける大切な役割を担っている。活性酸素を消去する「抗酸化力」、体の異常を察知して身体を守る「免疫力」、体の中から老廃物を出す「解毒力」、副交感神経を優位にして胃腸を整える「自律神経調整力」などだ。サラダならば、低カロリーで多品目を摂ることができ、しかも繊維質なのでお腹をしっかりと満たすこともできる。

 そんな野菜を主役にしたサラダデリ専門店「マルゴ」は、「自然まるごと、サラダサプリ。」をコンセプトに、2012年10月12日、西新宿にオープンした。

 これまでにない業態として誕生した「マルゴ」は、30種類以上のトッピングや8種類のドレッシングを選び、顧客の細かい好みに応じてオーダーメイドのサラダが作れることを特長とするサラダ専門のテイクアウトショップだ。今後、5年をめどに、首都圏を中心として50店の店舗展開を目指している。  

 基本となるベースのサラダは550円。日本では流通量が少ないロメインレタスを採用している。甘みとほんのりとした苦味がある味わい深い野菜だ。ローストビーフやシュリンプ、アボカドやパクチーなど、30種類以上のトッピング具材は50円もしくは100円。さらに、イタリアンバジルやすりおろしオニオン、フレンチシーザーなど、8種類のドレッシングの中から好みの物をチョイス。お客の目の前で大きなボウルで大胆に混ぜ合わせて(ミキシング)、完全オリジナルのサラダが完成するシステムとなっている。このようなサラダに特化した飲食店は、まだまだ日本でも耳新しい。

 さらに「マルゴ」では、2ヶ月に一つのペースで、旬の国産野菜をふんだんに使ったシーズナルサラダと季節限定ドレッシングを提供。オーダーを受けてから、お客様の目の前で野菜やくだものを丸ごと絞るサラダジュースは“飲むサラダ”として、女性や男性サラリーマンに特に好評を得ている。

 「開業前は女性客が圧倒的に多いと予想していましたが、実際は四割程度が男性顧客というのが意外でした」(床井社長)。近隣には単身者用の住居が多く、サラリーマン男性が夕食に買い求めていくことも珍しくないという。

 美容に関心のある女性以外にも生活習慣病予防に励む中年男性の支持も得ているようだ。最近の「低糖質ダイエット」ブームも同店にとって追い風となっている。スタッフに問い合わせれば、糖分の少ないトッピングをチョイスしてくれる。

  「3〜4年前、日本の自給率が他国と比較しても非常に低いという話で盛り上がっている時に、『自分たちで食べる分くらいは自分たちで作りたいよね』という考えに至りました。しかし、そう思ってはみたものの、日本では新規で農業をやらせてくれるような土壌がない。せめて、農作物(野菜)に関われる仕事に携わろう。そこで、いちばん高く売れる仕組みとは何だろうと模索していく中で、マルゴにたどり着いたんです」(床井社長)。

 床井社長は、東京農業大学を卒業後、マスコミに10年ほど勤め、その後、人材教育会社「SHINBI」を立ち上げた。2010年には、「自然の力を、教育の力に」をコンセプトにしたプライベートキャンプ場をオープンさせる。農業への参入は、創立時から考えていたもので会社の約款にも記載してある。さまざまな農家で農作業経験を積み重ねながら、都内の「農業ビジネススクール」に通い、ノウハウを学んだ。

 どんなに美味しい農作物を作ることが出来たとしても、良き理解者のいる売り手を確保できないと買い叩かれてしまい、企業としての経営が立ち行かなくなる。そこで、農業生産の川上よりも、まずは販売の川下を作ろうと計画し、産地直売所、ビュッフェスタイルのレストランなど、売り方のスタイルを模索し続けた。

 「たまたま旅行で訪れたニューヨークで、サラダバー専門店を見つけたんです。冬の寒い時季だったんですが、お店はかなり流行っているようで賑わってました。ショーケースに色とりどりに並べられた野菜や肉・魚などの中から、食べたい食材だけをスタッフに告げ、オーダーメイドでサラダを作る。日本にはないスタイルで、私には、それが『八百屋の現代版』に見えたんです」(床井社長)。

 より新鮮に、より美味しく、より安全に提供するため、日本人向けにシステムをアレンジした「八百屋の現代版」、現在の「マルゴ」が誕生した。

 「マルゴ」では、日本には5つの季節があると考えている。草木が芽吹きだす新緑の春。雨が大地を潤して、たっぷりと栄養を蓄える梅雨。照りつける太陽をいっぱいに浴びて葉を茂らせる夏。木々が色づき穀物や果実が成熟する秋。厳しい寒さに耐え、土の下でじっくりと美味しさが凝縮される、滋味あふれる冬。これら5つの旬を大切にすることで、環境負荷を抑え、栄養豊富で健全な食を提供し、生産者の生活をより良くしていくことに情熱を傾けている。生産者が手塩にかけて育てた旬の国産野菜をふんだんに使用することで、「日本の食を健全に、日本の農を元気に」という企業理念に照らした企業活動が行えると確信している。

 また「マルゴ」では、美味しさと安全にこだわっているため、たとえお客様からのリクエストでも、旬をはずした野菜は「今は季節ではないです」と言い切り、提供しない。野菜の旬と栄養価などのデータはもちろん、消費者に食と農を正しくアナウンスしていくことも「マルゴ」の大切な役割の一つだと考えている。それは、床井社長の祖父から受けた影響もあるのかもしれない。

 「僕の祖父が稲作農家だったんですけど、『俺は米作りのプロじゃない。』と言ったことがあって。そのワケを訊いてみると、『俺は40回しか、米を作ってない。満足できる米は作れないんだよ』と。なるほど、一年に一回しか作れないから、当然のことなんですけどね。祖父なりの時間の捉え方が面白いと思いましたね」(床井社長)。

 床井社長は、40年間、米作り一筋に生きてきた祖父の姿に触れるにつれ、農業の奥深さに感じ入り、食料生産に対する思い入れが芽生え始めたという。高校受験で農業高校を受験しようとしたが、親には反対されている。念願の東京農業大学に入学し、農業の活性化と食の健全化に向き合っていくという思いを育んできた。

 そんな思いを具現化し、新鮮で安全な野菜を消費者にまるごと提供している「マルゴ」。今後は多店舗展開を図るとともに、自社提携農場を全国的に広めていく計画だ。今後、日本の農業界にどのようなインパクトを与えてくれるのか?同社の展開に注目していきたい。

木目を基調としたモダンで清潔感のある
マルゴ店内。




オーダーを受けてから丸ごとしぼる
サラダジュース。




ベースのサラダにはロメインレタスを
採用している。




定番サラダ
 


8種類のドレッシングから選べる。



週がわりのスープ



3月4日からスタートした春のシーズナルメニュ-
「桜エビとアスパラガスのさくらサラダ」(右)と
「さくらドレッシング」(左)。




スープとピタパンが付いたセットメニュー。



お客の目の前で混ぜ合わせる。



サラダデリ マルゴ(東京都渋谷区)





 
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