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使い捨てニトリル手袋の品薄・値上げの原因は?いつ解消する?代替品はある?

2021.01.25

使い捨てニトリル手袋の品薄が続いている状況

ニトリル手袋は、伸縮性や強度が抜群で非常に使い勝手が良く、食品、医療、介護、工業など、あらゆる分野で高いシェアを誇っています。
新型コロナウィルスの感染が拡がった2020年の春以降、このニトリル手袋の品薄や価格高騰の状態が、ほぼ1年近く続いています。

感染防止対策として、医療含めて全ての分野、あらゆるシーンで使用量が激増しているのが品薄の理由ですが、何故こんなにも長期間に渡り続いているのかという理由についてはほとんど報道されていません。

今回はこの使い捨てニトリル手袋の品薄や値上げ(価格高騰)の背景と、これはいつごろまで続くのかということについて、解説します。

ニトリル手袋

使い捨てニトリル手袋の供給体制

マスクの品薄が発生した際には、海外からの輸入を増加させたり、国内でも新規メーカーが新たに生産に乗り出したりして、品薄は徐々に解消していきました。
ところが、今回は品薄が一向に解消しません。これはどうしてでしょうか。それには、この手袋の特殊な供給体制に理由があります。

製造メーカーが東南アジアに集中

日本で使われる使い捨てのニトリル手袋は、ほぼ100%輸入に頼っています。国内のニトリルメーカー(発売元)は多数ありますが、ほとんどが海外の工場に製造を委託しています。
工場は主にマレーシアやタイ、ベトナム、インドネシアなどの東南アジアに存在しており、特にマレーシアに大手のメーカーが集中しています。このマレーシアだけで、世界シェアのおよそ3分の2が製造されています。
ニトリル手袋が開発される以前は、似た特性を持つ天然ゴムが原料の「ラテックス手袋」が主流でした。マレーシアには、その「天然ゴム」の大規模農園が集中しているのです。その後、ニトリル手袋が開発されて、ラテックス手袋の工場やラインをそのまま転用したために、ニトリル手袋の一大産地となっています。

東南アジア周辺諸国の地図

生産には大きなラインが必要

ニトリル手袋は、コンベアーに固定された手型にニトリルゴム原料を塗布し、その後、手型を薬剤タンクや水タンク、乾燥炉を何回か繰り返し通過させることによって作られています。
1ラインには手型が1万個近くついており、端から端まで長さ100mを超すラインもあります。
生産には多額の投資と大きな場所、さらには多量の水が必要です。薄さと強度を両立した、高い品質の製品を安定的に供給するには、技術とノウハウがないとできません。

ニトリル手袋の製造工程
大規模なニトリル工場の様子

世界レベルの争奪戦

世界中でいまだコロナの感染が収まらず、こうした東南アジアのニトリル工場に、世界中から注文が殺到しています。マレーシアにある世界トップシェアの製造元工場には、コロナ感染拡大前と比較して、数量にして4倍の注文が入るようになりました。こうした状況下で通常2ヶ月程度の納期が、現状では発注から入荷まで1年以上かかっている状況です。このように、世界レベルでの争奪戦が発生しているために、品薄と価格高騰が発生しています。

大手工場でのクラスター発生

こうした状況に追い打ちをかけるように、2020年の10月と12月にマレーシアの大手工場2社において、従業員間での大規模クラスターが発生しました。このうち1社は、マレーシア国内に50近い工場を持っていますが、半数近くの工場が操業停止となってしまいました。現地のニトリル工場で働く従業員の多くは、周辺の国々から出稼ぎに来て、寮で暮らしています。このため、こうした集団生活の中で新型コロナの感染が一気に拡がってしまったようです。大手工場でのクラスター発生により供給量が落ちて、品薄にさらに拍車がかかってしまいました。

品薄や値上げ(価格高騰)はいつ解消する?

これまでの説明で、使い捨てニトリル手袋が、なぜ品薄や価格高騰しているかの理由がわかっていただけたのではないかと思います。では、こうした状況は、いつ解消するのでしょうか。増産体制は整いつつあるのでしょうか。

海外の生産工場の動き

こうした状況に対応すべく、東南アジアの生産工場では手袋の厚みや種類を絞り込みして生産性を向上させたり、24時間でラインを稼働させたりするなど、すでに既存の設備をフル回転して増産に対応しています。
ライン増設に向けた動きもありますが、前述の通り、ニトリル手袋の生産には大きな設備が必要で、すぐには対応できず、需要の増加に追い付いていない状況です。

ニトリル増産の様子

国内メーカーの動き

長引く品薄と値上げ(価格高騰)で、国内のメーカーでは取り扱いを縮小したり停止したりする動きも出ており、これがさらなる品薄の原因のひとつとなっています。
日本の大手手袋メーカー「ショーワグローブ」社が、香川県の坂出市に医療向け使い捨てニトリル手袋の新工場建設をすすめていますが、生産開始は2023年の春になるとのことです。

国内で製造するには多量の水を使うことができる立地から探す必要があり、使い捨てマスクのような不織布の原反シートと小型の加工機さえあれば、すぐに生産を開始できるわけではありません。
また製造を開始するころには品薄が落ち着いて、海外製品と比較して価格競争力が全くなくなる可能性があります。これが国内での製造に乗り出すメーカーがほとんどない理由と考えられます。
*下記画像は、不織布マスクの製造機

マスク加工機

パンデミックが収まっても・・・

供給量がなかなか増えない一方で、いまだコロナ感染者は世界中で増え続け、手袋の使用量も増え続けています。また、今回のパンデミックが収まったとしても、衛生意識の高まりにより手袋の需要は高く推移しそうです。需要は増え続け、なかなか供給が増やせないため、当分の間は現在のような品薄の状況が続くと考えられます。

品薄への対策

このように、使い捨てニトリル手袋の品薄は当分続くと思われます。では、これに対して私たちはどのような対策を取れるのでしょうか。価格が高いからといって、廃棄すべき手袋を繰り返し使用したり、手袋が必要な工程を手袋なしで作業したりすることは、食中毒対策や感染対策のためにはあってはならないことで、非常に危険な行為です。この対策案を2つご紹介したいと思います。

① 代替品を検討する

ひとつめの対策は、代替品の使用を検討することです。
最近、ニトリル手袋の代替品として、TPE(ポリエチレンエラストマー樹脂)という新しい材質の手袋が開発されました。この材質はポリエチレン樹脂にゴム系の伸びる原料が加えてあり、ニトリルのような伸縮性を持ちながら、ポリエチレンのように安価なのが特徴です。全ての作業内容においてニトリルの代替になるわけではありませんが、ニトリルに近い特性を持った安価な手袋として注目を集めています。

また、TPE以外にもPVC(塩化ビニル)やPE(ポリエチレン)など、多様な材質の手袋があります。
この機会に、あらためてニトリル材質以外の手袋を検討してみては、いかがでしょうか。

② 使い方を見直す

ふたつめの対策は使い方を見直すことです。
ニトリル手袋は伸縮性があって強度も抜群なので、どうしてもニトリルが良いという作業もあるでしょう。しかし、清掃やレジ打ちなどではPVC手袋を使う、簡単な盛り付け作業などではポリエチレン手袋を使うなど、作業内容によって使い分けたり、併用したりすることで、ニトリルの消費量を抑えることができます。
また、右手にはニトリル手袋、左手にはポリエチレン手袋を装着してニトリル手袋の消費量を少しでも抑えるための対策を取っている企業もあります。

最後に

今回は、使い捨てニトリル手袋の品薄や価格高騰の理由を解説しました。
この状況はコロナ感染が収束しても、当分の間は続きそうです。代替品を上手に活用したり、これまでの使い方を見直して、乗り切っていきましょう!

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