事例紹介

釣り具小売店と、使いやすさと環境対応を両立した釣りエサ容器を共同開発

  • 業種

    釣り具小売店

  • 従業員規模

    約310名

  • 地域

    大阪府泉大津市

  • タグ

    • #別注

    • #パッケージ

    • #エコ

株式会社フィッシングマックス様

大阪湾を取り囲むように関西地区で14店舗(2025年9月現在)を展開する大手釣り具チェーン。釣りエサをはじめとして、釣りで必要なあらゆる商品を豊富に取り扱っている。地域密着で運営しており、釣りの楽しさを伝えるためにスタッフが毎日釣り場を訪れてリアルタイムの正確な釣り情報をHPやSNSで発信。また、釣り場保全やSDGsにも注力しており、マナー啓発にも熱心に取り組んでいる。

課題

Problem

  • 海洋プラスチックごみ問題の深刻化を問題視
  • プラスチック製の釣りエサ容器が主流で、代替品が無かった
  • 釣り業界全体で環境問題に取り組む風潮が低かった

解決策

Solution

  • バガス素材の生分解性を活かして共同で釣りエサ容器を開発
  • 共同での啓発活動を実施

結果

Result

  • 釣り業界での環境問題に対する取り組みの先駆者に

  • 全国の釣具店での採用が相次ぎ、業界全体で環境問題に対する意識が向上した

海洋プラスチックごみ問題を解決する釣りエサ容器を模索

環境保全活動の一環として海岸の清掃活動を行う中で、海洋プラスチックごみ問題が深刻化している状況が各店舗で問題視されていた。中でも軽いがゆえに風で飛ばされやすいプラスチック製の使い捨てエサ容器が多く海に漂っている光景があった。

環境への取り組みに力を入れる企業として、環境に優しい釣りエサ容器への切り替えを検討して情報収集をスタートしたが、当時は環境に優しい釣りエサ容器が無く、エコ商材に関する情報も少なく困っていた。

釣具店と包装資材問屋、それぞれプロの視点を生かして容器の開発

環境にやさしい釣りエサ容器の情報収集をしていたところ、熱意を持った一本の飛び込み電話に惹かれて商談をした。そこで「バガス」という素材があることを知った。

バガス素材を紹介した折兼は、グループ会社としてメーカー部門の「パックスタイル」が存在する。お客様のご要望に合わせたバガス容器のオリジナルができる強みがある。バガス素材を使った釣りエサ容器を共同開発することになり、釣具店がこれまで培ってきたノウハウを生かして設計。

フタと本体の隙間軽減や側面にくぼみをつけることでエサが逃げづらい構造となり、釣り人にとって使いやすい容器を実現。
その他、容器蓋面に保冷剤を置くためのくぼみを設けているほか、素材の特性上、直射日光を遮ることができ、一定時間が経過してもエサが弱りにくく元気な状態を保てるメリットも。
従来のプラスチック容器よりも使いやすさにおいて釣り人からの評価が高まった。

導入後の環境啓発も積極的に実施

従来のプラスチック容器よりも厚みが出てしっかりした形状になったことで、風で海に飛ばされる事例が減少した。万が一、風で海に飛ばされてしまっても160日程度で海へ分解することが自社実験で分かっており、店頭ではPOPを掲出するなど釣り人への案内にも注力。

また、容器の蓋裏面には環境への取り組みを釣り人に広く知ってもらう目的で、環境省が推進する活動のプラスチックスマートのロゴも入っている。ただエサ容器の開発・切り替えをするだけでなく、自社YouTubeでの発信や店頭での啓発を熱心に行ったことで、釣り人からの認知度も高まり、釣り人の環境への意識も向上する結果に。

当社が釣り人向けの展示会「フィッシングショー大阪」へ出展した際には、来場者の多くが「フィッシングマックスさんで使われている釣りエサ容器がとても使いやすいです。」と話していた。

ただ環境に優しいだけにとどまらず、エサが逃げないようにするワンタッチの開閉構造がエサ容器としての機能に優れている。
結果、昨今の釣り場におけるごみ問題を解決するための一つの素晴らしいアイデアである点、実用的なデザインとなっている点が評価されて「GOOD DESIGN AWARD2024」を受賞。

業界の先駆者として釣り業界にSDGsを普及

フィッシングマックスでは「釣り文化の持続可能性」や「現場発信・現場主導」「社会的責任を果たす企業であること」を30年前より経営理念として重要視している。

ベイトバガスパックを導入し、店頭やSNSでの啓発を続けたことで釣りユーザーの環境に対する意識が高まって海洋に浮かぶプラスチックごみが減少した。

同時に他社での採用事例も相次ぎ、釣り業界の中でもバガス素材が広く浸透して業界全体で環境問題に対する意識を高めるきっかけにもなったと実感している。業界全体の先駆者となったことで、社内でも自社の取り組みに誇りを持つ社員が増え、環境保全活動への取り組みに対する士気が高まるきっかけにも。

今後はさらに業界全体で、きれいな釣り場環境を実現するべく、ベイトバガスパックにとどまらず環境に優しい新しい商品の開発に取り組むパートナーとして共創していく。

本事例について

<フィッシングマックス>
コーポレートサイト
https://corporate.fishingmax.co.jp/

WEBショップ
https://www.fishingmax-webshop.jp/

事例紹介一覧へ戻る