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食品の生産性アップ!エンドレスシーラー導入ガイド|選び方や種類、おすすめ機種を紹介

2025.10.17

エンドレスシーラーとは?

個包装されたお餅

エンドレスシーラーとは、その名の通りエンドレスに連続でシールできる包装機です。
「シールする」とは、フィルム包材の開口部を熱溶着や溶断により密封することを指します。
ベルトコンベア式で製品を流し込み自動でシールするエンドレスシーラーは、大量の食品包装を効率的に行える点が大きな特徴です。

この記事では、エンドレスシーラーの仕組みやメリット、他のシーラーとの違い、選び方、導入時の注意点、種類とおすすめ機種などを詳しく解説します。
エンドレスシーラーの導入を検討している方、食品工場の生産性を向上させたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

仕組みとメリット

エンドレスシーラーは袋の開口部を溶着するシール機械で、ベルトシーラー、ロータリーシーラー、バンドシーラー、セミオートシーラーなど、各社さまざまな呼称があります。
加熱された回転ベルトの間に、包装資材と食品を送り込んでシールする仕組みです。
この連続稼働により大量の製品でもスムーズに包装できるため、高い生産性を実現します。
 
主なメリットは以下の通りです。

  • 高効率な作業

連続シールにより、人手による作業と比較して大幅な時間短縮と省力化、省人化ができます。

  • 均一なシール品質

機械による自動化で常に一定の圧力と温度でシールするため、美しい仕上がりと高い密封性を保ちます。

  • 多様な包装に対応

さまざまな形状・サイズの製品、そして多様な包装材に対応できる機種も存在し、幅広いニーズに対応します。

  • ランニングコストの削減

導入コストはかかるものの、長期的には人件費削減によるコストメリットが期待できます。

  • 衛生的な包装

非接触でシールできるため、食品の衛生性を保ちやすく、異物混入リスクを低減します。

他のシーラーとの違い

業務用として使われるシーラーは、大きさだけでなく、使い方や密閉方式もさまざまです。
ここでは、代表的なシーラーの種類を「使い方」と「シール方式」の2つの観点から比較し、エンドレスシーラーとの違いを解説します。

使い方による分類

卓上バッグシーラー
卓上バッグシーラー

卓上に置いて使用するコンパクトなシーラーです。手動で袋を挟んでシールします。
少量の包装作業に適しており、小規模工場や店舗などでよく利用されます。
エンドレスシーラーと比較すると一度にシールできる量は少ないですが、比較的導入コストが抑えられ、手軽に使える点がメリットです。

足踏み式シーラー
上下両熱足踏み式インパルスシーラー

足元のペダルを踏んで操作するシーラーです。袋を両手で持てるため、卓上バッグシーラーに比べ作業性の良さがメリットです。
エンドレスシーラーのような連続シールはできませんが、中規模の包装作業に適しています。

エンドレスシーラー
エンドレスシーラー

ベルトコンベアで製品を送り込み、連続的にシールできる自動シーラーです。
大量の包装作業を効率化でき、食品工場などで広く利用されています。
卓上バッグシーラーや足踏み式シーラーと比較して、圧倒的に高い生産性が特徴です。

シール方式による分類

ヒート式(熱シール式)

熱したヒーターでフィルムを溶着する方式です。
一定の温度で安定したシールが可能で厚手のフィルムや特殊な材質のフィルムにも対応できます。
なお、エンドレスシーラーではヒート式が主流です。
連続シールに適しており、均一なシール品質を実現できます。

インパルス式

電流を瞬間的に流して発熱させ、フィルムを溶着する方式です。
卓上バッグシーラーや足踏み式シーラーで多く採用されています。
シール時間は短く、消費電力も比較的少ない特徴があります。

エンドレスシーラーの選び方

包装されたクッキー

エンドレスシーラーを選ぶ際には、以下の点を考慮しましょう。

内容物の種類

内容物の種類によって、適切なエンドレスシーラーの機種や機能が異なります。
例えば、液体状を含む食品には錆対策が施された水物対応の機種、粉末状の食品は粉漏れを防ぐために縦型の機種というように、内容物に適したシーラーを選ばなくてはなりません。
さらに内容物の形状も考慮し、不定形な食品や大きなサイズの食品には、それに合わせたシーラーのサイズや形状を選ぶ必要があります。
 
特に衛生面が重視される食品業界では、適切な熱溶着により内容物に合わせてしっかりと密封できるシーラーの選定が、食品の安全性と品質の維持につながります。

包装資材の種類

使用する包装資材に合わせたシーラー選びも大切なポイントです。
使用するフィルムの材質、厚さ、形状によって、適切なシーラーの種類や設定が変わります。
例えば、包装資材にはPE、PP、ナイロン、アルミ蒸着フィルムなど、さまざまな材質のフィルムがあり、適したシール温度や圧力がそれぞれ異なります。
 
厚みのあるフィルムや多層構造のフィルムには、より強力なシール能力を持つシーラーが必要です。また、特殊なフィルムを使用する場合、スタンダードタイプのシーラーでは対応できない可能性もあります。
 
包装資材メーカーに相談するなどして、使用するフィルムと適合するエンドレスシーラーを選びましょう。誤ったシーラーを選定すると、シール不良による品質劣化や生産性の低下に繋がるおそれがあります。

シール能力

エンドレスシーラーのシール能力は、製品の品質に直結する重要な要素です。
シール能力は、シール速度、シール幅、シール強度などで評価されます。
 
シール速度は、1分間にシールできる速さを表すもので、生産量に大きく影響します。
シール幅は、一度にシールできる幅を表すもので、包装資材のサイズに合わせて適切な幅のシーラーを選ぶことが大切になります。
シール強度は、シール部分の耐久性を示すもので、内容物の漏れや外部からの異物混入を防ぐうえで重要な要素となります。
 
内容物の種類や包装資材の特性、そして必要な生産量に合わせて、最適なシール能力を持つエンドレスシーラーを選びましょう。高いシール能力を持つシーラーは、生産性を向上させ、製品の品質安定に役立ちます。

処理能力

エンドレスシーラーの処理能力は、1時間または1日あたりに処理できる製品の量で表されます。
処理能力は、シーラーのサイズ、ベルトコンベアの速度、そして内容物のサイズや形状などによって変わります。
大量生産を行う食品工場では、高い処理能力を持つエンドレスシーラーが必須といえるでしょう。
 
処理能力が低いシーラーを選ぶと、生産ラインのボトルネックとなり生産効率が低下する可能性があります。反対に必要以上に処理能力の高いシーラーを選定すると、初期投資やランニングコストがかさむ可能性があります。そのため、将来的な生産量の増加も見据えつつ、現状の生産量に最適な処理能力を持つエンドレスシーラーを選ぶようにしましょう。

操作性・メンテナンス性

エンドレスシーラーの操作性とメンテナンス性は、作業効率や運用コストに大きく影響します。
操作パネルが分かりやすく操作が簡単なシーラーは、作業者の負担を軽減し、作業ミスを減らすことに繋がります。
また、エンドレスシーラーの運用にあたっては、消耗品の交換や定期メンテナンスが必須です。
そのため、消耗品の購入やメンテナンスにかかるランニングコストを事前に把握し、機種選びの際に比較・検討すれば、より経済的なシーラーを選べるでしょう。
 
さらに、故障診断機能や自動停止機能など、安全性を高める機能も重要です。
操作性とメンテナンス性に優れたエンドレスシーラーを選べば、作業効率の向上や運用コストの削減のほか、安全な作業環境も維持できます。

オプション機能(プリンター・脱気・ガス充填など)

エンドレスシーラーには、プリンター、脱気装置、ガス充填装置など、さまざまなオプション機能があります。
例えば、プリンター機能は、製造日や賞味期限などの情報を包装材に印字でき、製品管理の効率化に役立ちます。脱気機能は、包装内部の空気を除去することで、食品の酸化や腐敗を防ぎ、賞味期限を延長できます。
ガス充填機能は、包装内部への窒素や炭酸ガスなどのガス充填により、食品の鮮度保持や風味の劣化を防ぎます。
 
これらのオプション機能は、製品の品質向上や付加価値向上に繋がるため、必要に応じて検討する価値があるでしょう。
ただし、オプション機能を追加すると導入コストがアップするため、費用対効果を考慮して選択することが重要です。

エンドレスシーラー導入時の注意点

ポイント

ここからは、エンドレスシーラーを導入する際に知っておきたい注意点を解説します。

設置スペースに応じた機種選定

エンドレスシーラーは、卓上型と床置き型の2タイプがあります。
卓上型は省スペースで設置できるため、小規模事業者や限られた作業スペースに最適です。
一方、床置き型は大型で処理能力が高いため、大量生産を行う食品工場などに適しています。
 
設置スペースや使い勝手、想定する食品の生産量などに合わせ、どちらのタイプにするかを決めましょう。
また導入時には、オペレーターが安全に作業できる十分なスペースを確保したレイアウトを考えることも必要です。
作業スペースや資材を置くスペース、搬入経路なども考慮して、最適な機種を選びましょう。

コストパフォーマンスの検討

エンドレスシーラーの導入コストは、機種や機能によって大きく異なります。
初期費用だけでなく、ランニングコスト(電気代、メンテナンス費用、消耗品費用など)も考慮し、長期的な視点でコストパフォーマンスを評価しましょう。
 
例えば、初期費用が高い機種でも、省エネ性能が高ければ光熱費を抑えられる場合もあります。
また、耐久性が高い機種はメンテナンス頻度が少なく、長期的に見ればランニングコストを大幅に抑えられるかもしれません。
導入前に複数製品を検討し、メーカー保証の内容なども確認しながら、自社の運用スタイルに合った機種を選びましょう。
リース契約も選択肢の一つです。

安全性の確認

エンドレスシーラーは、加熱されたベルトや刃物を使用するため、安全性に配慮された機種選びも重要になります。
安全カバーや緊急停止ボタンの有無、操作パネルの分かりやすさなどを確認しましょう。
 
また、導入後は定期的な点検やメンテナンスを行い、常に安全な状態を維持することが大切です。
作業者の安全教育も徹底し、正しい使用方法や安全手順を理解させましょう。
食品衛生の観点からも、清掃しやすい構造であるか、異物混入対策が施されているかなどのチェックが欠かせません。

エンドレスシーラーの種類とおすすめ機種

ここからは、卓上型・床置き型それぞれのタイプでおすすめの機種を紹介します。

卓上型

卓上型のエンドレスシーラーは比較的コンパクトで設置場所を選ばないメリットがあります。
小規模事業者や、省スペースでの運用に最適です。

株式会社シロ産業 印字機能付小型エンドレスシーラー M2397T-281EP

M2397T-281EP

店舗や小規模工場にも設置しやすいコンパクトサイズの卓上型エンドレスシーラー。
数字や英字、ひらがなカタカナ、漢字に対応した印字機能付で、最大2段×20文字合計40文字の組み合わせ印字が可能です。
ステンレスボディで錆びにくく、食品工場に最適です。

シール栄登株式会社 卓上型コンパクトシール機 匠 TM15-V5

TM15-V5

菓子などの小袋包装にも最適な卓上型エンドレスシーラーです。
上下ヒーターと圧着ローラーで、厚みのある背貼り袋や高温が必要なアルミ蒸着ガゼット袋もしっかり溶着します。
熱シール方式で1日中の連続使用でもスムーズな作業が可能です。

床置き型

床置き型は大型で安定感があり、連続使用による大量生産を可能にする耐久性を備えています。 中~大規模工場、大量生産ラインなどの現場に適しています。

株式会社シロ産業 ステンレスエンドレスシーラー M83SES200-15

M83SES200-15

錆に強いステンレス製で、好みの速度に変速可能なスピードコントロールを内蔵したエンドレスシーラーです。
強力圧着タイプを標準で装備し、食品の品質を保持します。
オプションにてプリンター機能や脱気システムの搭載も可能です。

シール栄登株式会社 真空脱気・ガス充填ロータリーヒートシール機 SEVG190

SEVG190

真空脱気とガス充填機能を1台で備えた多機能型のエンドレスシーラーです。
真空脱気によって脱酸素剤などの効果を促進できるため、食品の鮮度やおいしさを長く保ちます。
工具を使用せず脱着できるコンベヤを採用し、メンテナンス性にも優れた機種です。

エンドレスシーラーの選定なら折兼へ

エンドレスシーラーは、食品ごとの特性を踏まえた機種の選定が必要です。
折兼は、多様なメーカーや機種の中から、お客様の用途・予算に合わせた最適な一台をご提案いたします。

もちろん、購入後のアフターフォローも万全です。
消耗品や部品の供給はもちろん、メンテナンスや修理にも迅速に対応いたします。
エンドレスシーラー導入に関するご相談、お見積り依頼など、お気軽にお問い合わせください。

エンドレスシーラー導入で生産性・品質アップ

エンドレスシーラーは、ベルトコンベアで製品を送りながら連続的にシールできるため、特に大量生産の現場で威力を発揮します。
導入を検討する際には、今回紹介した内容を参考に、自社のニーズに合った機能・性能を備えたシーラーを選んでください。
エンドレスシーラーの導入により、人手不足の解消、生産性向上、コスト削減を実現し、更なる事業成長を目指しましょう。

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