
スキンパック(真空パック)はヨーロッパではメジャーな包装
スキンパック(真空パック)とは、トレー・台紙・エアキャップ・フィルムなどの上に製品を置き、加熱したフィルムを上から被せ、同時に機械の下から空気を抜き、フィルムを製品とトレーなどに密着させて行う包装方法です。
ヨーロッパではメジャーな包装方法で、アメリカやアジアでも近年広がってきています。
近年、日本でもフードロス削減やプラスチック削減の観点から広がり始めました。
製品に隙間なく密着させる包装

機械上部にある加熱した蓋材フィルムが製品に被さり、密着すると同時に下から空気を抜いて固定、包装する方法で、ヨーロッパではメジャーになっており、特に精肉を包装する上で多く用いられており、理由としてMAP包装と比較すると消費期限が長く、ドリップの封じ込めができるためと考えられます。
また、ブリスターパックと違い、包装をするための金型は必要ないため、様々な形やサイズの異なるものを同時に包装することができます。
本来の形を保つ真空パック
製品の形に合わせて密着、シールされるので形が崩れることなくドリップの流出も抑えられます。
フィルムの種類にもよりますが、魚の骨や貝殻など硬い製品、先が尖った製品や豆腐やイクラといった潰れてしまうような柔らかい製品でも綺麗に包装することができます。
密着により製品の視覚効果を高める

スキンパック包装すればドリップの流出が抑えられるため、製品を横に倒したり、立たせたり、壁に掛けたりなどの様々なディスプレイが可能となります。
また、台紙をデザインすることで綺麗な見た目となり、付加価値を付けることができます。
空気遮断で消費期限の延長

製品の形が崩れることなく本来の形を保ち、密着による視覚効果を高めるほかにも、真空包装で製品に密着することで鮮度保持ができ、シェルフライフ向上も期待できます。消費期限の延長によりフードロスの削減にも繋がるため結果的に生産に掛かるコストの削減にもなります。
スキンパック(真空パック)に使用される包装材料
スキンパックに使用されるスキンフィルムはEVA(エチレン―酢酸ビニル共重合体)等のオレフィン系樹脂層/PVDC(塩化ビニリデン樹脂)、EVOH(エチレン―ビニルアルコール等のバリア層)/EVA、アイオノマー樹脂等のシートシール層で構成されたフィルムを使用します。
その他にも、さらに強度が必要であればナイロンを構成に組み込んだりします。
アイオノマーフィルムの特徴
アイオノマー樹脂は米国のデュポン社が開発し、日本でも三井ダウ・ケミカル社が同じ製法でアイオノマー樹脂の製造を始め、「ハイミラン」という商品名で販売をしています。
ヒートシール性、透明性、強靭性、耐摩耗性、耐低温特性に優れた樹脂です。
代表的なフタ材(フィルム構成)
- オレフィン系樹脂層/PVDC層/アイオノマー層
- オレフィン系樹脂層/接着層/PVDC層/接着層/アイオノマー層
- オレフィン系樹脂層/接着層/PVDC層/オレフィン系樹脂層
- オレフィン系樹脂層/接着層/PVDC層/接着層/オレフィン系樹脂層/アイオノマー層
- オレフィン系樹脂層/オレフィン系樹脂層/接着層/PVDC層/接着層/オレフィン系樹脂層/アイオノマー層
- オレフィン系樹脂層/オレフィン系樹脂層/接着層/PVDC層/接着層/オレフィン系樹脂層/オレフィン系樹脂層
代表的なスキンフィルムはとしては上記の積層フィルムがあげられます。
共押出しラミネートのフィルムが主流です。
代表的な底材
フタ材と同様な構成を持ったシート、オレフィン系樹脂層/PVDCもしくはEVOH/オレフィン系樹脂層。また、環境対応化底材として紙との複合使用でプラスチックの使用量を削減した物も多く使われております。
深絞り包装、MAP包装、真空包装との比較

スキンパック包装とは
台紙と内容物を熱で温めたフィルムで隙間なく密着させ、真空状態にする包装方法。
内容物に密着しているため、他の包装形態よりドリップが出にくく、保存期間を延長できます。
真空包装とは
密封したプラスチックなどの包装袋内の空気を吸引して脱気することで包装の内部を真空状態にすることで内容物である食品の劣化を防ぎます。
深絞り包装とは
ボトム材(底材)を金型に合わせて成形し容器状にします。
その成形部分に内容物を入れた後、トップ材(フタ材)でフタをするように真空、熱圧着を行い内容物である食品の劣化を防ぎます。
MAP包装とは
パッケージ内の空気を製品に適したガスに置換する事で、内容物の食品の劣化を防ぎます。
使用される多くのガスは二酸化炭素、窒素そして酸素です。
それぞれ包装形態は異なりますが、味や風味も損なわれないロングライフ商品の開発に貢献しています。
スキンパック包装機の価格と導入方法

スキンパックできる包装機は様々な種類があります。
1台あたり税別で約340万円程(参考価格)ですが、別でフィルム代も掛かります。
それでも実際に導入するには、どの包装機を選べば良いか悩んでしまいますよね。
そのような時でも、ご安心下さい。
折兼ではお客様にあった包装機のご提案ができますので、是非一度お問い合わせ下さい。
他にも様々な種類の機械を取り扱っておりますので、お気軽にご相談下さい。
スキンパックでフードロス削減に貢献
スキンパック(真空パック)に切り替えることによって、消費期限を延長することができます。
そのため、廃棄にかかるコストが減り、売り切るために値下げする回数も減らすことができます。
一部のスーパーではフードロスを減らす目的でスキンパック商品を増やしております。
包装資材の変更によって資材コストが増えたとしても、廃棄コストや値下げ販売の削減で十分カバーできるとのことです。また、牛肉の場合、CO₂削減効果も大きく、一石二鳥というわけです。
コロナ禍の折、賞味期限の長い商品の需要が増えており、ロングライフ化は現在のライフスタイルに即しており、ますます増えると言えます。