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充填機とは?食品工場に導入するメリット、機種の選び方など分かりやすく解説

2025.05.30

充填機とは?

充填機

充填機とは、ボトルやパウチ、パックなどの容器に内容物を自動で詰める機械のことです。
容器内に充填するものの種類によって液体充填機、粘体充填機、粉末充填機、固体充填機に分けられます。充填機は食品の製造現場で多く用いられるほか、医薬品製造、化粧品製造など、さまざまな現場で使用されています。

充填機の仕組み

充填機の特徴は、常に定量で充填できる機械であることです。
定量方法は充填物の重量で判断する計量式、充填物の容積で判断する容積式の2種類があります。
また、上記2種類に比べると精度は劣るものの、充填する時間の長さで定量を計る機械もあります。

いずれかの方法で機械にセットされた充填物を計量し、決められた量をポンプで自動的に容器へ送り込む仕組みです。

食品工場で充填機を導入する3つのメリット

食品工場使用する充填機

食品工場において充填機を導入するとどのようなメリットが期待できるのでしょうか。
ここでは、3つのポイントを紹介します。

充填作業や計量を自動化できる

充填機を導入する一番のメリットは、食品の充填や計量を自動でできるようになることです。
コンピューター管理でスピーディに作業できるため、手作業に比べて格段に生産性がアップします。1日の製造数が数千個に達する大規模な工場では、充填機の導入が不可欠といえるでしょう。
 
また、手作業にありがちな生産力のバラつきも生じないので、生産計画が立てやすくなるのもメリットです。

コストを削減できる

充填機を導入すると、製造現場のコスト削減にもつながります。
 
従来の手作業による計量・充填作業で高い生産能力を維持しようとすると、多くの従業員と広い作業スペースを確保しなければなりません。
充填機を導入すれば、計量・充填作業に従事する人員を減らせるので人件費を削減できます。
省スペース化により作業スペースを縮小できるため、作業性の向上にもつながるでしょう。
 
加えて、従業員の作業が補助的なものになり、高度な技術を持つ人材でなくても対応できるようになるのもポイントです。
そうした人材を他の重要な作業に配置替えできれば、さらなる生産性向上につながります。
 
また、充填機なら製造能力の調整もしやすいので、季節によって需要にバラつきがある商品の製造現場でも使いやすいというメリットもあります。充填時の作業ミスによる食品ロスも発生せず、ヒューマンエラーによるコスト増加も防げるでしょう。

商品の品質向上につながる

充填機により計量・充填作業が自動化されると、商品の分量や品質が安定するようになり、製品の品質向上につながる点も大きなメリットです。
機械のメンテナンスをしっかり行えば異物混入のリスクも軽減できるため、食の安全を確保することにもつながります。
 
さらに、充填機導入に伴うコンピューター管理によって製造過程のデータ追跡ができるようになるので、出荷後の製品に何かトラブルがあったとしても原因を特定しやすくなる点も魅力です。
原因を早期に特定できればトラブルへの対応も早く行うことができ、顧客や取引先からの信頼回復も早くなる可能性があります。

食品向け充填機の種類と主な用途

食品向け充填機

食品向け充填機は大きく分けて5種類あります。
主な用途をまとめると次の通りです。

チューブポンプ式充填機 プリン、ゼリー、醤油、ポン酢、ドレッシング、ジュースなど
ロータリー式充填機 マヨネーズ、ジャム、カスタードクリーム、ジュレ、おかゆなど
スクリュー式充填機 小麦粉、片栗粉、塩、コショウ、コンソメなど
振動フィーダー式充填機 砂糖、ふりかけ、コーヒー豆、フレーク、たまごボーロなど
ピストン式充填機 味噌、鶏肉、いくら、ポテトサラダ、麻婆豆腐など

各充填機について、以下で詳しく紹介します。

チューブポンプ式充填機(液体充填)

チューブポンプ式充填機は、鍋や寸胴などの大きな容器に入れた充填物をポンプで吸い上げ、チューブを使って容器に充填する機械です。充填時に計量機で液体量を計測します。
主に、プリンやゼリーなどの液体を充填する際に使用されます。

ロータリー式充填機(粘体充填)

マヨネーズ、カスタードクリームなど粘り気のある食品の充填にチューブポンプ式を使おうとすると、チューブ内で食品が詰まってしまい上手に充填することができません。
そこで用いられるのがロータリー式充填機です。
機械の上部にある漏斗のような部分に投入した充填物が2つのローターのついたポンプを通過することで、スムーズに容器へ充填されます。

スクリュー式充填機(粉体充填)

スクリュー式充填機は、その名の通り、スクリューの回転によって粉末を計量・充填する機械です。スクリューの回転数によって計量する方式のものと、計量機で量を確認しながら充填する方式のものがあります。
スクリューを使用することで形が崩れてしまったり、スクリューとの摩擦熱で風味や香りが損なわれてしまったりするため、粒の大きな固体の充填には適していません。

振動フィーダー式充填機(固体充填)

スクリュー式充填機での充填が難しい、コーヒー豆やたまごボーロなどの固体を充填するのに使われるのが振動フィーダー式充填機です。食品を投入すると振動するプレートの上へ流れるようになっており、その振動を使って計量・充填を行います。
スクリュー式に比べて粉じんが舞い上がりにくいため、粒子が細かくて軽い粉末を充填するのにもおすすめです。

ピストン式充填機

スピーディかつ正確な計量・充填を行いたい場合、ピストン式充填機を用いるのが適しています。
ピストン式充填機はシリンジ充填機とも呼ばれ、吸い込んだ充填物を容器に吐き出して充填します。これは注射器と同じ原理で、毎回定量を吸い込むため、計量の精度が高いのが特徴です。
また、1回200cc以上の大量充填を行う現場にもピストン充填機が向いています。

充填機選びのポイント

食品向け充填機_2

食品向け充填機は5種類あると紹介しましたが、どのような基準で選べばよいのでしょうか。
充填機を選ぶ際に意識したい3つのポイントを紹介します。

充填する内容物の種類に合っているか

上で紹介したように、充填機の種類によって充填物の向き・不向きがあります。
充填したい内容物が液体なのか、それとも粘体や固体なのかによって、使用する充填機を選ぶのが基本です。
また、一度に大量の食品を充填したい場合にはピストン式充填機を選択するなど、1回あたりに充填する量も意識するとよいでしょう。

十分な費用対効果が期待できるか

充填機を選ぶ際には費用対効果も検討する必要があります。
充填機は使用する工場の製造能力や充填物の種類に合わせて適宜オプションを付けていく、いわば「セミオーダー」の機械です。
よって、数万円程度で導入できるケースもあれば、反対に数百万円、数千万円の投資が必要になるケースもあります。

こうした前提を踏まえ、機械を導入した場合の初期費用と製造数を試算し、手作業で行う場合と比べてどれくらい効率化できるのかを慎重に検討すべきです。
検討の結果、投資分を十分に回収できるようであれば導入してもよいでしょう。

どこまでの作業を自動化したいか

充填機は、自動化する範囲によって全自動充填機と半自動充填機に分けられます。
 
全自動充填機は、前の工程からの食品の輸送から容器のセット、充填後の次の工程への輸送までの全てを自動化できる機械です。
対する半自動充填機は、メインとなる計量・充填作業のみ自動で行い、容器のセットや作業開始の指示は手作業で行わなければなりません。
 
より高い効率を求めるのであれば全自動がおすすめですが、大きな設置スペースが必要になるうえ、導入コストも高くなります。
必要な製造能力や設置可能なスペースの広さなども踏まえ、適した機械を選ぶことが大切です。

オススメの充填機をご紹介

充填機の導入を検討している食品工場の担当者の方へ、オススメの充填機をご紹介します。
以下では、小型充填機でトップシェアを誇るナオミの充填機を3種類取り上げます。

ハンディ充填機 DTZシリーズ

1つ目に紹介するのは、家庭用炊飯器と同程度のコンパクトなハンディ充填機です。
チューブ式充填機となっており、チューブを交換するだけで液体充填と粘体充填の両方を行うことができます。
チューブ交換で多品種の充填に対応できるため小ロットで多くの種類を取り扱う現場に最適です。
充填量をタイマー制御する機械のほか、より精度の高い計量ユニット付きの機械もあります。

パズル充填機 RD703シリーズ

2つ目に紹介するのは、内容物の重さによる計量で高い精度を実現するロータリー式充填機です。
ヘッド部分を交換すれば、液体・粘体・粉体の充填が可能であり、1台でさまざまな食品に対応できるのが特徴となっています。
ヘッド部分の交換は約1分で完了するため、複数の食品をスピーディに切り替えながら充填する必要がある場合にも向いています。

ロータリー充填機 RX02-AT(大型)

3つ目に紹介するのは、コンベアラインのある大規模な食品工場への導入に最適な大型ロータリー式充填機です。
下にキャスターが付いているので既存の製造ラインの横に移動させるだけで簡単に設置できます。
粘体の充填に向いており、ラインや容器の高さに合わせて昇降調整ができるのもポイントです。
ヘッド部分の取り外しや洗浄もしやすくなっているので、衛生管理の厳しい大規模工場でも安心して使用できます。

充填ラインを強化したいなら折兼へご相談を!

上でも紹介したように、一定以上の規模のある食品工場に充填機を導入する場合、既存の製造ラインへの組み込みが必要となります。
また、充填機は充填物や使用する容器の種類によって適したものが異なるため、数多くある機種のなかから最適なものを選ぶには、豊富なノウハウや専門知識が求められます。
そのため、現場への充填機導入を検討するときには、まず充填ラインのプロに相談するのがおすすめです。
 
折兼は、今回紹介したナオミの充填機をはじめとする複数のメーカーの機械を組み合わせながら、オーダーメイドの最適な充填ラインを提案することが可能です。
現場ごとのご要望と予算に応じた充填ラインの強化を検討しているなら、折兼の機械担当までぜひご相談ください。

充填機の導入でコスト削減や商品の品質向上も実現可能

充填機を食品工場に導入すれば、これまで手作業で行っていた充填・計量を自動化することができます。それにより製造を効率化できるほか、コスト削減や商品の品質向上も実現可能です。
 
充填機の導入効果を高めるには、充填する内容物や自動化したい作業範囲などに応じて、適した種類の機械を選ぶ必要があります。
しかし、充填機は導入する食品工場の状況に応じたセミオーダーが基本であり、選定には専門知識が求められるでしょう。
 
費用対効果の高い充填機の導入により生産の効率化を実現したいなら、充填ラインの提案・導入に長けた折兼にぜひご相談ください。

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