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アップサイクルとは?言葉の意味や事例について紹介

2023.03.24

世界的に廃棄物の削減や有効活用の取り組みが進んでいる

3R

現在、世界的に3R(リデュース、リユース、リサイクル)が重要視され、廃棄される資源を再生資源として新たな商品に生まれ変わらせる取り組みが積極的に行われています。
また、近年ではリサイクルの他にもアップサイクルの取り組みが注目を集めており、日本国内でも少しずつ認知度が高まっています。

この記事では、アップサイクルの特長やその取り組み事例についてご紹介します。

アップサイクルとは?

アップサイクルとは、廃棄予定だった材料に手を加えることで価値を見出し、新たな商品に生まれ変わらせることを指しています。素材のカタチや特徴を活かしてより良い製品へと作り替えることから「クリエイティブ・リユース(創造的再利用)」とも呼ばれています。

例えば、履き古したジーンズや古着からトートバッグ、ポーチ、ぬいぐるみを作ったり、廃棄楽器を使ったインテリア雑貨を作るなどの取り組みが行われています。

アップサイクルの起源

金継ぎ

アップサイクルの始まりは1994年、ライナー・ピルツ氏が「SALVO News」というドイツメディアでアップサイクルダウンサイクルについて話したことが起源であると言われていますが、日本でも古くからアップサイクルと同様の取り組みがされていたと考えられています。

江戸時代、サイズオーバーしてしまった着物を仕立て直したり、新たな着物や風呂敷にリメイクされることが多くありました。また、「金継ぎ」といった割れや欠けが発生した陶器に金粉で修復をする修理方法など、古くからアップサイクルと同様の取り組みがされていました。

しかし、高度経済成長期やバブル景気によって大量生産・大量消費・大量廃棄の思考が高まったことで廃棄量が増えて世界的に環境問題が深刻化し、アップサイクルの取り組みが重要視されるようになったと考えられています。

リユースやリサイクル、他の再生方法との違い

アップサイクルとリユース、リサイクルなどの他の再生方法は一見同じ取り組みとして考えられがちですが、それぞれ違う意味を持っています。

アップサイクルとリユース

リユースの事例

リユースとは、一度使われた商品をアレンジすることなく繰り返し使用することを指しています。壊れた部分を修理したり、新たなユーザーへ譲ることが主な事例です。そのため、元の製品に手を加えるか加えないかで大きな違いがあります。

アップサイクルとリサイクル

リサイクルの事例

リサイクルとは、廃棄されるものの中から使えるものを取り出して、原料や材料として再利用することを指しています。廃棄原料の再利用という点では同じ意味を持ちますが、アップサイクルは元の製品から新たな商品を作り出すという点で大きな違いがあります。

アップサイクルとリメイク

リメイク

リメイクには「仕立て直し」や「作り直し」という意味を持っており、元の製品に手を加えることで価値を見出して新たな商品にすることを指しています。アップサイクルと比較すると同じ取り組みのように思われがちですが、元の製品より価値が下がる可能性がある点で、アップサイクルとの違いがあります。

ダウンサイクルとは

ダウンサイクルの事例

アップサイクルと逆の意味を持つものがダウンサイクルと言われています。
新しい商品に生まれ変わる点ではアップサイクルと同様ですが、本来の商品よりも価値や質が下がる手法がダウンサイクルと定義されています。
 
例えば、新聞紙を再生してトイレットペーパーにしたり、古着をぞうきんとして使用する、使い古した歯ブラシを掃除用のブラシとして活用するなど、いずれごみとして廃棄され、継続性の無いリサイクルが事例として挙げられます。

アップサイクルのメリットについて

アップサイクルに取り組むことで環境問題負荷低減効果の他にもさまざまなメリットがあります。

ものの寿命を延ばすことができる

寿命を延ばす

不要になったものを新たな商品に作り替えて、別の商品として生まれ変わるため、物の寿命を延ばして商品をより長く使い続けることができます。

環境負荷低減効果がある

本来廃棄物となる資材を原料に新たな商品を作っているため、廃棄物の量を削減することができ、環境負荷を最小限に抑えることができます。また、廃棄量が削減されるため、焼却や埋め立ての回数を減らすることができ、無駄なエネルギーの削減にも繋がります。

SDGsの取り組みに繋がる

SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」

アップサイクルはSDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」と強いかかわりを持っています。大量消費の思想で資源の枯渇問題が発生していましたが、アップサイクルによって資源使用量の削減に繋がるため、持続可能な社会の実現に貢献することができます。
また、ESG経営が広がっている現代、取り組み自体が企業のPRにも繋がります。

異業種との連携がしやすい

アップサイクルによって、元の商品と全くジャンルが異なる商品に生まれ変わることができるため、異業種との連携した取り組みに発展しやすいです。また、新たな取り組みとして注目されやすいというメリットもあります。

アップサイクルのデメリットについて

環境問題やSDGsの取り組みに貢献できるメリットが多数ありますが、通常の商品製造と比べるといくつかのデメリットも発生します。

手間やコストが発生する

アップサイクルの場合、本来捨てられていた資材を新たな商品に作り替えるため、従来廃棄するよりも手間やコストが発生する可能性があります。

資材を安定的に確保することが難しい

社会で不要となったものが廃棄物として材料になるため、廃棄物を安定的に確保し続け、ビジネスとして成り立たせていくことが難しいです。

廃棄物ゼロには繋がらない

アップサイクルによって製品を製造しても、通常のものと同様、使い続けることで劣化していくため、いずれは廃棄され、廃棄物ゼロに繋がる取り組みではありません。

アップサイクルの事例

日本国内でも、食品やアパレル、インテリアなどさまざまな業界の企業がアップサイクルの取り組みに挑戦しています。
この章では、食品業界の事例を中心にアップサイクルの取り組み事例について紹介します。

廃棄される植物から作られた食品容器(折兼)

バガス

折兼では、環境問題への取り組みに真摯に向き合っています。
そこで、プラスチックの使用量を削減するために、廃棄される植物を原料として有効活用した植物由来の食品容器「バガスシリーズ」の商品展開に力を入れています。

バガスとはさとうきびの搾りかすのことで、バガスと共に成長が早い竹や麦の可食部を取り除いた麦わらを混ぜ合わせた素材で食品容器を製造しています。
本来廃棄されている植物を原料として使いアップサイクルすることで、石油原料の使用量削減に繋がるだけでなく、二酸化炭素の排出量削減にも貢献できます。
 
さらにバガスシリーズは一定の自然環境で分解する生分解性を有しており、使用後は堆肥化させて植物栽培の土壌改良材として活用することで廃棄物の削減にも繋がります。

コーヒー殻を有効活用したバイオマスカトラリー(やなぎプロダクツ)

コーヒーバイオカトラリー

やなぎプロダクツはライフスタイルが多様化する中、地球資源を有効活用することを目指し、成長の早い竹材や植林材を利用した割り箸、カトラリーの開発などに力を入れております。

中でもコーヒーバイオカトラリーは、コーヒー生産会社の工法で、飲料コーヒーを抽出した後に役目を終えたコーヒー豆の搾りかすを有効活用して作られています。
コーヒーと樹脂を合成して成型することで、プラスチック使用量を削減し、コーヒーバイオマス配合の環境対応品としてアピールすることができます。

フードロス削減に繋がる商品の開発(オイシックス ラ 大地)

ここも食べられるシリーズ

オイシックス・ラ・大地は「これからの食卓、これからの畑」の経営理念のもと、フードロス削減に繋がる活動を積極的に進めています。ふぞろい野菜を有効活用したジャムや惣菜、スープなどの商品の開発で廃棄予定だった多くの野菜を救っています。

中でも「ここも食べられるシリーズ」は特に注目されています。このシリーズは、商品製造の際に廃棄されていたリンゴやパイナップルの芯、ブロッコリーの茎、大根の皮やナスのヘタをアップサイクルでチップスとして新たな商品にしています。

廃棄食材で作られた除菌ウエットティッシュ(ファーメンステーション)

お米とりんごの除菌ウエットティッシュ

ファーメンステーションでは独自の発酵技術で未利用資源の再生・循環に取り組んでおり、廃棄物を出さない循環型プロセス実現のほか、フードロス削減にもつなげています。

中でも「お米とりんごの除菌ウットティッシュ」はシードル(りんごの果汁を搾り、発酵させて作るお酒)を製造する過程で生まれるりんごの搾りかすから作られた除菌ウエットティッシュです。
未使用資源の有効活用だけでなく、エタノール精製後の蒸留残渣は家畜飼料として活用しており、廃棄物を出さない循環型プロセスを実現した商品です。

デッドストック品から作られたトートバッグ(BEAMS)

BEAMSでは、衣服の廃棄ロス削減を目指したプロジェクトの1つ「ReBEAMS」を2021年より開始しており、その一環として経年変化によって販売出来なくなったデッドストックの衣服をアップサイクルしたトートバッグを販売しています。

ポケットやボタンなど、生かせる部分をそのまま使っているほか、柄や色が人と被ることなく全て1点ものである魅力より、2021年の「Makuake(マクアケ)」での先行受注販売では達成率300%強を記録しました。また、アップサイクルだけでなく、マイバッグとして持ち歩くことでプラスチック削減にもつながっています。

家でもできるアップサイクル

家でもできるアップサイクル

家でもできるアップサイクルの取り組みとして、お菓子の袋からできたポーチや、カフェの紙袋をアップサイクルして作られた財布、ペンケースなどがあります。

他にも空き缶に塗装を施し、ランタンやプランターにしたり、古着でエコバックやティッシュケースにするなど、使わなくなったものからいろいろな商品を作り出すことができます。
このように、ご自宅でもアイデア次第で簡単に楽しくアップサイクルに取り組むことができます。

不要になったものを活用してアップサイクルに取り組もう

日本国内において、アップサイクルの認知度はまだまだ高くありません。
しかし、これからの持続可能な社会の実現に向けて、とても大切な取り組みで、私たちの身近でも不要になったものを活用してアップサイクルに挑戦することができます。
 
ぜひ、身近なものを使ってアップサイクルに取り組んでみてはいかがでしょうか。

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