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フードロス(食品ロス)削減への取り組みとは?国内外の現状や原因、取り組みについても解説

2021.08.24

フードロスは世界的な問題

フードロスが世界中で問題視されるなか、日本も削減に向けて法の制定や改正を進め、根本原因の改善に取り組んでいます。フードロスへの取り組みはどんどん進められているため、食品関連事業者は特に知識を深めておくことが必要でしょう。
本記事では、国・各団体が行なっている取り組みや国内外の現状を、フードロスの原因と併せて解説します。

フードロス(食品ロス)とは?国内外の現状

まずは、フードロスの概要と、国内外の現状を確認しましょう。

フードロス(食品ロス)とは

フードロスとは、まだ食べられるものであるのに捨てられてしまう食品のことです。肉や魚の骨や皮、貝類などの殻、果物の皮や芯、種といった、もとから食用には適さない部位の廃棄物はフードロスにあたりません。

フードロスは食品ロスともいわれ、近年ではニュースで取り上げられたり、企業の取り組みとして注目されたりするようになりました。比較的新しい社会問題のように感じますが、30年ほど前から既に問題が提起されており、時間をかけて問題意識が定着したのです。

日本の現状

日本におけるフードロスの現状は、非常に厳しい状態です。年間に発生する食品廃棄物等は2,550万トンとされ、そのうち646万トンがまだ食べられる状態で廃棄されたといいます。
※農林水産省・環境省「平成27年度推計」

この数字は、1,770台分の10トントラックが毎日廃棄されているのと同等で、国民1人に換算すると年間約48キログラムにものぼります。国民1人あたりの年間の米の消費量が約54キログラムのため、毎日茶碗1杯分のご飯を捨てているような状態です。
その一方、日本の食料自給率は38%にとどまり、多くの食料を輸入に頼っています。フードロスが問題視されていながらも海外から食料を輸入するという、非常にちぐはぐな状況にあるといえるでしょう。
もちろん、食品廃棄物の処理にはコストがかかります。食べられるはずだった食品の処理も含めて、年間約2兆円もの税金が使われています。

海外の現状

フードロスは日本だけの問題ではありません。世界規模で見ると、人が消費するために生産した食料は約40億トンであるのに対し、食品廃棄量は年間約13億トンです。およそ1/3を廃棄していることがわかります。
一方で、約8億人もの人々が飢えや栄養不良に陥っているとも発表されました。そのうち、飢えや栄養不良による発育阻害に苦しむ5歳未満の子供は約1.5億人にものぼります。このように、世界においても飢餓と廃棄のバランスは取れていません。

フィルムがフードロス削減にもたらす効果

食品包装資材をトレーからフィルムに変えることで食品の賞味期限を延ばすことも可能になります。
賞味期限を延ばすことで食べ残しや直接廃棄といった問題対策をすることが出来ます。
具体的な方法としては、下記の方法を採用することで食品の酸化を防ぎ、カビが生えるのを抑制することが出来ます。

  • ガスバリア性をもったフィルムを使用する
  • 真空包装やガス置換包装を使用する
  • 脱酸素剤を封入する

フードロス(食品ロス)が発生する原因と対策

この章では、フードロスが発生する原因と対策を3つ確認していきます。

食べ残しによる原因と対策

フードロスが生じる原因の一つが「食べ残し」です。
家庭でも、次のようなことが頻繁に起こってはいないでしょうか。

  • 料理を作りすぎて食べきれず、余ってしまう
  • 家族や子供が苦手な食材を残してしまう
  • 料理を作ったあと、放置したまま忘れてしまう
  • 作った料理を保存したけれど、別の料理を食べて余らせてしまう

飲食店などの食品関連事飲食店などの食品関連事業者や家庭でできる対策としては、以下が挙げられます。食べ残し対策は、食品の量や保存方法の適切な管理をすれば、比較的容易に解決します。

  • 過剰生産の防止をする
  • 賞味期限を延ばす
  • 食べきれなかった料理の持ち帰り可能なシステムを作る

直接廃棄による原因と対策

調理されずに廃棄されるフードロスは「直接廃棄」といわれます。
直接廃棄が生じる原因として考えられるのは、次のようなことです。

  • 安い食品を買いすぎて在庫を持て余してしまう
  • 保存方法を誤って食品を傷めてしまう
  • 食品を冷蔵庫に入れたまま忘れてしまう

直接廃棄を防ぐ対策例としては、以下が挙げられます。

  • 需要予測をしっかり行なう
  • 在庫にする量を見直す

食品の追加調達をしなくても良いように在庫管理をしつつ、時期や客層による需要予測をしっかり行なうことが大切です。フードロスだけでなく、店舗運営においても非常に重要なポイントといえるでしょう。

過剰除去による原因と対策

過剰除去とは、食品の食べられる部分まで取り除いてしまうことです。個々に見れば小さなロスですが、毎日続けば莫大な量になります。考えられるは以下のようなことです。

  • 調理技術や知識が不足している
  • 過度な健康志向により、残留農薬のリスク回避などで除去している
  • 食感や見た目を重視するために除去している

このように、過剰除去の場合は別の目的のために、あまりフードロスを意識せず発生させてしまうケースもあります。過剰除去は、次のようなことで対策ができます。

  • 調理技術を向上してロスの削減を行なう
  • 農薬リスクなどについて知識を付ける
  • 食感や見た目で除去する可食部は、まかないや別の料理に利用する

調理技術の向上や食品への知識を深めることで、調理段階でのロスの削減が見込めます。農薬などについては、まず情報収集をしてみるとよいでしょう。もしかすると、それほど心配する必要はないかもしれません。
また、飲食店などで料理の食感や見た目のために可食部を取り除く場合は、別のレシピに活用できないか検討し、従業員の食事に使うなど工夫してみるのもよいでしょう。

フードロス(食品ロス)削減へ向けた日本の取り組み

この章では、フードロス削減に向けた日本の取り組みを紹介します。

食品ロス削減推進法

2019年10月から施行されたのが「食品ロスの削減の推進に関する法律」という法律であり、通称は「食品ロス削減推進法」です。
食品ロスの定義や国・地方公共団体などの責務を明らかにし、基本方針の策定、施策の基本事項などを定めて、フードロス削減を総合的に進めています。

食品リサイクル法

「食品リサイクル法」は2001年5月に、食品関連事業者に向けて施行された法律で、正式名称を「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」といいます。
食品廃棄物の発生抑制をするとともに、飼料や肥料へ再利用し、最終的に処分される廃棄物の量を減らすことを目的としています。
食品循環資源の再生利用の促進と、食品廃棄物の発生量を抑えるために、食品関連事業者に向けて再生利用すべき量の目標を毎年定めています。

フードバンク活動

フードバンク活動とは、何らかの理由により流通に出せない食品を引き取り、福祉施設や生活に困窮している方に対して無償で提供する活動です。例えば、企業の包装破損や印字ミス、過剰在庫などにより流通に出せなくなった食品が対象です。
さまざまな企業や自治体から、品質に問題がなく食べられるのに流通できない食品がフードバンク活動団体へ寄贈されます。
なお、フードバンク活動はフードロスを削減するとともに、貧困問題の解決にも役立ちます。集まった食品は無償で提供されるため、生活困窮者や福祉施設における食費の負担を軽くして、他の費用捻出に充てられているのです。

こうした背景もあり、行政は企業や団体への補助金や税制優遇措置などを設定しました。流通段階における取り組みとして、フードバンク活動でフードロス問題と貧困問題の解消を目指しています。

廃棄予定食品をスマートフォンアプリなどでシェア

廃棄予定の食品をロスしない新しい方法として注目されているのが、食品のシェアリングサービスです。スマートフォンのアプリなどをプラットフォームとして、食べられる状態でも廃棄される可能性の高い食品を持つ企業や小売店、飲食店などと、食品の提供を受けたい個人や団体とのマッチングが行なわれます。

基本的に無償か定価よりも安価で食品を手に入れることができるため、サービスを受ける側は食品を手にしやすく、提供側もただ廃棄する食品を減らせる点がメリットです。
ヨーロッパ諸国をはじめとして広がった活動であり、日本でもいくつかのフードシェアリングアプリが登場しています。食品関連事業者も積極的に参加しており、より身近なコミュニティで実施可能な新しいフードロス対策です。

フードロス(食品ロス)のための手段について

この章では、フードロス削減のための手段について紹介します。

MAP包装

MAP(マップ)とは、「Modified Atmosphere Packaging」の略で、食品包装内の空気を一度真空にし、その内容物の保存に適した食品ガスに置換し包装する手法です。日本語では「ガス置換包装」と呼ばれています。食品の消費期限を延長し、新鮮さを長持ちさせたり、フードロスを低減させたりするなどのメリットがあります。

ハイバリアフィルム

従来のフィルムよりも優れたバリア性能を備えたフィルムで、水蒸気や酸素の透過を防ぐ効果があります。食品の長期保存やフードロスの削減に貢献できるフィルムです。

ボイル・レトルト殺菌

100℃以上高温・高圧で、レトルト窯により殺菌することを『レトルト殺菌』、100℃未満の加熱して殺菌することを『ボイル殺菌』といいます。

レトルト食品を作る際、食品製造者は中心温度が120℃で4分以上になるように加熱することが多いです。理由は、食中毒を引き起こすボツリヌス菌を殺菌するためです。

フードロスは工夫や管理で削減ができる

フードロスは製造、加工、流通から消費に至るまで、さまざまな段階で生じます。フードロスの発生原因ごとに適切な対処法があり、多くが事業者の工夫や管理で削減可能です。
また、国は根本的な解決のために法の制定や施策、方針の策定を行なってきました。
フードロス対策は行政から一般企業や個人まで広く行なわれています。食品関連事業者は適切な手段と方法で、削減にアプローチしていきましょう。

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