
ラベルプリンタとは?

ラベルプリンタとはシール状のラベルに食品表示などの情報を印刷する専用の機械のことです。
表示したい内容を指定すれば、連続してラベルを印刷することができます。
また、食品表示に関する法律やガイドラインの規定に則ったフォーマットも備えているため、
正確かつ効率的なラベル印刷が可能です。
法律で義務付けられている食品表示ラベル
上述のとおり食品表示法に基づいて加工食品や生鮮食品を販売する際には、所定の食品表示が義務付けられています。食品のパッケージにラベルを貼る際には、食品の種類ごとに定められた項目を表示しなければなりません。
主な記載項目は以下の7種類です。
- 品名
- 名称
- 原材料
- 内容量
- 期限表示(消費期限、賞味期限)
- 保存方法
- 製造者
記載項目以外にも次のような細かな規定があります。
- 文字サイズは8ポイント以上にすること
- 容器包装の加工食品で特定原材料8品目(卵、牛乳、小麦、えび、かに、くるみ、落花生、そば)を使用しているものはアレルギー表示をすること
- 食品添加物を使用している場合、決められた名称で表示すること
食品表示にラベルプリンタを使うメリット

食品表示ラベルの作成にラベルプリンタを使うとどのようなメリットが得られるのでしょうか。
3つのポイントを解説します。
ラベル印刷を効率化できる
エクセルなどの汎用ソフトを使ってラベルを作成すると、印刷する・切る・貼るという一連の作業に時間がかかってしまいます。
ラベルプリンタならラベルシールに必要分だけ印刷することが可能です。
印刷されたシールを切り取ってすぐに貼れるため、ラベリングの時間を大幅に短縮できます。
通常のプリンタに比べて印刷スピードも格段に早く、機種によっては1分当たり100枚以上の高速印刷も可能です。
また、ラベルプリンタを使うと用紙の無駄を省けることもポイントです。
通常のプリンタで印刷する場合、少ない枚数だけ印刷すると用紙の余白部分が無駄になってしまいます。ラベルプリンタは必要分を都度印刷するためラベルに無駄がなく、消耗品のコストカットや用紙の保管場所の節約にも効果を発揮するでしょう。
ミスを減らせる
ラベルプリンタの導入はラベリングミスの防止にも有効です。
先ほど紹介したように食品表示には細かなルールが設けられていますが、手作業でラベル作成をしていると表示内容のミスに繋がる可能性があります。
特に、消費期限や賞味期限といった期限表示は毎日変更する必要があり、更新を忘れると食の安全にもかかわるため注意が必要です。
ラベルプリンタなら表示内容を間違ってしまっても、すぐに変更したものを印刷できます。
期限表示も自動計算で印字できるため、手間がかからないうえにミスもほぼ起こりません。
指定したラベルを印刷して貼るだけなのでアルバイトなどに作業を任せることが可能になり、省力化や作業効率の向上にもつながります。
ラベルの更新や追加が簡単にできる
飲食店のテイクアウト商品などでは、メニューが日替わりのケースもあります。
メニューが変わるたびに毎回ラベルの表示内容を変更するのは骨の折れる作業です。
ラベルプリンタを導入すれば、規定のフォーマットに情報を登録するだけで簡単にラベルの更新や追加ができます。
少量の印刷にも適しているので、日々商品が入れ替わる店舗のラベル印刷に最適です。
また食品表示の規定が更新された際に、すぐに対応できる点もラベルプリンタのメリットです。
例えば近年では2023年4月、くるみの原材料表示が新たに義務付けられ、表示義務のある特定原材料が7品目から8品目に変更されました。
ラベルプリンタなら表示内容を簡単に更新できるのでこうした重大な規定変更にも素早く対応できます。
食品表示用ラベルの印刷方式の違い

食品表示ラベルには「感熱式」と「熱転写式」の2つの印刷方式がありますが、食品表示の用途に適した印刷方式対応のラベルプリンタを選ぶことが大切です。
インクの上からラミネートフィルムを貼る「ラミネート方式」も存在しますが、食品表示用ラベルで用いられることはあまりありません。
ここでは「感熱式」と「熱転写式」の2つの印刷方式の特徴と違いを紹介します。
感熱式
感熱式は内部に染料を含む感熱紙に熱を加えることで発色させる印刷方式です。
1枚当たりの印刷コストが安価で大量に印刷できるコストパフォーマンスの高さが魅力です。
一方で熱の作用で印刷しているので摩擦熱や日光などによって変色したり文字が消えてしまったりすることがあります。
時間の経過によっても変色の可能性があるため生鮮食品や通常の加工食品など、長期の表示が不要な食品のラベリングに適しています。
熱転写式
熱転写式も熱を利用する点では感熱式と共通ですが、インクをラベルに転写して印刷するためラベル自体はインクを含んでいない点が特徴です。
このためラベルの素材に制限がなく、デザインや用途などに応じて好きな素材を使用できます。
貼付する商品の特性に応じたラベルを選べば耐熱性や耐水性などの効果を持たせられるほか、時間が経っても文字が消えにくいことも強みです。
長期保存が前提の食品や輸送中に摩擦の影響を受ける通販商品などのラベリングに適しています。
食品表示用ラベルプリンタの選び方

ラベルプリンタと一口にいっても製品によって特徴が異なります。
以下では食品表示用ラベルプリンタを選ぶときのポイントを3つ紹介しましょう。
ラベルの発行形式で選ぶ
ラベルプリンタには使い方に応じて大きく3つの種類があります。
- すべての作業が本体で完結し、パソコンにつなぐ必要がないタイプ(スタンドアローン型)
- パソコンで作成したレイアウトや情報を本体に移して印刷するタイプ(半スタンドアローン型)
- 常にパソコンと接続して使用するタイプ(ワイヤード型、ネットワーク型)
①の製品であればパソコンを用意しなくてもプリンタ単体でラベルが発行できます。
最近ではスマホやタブレットのアプリで情報登録やラベル作成ができるものも登場しており、利便性は抜群です。
③は常時パソコンと接続しなければならずパソコン操作が求められます。
その反面①よりも本体価格が安く、手軽に導入できる点が大きなメリットです。
このように種類ごとにメリット・デメリットが異なります。
予算や設置スペースの状況、パソコンの有無などに応じて3種類から適切なタイプを選ぶようにしましょう。
期限表示の長さで選ぶ
印刷方式もラベルプリンタ選びにおける大切な要素です。
感熱式は熱転写式に比べて変色しやすく、摩擦熱や時間経過などの要因で文字が消えてしまう可能性があります。
食品表示ラベルは法律で貼付が義務付けられているため消費期限や賞味期限の長い食品のラベルを作成する場合、文字の消失や変色に強い熱転写式対応のラベルプリンタを選ぶのがおすすめです。
ただし熱転写式のラベルプリンタは感熱式に比べてランニングコストが高い傾向にあります。
期限表示が3ヶ月以内の食品を扱うのであれば、感熱式を選んだほうが経済的です。
1日当たりの発行枚数で選ぶ
1日当たりのラベル発行枚数の少ない製品ほど低価格になる傾向にあります。
一方、発行枚数の多い製品は本体価格こそ高いもののラベル1枚当たりのコストは安価です。
1日に貼り付けるラベルが数百枚単位と多い現場では、本体価格が高くてもランニングコストの安いものを選んだほうが長期的なコストを抑えられるでしょう。
反対に飲食店や惣菜店など1日当たりの貼付枚数がそれほど多くない現場では、オーバースペックな製品を選んでしまわないよう注意しましょう。
折兼がおすすめするラベルプリンタ3選
折兼ではマックスとサトーのラベルプリンタを取り扱っています。
両者の製品のなかから食品表示ラベルの印刷におすすめのモデルを3つ紹介します。
(1)マックス「LP-503S2/BASIC」

「LP-503S2/BASIC」はマックス「楽ラベ」シリーズの感熱式ラベルプリンタです。
本体に搭載されている固定レイアウトを使えば、情報登録から印刷まで1台で完結する手軽さが特長です。
パソコンでの作業が不要なためパソコン操作に慣れていないスタッフでもスムーズにラベリングできます。
また専用ソフトをダウンロードすれば、パソコンで作成したレイアウトの本体登録も可能。
スタッフのパソコンスキルや設置場所の都合に応じて適切な作成方法を選択できる点が特徴です。
マックスが提供する「楽ラベサポート」を利用すれば、1年につき50データまでの食品ラベルデータ作成サービスも受けられます。
手厚いサポートがあるため、ラベルプリンタを使った作成が初めての方でも安心して導入できるでしょう。
(2)サトー「SCeaTa(シータ)CT4-LX」
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「SCeaTa(シータ)CT4-LX」は本体に大型液晶パネルが搭載された操作性の高さが魅力のラベルプリンタです。
タッチパネル式で直感的に操作でき、パソコンがなくても快適に利用できます。
USB、LAN、NFCを標準インターフェースとして採用しておりパソコンで作成したデータを登録できるほか、Wi-FiやBluetoothを使ってスマホやタブレットで作成したラベルの印刷もできます。
さまざまな機器と連携できるため現場の導入状況に合わせた運用が可能な点もメリットといえるでしょう。
ほかにもプリンターエラーを検知して解決マニュアルを即時で送付する機能やスマホアプリで修理依頼できる機能など、万一のときのサポートが充実しているので安心です。
(3)マックス「ELP-60N2」

「ELP-60N2」はパソコンの専用ラベル作成ソフトで作成したデータを印刷することができるラベルプリンタです。
横幅12.5cm×奥行き14.2cm×高さ21.3cmというコンパクトさとリーズナブルな価格設定が魅力です。
エクセルやワードのリストと情報を連携できるほか、他のプリンタで作成したラベルも使用可能なため新たにラベルプリンタを導入するときも手間がかかりません。
赤と黒の同時印刷が可能となっておりラベルデザインの自由度が高い点も強みです。
値札や注意喚起、宛名ラベルなどフォーマットのバリエーションが豊富で食品表示以外の目的での使用にも向いています。
食品表示ラベル貼り付けの効率化なら折兼へお任せ!

ここまで見てきたように、ラベルプリンタは接続方法や印刷方式の違いによってメリット・デメリットが異なります。
現場の状況に応じて最適な製品を選ぶ必要があるものの、どの製品が適しているのか分からない場合も多いのではないでしょうか。
そんなときには食品製造の現場の機械化に長けたプロに相談するのがおすすめです。
折兼は機械の導入サポートを通して数多くの飲食店の業務効率化を実現してきました。
食品表示ラベルの印刷や貼り付けの効率化を図りたい方は、折兼の機械部へぜひご相談ください。
まとめ
食品表示ラベルは法律で貼り付けが義務付けられているものの、手作業で用意するには大きな負担がかかります。
ラベルプリンタを導入すれば印刷や貼り付けにかかる手間と時間を削減できます。
これまでラベリングに割いていたスタッフをほかの業務にあてれば、人手不足の解消にも繋がるでしょう。
ラベルプリンタによる業務効率化と省力化を達成するには現場のニーズに合った製品を選ぶことが大切です。
製品選びで迷ったときは機械導入の経験とノウハウが豊富な折兼までお気軽にご相談ください。