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コンテナ洗浄機とは?工場の省人化に寄与する機械のメリットと注意点

2025.04.18

コンテナ洗浄機とは?

コンテナ洗浄機

コンテナ洗浄機とは、工場で使用するプラスチックコンテナや番重などの容器を自動で洗浄する機械です。
通常、番重は1個ずつ手作業で洗浄しますが、時間も手間もかかります。
おまけに、1人あたりの作業スピードには限界があり、一定以上に効率化するのは難しいでしょう。
コンテナ洗浄機を導入すれば、面倒な洗浄作業を自動で行うことができて効率化を図れます。
手作業で発生しがちな洗い残しもないので、衛生面でも安心です。
コンテナ洗浄機は既存製品をそのまま納品するのではなく、工場ごとにほぼオーダーメードの発注となるのが基本です。
食品工場で扱う番重にも対応可能なので導入することで、人手不足や従業員の高齢化に悩む現場でも、洗浄作業を効率的に行えます。

コンテナ洗浄機の4つの種類

コンテナを重ねて運ぶ様子

コンテナ洗浄機には、大きく分けて「バッチ式洗浄機」「コンベヤ式洗浄機」「洗浄乾燥機」「洗浄脱水機」の4種類があります。
種類によって自動化の範囲や1時間あたりの処理数、必要な設置スペースなどが異なります。
そのため、工場が抱える課題やスペースの大きさに合わせて、適した種類のものを選ぶことが大切です。

バッチ式洗浄機

バッチ式洗浄機

バッチ式洗浄機は、番重の洗浄から遠心脱水までを1台でこなすことができる洗浄機です。
比較的小型で省スペースでも設置できることから、設置場所が限られている食品工場や飲料工場に適しています。
コンパクトながら、2個の番重を同時で洗浄できるのも魅力です。
 
ただし、番重の出し入れは手作業で行う必要があり、処理能力はそれほど高くありません。
1時間あたりの処理能力は100枚前後が一般的なため、処理枚数があまり多くない工場での使用に向いています。

コンベヤ式洗浄機

コンベヤ式洗浄機

コンベヤ式洗浄機は、コンベヤ上を連続して流した番重を自動洗浄するタイプの洗浄機です。
番重が洗浄機内を自動で流れていくため、処理能力が高いのが特徴です。
バッチ式を大きく上回る1時間あたり300〜2,000枚の処理が可能で、大規模工場での導入に適しています。
コンベヤの入口と出口にそれぞれ人を配置する必要がありますが、出口に「リターンコンベヤ」を設置すれば、投入・取り出しを1人だけで行うことも可能です。
 
なお、処理能力を1時間1,000枚以上に高めたい場合、ベルトコンベアやリフター、スタッカーなどのマテハン機器を併せて導入するのが望ましいとされます。
マテハン機器と併用すれば、番重の出し入れも自動化できるので、さらなる省人化と効率化を実現できます。

洗浄乾燥機

コンベヤ式洗浄機に、熱風による番重の乾燥機能を付けたタイプが洗浄乾燥機です。
ジェット機並みの高速で熱風を吹き付けることで、洗浄した番重を瞬時に乾燥できます。
洗浄後の番重を拭いたり乾かしたりする工程を省けるため、さらなる省人化と効率化を実現可能です。
 
処理能力は1時間あたり300〜800枚程度と高効率ですが、効率性を最大限活かすには、コンベヤ式と同様にマテハン機器の導入が望ましいでしょう。

洗浄脱水機

洗浄した番重を高速回転させ、遠心力によって脱水するタイプが洗浄脱水機です。
洗浄乾燥機と異なり熱風を使用しないため、省エネかつ、担当する従業員の作業環境の改善を図れるのが大きなメリットです。
 
脱水の必要があるため、単体で使用する場合の処理能力は1時間あたり450枚程度となっています。
しかし、こちらもマテハン機器を導入してベルトコンベア内に組み込むことで、1時間あたり1,000枚程度まで効率をアップできます。

コンテナ洗浄機を導入する3つのメリット

コンテナを手で運ぶ様子

食品工場にコンテナ洗浄機を導入するとどのようなメリットが期待できるのでしょうか。
ここでは、代表的な3つのメリットを紹介します。

(1)洗浄の処理能力を大きく向上できる

コンテナ洗浄機を導入するメリットといえば、何といっても手作業に比べて、洗浄作業を大幅に効率アップできることです。
 
コンテナ洗浄機メーカーのクレオの試算(コンベヤ式洗浄機DCN115を導入する想定)によると、洗浄機を導入した場合の洗浄処理能力は1時間あたり300枚となります。
これに対し、手作業での処理能力は1時間20枚程度と考えられるため、2人で作業しても1時間あたり40枚しか処理できません。
つまり、洗浄機を導入することで、従業員2人での処理能力が7.5倍にもアップするのです。
 
洗浄作業にかかる時間を大幅に短縮できるため、余剰人員を他の工程に回すことができます。
工場内の人員配置を最適化でき、工場全体の生産性向上を実現できるでしょう。

(2)作業の自動化により省人化を図れる

コンテナ洗浄機を導入すると処理能力がアップするので、同じ量の番重を少人数でも処理できるようになります。
洗浄機単体だと番重を出し入れするため2人の従業員が必要になりますが、先ほど紹介したリターンコンベヤを設置すれば1人だけで出し入れが可能です。
マテハン機器の中に組み込めば、番重の出し入れや運搬に携わる人員そのものが不要になるので、人手不足解消に大きな効果が見込めます。
 
また、洗浄乾燥機や洗浄脱水機を導入すれば、番重を拭いたり乾燥させたりする工程も自動化できるため、一層の省人化を図れるでしょう。

(3)洗浄能力アップにより衛生環境を保てる

手作業で洗浄するよりも衛生環境を改善できるのも、コンテナ洗浄機を導入するメリットです。
 
手作業で番重を洗う場合、安全性を考慮する必要があります。
そのため、40℃程度のお湯や常温水と、安全な中性洗剤を使って洗浄するのが一般的です。
これだと頑固な汚れが落ちにくく、手作業ゆえの洗いムラも生じてしまいます。
 
一方、コンテナ洗浄機は60〜80℃の熱湯と強力な洗浄剤を使用して洗うので、汚れをムラなく洗浄できます。
いつでも番重を衛生的な状態で使用できるようになり、食の安全を守る効果も期待できるでしょう。

コンテナ洗浄機導入時に気をつけたい注意点

洗浄作業の大幅な効率化と省人化に効果が期待できるコンテナ洗浄機ですが、導入するにあたって気をつけるべき注意点もあります。
次に挙げる3点を意識して、導入するかどうか判断しましょう。

大きな設置スペースを必要とする場合もある

コンテナ洗浄機はタイプによって大きさが異なり、バッチ式洗浄機であれば比較的コンパクトなスペースでも設置できます。
ただし、処理能力はそれほど高くないため、一定規模以上の工場では処理能力が不足する可能性があります。
 
一方で処理能力を高めるべく、できるだけ多くの作業を自動化しようとすると、どうしても大規模な設備が必要になるでしょう。
例えば、コンベヤ式洗浄機を生産ラインの中に組み込もうとすると、全長30m近くになることもあります。
 
自社工場で必要な処理能力と設置可能なスペースの広さを確認し、条件に合うタイプの洗浄機を選ぶのが大切です。

洗浄前・洗浄後のコンテナ置き場を確保する必要がある

コンテナ洗浄機を設置できたとしても、近くに洗浄前後のコンテナや番重を保管しておける場所を確保できなければ、運用に不便が生じてしまいます。
導入する洗浄機の処理能力が高いほど、保管しなければならない番重も増えるので、より広い保管スペースを確保しなければなりません。
コンテナ洗浄機の導入を検討する際は、実際の運用の流れや洗浄時の動線なども十分考慮して、最適な配置を考えるようにしましょう。

洗浄の優先順位を決める

冒頭で紹介したように、コンテナ洗浄機はオーダーメイドが基本です。
そのため、工場ごとの設置スペースや洗浄する番重のサイズなどに合わせて、最適な仕様のものを導入することができます。
 
なかには「番重のサイズに関係なく洗浄できる」という製品も存在しますが、期待している洗浄能力を発揮するには、番重のサイズごとに最適な洗浄機を設置するのが基本です。
全てのサイズや機能を1台でまかなうのは難しいため、洗浄の優先順位を決めたうえでカスタマイズする必要があります。
 
「最も多く洗浄したい番重はどのサイズか」「処理能力を優先するのか、洗浄のクオリティを優先するのか」などの優先順位を決め、高優先度の項目を実現できる洗浄機を導入しましょう。

折兼がおすすめするコンテナ洗浄機メーカー2選

数あるコンテナ洗浄機メーカーのなかから、折兼の専門チームがおすすめするメーカーを2つ紹介します。

クレオ

クレオは、製造現場用の洗浄機や関連機器において国内トップシェアを誇るメーカーです。
先述の4タイプのコンテナ洗浄機をすべて取り扱っており、機種も豊富に取り揃えています。
洗浄機ごとの処理能力のラインナップも多いため、中小規模の工場でも導入を検討できるのがポイントです。
 
洗浄剤へのこだわりもクレオの特徴となっており、洗浄機の性能や用途に合わせて、適切な洗浄剤を提案してくれます。
独自に提唱する洗浄の四大要素「T・A・C・T(洗浄時間・物理的作用・化学的作用・洗浄温度)」を意識し、現場の衛生管理を総合的にサポートしている点も大きな特徴です。
 
番重や容器の洗浄品質や衛生環境の維持を重視したいなら、クレオの洗浄機の導入を検討するとよいでしょう。

タニコー

業務用厨房機器メーカーのタニコーは、主に学校給食調理施設向けとして、連続式洗浄機(洗浄乾燥機に準ずるもの)とバッチ式洗浄機を取り扱っています。

連続式洗浄機は「洗浄」「すすぎ」「除滴工程」を一連で行うタイプで、ブロア乾燥機能を標準搭載しています。
除滴工程では、コンテナを傾けて水気を飛ばす傾斜コンベアや、熱風による乾燥機能などのオプション機能を追加することも可能です。
他にもオプション機能が多く用意されており、工場のニーズに応じて幅広くカスタマイズできるのが魅力です。

コンテナ洗浄機の導入は折兼へ

コンテナ洗浄機には4つの種類があり、工場のニーズや設置スペースに合わせてオーダーメイドするのが基本です。
洗浄したい番重の種類や数量、設置スペースの広さ、マテハン機器の有無など、状況に応じて適切な機械を選ぶ必要があります。
 
折兼の機械・機器担当はフードビジネスのプロです。
豊富な経験と知識を活かし、食品工場へのコンテナ洗浄機導入を徹底サポートしています。
現場に最適な洗浄機メーカーや機種の選定、導入に向けての準備をご希望なら、折兼の専門チームへぜひお任せください。

まとめ

最後に、コンテナ洗浄機4種類の特長と注意点をおさらいしましょう。

特長 注意点
バッチ式洗浄機 ・洗浄〜遠心脱水まで一連でできる
・省スペースでも設置できる
・処理能力が1時間あたり100枚前後と少ない
コンベヤ式洗浄機 ・1時間あたり300〜2,000枚程度の大量処理ができる
・リターンコンベヤを設置すれば省人化も可能
・処理能力をアップするにはマテハン機器の導入が必要
・処理能力を高めようとするほど大きな設置スペースが必要
洗浄乾燥機 ・1時間あたり300〜800枚程度の高効率運用ができる
・瞬時に乾燥できるので、さらなる省人化と効率化が可能
・処理能力をアップするにはマテハン機器の導入が必要
・熱風により周辺が暑くなる
洗浄脱水機 ・1時間あたり450〜1,000枚程度の高効率運用ができる
・瞬時に脱水できるので、さらなる省人化と効率化が可能
・省エネで作業環境の悪化の恐れもない
・処理能力をアップするにはマテハン機器の導入が必要
・処理能力を高めようとするほど大きな設置スペースが必要

上記のように、種類ごとに異なるメリット・デメリットがあります。
自社の現場にどの種類が適しているのか分からないときは、食品工場の機械導入に長けたプロに相談するのがおすすめです。

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