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危険物にあたるアルコール濃度は何%?使用用途や正しい取り扱いについて解説

2021.08.27

アルコール製剤の取り扱いなどについて解説

アルコール製剤は、手指や食品、器具などに付着した細菌の殺菌や抑制のために使用されています。
ここでは食品事業者の皆様に向けて、アルコール製剤の具体的な用途や正しい取り扱い方、危険物に該当するアルコール製剤の濃度や取り扱い・表示などについて解説していきます。

アルコール製剤とは

アルコール消毒イメージ画像

アルコール製剤とは、殺菌・静菌などの作用があるエタノール(アルコール)を主成分とし、さらに有機酸などの添加物を加えて作られた製剤です。
 
70%前後がエタノールの殺菌効果が最も高くなる濃度ですが、アルコール製剤については添加物を加えることで殺菌効果を高めているため、多少低い濃度でも効果が得られるように工夫されてるものもあります。
 
エタノール自体は、医薬品として皮膚や手術部位、医療器具の洗浄・消毒といった用途で使われる消毒薬です。一方アルコール製剤は、指定医薬部外品として手指の消毒などに使用されるほか、食品添加物製剤として食品の除菌・保存、食品加工機械や調理器具の衛生管理などにも用いられます。
 
形態としてはスプレータイプやジェルタイプ、ウェットティッシュタイプ、エアゾール、手指消毒器などがあります。

食品添加物アルコール製剤の用途

食品添加物アルコール製剤は、大きく分けて食品に対して直接添加するケースと、食品加工機械や調理器具の衛生管理に用いるケースがあります。
なお、食品添加物アルコール製剤に使用されている成分は、エタノールも含めて食品添加物や食品素材です。そのため、食品への添加、食品用の機器の洗浄などに使用しても、安全面での心配はありません。

それぞれの場合の、具体的な使い方は以下のようになります。

食品への使用

食品の菌を抑え込み長持ちさせる目的で、食材への練り込み・漬け込み・噴霧といった方法で使用します。ただし、食品添加物アルコール製剤はたんぱく質変性を起こす可能性があるので、食品の除菌目的で使用する際は変色・変質に注意が必要です。
食品添加物アルコール製剤を食品に添加することで保存効果は高まりますが、量が多いとその分アルコール臭が強くなり、食品本来の風味が損なわれます。そのため、食品に対して1%~4%の範囲で食品添加物アルコール製剤の添加量を調整するのが一般的です。

機械・器具への使用

食品加工機械や、調理器具の衛生管理目的の場合は、機器の表面にスプレーやエアゾールで直接噴霧する、食品添加物アルコール製剤をしみこませた不織布で拭くなどの方法で使用されます。
ただし、アルコール製剤の効果を最大限発揮させるためには、事前に食品加工機械や調理器具の汚れを十分に取り除くことが必要です。しっかりと汚れを落とすために、アルカリ剤や界面活性剤を含む洗剤で洗浄しておきましょう。

指定医薬部外品アルコール製剤の用途

指定医薬部外品アルコール製剤は主に手指の消毒で用いられます。
その殺菌作用は主にたんぱく質変性によるものとされており、エタノールの配合量は76.9%~81.4%(※)と高濃度です。そのため、指定医薬部外品アルコール製剤による手指の消毒を頻繁に行うと、ざらつきや皮膚の一部の剥離といった手荒れが発生することもあります。
手荒れを防ぐためには、作業後にハンドクリームを塗ったり、手荒れを防ぐ保湿成分・油分成分などを配合した指定医薬部外品アルコール製剤を用いたりする対策が有効です。

なお、手に汚れや水分が残っていると、殺菌効果を適切に発揮することができません。事前に石けんで手を洗い、流水で十分に洗い流し、水分を拭き取ってからアルコール製剤を両手全体に揉みこむようにしましょう。

(※)有効成分がエタノールによる製品の場合です。

アルコール製剤の正しい取り扱い方と注意点

濡れた箇所や汚れた箇所ではアルコール製剤の濃度が弱まり、期待したような効果が得られない可能性があります。そのため、使用時には汚れや水分をあらかじめ取り除いてから使用するようにしてください。
なお、製剤には中性と弱酸性があり、どちらもステンレス・アルミに使用できますが、銅・鉄・真鍮に使用できるのは中性のみです。

主成分のエタノールには引火性があるため、安全のため火気の近くでの使用・保存は避けましょう。また揮発性が高いため、保存時は密閉状態にして品質劣化をなるべく防ぐことも大事です。
保管場所には風通しの良い冷暗所を選び、可燃性のものや酸化性のもの(塩素系漂白剤など)の近くには置かないよう注意してください。

アルコールの使い方について、動画でも解説しているのでぜひご覧ください。

危険物に該当するアルコール製剤の取り扱いや内容表示について

危険物アルコール

アルコール製剤のうち、エタノール濃度が重量比で60%以上のものは、危険物に該当します。
消防法により、危険物となるアルコール製剤を常時80リットル以上400リットル未満保管する場合は少量危険物設置届け出が、常時400リットル以上保管する場合は危険物貯蔵所設置許可申請という消防手続きが必要になります。

ただし一時的に400リットル以上を保管する場合は、10日以内の期間なら危険物仮貯蔵・仮取扱承認申請という消防手続きで済ませることも可能です。

その他、各市町村条例により、危険物に該当するアルコール製剤を80リットル以上(個人の場合は200リットル以上)貯蔵し、取り扱う場合は、管轄の消防長へ届け出ることが規定されています。

実際は各市町村によって異なる可能性もあるので、各最寄りの消防署へお問い合わせください。
なお手続き後も、保管・取り扱いには十分注意することが大切です。

保管場所や保管方法については、以下の点を意識しましょう。

  • 保管場所は火気・直射日光・高温を避ける
  • 換気の良い場所に保管する
  • 保管・使用の際は、中身を漏らさないよう注意する
  • 地震などに備え、落下の危険がない場所で保管する
  • 保管場所の出入り口には、危険物を保管してある旨の注意書きをし、火災の防止に努める

具体的に危険物となるアルコール製剤のラベルには以下のような表示がされています。使用・保管の際には、ラベルの注意書きを守るようにしてください。

表示内容例  
品名 エタノール製剤(食品添加物)
注意喚起語 危険
危険有害性情報 「引火性液体及び蒸気」「生殖能又は胎児への悪影響のおそれ」「長期にわたる、又は反復ばく露による臓器の障害(肝臓)」「長期にわたる、又は反復ばく露による臓器の障害のおそれ(中枢神経系)」「呼吸器への刺激のおそれ/(麻酔作用)眠気又はめまいのおそれ」「眼刺激」など
注意書き 「使用上の注意」「応急処置」をそれぞれ明記
消防法上、必要な表示 第4類アルコール類、水溶性、危険等級Ⅱ、火気厳禁など

アルコール製剤は衛生管理などには欠かせないもの

アルコール製剤は、食品や調理器具などの衛生管理や手指の消毒のためには欠かせないものです。食品添加物アルコール製剤に含まれる成分は食品添加物のため安全性が高く、食品に直接使用しても基本的に問題ありません。手指や皮膚の消毒に使用する場合は、指定医薬部外品アルコール製剤を使用します。
ただし、エタノール濃度が重量比60%以上のアルコール製剤は、危険物として扱われます。
危険な事故を防ぐためにも、保管の際には引火性や揮発性に注意し、風通しの良い冷暗所に貯蔵しましょう。また、保管・使用の際にはラベルに表示されている注意書きを守ることも大切です。
食品事業者の皆様は、従業員スタッフにもアルコール製剤の正しい取り扱い方法や注意点を十分周知し、業務に取り組んでみてください。

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