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地球のことを考える研究所

この記事の研究テーマ

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食品衛生知識のレベルアップに!折兼衛生管理WEBセミナーとは?

2022.04.15

食品の衛生管理には幅広い知識が必要

2020年6月にHACCP制度化が施行となりました。
食品事業者は衛生管理計画の作成と記録が必要となり、初めて衛生管理計画の作成に取り組まれた現場担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、JFS-B規格やFSSC22000などの第三者認証取得のために、自社の衛生管理をあらためて見直されている品質管理担当者の方もいらっしゃると思います。

食品の衛生管理計画を作成するには、取り扱う食品の専門的な知識から始まり、洗浄や防虫に関して、そして衛生ツールなど、幅広い知識が必要です。
また、それを現場の方に確実に実施してもらうためには、組織の使い方や人への伝え方、従業員教育など、さらに幅広い知識が必要です。

折兼衛生管理WEBセミナーとは?

セミナーマイク

前述のように、食品の品質管理を向上させるためには幅広い知識が必要となりますが、日々の業務が多忙の中で、そのような知識を習得する場も、相談する先も時間もないのが実情ではないでしょうか。

そこで折兼では、このような声にお応えする形で、衛生知識の習得、相談をする場として、衛生管理WEBセミナーを定期的に開催しています。
ZOOMのウェビナー機能を通してセミナーに参加できますので、会社にいながら衛生知識を向上させることができます。

テーマは、食品事業者の現場担当者や品質管理担当者が掘り下げて学ぶべき内容を、参加者からお寄せ頂くアンケートも参考にして選定しています。
それでは、折兼衛生管理WEBセミナーの3つの特徴をご紹介します。

  1. 各分野の専門家の話が聞ける
  2. 衛生のお困りごとを相談できる
  3. 社内の衛生教育として活用ができる

各分野の専門家の話が聞ける

折兼の衛生管理グループは、食品衛生対策の総合プロデューサーの役割を担っています。
洗剤、洗浄ツール、身だしなみグッズ、設備、厨房機器、防虫、細菌検査など、食品衛生に関する様々な分野の専門業者とお付き合いをしています。
各回のテーマに沿った専門家をお呼びして、食品関連事業者の安全衛生にとって、有益な話をセミナーでお伝えします。

衛生のお困りごとを相談できる

各回のセミナーでは、質問コーナーを設けています。
ZOOMのチャット機能を使うことにより、専門家の方に直接、衛生の相談をすることができます。
また、相談の内容によっては、弊社の事務局からも解決策をご提案します。
自社の衛生に関する問題やお困りごとが、解決できるかもしれません。

社内の衛生教育として活用ができる

WEBセミナーを社内の衛生教育の一環として利用頂いている企業様もいらっしゃいます。
申し込み頂いた方にはセミナー開催後に、登録頂いたメールアドレスにセミナーの内容を録画したURLを配信していますので、見逃した場合も安心です。
なお、セミナーの対象者は責任者や品質管理担当者のみではなく、現場の担当者にもご理解頂けるような内容を目指しております。

過去の折兼衛生管理WEBセミナーの紹介

折兼衛生管理WEBセミナーは2020年10月に第1回を開催しました。
過去のセミナーについてはアーカイブ(録画版)が用意されておりますので、興味のある内容があれば、いつでも視聴して頂けます。
なお、録画版はYouTubeのみで配信しておりますので、インターネット環境があるところでご視聴ください。
※録画版をデータとしてお渡しすることはできませんので、ご了承ください。
それでは過去に開催したセミナーについて、ご紹介します。

第1回|HACCPシステムと制度化の基礎知識

2020年10月 開催動画

2020年6月施行された、HACCP制度化について解説した内容です。
そもそもHACCPシステムとは何か、そしてHACCP制度化の概要をわかりやすく説明しました。
どの業種が制度化の対象になるのか、また対象者がしなければならない4つのこと、そして「HACCPに沿った衛生管理」と「一般衛生管理」の違いについても解説しています。

HACCPとは何か、なぜ取り組まなければいけないかを、ざっくりと理解したい方におすすめの内容です。従事者に衛生管理計画を正しく実施してもらうための研修動画としても活用頂けます。

第1回衛生WEBセミナーで頂いた質問と回答

Q1. ハサップチームとしての具体的活動をもう少し教えて下さい。

A. HACCPシステムの手順2~11(録画28:47~)を繰り返し実施すること、月2回程度の情報交換会を開催することなどです。

Q2. 日替わりの弁当製造を行っております。メニューが多岐にわたるため、どのようにHACCP管理を行ったらよいでしょうか。献立1つずつに対してプランを立てるととても多くなってしまいます。

A. 調理工程ごとにグループ分けをしてください。小規模な惣菜製造工場の手引書」の35~42ページをご参考ください。

Q3. 罰則の内容が知りたいです。

A. まずは指示・指導が実施され、それにも従わないと営業の禁停止など行政処分の可能性があります。厚生労働省「HACCP に沿った衛生管理の制度化に関するQ&A」の問17を参照ください。

Q4. 保健所の講習では芯温の記録は必要無しときいたのですが必要ですか?

A. 飲食店であればガイドラインの70ページで目視・肉汁(焼き色)の確認で良いということになっています。ただし、その記録を取る事が大切です。

Q5. 手順書類はあり、フロー図がないのですが作成は必要でしょうか?

A. フロー図の作成は必要です。フロー図は、HACCPシステムの核となる「工程管理」の元となります。

Q6. 一般衛生管理と重要管理の違いがあまり理解できませんでした。

A. 危害要因分析の際、健康被害を及ぼすものは「重要管理」、それ以外は「一般衛生管理」です。

Q7. もし立入検査が入ったときは、対応者を事前に決めておく必要があるのでしょうか?それとも食品衛生責任者が、代表で対応するのでしょうか?

A. 食品衛生責任者が対応するのが一番良いと思います。

Q8. 弊社は食品加工場をもってHACCPに取り組んでおります。場内は20名以下です。小規模事業者にあたるのですが、地元保健所から規模が大きい、敷地が大きいのでHACCPに基づく衛生管理でいくように指示があったようです。これは従うできでしょうか?

A. おっしゃる通り原則50人未満であれば厚生労働省が定義する小規模事業者に該当します。従うべきかどうかは、弊社では判断しかねます。

Q9. 「HACCPの基づく衛生管理の実施」と「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の実施」で資料の作成、現場での実施に負担の差はありますか?

A. あります。「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」は弾力的な運用が認められていますが、「HACCPに基づく衛生管理」は、より厳格な管理が求められます。

Q10. 危害分析は製造工程での分析をしますが、商品パッケージの一括表示でアレルゲン原料の記載漏れも健康被害対象となると思いますが、記載漏れも危害分析として挙げるべきでしょうか。

A. 健康被害の対象となるなら、危害要因となります。

Q11. 現場では温度管理、衛生チェックは行っていますが、その他に行った方が良いことはありますか?

A. 原材料の品質管理の強化をおすすめします。「多店舗展開する外食事業者の手引書」の51~53ページを参考にしてください。

Q12. 店舗で注文を受けて作り、その場で食べて頂く状態ですが、中心温度までは測れていませんが測る方がよろしいでしょうか?

A. 飲食店のガイドラインでは目視でも良いことになっていますが、測るに越したことはありません。目視チェックの根拠(この焼き色の場合、中心温度は0℃)として活用をおすすめします。

Q13. 実施記録の保管期間を教えてください。

A. 特に決まっていませんが、1年程度で良いかと思います。記録は問題発生時や振り返りの時に必要です。

Q14. 食品衛生監視員は保健所の職員が担当するのですか。

A. おっしゃる通りです。

Q15. フロー図のフォーマットは有りますか?

A. 折兼が運営するサイト「容器スタイルマガジン」でダウンロード可能です。

Q16. フローダイヤグラムには再利用工程も含めた方がよいでしょうか?

A. 再利用品が、最終製品に入るなら、含めてください。

Q17. フローチャートやCCPがあっているかの確認はどこに相談すれば良いですか?

A. まずは自社HACCPチームのスキルをあげてください。チームに外部のHACCPに詳しいアドバイザーを入れることも良いです。また、折兼衛生管理グループでも相談に乗ります。ただし、HACCPは自主管理のシステムなので、妥当性確認はしますが、結論を出すことはできません。

Q18. 包装食品を販売する営業者も食品衛生責任者の設置が必要ですか?※一部インターネットでは、食品衛生責任者=製造または加工する施設において設置が必要となっています。また、食品衛生責任者の設置が必要な場合、各支店に設置が必要となりますでしょうか?

A. 包装食品のみを販売する事業者は常温であれば対象外ですが、冷蔵、冷凍など温度管理を必要とする場合は、HACCP制度化の対象営業者となり、食品衛生責任者の設置が必要です。その場合、各支店ごとに設置が必要となります。厚生労働省「HACCP に沿った衛生管理の制度化に関するQ&A」の問7を参照ください。

第2回|HACCP制度化で営業者がなすべきこと

2020年11月 開催動画

営業者が作成すべき衛生管理計画の中でも、特に「HACCPに沿った衛生管理(工程管理)」について、7原則12手順に沿って、作成のポイントを解説しました。特にHACCPシステムの重要な部分である、「原則1:危害要因の分析」については、時間をかけて説明しています。これからHACCPプランを作成する責任者や、HACCPチームリーダーには必見の内容です。

第2回衛生WEBセミナーで頂いた質問と回答

Q1. 食品製造OEM会社の場合製品説明書やダイヤグラム、HACCPプラン、衛生管理計画などのHACCP資料は委託先、委託元のどちらが作成するべきですか?

A. 基本的には委託先が作るべきです。特にダイヤグラム、HACCPプラン、衛生管理計画は、製造側の設備等によって、大きく変わります。

Q2. 月1清掃などPRPの範囲での衛生管理の実施状況の記録は紙ベースでなくてもPC上のデータでも許されますか?

A. 言われたらすぐ提示できるようになっていれば、PCデータでも問題ないです。ただし、定期的にバックアップを取る事をお勧めいたします。

Q3. セミナー資料の賞味期限表示についてですが、製造日から3か月超の設定であっても、生鮮品は年月日の表示が必要と認識しておりますが、間違った認識でしょうか。

A. 今回の資料は「一般加工食品」の期限表示についてです。生鮮食品の表示概要(玄米及び精米)については、ご質問の通り年月日表示が必要です。

Q4. 弊社は冷凍で生(非加熱の牛肉など)のハンバーグを生産しております。食肉製品に関しての食品の規格基準が不明確で、どれにあたいするのかわかりません。生ハンバーグの明確な規格基準はないのでしょうか?

A. 非加熱ハンバーグの明確な規格基準はないようです。参考資料として、生協(Uコープ)さんの自主基準をご紹介します。(一般生菌数で107です)

第3回|衛生管理計画の作成~小規模な飲食店編~

2021年3月 開催動画

厚生労働省が発行した、HACCP制度化の指南書「業種別手引書」について、小規模な飲食店を取り上げて、内容を解説しました。小規模な飲食店の方が、実際に衛生管理計画を作成する際の考え方や注意点を説明しています。特に重要管理のポイントである、メニューによる3つのグループ分けの部分について、詳しく解説しています。

本動画は、まだ衛生管理計画が未作成、もしくは改善したいと考えている小規模な飲食店の方に、ぜひご覧頂きたい内容です。
実際に飲食店の方が受講後に作成した衛生管理計画を、弊社が添削するというサービスを実施して、多数の添削依頼を頂きました。
録画版をご覧になった方でも、今後、衛生管理計画を送付添削をいたします。

第3回衛生WEBセミナーで頂いた質問と回答

Q1. メニュー表記などは大きく変更はないのでしょうか?

A. 変更ありません。

Q2. 器具の殺菌は食品用アルコールで大丈夫ですか?

A. 必ず「食品添加物アルコール」かを確認してください。また、汚れが残っていると殺菌効果が低下しますので、しっかり洗浄した後に使用してください。

Q3. テイクアウトなどで、生野菜をご飯の上にのせるスタイルのメニューにしたいのですが、菌繁殖の観点から、問題ないのでしょうか?また、容器はしっかり分けるべきでしょうか?

A. 野菜によっては土壌由来の細菌が多いので、原材料管理・洗浄を徹底する必要があります。また、容器は分けたほうが、細菌増殖リスクは下がります。

Q4. 喫茶店を経営しています。コーヒー以外の商品は冷蔵品の提供のみですが、グループ分けは全て1グループでいいでしょうか?また、ホットコーヒーは2グループ、アイスコーヒーは3グループでよろしいでしょうか?

A. アイスコーヒーを店内でドリップして冷却しているのであれば、ご提示された通りで良いと思います。

Q5. コロナウイルスの影響で最近テイクアウトの弁当を始めました。HACCPの衛生管理では、飲食店のHACCPに加えて、追加ですることはありますか?

A. 調理から喫食するまでの時間が長く、季節によっては高温になるため、従来の衛生管理をより徹底することが重要です。心配であれば、検査機関での保存細菌検査の実施をおすすめいたします。

Q6. 実施記録はすべての項目を一元化する必要はありますか?例えば、社員の健康管理と衛生管理(手洗い衣服等含む)は別で同様の基準で記録を取っています。調理場ではそのほかの項目をチェックする仕様にしようと思っています。

A. 一元化する必要はありません。手引書の記録様式は一例であって、事業所ごとに仕様を決めて頂ければ結構です。

Q7. 手引書を常時お店に保管しておく必要があるのですか?

A. 監視員から提示を求められるのは、基本的には衛生管理計画・手順書・記録簿です。手引書の保管は、必須ではありません。

Q8. 食品衛生監視票に回収・廃棄の手順を決めているかという項目(Ⅱー9.ー31)があります。小規模一般飲食店事業者向けの手引書には、回収手順を記載する欄がありませんが、必ず回収手順も計画表に盛り込まないといけないのでしょうか。監視票はあくまで案のため、監視票が変更される可能性があるのでしょうか?小規模飲食店用で新たに監視票があるのでしょうか?

A. 監視表の注意事項として「②施設に該当しない項目は採点しない」と記載されています。(基本的に監視員は「業種別手引書」に基づいて評価します。)ただし、テイクアウトをしているのであれば、回収手順を作成しておく必要があります。それについては、小規模な惣菜工場の手引書を参考にしてください。

Q9. アルコールだと、芽胞菌の殺菌が難しいかと思うのですが、どうすればいいのでしょうか

A. 芽胞の抑制は①加熱後の冷却(30分以内に中心温度20℃付近)、②再加熱の温度管理(90℃90秒)を徹底してください。

Q10. 安全率は現在0.7なのですが、推奨される安全率はあるのでしょうか

A. 一般的には0.75~0.8が多いようです。0.7であれば十分と思います。

Q11. 賞味期限を算出してくれる業者などありますか?

A. 賞味期限は各事業者で設定するもので、賞味期限をずばり提示してくれる業者はないと思います。厚生労働省から、食品ごとの微生物規格基準が提示されていますので、参照しながら設定してください。

第4回|洗浄のメカニズムと洗浄剤の基礎知識

2021年4月 開催動画

汚れの種類を知ってもらい、汚れによってどんな洗剤と洗浄方法が適しているかを、花王プロフェッショナル・サービス株式会社様に解説して頂きました。
食品加工現場で落としにくい汚れを3つ紹介し、その汚れの特性と、効果的な洗浄方法を説明しました。
また、洗剤の種類についても解説し、どのようなメカニズムで汚れが落ちるのかを解説してます。
洗浄作業を効率化したい現場担当者の方、また、洗剤を見直したい品質管理担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

第4回衛生WEBセミナーで頂いた質問と回答

Q1. 大釜でカレーを生産しています。その釜の縁に焦げがつきます。パフォーミーでは落ちないのでスチコンクリーナーを使用してます。それ以外に良い洗剤はないですか?釜が多く手作業での洗浄はすごく手間が掛かっております。

A. 60℃くらいのお湯で酸素系漂白剤「ワイドマジックリン」を溶かして浸漬すれば、すすぐだけでコゲが落ちやすくなる可能性があります。

Q2. (1の続き)釜は200Lと大きいものです。漬け込みはできません。スチコンクリーナーと提案いただいたパワークリーナとどちらがより早く簡単に焦げが落ちるでしょうか?

A. スチコンクリーナーは高温で効果を発揮する洗剤です。パワークリーナーを専用フォーマーを使って泡にして釜にかける方法が効率的と考えます。

Q3. ハイターの商品で「一般的なハイター」と「病院用ハイター」がありますが、どう違いますか?

A. 「一般的なハイター」と「病院用ハイター」は、主成分の次亜塩素酸ナトリウム以外の配合が大きく違います。前者は主に一般汚れや油汚れを落とす成分が配合されており、後者は血液やタンパク質を落とす成分が含まれています。

Q4. たんぱく汚れのフォーマーとブラッシングの効果的な使用方法をお教えください。

A. アルカリ性の洗剤を使用してください。落ちない場合は、洗剤を濃くしたり、お湯を使ってフォーミングしてみてください。

Q5. パワークリーナから安全なスマッシュにスイッチを考えておりますが、汚れ落とし効果はどれくらいの差がありますでしょうか?

A. ほぼ同等と考えて良いと思います。ぜひサンプルにて試してみてください。
(ただし「スマッシュ」はコゲなど固形化した汚れには若干効果が落ちます。)

Q6. 藻類(アオコ)を除去するために効果的な洗剤は何でしょうか? 弊社は植物工場で、発泡スチロールのパネルに植物を栽培しますが、パネルに藻類が付着するため、洗浄機(食器洗い機)で除去したいと考えております。

A. 洗浄機でアルカリ洗剤を使えば、ある程度落とすことができると思います。ただし、発泡スチロールの微細な穴に入り込んでしまった汚れ(藻類)を落とすのは、なかなか困難です。

Q7. 界面活性剤は水の中である一定濃度を超えると集合体をつくるとのことですが、濃すぎることに対して、①濃すぎると働きが弱くなるのか、②濃すぎると、濃すぎた分だけが働かずコスト的にもったいないのかどちらでしょうか?

A. ①濃すぎて働きが悪くなることはありません。②が正しいです。

Q8. 食品用のハイターはないでしょうか?

A. 野菜や果物用として「食品添加物・次亜塩素酸ナトリウム(60,000ppm)」があります。
ただし、口に含んで良い濃度は1ppm程度ですので、使用後は、水でしっかり対象物をすすいでください。

Q9. 塩素系漂白剤と酸素系漂白剤の殺菌効果はどのぐらい違いますか?

A. それぞれ条件に合った使い方であればほぼ同等と考えて良いと思います。ただし、塩素系のほうが漂白力、即効性の部分では優れています。

Q10. バターの油汚れが落ちにくいです。現在アルカリ洗浄剤を使用していますが、泡立ちが悪く洗えている感じを得られません。無塩バターで溶解して使用しております。

A. 「無塩バターが溶けた状態で残った汚れ」であれば、スマッシュが非常に効果的な可能性があります。ぜひ試してみてください。

第5回|現場での洗浄作業の実践

2021年5月 開催動画

現場で実際によく発生する汚れについて、効果的な洗浄剤の使い方と洗浄方法を、前回に引き続き、花王プロフェッショナル・サービス株式会社様に解説して頂きました。特に食器洗浄機編では、見落としがちな汚れ対策やオペレーションついても説明しております。また、実際の食品工場における、洗剤の効率的な管理方法についても紹介しています。
全ての現場担当者、洗剤の管理者にご覧頂きたい内容です。

第5回衛生WEBセミナーで頂いた質問と回答

Q1. 業務用の食器洗浄機が、洗浄水を再利用するシステムになっているのはなぜですか。汚くありませんか?

A. 洗浄水を加温するのにかかる時間を短縮するためです。おっしゃる通り汚れが溜まりすぎると洗浄効果が低下しますので、資料21ページ(録画39:10~)の手順をしっかり守って使用してください。

Q2. 資料の22ページ(録画39:50~)の温度についてです。高いほうが汚れがよく落ちると初級で習ったので、洗浄温度も、すすぎ温度と同じく85℃に設定すれば、汚れはよく落ちますか。

A. 汚れはよく落ちますが、いきなり85℃で洗浄すると、①温度差で食器が割れる。②タンパク質が熱で変性して食器に固着して汚れが落としにくくなる。などの恐れがあります。従って、まずは65℃程度で洗浄後に85℃程度ですすぎをします。

Q3. 菌の主成分はタンパク質の意味は、組成がタンパク質で出来ているという意味でしょうか?

A. おっしゃる通りです。タンパク質同士はつながりやすいため、タンパク残留は菌の温床になる恐れがあります。

Q4. 洗浄機の液は全て再利用されるのでしょうか?使用後の液の行方は考えたことがありません。

A. いいえ、洗浄水の一部(10~20%)は毎回、排水されます。その分、すすぎ水が追加されます。

Q5. 鶏の処理工場に勤めています。洗浄温度についてお聞きしたいのですが、鶏のたんぱく質と脂が混合しているため、何度での洗浄が有効でしょうか。

A. 一般的には、たんぱく変性の恐れのない60℃程度の洗浄水が有効です。

Q6. スケールの具体的な除去方法をお教えください スケールは温水は不適だと思いますのでその点もお教え願います。

A. 基本的には酸性の洗剤を使いますが、食器洗浄機であれば食洗機専用の「スケール落とし洗剤」を使うと簡単です。また、普段は温水のほうがスケールは蓄積しやすいですが、洗浄の際は温水のほうが効果が高まります。

Q7. 食品工場ドライ式の床清掃をマジックリンの様な洗剤で拭き掃除を行っています。清掃を続けていると靴底がペタペタしてきています。洗剤を使用せず水拭きを行った方が効果的なのでしょうか。

A. 洗剤が残っているか、汚れが完全に落ち切っていないかのいずれかと考えます。靴底も床も汚れていないのにベタベタするのであれば、マジックリンをもう少し薄めて使用してみてください。

Q8. 薄めて消毒に使う界面活性剤の商品は市販のものではどんなものが適していますか?

A. 花王であれば、かんたんマイペット、キュキュットクリア除菌が該当商品例です。詳細は、NITE(独立行政法人 製品評価技術基盤機構)の発表をご覧ください。

Q9. 洗浄機を用いる場合、残渣はどのくらい落とせば良いでしょうか?

A. 目に見える残渣、及び汚れは落としてください。

Q10. すすぎ水がかけ流しで清潔であれば、洗浄水の交換頻度、タイミングは考える必要はないのでしょうか?

A. その通りです。資料21ページの5大手順(録画39:10~)をしっかり守れば、洗浄水の交換は考えなくて良いと思います。

第6回|HACCP制度化への対応「衛生管理計画の作成」一般衛生管理編

2021年7月 開催動画

HACCPシステムの前提条件である「一般衛生管理」の各項目に焦点を当てたセミナーです。
一般衛生管理として、施設・設備、原材料、庫内温度、洗浄、従事者、防虫などの項目を取り上げて、衛生管理計画を作成する際のポイントと注意点について解説しています。

また、講師が作成した一般衛生管理計画の雛形と記録表を提供して、これから計画を作成する方にとって負担が軽減されるセミナーとなりました。
そして、食品衛生法改正に伴い、新しくなった「食品衛生監視票」についても触れています。保健所の衛生監視員が、今後、どのような視点で事業所の衛生監視を行うかがわかります。

第6回衛生WEBセミナーで頂いた質問と回答

Q1. 検便検査について、どれくらいの頻度で実施すれば良いですか。

A. 業種や企業により推奨頻度は変わります。厚生労働省が発行している「大量調理施設衛生管理マニュアル」では月1回が推奨されています。学校給食関係で多いところは月2回以上実施されているところもあります。小規模な食品製造業であれば、最低でも年1回は実施してください。製造する食品のリスクによって各企業で頻度を決定してください。

Q2. 記録の保管期間は決められていますか?

A. 一律のルールはありませんが、厚生労働省から発行されている業種別の手引書によると、おおむね1年程度が多いようです。賞味期限が1年以上の製品の業種であれば、賞味期限と同程度は保管が必要と考えます。

Q3. 害虫駆除のモニタリングは義務ですか?

A. 厚生労働省の一般的な衛生管理に関する基準では、「年2回以上の駆除作業、定期的なモニタリングを実施すること」となっています。現実的には発生状況に応じた頻度での実施が必要と考えます。

Q4. 床の清掃、洗浄ができたかどうかを確認する手段はありますか?

A. 洗浄作業終了後にルミテスターなどの測定器によるチェックをおすすめします。作業開始前に毎回チェックしている企業もあります。毎回は難しくても、週1回、月1回など定期的に検査することで、自社の洗浄作業の精度がわかります。

Q5. 従業員数が一時的にでも50人以上を超えた場合は「考えを取り入れた衛生管理」から外れますか。

A. 「製造に従事する従業員が平均して50人以上超える場合」が、考え方を取り入れた基準となります。不安であれば管轄の保健所にご確認ください。

Q6. ペットボトルの段ボールは直接床に保管もNGですか?

A. 床の状態にもよりますが、細菌汚染や害虫混入の原因となりますので、床への直置きは避けてください。

Q7. 危害要因の把握と自社の弱点の把握の違いを教えてください。

A. 「危害要因」は工程管理における個別のハザード、「自社の弱点」は製品や設備など全体の特徴(水分活性が多くて傷みやすい、生食なのに加熱工程がない、手作業が多いなど)についてを意味します。

Q8. 食品を開封後の使用期間のルールがありますか? ほとんど、「早めにお召し上がりください」と書いてあります。

A. メーカーに確認しても明確な回答がない場合がほとんどなので、製品に応じて、自社で期限を設定する必要があります。他社の事例としては、調味料などは「開封後は要冷蔵で1か月以内に使い切る」というところがあります。

Q9. HACCP に沿った衛生管理を実施していることを、食品事業者はどのようにし て認証を受けたら良いですか

A. HACCP制度化では「認証」という考え方はありません。セミナー内で紹介した監視票に基づいて保健所の監視員がチェックし、合格すればHACCPに沿った衛生管理が実施されていることになります。

Q10. HACCP制度化が開始になって、保健所による立入調査、衛生管理計画の確認などのタイミングや頻度は、以前と比べて変わりますか?

A. 変わらないと思います。HACCP制度化開始前と後で、保健所の食品衛生監視員の人数は変わっていないからです。

第7回|ゾーニング管理に求められるクリーニングツールの重要性

2021年9月 開催動画

第食品を衛生的に製造するためのゾーニング管理におけるクリーニングツールの重要性について解説しました。そのクリーニングツールの中でも重要な役割を果たす「洗浄ブラシ」の効果を最大限に引き出すための管理方法を、世界最大のブラシメーカーであるヴァイカン社の日本総代理店であるキョーワクリーン株式会社様に解説して頂きました。
ブラシの毛が切れやすい使い方や、ブラシのメンテナンス方法、交換の目安など、有益な情報を得られますので、ぜひ視聴ください。

第7回衛生WEBセミナーで頂いた質問と回答

Q1. エアシャワーを1回目にしないと効果が落ちるという事でしょうか?

A. 今回の事例では、一番目に使用した場合に効果が高かったですが、順番はどちらでも良いと思います。いずれにしても、エアーシャワーは毛髪除去に大変有効ですので、積極的に活用してください。

Q2. 毛のハード、ソフトの使い分けを教えてください

A. ハードはソフトよりも毛が太くてひっかかりにくいので、機械などの洗浄に適しています。また、頑固な汚れの場合にもハードのほうが適しています。

Q3. 食品加工の機械には構造上ブラシでは洗いにくいものが存在すると思いますが、やはりこの場合も極力ブラシを使用しスポンジの利用は最低限にとどめるといった方がよろしいのでしょうか?

A. ブラシで洗いにくい形状のものは、もちろんスポンジを使用しても差し支えありません。ただし、ブラシで洗えるものについては、極力、ブラシを使用して洗浄してください。スポンジよりも高い洗浄効果が見込めます。

Q4. 刃物の洗浄にヴァイカンのブラシを使っていますが、毛が切れてしまいます。いいブラシはありますでしょうか?

A. ハードはソフトよりも毛が太いので、多少ですが、刃物に対して切れにくいと思います。それでも切れてしまうようであれば、泡洗浄など、ブラシを使わない洗浄方法もご検討ください。

Q5. ゾーンプランナーは図面に機械まで落とし込まないと正しい結果が出ないのでしょうか?

A. 機械がなくても大丈夫です。ただし、機械への適正も含めてブラシを選択しますので、情報があったほうが、より的確なご提案が可能です。

Q6. ブラシの洗浄頻度はどのくらいがよいのでしょうか。(毎回次亜塩素酸ナトリウムで付け置きができるのが理想的だとは思いますが)

A. 毎回使用後に洗浄が理想です。難しければ、最低限、作業終了時にはリセット洗浄を実施してください。

Q7. 清掃道具の管理方法。モップやスポンジも使用後に次亜塩素ナトリウムにつけて管理すべきでしょうか?

A. 工場環境にも拠りますが、床用であればモップまでの殺菌は過剰かも知れません。スポンジが食材に直接触れる機械や厨房機器の洗浄用であれば、作業後の殺菌を推奨します。汚れをしっかり落としたあとで漬け置きしてください。

第8回|正しく実践!ノロウイルス現場対策のポイント

2021年11月 開催動画

ノロウイルスによる食中毒は1年を通じて発生していますが、冬の到来とともに大幅に増加し、1回で多数の患者が発生することが特徴です。
また、過去には学校給食での「パン」や「刻みのり」など、通常の病原微生物では食中毒の事例が少ない食材においても大規模に食中毒が発生している、とても手ごわいウィルスです。
このように、ノロウイルスについては、しっかりとした準備と、特別な対策が必要と考えます。

食品衛生業界ではノロウイルス対策の第一人者であるサラヤ株式会社様に講師を努めて頂き、あらためてノロウイルスの特徴と、食中毒を防止する5つの対策について解説頂きました。
毎年、冬本番が到来する前に視聴して、ノロウイルス対策の強化を図って頂きたいと考えます。

第8回衛生WEBセミナーで頂いた質問と回答

Q1. ノロウィルス感染対策として、従業員にカキ(ニ枚貝)の喫食を禁止しても、問題ないでしょうか?

A. 個人の嗜好の問題もありますので、注意喚起レベルでとどめている事業者が多いようです。

Q2. 嘔吐物処理の際に使用する次亜塩素酸ナトリウムは、原液でも大丈夫でしょうか。

A. 原液でもノロウィルスへの効果はありますが、対象物を痛めたり、匂いなどによる健康被害が発生する恐れがあります。濃度1,000ppmでの使用をおすすめします。

Q3. 和式のトイレの場合は床の汚染度が高くなる事が想像されますが、床のタイルがザラザラしており、ダスター以外で良いツールはありませんか?

A. ブラシなど、対象物にあった洗浄ツールを使って、しっかり擦り洗いしてください。

Q4. ノロウイルス等のノンエンベロープウイルスの不活化には、オゾン(オゾン水)が効果的であると聞きますが、実際のところはどうなのでしょうか。そうだとしたら、「ノロウイルス対策」として「オゾン(オゾン水)」の活用「だけ」で済ますことができるのでしょうか。

A. オゾン殺菌水メーカーのテスト結果を見て、効果はあると思いますが、オゾン濃度などの条件などにも関係すると思いますので、個人的に「効果あり」と断定はできません。詳しくはオゾン水のメーカーさんにご確認ください。また、オゾン効果についての公的な資料がありますので、参考にしてください。

Q5. エンベロープとは何でしょうか?

A. 脂質やタンパクなどからできた、ウィルスを守っている外側の膜です。

Q6. 嘔吐物処理の実践形式の研修方法として、良い方法はありますか?

A. 床にブルーシートを敷いて、処理キットを準備し、模擬嘔吐物(おかゆ、ヨーグルトなど)を使って実践すると良いと思います。下記の処理方法の動画も参考にしてください。

第9回|組織における食品安全対策について

2022年1月 開催動画

皆さんの現場では、同じようなクレームやミスが繰り返し発生していないでしょうか。
もしそうであれば、いつか重大な食品事故が発生してしまう恐れがあります。
なぜミス・失敗は繰り返されるのかの原因に迫り、そこから抜け出す考え方について解説しました。
繰り返し発生するクレームやミスでお悩みの責任者の方、また、品質管理担当者の方は、ぜひご覧ください。

第9回衛生WEBセミナーで頂いた質問と回答

Q1. 手順書(標準作業書)は、ミスをなくすために作成は必須でしょうか。

A. 作業の標準化は、ミス防止の基本です。無いと現場のルールが変化してしまう恐れがあります。全てを文書化しようとせず、範囲と優先順位を決めて作成をすすめてください。

Q2. 内部監査を実施する場合の、適正頻度を教えてください。

A. これから内部監査を開始する企業であれば、変化を見るために3ヶ月に1回程度で実施してください。定着している企業であれば、半年や1年に1回程度で大丈夫と思います。また、内部監査員のメンバーと力量を規定して文書化してください。

Q3. 外部監査は、どのような企業にお願いしたら良いでしょうか?

A. ISOやJFSの審査会社、洗剤メーカー、ペストコントロール業者が考えられます。折兼でも実施が可能です。

Q4. 食品安全文化の現場での定着や対策の継続が難しいと思いますが、内部監査や外部監査で定着させる以外方法はないのでしょうか。 監査ですと是正の内容を見てもらえない可能性があります。

A. 内部監査・外部監査は、食品安全文化を定着させるきっかけづくりとしては非常に有効ですが、是正内容を見てもらえないと効果が薄れます。経営層を巻き込む、ポイントを絞って報告するなど、まずは様々な手を使って見てもらえる仕組み作りに取り組んでください。

Q5. 職務分掌や方針管理については、HACCPチームで行うことがらでしょうか。またどのように進めたらよいですか。

A. 職務分掌や方針管理は、人事や総務などの管理部門や経営層で取り扱う事項と考えます。HACCPチームはあくまで「食品安全」についての事項を管理すべきです。

Q6. クレームの真因を調査しようとすると、実務担当者が責められているように感じるようで抵抗が激しいです。組織を変えるためと言っても聞く耳を持ちません。何か良い手段はないでしょうか?

A. 1対1ではなく、チームを組んで「真因」の調査をすすめてはいかがでしょうか。実務担当者は、改善をすすめるためのチームの一人として入ってもらい、クレームに至った行動を客観的に分析して真因を発見してもらうというスタンスです。

第10回|HACCP制度化における防虫防鼠対策について

2022年3月 開催動画

衛生管理のひとつに「防虫防鼠対策」がありますが、具体的にどのようなことをすれば良いのかわからないという声をよくお聞きします。
そこで、HACCP制度化における「防虫防鼠」の衛生管理計画作成のポイント、また、自分たちでできることと専門業者に頼むべきことについて、防虫防鼠の専門家、セントラルトリニティ株式会社様に解説して頂きました。
過去にあった3つの事例を元に、防虫防鼠のポイントをわかりやすく解説して頂きました。

第10回衛生WEBセミナーで頂いた質問と回答

Q1. なぜ防虫は必要なのですか?

A. 食中毒菌を媒介する恐れがあることと、製品への異物混入を防止するためです。

Q2. ゴキブリが多く発生して困っています。バルサンなど薬剤を使わない駆除方法はありませんか?

A. ゴキブリの種類・生息数が不明のため判断がつきませんが、何でも餌にすることができるゴキブリ類を薬剤なしで管理を行うことは、かなりハードルが高いと思います。ただ、皆様のご自宅にゴキブリがいない用でしたらそれも一つの管理方法になると思います。なぜ、ゴキブリがいないか考えてみてください。

Q3. 防虫対策について質問があります。虫が発生している箇所に洗剤(泡状)を噴霧することにより虫は死にますか。また虫に次亜塩素酸ナトリウム(200ppm程)を噴霧することによって虫は死にますでしょうか。

A. 高濃度の洗剤でしたら気門が閉塞し、窒息死させることができると思います。次亜塩素酸ナトリウムは高濃度にしてもあまり効果は期待できません。それよりも生息場所の改善のために専用の薬剤を使用したほうがよいと思われます。

Q4. 7Sは(5Sプラス)殺菌洗浄の認識でよろしかったでしょうか?

A. 整理、整頓、清掃、清潔、しつけ、洗浄、殺菌で7Sになります。

Q5. チャタテムシはカビのあるところから生えると伺いましたが、その他発生し易い個所と事例があれば教えて下さい。

A. カビが発生しやすい高温多湿な環境はチャタテムシが発生しやすい場所になります。また、結露が発生しやすい場所も発生源になります。さらに、皆さんが清掃したくないなあ、と思うような場所はチャタテムシの発生源になりやすい場所です。

Q6. クモの巣が多く、これといった対策がありません。何かありますか?

A. クモが巣を張る場所は餌になる虫が集まる場所です。その原因(光、空気の流れなど)を無くすことにより問題が解決することがあります。

Q7. 従業員から実際の清掃で分かった問題点・改善点や目標を記入して集めた事例の紹介がありましたが、問題点・改善点の意見はすぐに集まりましたでしょうか?特に意見がなかった場合、意見を集約するのに努力したことがありましたら、ご教授いただけると幸いです。

A. 従業員の皆さんが思う問題点・改善点と、実際、防虫防鼠管理の中の問題点は異なっていることがあり、意見を集めてもなかなか集まらないことがよくあります。問題点はこういうものですと、実際に見る経験が増えると問題点が集まりやすくなると思います。

Q8. 実習生の寮内でゴキブリが発生しており、定期的に燻蒸殺虫しています。持ち物から更衣室にてゴキブリを確認する場合がありました。持ち物からの侵入防止対策で良いアイデアがあればご教授ください。

A. ゴキブリの発生を無くすことが一番と思いますが、それができなければ、私物(持ち物、服など)を様々な場所に保管し、作業場の直前では私物が全くない状態で着替えをするというのはどうでしょうか。

Q9. 工場の周りに鳩が多く発生しており、工場の軒にとどまり困っております。原料の食害や糞の被害など。鳩に効果のある対策は何があるでしょうか?

A. ハトの対策はネットやスパイクによる物理的対策、忌避剤による化学的対策があります。糞の被害額が多いようでしたら、市町村に捕獲申請を出して捕獲することも対策の一つになります。原料が食害されることを改善できたら効果が高いと思われます。

Q10. 加工場内の床面、防水塗装が端から捲れあがって剥げてくるのですがそこに水が溜まります。再度防水塗装をしなければならないのでしょうか。他に対策及び対応があればご教授下さい。

A. 防水塗装が捲れあがってしまったということは、簡易的な補修では解決できないと思われます。床全面の再塗装の計画と予算取りを検討していく必要があります。ただ、再塗装するまでそのままというわけにはいかないので補修する方法(モルタルで穴を塞ぐ等)を考えていく必要があります。虫歯の治療と考え方は同じと思うと解決方法は見えてくると思われます。

Q11. クロゴキブリの発生は外部に要因があるとのことですが、外部のどのような箇所にどのような対策(薬剤散布など)を行えば宜しいでしょうか?

A. クロゴキブリの屋外の発生源として排水経路があります。工場から排水処理施設への排水経路が最も分かりやすいものになります。分かりにくい場所の例としては、排気ダクトから出た原料の粉を流水で清掃した場合の水が流れる排水溝は予測がつきにくい場所になります。対策は殺虫剤の散布と餌になっているものを除去する清掃になります。

Q12. 季節により発生虫の増減があります。毎年同じ感じなのにサイクルが断ち切れません。季節性の発生に関して対策をとれた事例はございますか?

A. 発生する虫がはっきりしないので詳しいことは言えませんが、毎年の発生傾向に変化があまりなければ、安定した状態の問題点で虫が発生していることが考えられます。つまり、室内で発生している虫であれば、清掃が行いにくいとか、汚れが大量に溜まっているとか、があります。自然界で発生する虫であれば、発生をコントロールすることはできないため、侵入を阻止する対策が必要と思われます。

Q13. ゴキブリが発生しています。幼齢虫のゴキブリの行動範囲はどのくらい(何平米)ですか?

A. ゴキブリの移動距離を測ったことはないので、はっきりは分かりません。ただ、生物であれば、生存可能な条件が整っていれば広範囲に移動する必要はないと思われます。よく見かける場所の近くに発生源があることが多いと思われます。

Q14. 食品工場の隣が牛舎です。ハエの対策をしても防虫しきれない状態です。何かアドバイスはありますでしょうか。

A. 牛舎の方と話合いで解決できればよいのですが、難しいのが実際と思います。物理的な障壁(高い壁など)やハエの誘引源になっているもの(廃棄物や臭い)を減らすになると思われますが、費用対効果に合わないと思われます。

Q15. グリストラップでの発生を極力抑えていく為に、対策として行うと良い事はありますか。飲食店舗内です。

A. グリストラップでどのような虫が発生しているか分かりませんが、一番は清掃することです。ただ、店舗から出る排水とグリストラップの能力が合っていないと清掃にかなり負担がかかると思います。また、グリストラップが経年劣化でコンクリート部分に隙間があるようでしたら、補修を行うことが必要になります。

第11回|組織における従事者研修

2022年5月 開催動画

現場の衛生レベル向上に欠かせない従事者研修。
HACCPや食品安全の認証を推進する上でも欠かせないテーマのひとつです。
しかしながら、なかなか効果的な研修会が開催できていないという声を、よくお聞きします。

そこで、このセミナーでは、自社の食品安全確保のためにどのようなアプローチで従事者研修を開催したら良いのか、また、効果的な研修にするためのポイントを解説いたしました。
外部講師を数百回努めた講師による、長年の経験に基づいた、実践的な内容となっております。
従事者研修を開催する立場の現場責任者や品質管理担当者は、ぜひご覧ください。

第11回衛生WEBセミナーで頂いた質問と回答

Q1. 従事者研修の頻度と1回の時間はどれくらいが適切でしょうか。他社事例など教えて頂きたいです。

A. 頻度について、多いのは年1回か半年に一回です。1回の時間は対象者にもよりますが、現場従事者で60分、品質管理や食品安全チーム担当者であれば90~120分が目安です。

Q2. 折兼さんで研修の講師を請け負っていただけるとのことでしたが、遠方でも実施して頂けますか。

A. もちろん可能です。遠方で訪問が難しければ、ZOOM等を活用したWEB研修会の開催も可能です。

第12回|食品製造現場における微酸性電解水の活用

2022年7月 開催動画

食材や調理器具、機械設備などの除菌が可能な「電解次亜水」。
現場の衛生環境をレベルアップできるので導入がすすんでいますが、液性や生成方法など、さまざまなタイプが販売されています。
新たに導入したいけど、どのタイプを選んだら良いのか、また、既に導入されているけど、どういったメカニズムで生成されて、どのような殺菌効果があるのか、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は、電解次亜水の中でも非常に優れた特性を持つ微酸性電解水について、製造装置「ピュアスター」のメーカーである森永乳業様を講師にお招きし、その特徴や効果を解説し、実際の現場での活用事例についても解説して頂きました。

第12回衛生WEBセミナーで頂いた質問と回答

Q1. 現場に設置スペースがありません。屋外への設置はできますか。

A. 屋外でも雨・風が当たらない場所であれば設置が可能です。

Q2. デモ機の貸し出しは可能ですか。

A. ピュアスターμクリーンⅡ、Mp-300、Mp-1000、Mp-2500について、デモ機の準備がありますので、ご相談ください。

Q3. 次亜塩素酸水や電解次亜水など、似たような名前の除菌水とは何が違うかを教えてください。

A. ピュアスター水の最大の特徴は、中性に近く、原料に塩分が入っていないため、腐食性が低いことです。

Q4. 微酸性電解水を生成する時に発生する塩素ガスは危険ではないのですか?

A. 微量の塩素ガスの発生はありますが、ピュアスター水に溶け込みます。機械が正常に稼働していれば、ガスのみが外部に漏れてくることはありません。

Q5. スーパーマーケット業態です。ピュアスター水の殺菌効果はどれくらい持続するのでしょうか。PCセンターで製造したピュアスター水をボトルに詰め、各店に配送しての使用を考えています。

A. 資料にも掲載されていますが、遮光密閉ボトル内では1週間経っても濃度の低下がほとんどありません。配送するボトルに注意すれば、質問頂いた使用方法でも十分効果ががあると思います。

Q6. コンビニベンダーさんの事例で、5℃のコールドチェーンで活用してらっしゃるとのことですが、温度が低いとピュアスターの効果が低いと、最初の方で伺いました。そこはどのように捉えれば良いのでしょうか?

A. 塩素系の殺菌剤は温度が下がるほど殺菌効果が低下する傾向がありますが、ピュアスター水は次亜塩素酸ナトリウムと比較しても効果の低下が少なく、十分な殺菌効果を発揮します。実際にピュアスターをチラー水としての活用事例もございます。

Q7. 洗浄後、機械の殺菌のために漬け置きをしています。何分漬ければ効果がありますか?また、漬け置き後、使いまわしは何回程度使用できますか

A. 洗い残し(有機物)がなければ、数秒で殺菌効果を発揮しますので1分程度で十分と考えます。使いまわしに関しては、使用後の塩素濃度次第なので、何回というのは一概に言えません。

Q8.海外向けの商品での使用は難しいでしょうか?(アメリカ、EUなど)

A. 製品に対しての使用ならば、製品を輸出する国によっては使用する塩素濃度の上限があるので注意が必要です。機械の海外での使用については、サラヤ(株)で実績があります。

Q9. 芽胞生成菌にも有効ということでしたが、使用温度帯にしばりはないのでしょうか?また、推奨温度帯はありますか?

A. 温度が高いほど殺菌効果は高まりますが、同時に腐食性も高くなってしまいます。バランスを考えると40℃くらいがベストではないでしょうか。

Q10. 温度を上げて使用する場合、生成後のピュアスター水を加温すればよいのでしょうか。

A. まず原水の温度を高めてから、ピュアスター水を生成することを推奨します。生成後のピュアスター水を加温する場合は、熱交換器(加温器)に腐食しにくいものを選ぶ必要があります。

第13回|食品防御について 〜必要性と取り組み方を知る~

2022年9月 開催動画

近年発生している食品への意図的な異物や薬物の混入は、食品関連事業者に対して大きな脅威となっています。2021年6月に施行されたHACCP制度化を機会に、HACCPに基づく衛生管理ルールの強化や見直しを行われた事業所も多いかと思いますが、意図的な危害はHACCPシステムでは防げません。

そこで今回は「食品防御」をテーマに、会社の信用や大事な従業員を守るために、いまなぜ食品防御が重要なのかを説明いたしました。

第13回衛生WEBセミナーで頂いた質問と回答

Q1. 工場に監視カメラの設置を検討しています。折兼さんで取り付け事例はありますか。

A. 折兼での設置事例あります。カメラで実現したいことを聞き取りした上で、設置場所や運用方法、お勧めのカメラタイプをご提案します。ご相談ください。

Q2. コロナ禍で直接工場訪問・工場監査を行えていない。ZOOM等を使用しオンラインで工場内を見ることはある(見学レベル)が不慣れです。食品防御面においてオンラインで工場視察・監査を行う際のポイントを教えてください。

A. 見るべきポイントを明確にして、どこをどのように映して欲しいのか、事前にカメラを操作する方に指示をすることが重要です。また、作業環境だけではなく、人の動線などを確認することも大事です。

Q3. 薬品の使用量モニタリングについて、目分量でのモニタリング(週に1回)+申告制による運用をおこなっているのですが、誤差が大きく出てしまう場合があります。(30L/月など) 効果的な対策が考えつかないこと(空き容器のカウント位)から、薬剤管理についての一般的な効果的なモニタリングについてご教示をお願い致します。

A. 希釈装置か定量ポンプをご検討ください。洗剤メーカーによっては無償提供であったり、貸与してくれるところもあります。

Q4. 異物混入しようと思う人を予見するための事前の怪しい行動など(挙動)はありますか?

A. まわりの目を気にしたり、担当エリア外に入るなどの行動をする傾向があります。

Q5. 弊社では従業員が少なく、作業場に入場する際にタイムカードを押すくらいしか管理ができておりません。費用的な面でもIDカードの導入なども難しいと思うのですが、何か他に対策方法などあったりするのでしょうか。

A. 録画のみ行うシンプルな見守りカメラであれば、それほどコストも掛からず、抑止効果もあると思います。それでも予算が厳しいようであれば、ダミーカメラをご検討ください。

Q6. 食品防御チームを設けたほうがよいとありましたが、具体的な活動事例があれば教えてください。

A. 活動事例としては、外部侵入者の防止対策、持ち込み禁止品のリスト作成やチェック、従業員ごとの移動範囲設定、外部訪問者の入場ルール策定、働きやすい環境作りや教育などがあります。

Q7. 食品防御チームの編成についてメンバーに条件はありますでしょうか?(何らかの資格を有するなど) ※特にFSMS

A. 資格は特に必要ありませんが、食品防御はセキュリティ、労務管理とも関連しますので、HACCPチームよりも、幅広い人選が必要になります。また、施設や従業員の管理などが発生するので、ある程度の権限と力量も必要になります。

Q8. カメラを設置した場合、どの様に管理しているのでしょうか。確認頻度・確認方法・確認者など。

A. カメラ設置の目的によって、管理方法も様々です。アラートがあった場合のみ確認のところもあれば、品管担当者が毎日のように手洗いチェックをしている会社もあります。

Q9. 海外からの輸入原料に虫が付着(卵)していたらどのように確認したらいいですか?目視検品では確認できない状態です。

A. 原料の包装状態などが不明なため、明確な回答が難しいですが、基本は目視強化と考えます。特に出荷元での対策強化を行ってください。

Q10. 入場時のヒアリングで持ち込みのないことの確認、ハンディタイプの金属検知器を使用して持ち込み対策をしていますが、非金属製のものに対してはどのようにしたらよいでしょうか。

A. チェックでの対策にも限界がありますので、持ち込みする気を起させない風土づくりを目指してください。また、持ち込み禁止品リストではなく、必要最小限のみ持ち込みできる「ポジティブリスト」に変更した会社もあります。

Q11. ユーティリティ(水)へのアクセス管理について、施錠する場合、ダイヤルでは番号管理、南京錠では鍵の管理が必要で、管理が煩雑になっています。効率的な施錠管理方法はありますか?貯水タンクについてです。

A. アクセスできる管理者を限定することによって、管理の負担を軽減できると思います。また、現在、スマホで解錠できる鍵も市販されていますので、検討してみてください。

第14回|「効果的・効率的な洗浄作業の追求」

2022年11月 開催動画

食品衛生法の改正により、2021年6月から「HACCP制度化」が本施行され、食品事業者はより一層の衛生管理の徹底が求められることとなりました。
また、一般衛生管理におけるアレルゲン管理の重要性があらためてクローズアップされており、現在の洗浄作業に不安をお持ちの方も多いかと思います。

そこで、今回は「効果的・効率的な洗浄作業の追求」~正しい洗浄ツールの選び方と管理のポイント~をテーマに、国内の大手スポンジメーカーで長年商品開発に携わってきた専門家が、洗浄の基礎知識を解説し、そのうえで汚れや対象物にあった洗浄ツールを正しく選択するための知識や、管理のポイントを説明いたしました。

第14回衛生WEBセミナーで頂いた質問と回答

Q1. 金属探知機に反応する磁性スポンジの開発は難しいですか。

A. スポンジの製造工程で針(金属)を使用しており、検品工程で金属探知機に通しています。現状の製造方法では難しいと考えます。

Q2. 次亜塩素酸ナトリウムによる消毒ですが、毎日の作業は難しいです。最低限、どれくらいの頻度で行うべきでしょうか。

A. 基本的には毎日実施すべき作業です。どうしても難しければ、最低限「乾燥」を毎日行ってください。

Q3. 塩素以外のカビの洗浄方法(予防、工夫含む)と現場での長靴の洗浄としていい方法あれば教えてください。

A. 長靴の洗浄として、手付きロングブラシがよく使われています。

Q4. 中華鍋のコゲ落としにぴったりな洗浄剤とスポンジは何でしょうか?

A. ①アルカリ系洗浄剤を使用し、②研磨粒子入りたわしで擦ってください。

Q5. 中華鍋の正しい洗浄の仕方を教えて下さい。

A. 日々のメンテナンス(洗浄)は中性洗剤とブラシを使っての洗浄が良いと考えます。油を落としてしまうと焦げ付きやすくなるので、洗剤を使用せず、水洗いを推奨しているところもあります。ブラシについてはシダ製の亀の子はカビやすく抜けやすいので、プラ製のものをお勧めします。

Q6. コスト的な部分になるので、いいものはわかりますが、消耗品なので、例えば、体を洗うもので代用は可能でしょうか?皮膚は繊細なので良いかと思うのですがどうでしょう。

A. 代用は可能です。実際に使われている企業様もあります。ただし、体を洗うタイプは柔らかいものが多いので、破片の異物混入には注意が必要です。

Q7. スポンジを中性洗剤で洗浄後、微酸性電解水に浸漬して消毒としています。微酸性電解水は残留塩素濃度が10~60ppm程度ですが、その後水道水で流した方がよいのでしょうか。

A. 微酸性電解水は残留性が比較的低いと思われますが、スポンジの劣化を防ぐために念のため、水道水で洗い流してください。

Q8. 飲食店で使用する際の理想的なスポンジの交換頻度はどれくらいですか?

A. スポンジの使用回数にもよりますが、1週間から10日に1回の交換をお勧めします。ただし、耐久度の高いスポンジであれば1ヶ月程度持つこともあります。

Q9. 異物混入を、防ぐ1番の方法は何ですか?

A. 素材の特性を理解し(例:安価なスポンジはちぎれる、不織布は毛玉になる)、起こりやすい場所を特定し、従事者への注意換気(教育)をすることです。

Q10. 食洗機を使用する前洗浄時に洗剤は必要ですか?洗浄機を信用しても大丈夫でしょうか?

A. 正しく運用していれば自動洗浄機で汚れは落ちます。ただ、こびりついた汚れを浮かして落としやすくするために、①前洗浄時の洗剤は効果があります。②専用スポンジと組み合わせてお使い下さい。

Q11. ホース内部の洗浄におすすめなツールはありますか?

A. キクロンの汎用商品では該当ツールありませんが、ジョイントパイプクリーナーという製品がございます。ブラシヘッド+ロッドを組み合わせることにより、幅広いパイプ径と長さに対応したホース内部の洗浄が可能です。試用ご希望であれば、ご相談に乗ります。

第15回|「効果的な社内点検のポイント」

2023年2月 開催動画

食品衛生法改正による自治体の自主管理認定制度縮小の影響で、JFSやISO、FSSCなどの第三者認証の取得が加速している状況です。
その際、定期的な内部監査の実施が必要となりますが、監査員の力量不足に悩んでいるという声を多くお聞きします。
また、外部監査での指摘事項を苦労して改善したと思ったら、次の監査では今まで指摘されなかった新たな項目を指摘されてしまう、という悩みをお持ちの方も多いかと思います。

このような状況の元、今回は「効果的な社内点検のポイント」~その社内点検で顧客満足が得られていますか?~をテーマに、数々の食品加工現場の衛生改善指導を行ってきた講師が、その長年の経験を元に、社内点検における準備から社内へのフィードバックに至るまで、効果的なものとするためのツボを解説いたしました。

第15回衛生WEBセミナーで頂いた質問と回答

Q1. 不具合が発見された際、なんでも監査側(品質保証部)に関連付けされてしまう。自主的に現場から再発防止案を考えてもらうには、どうしたら良いでしょうか。

A. 資料4ページ(録画11:18~)の「失敗・ミスを特定するための切り口となるガイド・クエスチョン」を参考にして、再度、不具合の原因を考えてください。

Q2. 改善案について現場担当者と打ち合わせをしたいが、なかなか時間を取ってもらえないことが多く、悩んでいます。

A. 現場担当者と1対1でのやり取りに陥らないようにしましょう。現場責任者も巻き込んで、会社の仕事として取り組んでもらってください。

Q3. 立ち会い者は第三者(部外者)であるほうが効果的と思われますか?部外者とは例えば御社の監査員の方などの専門家で、社外の方と言う意味です。

A. 立会者は現場責任者クラスの人が効果的です。理由は指摘事項をその場で確認してもらえるからです。監視員は社内・社外、どちらでも構いません。

Q4. 衛生点検を行う点検者に対して、研修の話がありましたが、力量を維持するためにどのような教育をすればいいか具体的に知りたいです。

A. 現場の衛生チェックにおいて、点検項目に頼らずフリーで指摘項目と改善案を提示してもらい、足りない部分を教育することを繰り返してみては、いかがでしょうか。

Q5. 資料の11ページ(録画28:20~)の折兼様による衛生チェックにて報告書に改善のポイントとして改善前後の写真を載せておりますが、これはその場で改善しているのでしょうか。 それとも、後日店舗側から改善状況写真を提出してもらっているのでしょうか。

A. これは監査側の立場でいうと、衛生チェック訪問前に前回の指摘事項を把握しておき、訪問時に改善点の写真を撮影します。報告書作成時に比較写真を掲載して提出します。

Q6. みんなで決めたルールを守ってもらえない事があります。理由はやり難いから。現場の声を元にルールの見直しをした方がいいでしょうか?

A. まず、そのルールを変更しても本当に問題がないかを考えてください。その上で、やりづらいと考えている人が多数であれば、話し合いを元に変えることも良いと思います。

Q7. 製造現場の方の品質意識、社内風土を変えるためには先生であれば具体的にどうされますか。

A. 人の意識・行動を変えるのは大変難しいですが、一例として、評価・研修制度を見直してみては、いかがでしょうか。

Q8. 点検項目なしのフリーの点検をすると、粗さがし、個人的な指摘になってしまうのかと思います。フリーで点検を実施するコツなどはありますか。

A. 事前に「衛生レベル向上につながる指摘をする」という目的をしっかり持って点検する、させることが重要です。監査の研修に参加したり、外部の監査員に立ち会ってもらい力量を向上させることも検討してください。

第16回|「食品製造現場における洗浄剤での労災事故防止」

2023年5月 開催動画

食品製造において「洗浄剤」は、現場を衛生的に保つために欠かせない必須のツールです。
その反面、取り扱いを間違えると期待した効果を発揮できず、思わぬ労災事故を誘発する要因ともなります。
そこで、「食品製造現場における洗浄剤での労災事故防止」~その使い方は正しいですか?~をテーマに、国内有数の洗浄剤メーカー「アルボース」で長年開発に携わっている専門家が、食品製造現場で発生しやすい労災事故の事例も交えながら、洗浄剤の安全な管理のポイントを解説いたしました。

第16回衛生WEBセミナーで頂いた質問と回答

Q1. 2016年から洗浄剤のリスクアセスメントが義務化とありましたが、実施していない場合の罰則はありますか。

A. 罰則は定められておりませんが、労働基準監督署の監査の際に指導対象となる場合があります。

Q2. SDSの更新頻度を教えてください。

A. 労働安全衛生法が改正され、SDSの「人体に及ぼす影響」の項目について、5年に一度は確認・見直しが必要となりました。

Q3. 化学物質管理者の選任は、誰を選任したか書面等で残す必要はありますか?

A. 書類で残すことが推奨されます。ただし、行政機関への届け出は不要です。

Q4. マニュアル類は、アルボースさんの洗剤を導入すれば、作成して頂けますか。

A. お客様の状況に応じたマニュアル類の作成が可能です。

Q5. 化学物質管理責任者及び保護具着用管理責任者は施設内で掲示すべきですか?また、飲食チェーン店でも選任が必要でしょうか

A. 労働安全衛生法で掲示や明示することが記載されています。また、リスクアセスメント対象の洗浄剤を使用しているのであれば、飲食チェーンでも選任が必要です。それにはSDS内「15.適用法令」労働安全衛生法に記載があるかを確認ください。(資料21ページ参照、録画28:31~)

Q6. 使用している薬剤・試薬等について、毒物・劇物・危険物をラベル表示からすぐに見分ける手段はありますか。もしくは、簡易に調べられる役に立つウェブサイト等はありますか?

A. 毒物・劇物については、ラベルに「医薬⽤外毒物」または「医薬⽤外劇物」と表⽰されています。該当しているか否かは、①のサイトを参照ください。

「消防法」上の危険物に該当するものには、ラベルに消防法に基づく『品名』・『危険等級』・『注意事項』等の記載があるかご確認ください。
危険物に該当するかどうかは、消防法別表第一の品名欄にあるか、その性状を有するか、等で判定します。消防法別表第一については、②のサイトを参照ください。

Q7. 次亜塩素酸Naに浸漬したまな板から、ごく微量ではあるが菌が検出することがあるが、完全に殺菌できないのは何が原因と考えられますか?

A. 汚れが残っている場合は、汚れにブロックされて、その下にいる細菌を殺菌できていない可能性があります。次亜塩素酸ナトリウムには洗浄力がないので、まずは洗剤でしっかり汚れを落としてください。また、まな板についた細かい傷の中に汚れが入り込んでいる可能性があります。ブラシを使った丁寧な洗浄を心がけて、劣化が進んだまな板は交換してください。

Q8. 次亜塩素酸の洗剤を使用する場合でも化学物質管理者を選任する必要はありますか?

A. 次亜塩素酸ナトリウム自体は対象物質ではありません。該当の洗剤についてSDS内「15.適用法令」労働安全衛生法の項目に物質の記載があれば、リスクアセスメント対象物ですので、化学物質管理者の選任が必要です。(資料21ページ参照、録画28:31~)

Q9. 資料にありました洗剤希釈装置は水道やホースと接続するタイプでしょうか?また電源は必要ですか?

A. 資料の14ページ(録画21:52~)に記載のある希釈装置は、製品名をブレンドセンターと言います。水道接続タイプで電源も不要です。希釈作業の標準化が行えるツールです。

Q10. 管理責任者を掲示する際は役職でも可能でしょうか?

A. 化学物質管理者、保護具着用管理責任者ともに、氏名を事業場の見やすい箇所に掲示すること等により関係労働者に周知する必要がありますので、氏名で表示することが推奨されます。

第17回|「食品安全にどう取り組むか」

2023年7月 開催動画

食品関連企業において、「食品安全をどう担保するか」は最大のテーマの一つであり、その企業における品質管理部門と品質保証部門の果たす役割は、言うまでもなく非常に重要です。
しかし、その違いや役割分担がよくわからないという方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回のセミナーでは「食品安全にどう取り組むか ~儲かる品質管理と品質保証~
一つの切り口として、数々の食品関連企業の衛生改善指導を行ってきた講師が、その長年の経験を元に品質管理と品質保証のそれぞれの役割や位置づけや、組織の取り組み姿勢について解説いたしました。

第17回衛生WEBセミナーで頂いた質問と回答

Q1. 私は食品工場の品質保証部門の課長です。当社の品質保証部門は、工場の一部署として位置づけされており、品質より生産が優先されている業況です。組織変更を会社に働きかけたいですが、どのようなアプローチが効果的と思われますか。

A. 現状の体制では、細菌検査で結果が悪くても出荷が優先され、食品事故が発生するリスクが高いことを、経営層に危機感をもって説明してください。

Q2. 資料の4ページ(録画12:30~)で品質管理の具体的な仕事の例を挙げて頂きましたが、①番の「作業標準書の作成」から順番に行うべきでしょうか。

A. 企業によって優先順位は変わりますので、資料通りの順番にこだわる必要はありません。

Q3. 30名程の小規模食品メーカーですが、約2.5名/1部署で「開発」「品管」「品証」のすべてを担ってもらっています。人的リソースをそれぞれに分ける事も人員の都合上難しいのが現状で、それぞれ1名に限定して担当してもらうのも属人化のリスクが考えられます。同規模のメーカーは多々あると思いますが、皆さんどうしているのでしょうか?

A. 個々の事例はわかりませんが、1人で複数の部署を兼任している企業もあります。
その際に成果をしっかり出すためには、それぞれの部門責任者との報連相が重要と考えます。

第18回|「アレルゲン対策」

2023年10月 開催動画

食品関連企業における「アレルゲン対策」は、いうまでもなく最大のテーマのひとつであり、
対策を怠ると重大な食品事故を招く恐れがあります。
2020年に改訂された「コーデックスHACCPガイドライン」では、食物アレルゲンについて
「より一層の管理が必要」と注意喚起され、世界的にも日本国内でも対策への関心がますます高まっています。

そこで、今回のセミナーでは「アレルゲン対策」~食品加工現場におけるコンタミネーション防止~をテーマに、国内有数の洗浄剤メーカー「ニイタカ」で長年にわたり衛生指導に携わってきた専門家が、
食品加工現場で発生しやすいコンタミネーションの事例も交えながら、アレルゲン対策のポイントを解説いたしました。

第18回衛生WEBセミナーで頂いた質問と回答

Q1. くるみのふき取りキットでおすすめのものがあれば知りたいです。

A. 資料27ページにも掲載されている、日本ハム「FAST KIT スリム」がお勧めの商品です。
特別な器材が不要で、15分で簡単に結果がわかります。

Q2. 粉体製品のアレルゲンコンタミ対策を教えてください。水で洗浄できない機械に対してはどうお考えにな りますか。

A. 資料36ページで紹介したセキュアフォームでの清拭がオススメです。
直接スプレーすると粉体が舞ってしまうので、ダスターに噴霧してから清拭してください。
その際、粉の掻き取る効果の高いダスターの併用がお勧めです。
清拭後はアレルゲン検出キットで効果を検証してください。

Q3. アルカリ洗剤を使用できないベルトの洗浄について質問です。このベルトは表面に凹凸があるのですが、 アルカリ洗剤を使用すると裏面のガイドの接着剤が剥がれるので、アルカリ洗剤を使用できません。 現状は希釈した中性除菌洗剤に10分浸けこんでから洗浄していますが、凹凸のところに僅かに肉が付着 し、ベルト全体をブラシでこすっても除去出来ません。 硬めのブラシの毛先で凹凸ひとつひとつを狙ってこすると除去出来ますが、時間が物凄くかかります。何か良い方法はないでしょうか?

A. 形状を見ないとわかりませんが、ジェル状の塩素配合アルカリ洗浄剤「蛋白質洗浄剤Lジェル」であれば、接着剤部分を回避して洗浄が可能かも知れません。

Q4. アルカリ洗浄剤では、たんぱく質が分解されても、必ずしも抗原性が失われないと聞きました。これについて御社の見解をお聞かせください。

A. おっしゃる通り、タンパク質が全て分解されずに一部残っている場合は、抗原性が失われない場合があると認識しています。
現状の洗浄方法(洗剤、濃度、時間、温度、手順)でどの程度分解(失活)できるのか、専用キットで検査し、把握することが大事と考えます。

Q5. ハム・ソーセージ用リテーナー洗浄において、強アルカリ洗浄剤で落ちなかった汚れが、フォーミング洗浄剤CLで落ちた違い・ポイントを教えて下さい。

A. アルカリでは落ちなかったタンパク汚れが、フォーミング洗浄剤CLに配合されている「次亜塩素酸ナトリウム」により加水分解がすすんだものと思われます。

Q6. 酸性に調整されたアルコール製剤でノロウイルスに有効な製品がいくつかございますが、ノロスター セキュアフォームについてはノロウイルスに対応されているのでしょうか?

A. 完全対応とは申し上げにくいですが、代替ウィルスでのテスト結果は良好です。

Q7. アルカリ性がアレルゲン除去に有効との事ですが、pH値はどれくらいからアレルゲン除去に有効なのでしょうか?

A. アレルゲン≒タンパク質の除去に効果が現れ始めるpHについては、pH10あたりから効果が現れ始め、pH11を超えると著しく効果が向上し、以降pHが上がるほど効果が上がります。
(上記はステンレス鋼表面に不可逆吸着したタンパク質に対しての効果数値です)

Q8. 内部が開けられない機械に対してはどのように洗浄しますか。

A. 少しでも隙間があるようであれば、資料29ページで紹介したフォーミング洗浄が使えるかも知れません。難しい場合、内部に汚れが入らないように隙間を埋めてみてはいかがでしょうか。

Q9. アレルゲンをOPRPで管理する場合、アレルゲンがある⇒ない製品の切り替え時に毎回、検査をした方が良いですか?

A. 検査頻度は科学的根拠に基づいて設定されていれば、毎回でなくても良いです。
最初は検査頻度を上げて(毎回)データを収集してください。
毎回検査しても基準の逸脱がほとんどないことを根拠を持って証明できれば、回数を減らしても良いと考えます。

第19回|「自主細菌検査の始め方と導入メリット」

2024年1月 開催動画

自社製品の安全性を担保するために、細菌検査の実施は言うまでもなく重要です。
2021年HACCP制度化の完全施行以降、食の安全意識の高まりを受けて、自社での細菌検査の実施(内製化)を検討される企業も増加しています。
それに伴い、どのように始めたら良いか教えて欲しいというご相談もよく頂くようになりました。

そこで、今回のセミナーでは、「自主細菌検査の始め方と導入メリット」をテーマに開催いたしました。
このセミナーでは、国内有数の細菌検査機器の製造・販売会社「日本細菌検査」で長年にわたり衛生指導に携わっている専門家が、自社で細菌検査を行う事のメリットや、簡単・正確に細菌検査をするポイントを解説いたしました。

第19回衛生WEBセミナーで頂いた質問と回答

Q1. バクットであれば、どんな菌種も検査することができますか?

A. バクットは各種フィルムタイプの培地に対応しております。例えば、ネオジェンのペトリフィルムであれば、一般生菌、大腸菌、大腸菌群、黄色ブドウ球菌、乳酸菌が検査可能です。

Q2. バクットシリーズは3種類ありましたが、それぞれ、検査数はいくつまで対応可能でしょうか。

A. エアは60枚、エスは200枚、コルは500枚のフィルム(検体)が収容可能です。

Q3. 愛知県内で「おにぎり」の店を5店舗経営しています。バクットを使って各店舗共通の衛生基準の設定は可能でしょうか。具体的にどのようにすすめたら良いか、ご教授ください。

A. おにぎりであれば、一般生菌、大腸菌群、黄色ブドウ球菌を基準にすると良いと思います。また、環境と食材の両方で基準を設定、検査してください。中の具材については、コープさんの基準を参考にして設定されると良いと思います。

Q4. 検査備品単品での購入は可能でしょうか。また、安心サポート体制の勉強会は1回いくらぐらいでしょうか。

A. 消耗品のみの購入も、もちろん可能です。また、安心サポートに関しては、頻度や時間によりますので、営業担当にご相談ください。

Q5. なぜ国内に妥当性確認を行う第三者機関が無いのですか?

A. 断定はできませんが、日本は細菌検査に関しては後発国だからと考えます。

Q6. 現在自社検査では一般細菌、大腸菌群、大腸菌、黄色ブドウ球菌のみ検査しています。ほかの項目も実施した方がいいでしょうか?

A. 食材によって求められる基準が違い、貴社の製造品目の情報がありませんので、わかりません。コープさんの基準を参考にして設定されると良いと思います。

Q7. 最終製品の検査方法である公定法と同じものと考えてよいのでしょうか?

A. 全く同じではありませんが、バクットで推奨するペトリフィルムは第三者機関による妥当性確認を受けておりますので、充分な相関性があります。

Q8. 清浄度の指標であるATP測定の導入が広がっているかと思います。ATP測定に対する細菌検査の優位性について教えてください。

A. 食材の汚染度を調査するにはATPでは計測不能ですので、細菌検査が優れています。また、細菌検査は特定の菌種についての汚染を検査できます。一例ですが、大腸菌群が検出された場合は、非常に汚染リスクが高いと判断できます。

Q9. バクットの資材のランニングコストはどの程度でしょうか(O157、サルモネラなど)

A. 一般生菌であれば1検体あたり1,800円~2,000円です。(通常の購入ロット条件で)サルモネラはJNCというメーカーの培地を使えば1検体あたり@200程度で可能です。O157はバクットでは検査できません。

Q10. デリューションの滅菌後の保管期限はありますでしょうか?

A. バクットのデリューションであれば、製造(滅菌)後3年の期限設定です。

次回セミナーのご案内

【テーマ】 「食品安全認証の概要と効果的な取組みポイント」
【日時】2024年4月24日(水)14:00~15:00
【参加費】無料
【講師】食の安全人材育成研究所 所長 安江 務 氏

WEBセミナーを活用して、効率よく知識を手に入れよう

折兼では今後もこのような衛生管理WEBセミナーを定期的に開催していきます。
インターネット環境さえあれば、どこにも出かけることなく、無料でセミナーに参加できます。

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