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フィルム素材「OPP」「CPP」「OPCP」の特徴と違い。どんな袋、包装に適している?

2022.07.01

「OPP」「CPP」「OPCP」について紹介

野菜やお菓子の包装、封筒などに使用されている透明な袋がありますよね。
私たちの日常生活で多く登場する素材が「OPP」「CPP」です。
OPPとCPPは、日常生活はもちろん業務用、産業用の素材としても幅広く活用されています。
しかし見た目はほとんど変わらないため、特徴や違いが分からないという方も多いと思います。

今回は、OPPとCPPそれぞれの特性や違いとともに、OPPとCPPを組み合わせた「OPCP」について解説します。製品や商品の包装や梱包のための袋選びに、ぜひお役立てください。

OPPの特徴

OPP(またはOP)とは” Oriented Polypropylene”の略で「二軸延伸ポリプロピレン」という名称のフィルムです。
縦と横の2方向(二軸)にポリプロピレンを引っ張り、伸ばして作られます。
光沢があり、感触はパリっとしているのが特徴です。

OPPのメリット

OPPには以下のメリットがあります。

・防湿性が高い
・耐熱性は最大1
20℃〜130℃まで
・透明度が高い
・印刷インクの乗りが良い
・生産性が高い

 
二軸に引っ張り伸ばして作られているため、素材にコシがあるのが特徴です。
引っ張りに対しての耐性も高くなっています。
防湿性があるため、お菓子や野菜など、湿気による影響を受けやすいものの個装や内装に向いています。
ある程度の耐熱性があり、熱による変形にも強い素材です。
 
透明度が高く印刷インクの乗りも良いため、商品の見映えを良くしたいときにも向いています。
生産性が高く、コストが抑えられるため、大量生産品のフィルムや袋としても使用可能です。

OPPのデメリット

OPPには以下のデメリットがあります。

・引き裂き強度が低い
・冷温で耐久性が落ちる
・耐衝撃性が低い

 
OPPは引き裂きに対する強度が弱い特徴があります。
充填物の重さに耐えられないなどの理由で、一部に裂けが発生すると切れてしまう可能性が高くなります。
 
OPPをはじめとした素材を包装材として使用する場合、フィルムをそのまま使用するのではなく、袋にして使用することも多くあります。フィルムを袋にする(製袋)ときには、フィルム同士を熱で融着させます。
フィルム同士が熱で融着するときの機能性を表したのが、ヒートシール性です。
ヒートシール性は高ければ高いほど融着度が高く、製袋後も安定した強度が得られます。
OPPはヒートシール性が低いため、ヒートシール性の高い素材と貼り合わせ、袋にすることが一般的です。ただし、OPP単体でもヒートシール性の機能を持つコーティング剤を塗布し、袋として使用する場合があります。

その他にも、OPPはある程度の耐熱性はあるものの、耐寒性が低く冷温下では強度が落ちるというデメリットがあります。

OPPの用途

OPPは以下の用途に使用されています。

・野菜や果物のパックフィルム
・食品の袋
・使い捨て箸の袋
・紙製クラフトバッグの透明窓部分
・OPP透明テープ

CPPの特徴

CPP(またはCP)とは”Cast Polypropylene”の略で「無延伸ポリプロピレン」という名称のフィルム素材です。
二軸に引っ張って作られるOPPに対して、CPPは素材のポリプロピレンを加工せずに使用します。
そのため、CPPの感触はやわらかく引っ張ると伸びるのが特徴です。

CPPのメリット

CPPには以下のメリットがあります。

・耐摩耗性が高い
・耐熱性は120℃〜130℃
・生産性が高い
・ヒートシール性が高い

 
CPPは伸びが良く、OPPよりも引っ張りや引き裂きに対する強度があり、さらに高い耐摩耗性も発揮します。

OPPと同様にフィルム素材の中では生産性が高く、コストも抑えられます。
そして、ヒートシール性が高いのもCPPの特性です。耐水性や耐油性などのバリア性を付与するために、紙素材の内部フィルムとしても活用されています。

CPPのデメリット

CPPには以下のデメリットがあります。

・透明度はOPPに劣る
・冷温で耐久性が落ちる
・耐衝撃性が低く液体や粉末には不向き

 
CPPそのものは、やや透明度があるものの、OPPの方が透明度は高くなっています。
その為、充填物の見映えをきれいに見せるという点では、OPPの方がすぐれています。
また、冷温で耐久性が落ちる、耐衝撃性が低いため液体や粉末の充填には向いていない特性があります。

CPPの用途

CPPは以下の用途で使用されています。

・防湿乾燥剤や品質保持剤の密閉袋
・紙製容器(ランチボックスなど)の内部フィルム材
・使い捨てプラスチック容器

OPPとCPPの使用方法

OPP単体を包装材として使用する場合、レタスなどの生鮮食品を包むフィルム素材としての使用や、溶断袋、防曇袋、DM用袋などに使用することがあります。
その他にフィルムを貼り合わせるラミネートと呼ばれる加工を施し、それぞれの特徴を活かす、欠点を補いあうなどし、機能性を持たせ、軟包材として活用していきます。
OPPもCPPと貼り合わせることで、それぞれの特徴を活かした包材として使用します。

OPPとCPPを組みわせた「OPCP袋」とは

OPPとCPPを貼り合わせることで袋として加工したものが「OPCP袋」です。
OPCP袋の特性を踏まえたメリット、デメリットを紹介します。

OPCP袋のメリット

OPCP袋は、OPPとCPPそれぞれが持つ特性を活かした多くのメリットがあります。

・透明性が高い
・防湿性が高い
・耐摩耗性が高い
・生産性が高い
・印刷インクの乗りが良い
・ヒートシール機能がある

 
OPCP袋は、ラミネートしたフィルムの外側にOPP、内側にCPPを使用しています。
外側はOPPの特性を活かした光沢のある、透明性の高い外見のため、充填物の見映えが良くなるのがメリットです。
印刷インクの乗りも良いため、商品のロゴや写真などをデザインしたいときにも向いています。
OPPの持つ防湿性の高さも発揮されるため、湿気に弱い充填物を入れるのにも適しています。
 
内側は柔軟性があり、強度と耐摩耗性にすぐれたCPPの特性が活かされています。
OPPの引き裂き強度の低さもカバーしました。CPPの持つヒートシール性機能も活かされています。
また、OPPとCPP両方とも生産性が高く、コストを抑えられる素材であるため、OPCPも生産性が高いというメリットがあります。

OPCP袋のデメリット

OPPとCPP両方のメリットを活かしつつ、デメリットもカバーしたすぐれた特性を持つOPCP袋ですが、デメリットもあります。
 
・耐衝撃性が低く液体や粉末には適していない
・比較的酸素が透過する
・重量物には適していない

 
OPPとCPP、ともに耐衝撃性が低いため、OPCP袋でも液体や水分の多いものを入れるのには適していません。
食品用袋として使用するには、充填物の水分量なども考えて素材を選ぶ必要があります。
 
また、OPCP袋はOPPの防湿性の高さを活かして湿気が影響する食品などを入れる袋として活用できますが、酸素の侵入を完全に防ぐことはできません。

OPCP袋の用途

OPCP袋は、以下の用途で使用されています。

・食品類(菓子、即席ラーメン、おにぎり、菓子パン、生鮮野菜、和洋菓子、冷凍食品など)の袋
・乾燥農作品、乾燥水産品の密閉袋
・繊維品(ワイシャツ・肌着など)の袋
・雑貨品、文房具の袋
・梱包用乾燥材、シール状品質保持剤の内装

フィルムの包材選びなら折兼にご相談ください

株式会社折兼で取り扱うOPCP袋には、お菓子や雑貨に使用できる通常タイプのほか、生鮮野菜にも使用できる曇り止めタイプもご用意。
袋のサイズが小さい小物用や、中身が飛び出るのを防ぐテープ付きのラインナップもございます。
一部のOPP防曇袋には、オリジナルの印刷入りや名前入りのも別途注文可能です。   
 
また折兼では、OPCP袋をはじめ、充填物に合わせた包装材を幅広く取り扱っております。
充填物の品質保持、見映え、デザインなど重視したいポイントに合わせた資材選びは、ぜひ折兼にご相談ください。

OPPやCPPは生産性や汎用性の高い素材

OPPとCPPそれぞれの特性をふまえたメリットやデメリット、OPPとCPPをラミネートによって貼り合わせて作られたOPCP袋の特性やメリット、デメリット、用途を解説しました。

OPPとCPPともに生産コストが低く、コストパフォーマンスの高いフィルムです。
また、さまざまな特性から汎用性が高いフィルムとして活用できる一方、フィルム同士を貼り合わせれば、OPCP袋をはじめとした用途に応じた袋も製造できます。

防湿性と透明性の高いOPCP袋は、日用品だけでなくお菓子や食品、生鮮野菜などの充填にも使用できます。
折兼の通販サイト【容器スタイル】では、充填物に合わせてOPCP袋をはじめとした透明包材も取り扱っています!
包材選びの際は、ぜひご利用ください!

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