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環境にやさしいエコ対応の食品包装フィルムとは?

2021.02.24

環境に優しいエコ対応の食品包装フィルム

近年、環境問題について話題になる事が多いです。
その中でも「脱プラ」と言われ、プラスチックの削減に向けて、世界全体が取り組んでいます。
しかし、食品包装フィルムで使用されている素材はほとんどがプラスチックです。
この記事では食品包装フィルムでのエコ素材の提案と、どうすれば少しでも環境対策になるのか解説します。

プラスチックゴミの問題

プラスチックは耐久性があり、低コスト、大量生産できるので、世界中で毎年4億tも生産されています。しかし、プラスチックの使用量が増え続けた結果、適切に処理されず、環境へ流出してしまうプラスチックごみ問題が起きています。
日本では、全世界でプラスチック生産量が第3位、使用量は第2位であり、これらの問題に対して、国際的責任を持たなければいけません。

海洋プラスチック問題

「海洋プラスチック問題」とは、丈夫で安定性に優れているプラスチックが海洋に入り込んでしまうと、何十年~何百年も分解されずに残って海洋を汚染してしまうという問題です。
このプラスチックごみを海洋生物が誤って食べて死んでしまう、体に絡まって傷ついてしまうなどで生態系に大きな脅威を及ぼしています。
日本の年間のプラスチック廃棄量は940万tで、そのうち6万tが海に流れ込んでいます。(環境庁:2018年プラスチックを取り巻く国内外の状況)
また、世界全体ではアジア諸国を中心に、年間の流入量は約800万tにも及ぶと言われています。
このままいくと、2050年には海洋プラスチックごみが海にいる魚の量をこえてしまい、生態系に深刻なダメージを及ぼすのではないか、と警告されています。

マイクロプラスチック問題

「海洋プラスチック問題」と同様に「マイクロプラスチック問題」も問題視されています。
マイクロプラスチックとは、サイズが5mm以下の微細なプラスチックごみのことで、海岸に流れ着いたプラスチックごみが、紫外線や波の影響を受けて長い年月をかけ分解したものや、もともと歯磨き粉などに混ぜる小さなプラスチック粒子(マイクロビーズ)が下水道を通じて海に放出されたりするなどして作られたものです。
日本近海でも調査の結果、目で見る事はできませんが、存在している事がわかりました。
マイクロプラスチックは、有害物質が含まれていることが判明しており、それらが海の生態系に広く入り込んで、食事によって体へも取り組まれている可能性があります。
これも海洋の生態系に大きな影響を与えていると言われています。

環境のためにできること

増え続ける海洋ごみに対して、一人ひとりがごみをへらす努力をすることが、何よりも重要です。例えば、個人ですぐに実践できるものとしては、3Rがあります。

・Reduce … 使用する資源の量を減らすこと(ごみを減らす)
・Reuse  … 使用した製品を廃棄せずに繰り返し使用すること(再利用する)
・Recycle … 廃棄物などを原料やエネルギーとして再利用すること(資源に戻す)

食品の容器ではリユースは難しく、リサイクルも全てのごみを適切に処理できるとは限りません。
海洋プラスチックの半数以上を占めるプラスチックごみを減らすには、そもそもプラスチックごみを出さない(リデュース)ことが非常に大切です。

また、近年では、カーボンニュートラルの考え方が主流になってきています。
焼却時に発生する二酸化炭素は、もともとは植物等が大気中から吸収したものなので、植物資源から製造されるバイオマス・紙などは新たに二酸化炭素を増加させません。
これにより、地球温暖化の防止や化石資源への依存低減にも貢献することが期待されています。

紙を使用したパッケージ

この章では、紙を使用することのメリット、紙をどのように食品包装フィルムで使用するかについて解説します。

紙を使用することのメリット

紙の原料は「木」です。
「木」は、自然分解が可能でリサイクルも可能です。
植物由来の成分のため、カーボンニュートラルの考え方により、二酸化炭素の増加を抑える事ができます。
また、食品包装フィルムに紙を使用することによって、見た目から、環境にやさしいパッケージを使用していることを消費者が認識しやすい、というメリットがあります。
バイオマスプラスチックは、見た目がプラスチックと変わらない為、企業として環境に優しい素材を使用していることをアピールしようと思っても、消費者にはわかりづらい、といったデメリットがあります。
紙の場合、使用することにより、一目でプラスチックではないということを消費者が認識できます。

バリア性をもった紙の使用

今までは、紙を使用したパッケージにしようと考えても、紙はバリア性を持っていない為、バリア性が必要な食品には、紙+バリア性のプラスチックフィルムの貼り合わせをしていました。
紙+バリア性のプラスチックフィルムの張り合わせは、紙よりもプラスチックの重量が重たくなってしまうため、どうしても表示がプラスチックの表示になってしまいます。

そこで、環境に良い紙の素材として開発されたのが、バリア性をもった紙です。
これを使用することにより、プラスチックフィルムと貼り合わせたとしても、紙の重量の方が重くなり、「紙」マークで商品を並べることが出来るようになりました。
保香性も抜群で、従来の紙とちがって、臭いが漏れることもありません。

紙だけでのパッケージ

紙を使用するパッケージの多くは、紙+ヒートシール性のついたプラスチックを貼り合わせている素材が多く、紙単体の食品包装フィルムを使用することはほとんどありませんでした。
近年、環境問題が取り上げられるようになり、紙にヒートシール性のついた糊を塗布し、紙単体のパッケージとして使われるようになりました。

キットカット

キットカットは、従来の構成は、蒸着プラスチック + プラスチックの張り合わせだったものを、紙の単体のパッケージへ変更することで、年間450万トンのプラスチック削減を可能にしました。

バイオマス素材を使用したパッケージ

近年、様々な環境問題が取り上げられ、バイオマス素材の商品がたくさん出現しています。
この章では、バイオマスとは何か?そしてバイオマス素材を使用することによるメリット、食品包装フィルムでの使われ方などを詳しく解説します。

バイオマス素材とはなにか?

バイオマス素材とは、「再生可能な生物由来の資源を原料にした」素材です。
生物由来の原料でよく使われているのが、トウモロコシやサトウキビ、トウゴマなどの植物の非可食部分から作られています。
再生可能なので石油資源のように枯渇することがありません。
また、植物由来で作られている為、「カーボンニュートラル」の性質で考えても、CO2の排出を抑えることができます。
一般社団法人日本有機資源協会(JORA)では、製品中のバイオマス素材が10%以上、日本バイオマスプラスチック協会(JBRA)では製品中のバイオマスプラスチックが重量比で25%以上のお認定された製品に対して、ロゴマークの表示を認めています。

バイオマス素材を利用することのメリット

バイオマス素材を利用することのメリットは、大きく分けて2つあります。

メリット① CO2の抑制

バイオマス素材を使用することにより、植物由来でカーボンニュートラルの為、大気中のCO2を抑えることができます。さらにバイオマス原料はサステナブルで枯渇が心配される化石資源とは異なり、非枯渇資源での生産が可能です

メリット② 企業イメージアップ

「バイオマスマーク」を入れることが出来るため、企業が環境に取り組んでいることを、同業者・消費者にアピールすることができ、企業のイメージアップが可能です。

バイオマスプラスチックフィルム

バイオマスプラスチックは、原料にバイオマスを使用する特徴があります。
見た目は通常のプラスチックと同様で、バイオマスプラスチックを使用することにより、食品包装フィルムに「バイオマスマーク」を入れることも可能です。

食品包装フィルムで使用できるバイオマスプラスチックは、
・バイオマスOPP
・バイオマスCPP
・バイオマスPET
・バイオマスPA
・バイオマス透明蒸着PET
・バイオマスPE
など、様々なバイオマス素材のプラスチックフィルムが開発されています。

バイオマスインク・環境にやさしいインク

食品包装フィルムで使用できるバイオマス素材の1つにバイオマスインクがあります。
環境問題に取り組みたい企業はたくさんありますが、バイオマスプラスチック素材に変更するには、コストは約1.5倍あがり、現実的に取り組めないという企業も多くあります。
バイオマスインクは従来のインクとコストはほぼ変わらず、食品包装フィルムを作る場合に、コストの面で環境に取り組みにくい企業も、最初に取り掛かりやすい環境素材です。
通常のインクは「顔料+石油由来系樹脂+石油系溶剤」でできています。
石油由来系樹脂を「植物由来系樹脂」に変更したインクが、バイオマスインクです。

バイオマスインク以外にも、環境に優しいインクは存在します。
・ボタニカルインク  
・ライスインク  
・水性インク など

パッケージのプラスチックを削減

環境に良い食品包装フィルムと考えると、「環境に良い素材に変更する」と考えやすいですが、現在使用している食品包装フィルムのプラスチックの量を削減する、賞味期限を延ばし食品ロスを減らすことでも、環境対策をすることができます。
この章では、どうすればプラスチックを削減できるのか、詳しく解説します。

プラスチックの量を減らす

現状使用している食品包装フィルムは内容物にあった構成ですか?
「フィルムの厚みが厚いほうが安全!」と思うのは当然です。
しかし、『もう少し薄くしてもフィルムは耐えられるのでは?』と考え直してみるのが重要です。
プラスチックフィルムの薄肉化を検討することによって、従来よりもプラスチックの使用量を大幅に減らすことも可能になるかもしれません。

森永 14枚チョイス

個包装の大きさをそのままに、重なり部分を少なくして、プラスチックフィルムの使用量を削減。

賞味期限をのばして食品ロス削減

食品包装フィルムの材質を変更することによって、賞味期限を延長することができます。

例えば
・酸素バリア性のついていないフィルム ⇒ 酸素バリア性のついたフィルムに変更
 商品の酸化をおさえることができ、商品の劣化を抑えることが出来ます。

・野菜 防曇フィルム ⇒ 鮮度保持フィルムへ変更
 鮮度保持フィルムに変えることにより、呼吸量を調整し、野菜の劣化を抑えることが出来ます。

・バリア性フィルム ⇒ 高バリア性フィルム へ変更
現状よりもバリア値の高いフィルムを使用することで、賞味期限延長が可能。
使用している材質を見直すことで、商品の劣化を抑え、賞味期限を延長できるかもしれません。
賞味期限を延長することで、食品の廃棄ロスを削減し、環境対策につながります。
また、肉や鮮魚などのトレー包装されている商品を、ノートレー化(フィルム)へ変更することにより、薄肉化によるプラスチックの削減。また、フィルムへ変更することにより、食品が酸素に触れる機会も少なくなり、賞味期限も延長されます。

企業のメリット

現在、様々な環境問題が深刻化しており、環境に対する意識は高まり続けています。
その中で、環境に配慮した商品やサービスを提供することが、消費者から支持される重要な要素の一つになっています。
ここでは、エコパッケージを採用することにより、企業側にどのようなメリットがあるのかを説明します。

社会貢献

様々な環境問題を後押しするエコパッケージの種類が、どんどん増えています。
社会変化の大きな波に適応したエコパッケージを採用していくことが、商品・サービスの質を向上させます。
そして、結果として社会貢献につながっていきます。

企業イメージの向上

環境問題への取り組みをアピールすることで、多くの人に「この会社は信頼できる」「この会社で働いてみたい」という印象を与え。企業イメージが向上します。
環境問題に取り組むことで、継続的に商品やサービスを選択して頂けたり、多様性に富んだ人材確保につながり、企業にとってプラスイメージを生み出します。

ビジネスチャンスの拡大

エコ(環境配慮型)パッケージを採用することにで、地域との連携や新しい取引先や事業パートナーの獲得、新たな事業創出など、今までになかったイノベーションやパートナーシップを生むことにつながります。
上場企業や大企業、官公庁など公共団体だけでなく、中小企業でも環境意識は高まってきているので、エコパッケージを採用することはビジネスチャンスを大きく広げることにも繋がります。

環境にやさしい食品包装フィルムを作ろう

プラスチックはとても便利なため、現代には必要不可欠な存在であるといえます。
しかし、このまま何も対策をせずプラスチック大量消費の世界が続くと、プラスチックごみ問題はさらに深刻な状況になっていきます。
少しでもわたしたちの地球の未来を考え、環境に優しい食品包装フィルムを、検討してみてはいかがでしょうか。環境商品への移行は、コスト面などに負担が大きいことは事実です。
しかし、将来的に企業イメージアップや、新しいビジネスチャンスへつながるなど、負担以上の効果を得ることもできます。

株式会社折兼にはフィルムに関する専門家がいます。
まずは専門家に相談だけでもしてみることから、環境対策に繋がります。

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