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食品が変色する原因とは?包装資材による対策方法もあわせて紹介

2022.12.09

食品を選ぶ際に気にかけている見栄えについて

スーパーの生鮮食品

消費者が野菜や精肉を購入する際は、商品の品質を確認することが一般的です。
品質は、色や形状、傷の有無、香りなど、さまざまな要素から判断できますが、消費者が野菜や精肉を手に取るかどうかを決める重要な要素が「食品の色味」です。
色味が悪ければ手に取ろうとは思えず、反対に色味が良ければ手に取りたくなるでしょう。
 
本記事では、商品の見栄えを向上させるために知っておきたい食品の変色に注目し、変色を防ぐ方法とともに詳しく解説します。

食品の変色について

腐りかけのりんご

食品は時間が経てば経つほどに品質が劣化し、同時に色も変化することがほとんどです。
ただし、時間の経過以外にも変色を招く要因があるため、色が変わったからと言って味も大きく変わるとは限りません。しかし、消費者にとっては「色味が悪い=品質が低い」であるため、変色の知識やそのデメリットについて理解し、対策することが大切です。
 
この章では、食品の変色とはどのようなものを示すのか、デメリットとあわせて解説します。

変色とは

食品の変色とは、野菜の皮や実、精肉の表面などの色が変わる現象です。
例えば、りんごの断面や生肉の表面が茶色に変わるなどの例があります。
変色は必ずしも味や食感の劣化には繋がりません。
しかし、色味が悪い野菜や精肉を手に取ろうとする消費者は少ないため、変色には十分な対策が必要です。

変色することによるデメリット

変色すると、その原因によって味や風味が損なわれます。また、細菌の影響で変色した場合は腐食が始まっている可能性もあるため、口にするには注意が必要です。
事業者側は、そのような商品を見つけた場合はいったん回収し、品質チェックを行うことが大切です。
 変色した商品は売れ行きが悪くなるだけではなく、購入した消費者からのクレームに繋がる可能性があります。

変色の原因について

 れんこんの断面

変色の原因はさまざまで、食品の製造過程で起きるケース、貯蔵から陳列、購入されるまでに起きるケースなどがあります。変色の原因や事例について詳しく見ていきましょう。

変色の原因

食品が変色する原因は次のとおりです。

  • ポリフェノールが酸素に触れて酸化
  • 鉄をはじめとした無機化合物との接触による影響
  • カロテノイドやアントシアニンなどの色素が退色
  • 細菌をはじめとした微生物による成分の分解
  • 糖のカラメル化
  • 光の影響による退色

例えば、カットした野菜の断面に存在するポリフェノールは、酸素に触れると酸化します。また、細菌が付着した精肉を放置した場合、細菌によって肉の成分が分解されて変色します。これらの現象は、食品売り場において容易に起こり得ることのため、対策は必須です。

食品の変色事例・原因

変色する食品はさまざまありますが、今回は特になじみの深い食品の変色事例を紹介します。

野菜、果物

りんごをカットした後に放置すると、断面が茶色に変色していきます。
これは、りんごの果肉に含まれるポリフェノールオキシダーゼという酵素酸素の影響で茶色の物質に変化するためです。

また、調理過程において変色を引き起こすケースもあります。
例えば、ごぼうとこんにゃくを一緒に煮ると、煮汁やこんにゃくが緑色に変色します。これは、ごぼうに含まれているポリフェノールの一種のクロロゲン酸という成分が煮汁に溶け出し、こんにゃくから溶け出したアルカリ性の凝固剤と反応するためです。

魚介類

エビやカニは時間の経過によって黒く変色します。
これは、エビやカニに含まれるアミノ酸のチロシンが体内の酸化酵素の影響で酸化し、メラニンが生成される「黒変」と呼ばれる現象です。エビやカニは冷凍状態であれば、ある程度変色を防ぐことができますが、常温や冷蔵では変色します。

精肉(牛肉)

精肉の変色の原因は3つあります。

1つ目は酸化による変色です。
精肉は、りんごと同じく酸素に触れることで酸化し、黒く変色します。酸化による変色の場合は、細菌による腐敗が起きているわけではありませんが、見た目や風味が悪くなります。

2つ目は微生物による変色です。
サルモネラ属菌やブドウ球菌、腸炎ビブリオなどの細菌が増殖すると肉を変色するだけではなく腐敗が起こり、食中毒のリスクが高い状態となります。食中毒菌の繁殖条件は湿度がある5~45℃の環境下で、特に10~40℃で活発化します。

3つ目は酵素による変色です。
酵素の働きで黒く変色しますが、酵素は旨み成分であるアミノ酸を増やす働きがあるため、熟成肉をつくる際に利用されています。

精肉による食中毒の危険性は一般に浸透しているため、変色の原因が腐敗ではなく酸化や酵素によるものだとしても、変色した肉を手に取る消費者は少ないでしょう。

包装資材による変色の対策について

放送フィルムに包まれた牛肉

包装資材の活用で食品の変色を抑えることができます。また、調理前の一工夫や適切な保存なども変色防止に役立ちます。包装資材および調理前の一工夫や保存方法などによる変色対策について詳しく見ていきましょう。

真空包装により対策できる変色・事例

酸化は、食品をフィルムで真空包装することで抑制することができます。
真空包装とは、袋の中の空気を除去することで、食品への酸素の接触を防ぐ包装方法です。ハムやソーセージ、魚の切り身、カットした野菜や果物など、多くの食品を包装する際に使えます。

真空包装の種類は、熱で三辺がシールされる「三方袋」、チューブ状の「チューブ袋」などです。いずれの場合も密閉性に優れた袋を選ぶことで、酸素の侵入を防ぎ真空状態を維持できます。

光遮断材料により対策できる変色・事例

紫外線に含まれる可視光線の波長の光は、食品の酸化を促すものです。太陽光と室内光のいずれにも酸化を促す光が含まれているため、両方の対策が必要です。光を完全に遮断することは難しいため、食品を光遮断材料のフィルムやアルミ箔などで密封するのがおすすめです。

しかし、アルミ箔と黒色フィルムは可視光線の遮断を大きく防ぎますが、黒色フィルムは同系色の食品に用いる際は内容物が映えない、アルミ箔は金属探知機が反応するというデメリットがあります。

その他にも、アルミ蒸着フィルム・乳白フィルムなどの光遮断フィルムがありますが、光の遮断率は前者に劣ります。フィルムの種類別にメリット・デメリットを確認したうえで、食品の種類や保管状況などに応じて使い分けることが大切です。

包装資材以外で変色の対策ができるのか(酢水につける、保存方法など)

変色の対策方法は、食品によって異なります。りんごの変色を防ぎたい場合は、カットしたものを塩水につけましょう。カットした断面に酸素が触れなくなるため、変色しにくくなります。
 
また、れんこんやごぼうなどのアクが強い野菜は、カットして放置すると茶色に変色します。これは、アクに含まれるポリフェノールが酸素に触れて酸化するためです。5~10分ほど酢水にさらしてアクを抜くことで、変色を防止できます。
 
野菜や精肉の酸化による変色を防ぎたい場合は、なるべく冷凍保存をしましょう。温度が低くなればなるほどに酸化が抑制され、特に-30℃以下の環境下で保管すると有効です。

フィルムに関することは折兼まで

食品包装フィルムには、真空包装や脱酸素剤封入包装、ガス置換包装などさまざまな種類があります。また、フィルムの素材も多種多様で、食品の性質や保管状況などに応じて使い分けなければ、酸化や細菌などから適切に保護できません。折兼では、多種多様な食品包装フィルムを取り扱っております。食品包装フィルムに関することや食品に合わせたフィルムの選び方は、ぜひ折兼にご相談ください。

変色の防止は商品の売れ行きを左右する重要なポイント

食品の変色の原因やデメリット、防止方法、食品包装フィルムの役割などを解説しました。食品が変色すると、消費者から手に取ってもらえる可能性が低くなるため、売れ残りによる廃棄コストの増加に繋がります。食品の変色を防ぐ方法は、食品の種類や性質、製造方法、保管方法、形状など、さまざま要素を踏まえて選択しなければなりません。
包装についてお悩みや疑問をお持ちの場合は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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