無人化するメリットや導入に必要なものを紹介
「どこにでもある」「いつでも買い物ができる」など、便利な24時間営業のコンビニエンスストア(以下コンビニ)を経営するためには、従業員の確保や深夜時間帯の勤務への対応が必要です。
そうした課題解決のために、コンビニを省人化、または無人化することが注目されています。
本記事では、コンビニを無人化するメリットや無人化に必要なもの、無人化するために導入されている機械について紹介します。
コンビニの利便性
他の小売店よりも24時間営業のコンビニが優れているところと言えば「高い利便性」です。
ただし、高い利便性を発揮するためには大きな負担やコストが発生し、店舗の経営を圧迫していることも少なくありません。
コンビニの持つメリットとデメリットの両面を解説します。
コンビニのメリット
コンビニには、以下3つのメリットがあります。
1. 好きな時にいつでも買い物ができる
24時間営業のコンビニの持つ最大のメリットが、いつでも買い物ができることです。
スーパーや他の小売店が閉まっていることの多い早朝や深夜も営業しているため、必要に応じていつでもコンビニを利用できます。
また、24時間営業のメリットは買い物以外にも活用されています。
災害時の避難場所や駆け込み対応のできるセーフティステーション、子どもや高齢者の見守り場所といった地域に密着した拠点としての役割を果たすコンビニも多くなりました。
2. 豊富な商品を取り扱っている
コンビニは、日用品から食料品まで幅広いラインナップがあります。
取り扱い商品の多くが生活に必要なもので占められているため、コンビニに対する需要がなくなることは考えにくいでしょう。
さらに「お弁当やサンドイッチも店内調理している」「イートインスペースがある」「100円ショップなど提携企業の商品が購入できる」といった独自のサービスを実施し利便性を向上させることで、他の業態との差別化や売上の拡大も見込めます。
3. どの時間でも対応でき、利益拡大が狙える
24時間営業で休みなく営業することで多様な顧客ニーズを充足できるメリットがあります。
例えば「夜勤明けに利用したい顧客(早朝)」「残業後に利用したい顧客(深夜)」「お昼休みに利用したい顧客(日中)」といった、異なる時間帯に利用したい顧客すべてを取り込むことで、大きな利益を得ることも可能です。
24時間営業とすることで、幅広い時間帯の雇用の機会を創出できるメリットもあります。
コンビニの従業員のほか、商品の製造や流通に携わる多くの人への雇用創出の機会も、コンビニによってもたらされています。
コンビニのデメリット
コンビニのデメリットは、以下の通りです。
1. 従業員の負担が大きい
コンビニは物品販売以外にも、多くのサービスを提供します。
従業員もその分対応が増え、覚えることが多いなど大きな負担もかかります。
さらに店長や経営者といった経営側の人間は、常に店舗の運営に携わらなくてはいけません。
昼夜を問わないシフト勤務による体への負担も大きなものとなってしまう可能性があります。
2. 深夜営業はコストがかかる
コンビニが24時間営業をするためには、深夜時間帯に勤務する人員も確保しなければいけません。
深夜の時間帯は、昼間の時間帯よりも一人あたりの人件費が増えるのがデメリットです。
なぜなら、午後10時から翌日午前5時までの勤務は「深夜業」にあたり、この間に従業員を働かせた場合には25%以上の割増賃金を支払うことが、労働基準法によって定められているからです。
深夜営業は、人件費だけでなく光熱費などの店舗運営のランニングコストも発生します。24時間営業のコンビニは、利益を得られる機会が多い分、運営で発生するコストも高くなると言えます。
デメリットを解消するコンビニの新しい形
従業員への負担やコストなどの課題を解決しつつ、コンビニの24時間営業を可能にするために注目されているのが「無人化」です。
無人化は、自動販売機などの機器を設置することで、無人でコンビニの営業を実現する手法です。
コンビニを無人化するメリットと、無人化するために必要なものを解説します。
無人化するメリット
1. コスト削減
コンビニを無人化することで、従業員への負担や人件費の削減につながります。
深夜の時間帯を含め、人手不足に悩んでいるコンビニの課題解決にもなるでしょう。
2. サービスを非対面非接触で提供できる
コロナ禍以降、非対面非接触におけるサービス提供が求められるようになりました。無人化することで、レジ会計をはじめとしたサービスを非対面・非接触で提供できるようになります。
感染症予防対策の観点から、顧客と従業員両方にメリットがあります。
無人化するために必要なこと
コンビニを無人化するために必要なのが、無人でも商品の販売ができる「機械」です。
無人コンビニにはさまざまな手法がありますが、お客さまが好きな商品を手に取って自分で会計する「セルフレジタイプ」の店舗なら、商品の会計ができるセルフレジや、未会計の商品を持ったまま退店を防ぐためのカメラやセンサー、ゲートなどの設備が必要です。
無人化を検討しているものの「機械やシステムに投資することが難しい」「機械やシステムのメンテナンスや管理ができない」「現店舗に新設備を設置するスペースがない」といった悩みを持つ責任者や経営者の方も多いでしょう。
無人化コンビニのなかでも、コストや管理、スペースの面で導入しやすいのが、自動販売機を導入することで無人化を可能にする「自動販売機型コンビニ(自販機型コンビニ)」です。
自販機型コンビニの導入事例とメリット
すでに自販機型コンビニを運用している店舗も多くあります。
この章では、自販機型コンビニの導入事例とメリットについて解説します。
自販機コンビニの導入事例
自販機の技術向上により、飲料以外にもさまざまなラインナップの自販機が誕生しています。
自販機型コンビニには以下のような商品が導入されています。
- 飲料販売
- 調理済み食品(お弁当、パン、麺類、総菜など)を販売
- 野菜・果物販売
- 冷蔵品(サンドイッチ、おにぎり、総菜、スイーツなど)を販売
- 冷凍品(アイスクリーム、冷凍食品)を販売
- おもちゃ・グッズ販売 など
自販機コンビニの導入メリット
自販機コンビニを導入することで、以下のようなメリットが得られます。
- 現金の受け渡しなどの決済フローがなくなることで人員削減ができる
- 自販機を広告として活用することで販路拡大が期待できる
- 空いたスペースを活用できる
- 一部を除き、初期費用がかからない
- コストをあまりかけずに運用や管理ができる
24時間無人で営業できるメリットに加えて、自販機だからこそ得られるメリットもあります。
機械導入によるさらなる期待
自販機型コンビニは現金の受け渡しなどの決済フローの削減による省人化が実現する一方、自販機への商品の補充などの作業が発生します。
対応策として、自販機型コンビニの運用に役立つ機械を追加導入することで、従業員の負担軽減や業務効率化、省人化が図れます。
この章では、自販機とともに追加で導入したい機械を紹介します。
オススメの自動販売機
富士電機製冷凍自販機
富士電機株式会社は、エネルギー・環境技術を中心に、食品流通等様々な事業を行う会社です。
その中でも食品流通事業では、食のインフラを支える機械を販売しています。
FROZENSTATIONシリーズは省電力・省スペース化で屋内外に設置できる冷凍自販機です。
店舗外に設置し稼働しておけば、営業時間外でも無人で商品の販売を行うことが可能です。
そのため、販売機会をロスすることなく売上向上・省人化に貢献します。
オススメのショーケース
自販機コンビニで冷凍自販機を導入する場合、一緒に取り入れたいのが「ショーケース」です。
例えば、冷凍自販機に商品を補充する場合、バックヤードまで足を運ぶ→冷凍品を持ってくる→補充する、といった手間が発生します。
冷凍自販機とともに冷凍商品のストックや販売ができるショーケースを設置すれば、商品の補充や陳列作業の効率化につながります。
おすすめのショーケースは、以下になります。
フクシマガリレイ製ショーケース
平型ショーケース
アイランド型ショーケース
フクシマガリレイ株式会社では、幅広いタイプのショーケースを展開しています。
商品の出し入れや陳列しやすいのが、平型ショーケースとアイランド型ショーケースです。
平型ショーケースには精肉鮮魚や日配品、アイランド型ショーケースは冷凍食品やアイスクリームの陳列に適しています。
サンデン・リテールシステム製ショーケース
サンデン・リテールシステム株式会社では、サイズや形状が幅広いラインナップのショーケースを製造しています。
冷蔵と冷凍の切り替え可能なタイプもあるため、設置する自動販売機で販売する商品に応じた設定が可能です。
無人コンビニの展望
すでに日常生活において当たり前の存在となっているコンビニに対して、顧客の消費心理は多様化しています。
「24時間好きなときに買い物ができる」といった従来の利便性に加えて「レジに並ばすスピーディーに購入できる」「非対面・非接触で利用できる」といった新たなメリットも生まれました。
今後は人手不足やコストなどの課題解決と、顧客への利便性の向上を両立できる無人コンビニが、顧客に選ばれる新しいコンビニの形となる可能性もあります。
機械の事なら折兼へ
無人化や省人化に必須となる機械の一つが、自動販売機です。
しかし、検討はしているけど「どの機械を選べばいいか分からない」という方も多いでしょう。
折兼には機械に通じた専門チームがいるため、幅広い機械の中から最適な機械を選定できます。
ぜひご相談ください。
未来型の販売方法で利益を上げる
コンビニエンスストアの利便性を例に、無人販売に必要な機械について解説しました。
無人販売には従業員の負担軽減や業務効率化・省人化だけでなく、販売チャンスロスを最小限に減らすなど、様々なメリットがあります。
目的に合った機械選定と、機械を最大限活用するための設備を整えることで、より多くの利益を確保していきましょう。