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食品包装フィルムにおけるバリア性の重要性を解説

2024.01.12

食品が品質を保つ重要性

食品包装フィルムのバリア性は、食品の品質維持において重要な役割を果たします。
食品の品質維持は食中毒の予防だけではなく、賞味期限や消費期限の延長にもつながるため、企業にとって大きなメリットがあります。

本記事では、食品包装フィルムにおけるバリア性やフィルムの種類について詳しく解説します。

バリア性とは

食品包装フィルムにおけるバリア性とは、酸素や水蒸気などの気体の通過を防ぐ性能のことです。バリア性が優れているほど酸素や水蒸気による食品の品質低下や雑菌の増殖などを抑制できます。バリア性は、鮮度や品質を維持する必要がある食品のほか、医療医薬品、機械部品など、さまざまな物の品質維持に必要な要素です。

バリア性においては、酸素バリアと水蒸気バリアの2つの要素が関連しています。それぞれ詳しく見ていきましょう。

酸素バリア

酸素バリアとは、空気中の酸素が食品包装フィルムを通り抜けるのを防ぐ機能のことです。
酸素は0.35nm (※)と非常に小さいことから一般的な食品包装フィルムを通り抜けてしまいます。酸素は、食品の酸化や変色、風味の劣化、雑菌の増殖などを招きます。

※ 1nm=0.0000001mm

水蒸気バリア

水蒸気バリアとは、空気中の水分が食品包装フィルムを通り抜けるのを防ぐ機能のことです。
酸素と同じく、水蒸気は0.4nmと非常に小さいため、一般的な食品包装フィルムを通り抜けてしまいます。
例えば、キッチンなどでよく使われている小分け袋などポリエチレン製のものは、40℃の環境で1立方センチメートルあたり4×1021個の孔があいており、水蒸気が通り抜けるとされています。

バリア性によってどんなメリットがあるのか

商品の陳列風景

優れたバリア性を持つ食品包装フィルムを使用することで、食品の品質維持が可能になり、結果的に賞味期限や消費期限の延長につながります。
バリア性が優れた食品包装フィルムを使用するメリットについて詳しく見ていきましょう。

商品の品質保持

バリア性に優れた食品包装フィルムは、外部からの気体(酸素、水蒸気など)の透過が少ないため、商品の品質を保つことができます。

食品の場合は、包装材料内部への水蒸気の透過を防ぎます。
例えば、クッキーならサクサクとした食感の維持が可能です。
また、保香性に優れているものは、コーヒー豆やスパイスなどの香りを保持できます。

このように、優れたバリア性を持つ食品包装フィルムの使用は、食品の品質維持に重要な役割を果たします。

賞味期限や消費期限の長期化

バリア性が優れた食品包装フィルムを使用することで、食品の酸化や変色、風味の低下などを防ぎ、長期間の保存が可能になります。その結果、賞味期限や消費期限を延ばせます。

賞味期限や消費期限が延びると店頭での販売期間が長くなるため、値引き販売の低減、食品ロス(廃棄)の削減に繋がり、売上・利益アップとともに環境配慮に貢献できます。
また、製造部門においても計画生産、食品ロス(廃棄)削減に繋がります。

ただし、賞味期限や消費期限の延長には包装材料の性能だけではなく、食品の製造過程における衛生面も関与しているため、食品包装フィルムの変更によって劇的に賞味期限や消費期限が長くなるわけではありません。

バリア性があるフィルムの種類についてのご紹介

食品包装フィルムは、食品の性質や形状などに応じて使い分けることが大切です。
バリア性に優れた食品包装フィルムの種類を紹介します。

アルミ箔(アルミニウム箔)

アルミ箔(アルミニウム箔)は、アルミニウムを薄く伸ばして作られる素材です。
食品の包装において家庭でも広く使用されているため、なじみ深い方も多いでしょう。
ラミネート包装において使用するアルミ箔の厚さは7〜9マイクロメートル程度で、家庭用のアルミ箔と比べて薄いことが特徴です。

優れたバリア性を持つため、酸素や水蒸気の透過をしっかりと防ぎます。
ただし、中身が見えない、袋の形に整えることが難しいといったデメリットもあります。

アルミ蒸着フィルム

アルミ蒸着フィルムは、OPP(延伸ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、(CPP)無延伸ポリプロピレンなどのプラスチックフィルムに、蒸着という技法によってアルミニウムを付着させたフィルムのことです。
美しい金属的な光沢を持ち、高級感や美しさを演出できます。
また、アルミニウムの特徴である適度な光の反射や遮熱効果があります。

透明蒸着フィルム

透明蒸着フィルムは、表面にシリカやアルミナなどの物質を蒸着によって分子レベルでコーティングしたもので、シリカやアルミナを二重にコーティングしたものもあります。
一般的にはPET(ポリエチレンテレフタレート)を使用しますが、延伸ポリプロピレン(OPP)や延伸ナイロン(ONY)などの素材も使用できます。

PVA

PVAは、高湿度の環境下で使用すると酸素のガスバリア性能が低下する傾向があるため、水分を含む製品やボイル用途の包装には適していません。
後述するPVDCの代用として使われる場合があります。

PVDC(ポリ塩化ビニリデン)コート

PVDCコートは、Kコートフィルムとも呼ばれています。
OPP(基材延伸ポリプロピレン)の片面にポリ塩化ビニリデンをコーティングしたものです。
また、PETフィルムにコーティングしたものもあります。
バリア性と防湿性に優れているものの、一時期は燃焼時にダイオキシンが発生することから使用が避けられていました。
しかし、現在は火力発電の火力が上がったことでダイオキシン発生の影響がなくなったため、再び使用されるようになってきています。

EVOH(エチレン・ビニルアルコール樹脂)

EVOHは、食品の包装材として幅広く用いられているプラスチックです。
PVAと同様に高湿度の環境下でガスバリア性能が低下する傾向があります。そ
のため、通常は複数のフィルム層で構成される積層フィルムの中間層に使用します。
積層フィルムの例は「PE・EVOH・PE」、「OPP・EVOH・OPP」などです。

アルミ箔とアルミ蒸着フィルムのちがい

アルミスポンジ

アルミ箔とアルミ蒸着の違いについて、特色やそれぞれの使用例をさらに詳しく紹介します。

アルミ箔とアルミ蒸着フィルムの特色

アルミ箔(アルミニウム箔)とアルミ蒸着フィルムは、製造方法と機能が異なります。
アルミ箔はアルミニウムを延伸して作られるため、アルミの使用量が比較的多くなります。

アルミ蒸着フィルムは、真空状態でアルミニウムを蒸発させてフィルムに付着させるため、アルミの使用量が非常に少なくなります。実際、アルミ蒸着フィルムの重量はアルミ箔の100分の1から200分の1程度のため、コスト面に優れています。

さらに、アルミ蒸着フィルムは柔軟性にも優れています。
アルミ箔は厚さがあるため、曲げたり形状を変えたりするのに制約がありますが、アルミ蒸着フィルムは薄く柔軟性が高いため、さまざまな形状で使用できます。

見分け方

アルミ箔は、丸めて握って開いてみたときに元の形状に戻りません。
一方、アルミ蒸着フィルムは多少しわが刻まれるものの元の形状に戻ります。
また、光にかざしたときに透けてみえない場合はアルミ箔です。

バリア性のある規格袋の紹介

この章では、バリア性の機能を持つ規格袋を紹介します。

ナイロンポリ Gタイプ規格袋

ナイロンポリ Gタイプ規格袋

こちらは、バリアONY//LLDPE60という構成になっています。
バリアONYを使用することで、バリア性に加えピンホール強度がさらにアップしています。
突き刺しや摩擦ピンホール強度に優れるため、冷凍食品の包装におすすめです。

特徴
1. カビの発生を防止します。
2. 油脂の酸化による品質の劣化に対して効果があります。
3. 食品の変色・脱色を防ぎます。

バリアOP Xタイプ規格袋

バリアOP Xタイプ規格袋

こちらは、バリアOPP20//CPP40という構成になっています。
バリアOPPを使用することにより酸素バリア性に優れます。
また、脱酸素剤封入やガス置換を併用することにより以下の3点が期待できます。

1. カビの発生を防止します。
2. 油脂の酸化による品質の劣化に対して効果があります。
3. 食品の変色・脱色を防ぎます。


OPPの特徴である透明性・光沢をそのまま活かすことができるため、食品をクリアに見せたいお菓子の個包装やナッツ類におすすめです。

VM規格袋 Aタイプアルミガゼット袋

VM規格袋 Aタイプアルミガゼット袋

こちらは、アルミ蒸着PETが使用されている袋です。
アルミ蒸着フィルムを使用しているため遮光性が良好で、食品の変色を防ぎ長期保存できます。
変色を防ぎたいお茶やコーヒー豆の袋におすすめです。

フィルムのことなら折兼まで

アルミ蒸着フィルム

食品に使用されるバリア性フィルムには、アルミ箔、アルミ蒸着、透明蒸着、Kコート、PVDC、PVAやEVOH、PVDC、MXDなどさまざまな種類があります。 また、真空包装や脱酸素剤封入包装、ガス置換包装など包装の方法もさまざまです。食品の性質や保管状況などに応じて適切に使い分けてこそ、酸素や水蒸気などから食品を守ることができます。

折兼では、お客様が取り扱う食品の性質や保管方法などを踏まえ、適切な食品包装フィルムをご提案しております。ぜひ一度ご相談ください。

バリア性は品質維持に欠かせない性能

チーズ-アルミ使用例

食品包装フィルムにおいて、バリア性は品質維持に欠かせない性能です。
使用する素材によって酸素バリアや水蒸気バリアなどの機能が異なるほか、食品の形状や性質に応じて使い分ける必要があります。
優れた食品包装フィルムは、販売・製造それぞれにメリットが出るため、 積極的に活用していきましょう。

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