人手不足に悩む企業の増加
少子高齢化による労働人口の減少や実力主義社会への変化に伴い、人手不足に悩む企業は増加傾向にあります。人手不足を解消するために注目すべきは「省人化」です。
省人化を実現するためにDXを推進することが必要とされています。
本記事では、人手不足を解消するための省人化やDX、小売業におけるDX事例、備品を用いた人手不足対策などについて詳しく解説します。
省人化とは
省人化とは、人が行う業務を機械やAIなどに切り替えることで人的コストを削減することです。
例えば、スーパーやコンビニエンスストアのセルフレジ、ロボットによる接客や配膳、自動精算機などが挙げられます。
機械の導入にはコストがかかるものの、長期的に見ると人を雇用するよりはコストを抑えることができます。省人化を成功させるためには、機械に置き換えるリスクや顧客満足度への影響などを把握し、企業の事情や顧客の性質、サービスの特性などに適した機械を導入する必要があります。
省人化を今行うべき理由やメリットについて詳しく見ていきましょう。
なぜ省人化なのか
帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査」によると、2023年4月時点における全業種の人材の過不足について、正社員が「足りていない」と感じている企業は51.4%でした。
また、非正規社員が「不足」と感じている企業は30.7%です。
このうち、飲食料品小売は58.7%、各種商品小売は56.9%、繊維・繊維製品・服飾品小売は52.0%といずれも高めの数値を示しています。
このように、多くの企業が人手不足を感じている今こそ、省人化による取り組みで人的コストを削減しつつ業務効率を良くしたり生産性を高めていきましょう。
省人化によるメリット
省人化によって、人材確保の課題解決や人件費の削減、労働者の負担軽減などが期待できます。
また、自動化できる作業を機械に切り替えることで、生産性や業務効率、正確性が向上し、結果的に売上アップにつながる可能性があります。
一方で、人でなければ行えない業務に人的コストを十分にかけることで、顧客対応や接客、クリエイティブな業務などの質が高まるため、結果的に顧客満足度が向上し、リピート率が高まることで売上アップも期待できます。
小売業にとってDXが重要な理由
人材不足が加速する小売業にこそ、DXが重要と言われています。
そもそもDXとは何か、なぜ重要なのかについて解説するとともに、小売業のDX事例を3つ紹介します。
DXとは
DXは「Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション」の略称です。
経済産業省の資料では、DXを以下のように定義づけています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
DXは、業務や組織、プロセス、企業文化などを変革することを指すため、IT化による業務効率化は厳密にはDXとは言えません。
例えば、業務報告書を紙媒体から電子媒体に変更するだけでは、業務や組織の変革は不可能です。
一方で、セルフレジの導入によって人的コストを大きく削減しつつ顧客満足度が高まるに至った場合は、DXに成功したと言えるでしょう。
変化する消費者ニーズへの対応
この章では、DXの取り組みを推進した小売業のDX事例を3つ紹介します。
株式会社ローソン
ローソンは、AI技術を活用して食品廃棄ロス削減に取り組んでいます。
従来は店舗ごとに販売期限が迫る商品の値引きを判断していましたが、AIが在庫状況に応じて値引き額や値引き期間、対象商品などを推奨する仕組みを取り入れました。
これにより、商品の値引きおよび売り切りの効率化を実現し、さらに値引き期間が定まることで、効率的に人員を配置することが可能になりました。
また、AIによる需要予測によって、物流や工場での製造なども含めた効率的な運営を実現し、食品廃棄ロスの削減を目指しています。
そのほか、誰でも短時間で正確に操作できることに特化した「自動釣銭機付POSレジ」を導入し、釣銭確認の手間を省くことでレジ業務の負担軽減に成功しました。
イオン株式会社
イオンは、最先端のAI(人工知能)とロボットを活用した24時間稼働のネットスーパーを2023年7月に本格始動しました。
従来のネットスーパーは近隣の店舗から商品を届けていましたが、今回の取り組みでは物流拠点から商品を届けています。
お客様がオンラインで注文した商品を、AIとロボットが発送することで、24時間いつでも商品を提供できるようになりました。
お客様の利便性が向上するだけではなく、省人化によって長期的な人件費の削減も可能になりました。
株式会社トライアルホールディングス
トライアルは「スマートショッピングカート」と呼ばれる革新的な買物カートを提案しています。
お客様は自身のプリペイドカードを使ってログインし、購入したい商品のバーコードをカートにスキャンします。最終的にはタブレット内で決済手続きを完了させる流れです。
この「スマートショッピングカート」はPOS(Point of Sale)機能を搭載しているため、レジ待ちの必要がありません。同時に店舗のレジ業務の負担が大幅に軽減され、省人化につながります。
省力化につながる備品の紹介
ここまで省人化について説明しましたが、規模の大きさに伴い導入コストも上がっていきます。
そこで、省人化まではいかないまでも、限られた人手を効率良く活用する方法もあります。
この章では省力化につながる備品を紹介します。
ジャンブル什器(商品紹介)
大量で、豊富な陳列量が魅力の什器です。
特売品やお得品など、従来であれば大量の段ボールを綺麗に開梱し整列して陳列するところを、この什器であえて無造作に陳列する事でお得感の演出、視認率のアップと供に、大幅な作業軽減につながります。
先入れ先出しフック
先入れ先出しフックは前後2つに分かれるため、前側のフックをスライドさせ、新しく後ろ側のフックに陳列した後、前側のフックを戻す事で、簡単に先入れ先出し陳列が可能になります。
従来であれば、先に並んでいた商品を全て取り出してから新しく入荷した商品を奥に陳列する作業が、このフックでは簡単に入れ替え作業が行えるため、省力化に役立ちます。
缶オートフェースラック
缶オートフェースラックを設置することで、什器上部から商品を補充するだけで、陳列済みの商品が自動で取り出し口に流れるため、旧商品の入れ替え作業を行う手間がなくなり省力化につながります。
ミルククレートラック
ミルククレートラックを設置する事で、パック飲料を入荷・陳列する際、1本1本コンテナから取り出して陳列する必要がなくなり、入荷したコンテナをそのまま陳列する事により省力化につながります。
店舗備品グループの紹介
折兼では、お客様の売り場に関するお悩み解決をサポートする店舗備品グループがあります。
今回ご紹介した商品やもちろん、幅広いメーカーの売り場備品の中から、予算に応じたお客様のイメージ通りの売り場を提案することが可能です。
店頭の売り場はもちろん、在庫管理を行うバックヤードや工場、厨房備品の提案も行っております。
商品を魅力的・効果的に見せるほか、現場の作業効率化などの付加価値も実現できます。
多くの店舗装飾を手掛けた豊富な知識と経験で、食品を取り扱う多様な売り場作りに貢献します。
人手不足を省力化・省人化で改善しよう!
人手不足は、デジタル機器やロボット、AIなどの導入によって解消できる可能性があります。
DXは国を挙げて推進されている取り組みのため、多くの企業が自社に適した方法を模索しながら着実にDX化を進めています。
小売業においてはDX化だけではなく備品による省人化・省力化も有効です。
折兼では、商品の魅力を損ねることなく省力化を実現する備品を数多く取りそろえております。
人手不足の解消を目指している方は、まずはお気軽にご相談ください。