
ネットスーパーとは
ットスーパーとは、利用者が専用Webサイトで注文した商品を近隣店舗や配送センターでピックアップし、各家庭まで配送するサービスのことです。
食料品や日用品を中心に、大手スーパーの大半がネットスーパーのサービスを提供しています。
近年、インターネットの普及により拡大傾向だったネットスーパーは、コロナ禍を背景にさらなる成長を遂げています。
今回は急成長を広げるネットスーパーについて紹介します。
ネットスーパーの歴史と現状
日本におけるネットスーパーの先駆者といわれるのが、大手スーパー・西友が2000年にスタートした「西友ネットスーパー」だといわれています。
翌年にはイトーヨーカ堂も「アイワイネット」をスタートし、インターネットの普及と高速化にともない、ネットスーパーは瞬く間に広まっていきました。
ネットスーパーの利用が一気に拡大したのが、2020年からの新型コロナウイルスの感染拡大でした。
特に、緊急事態宣言により外出が制限された時期、外出せず生活に必要なものを購入できるネットスーパーが重宝されました。
これをきっかけにネットスーパーを使い始め、コロナ禍が明けたあとも継続して利用している方もいます。
また、コロナ禍の2020年9月、イオンリテールはドライブスルー形式を導入しました。
これは、インターネットで注文した商品を実店舗の駐車場で受け取るサービスで、希望する時間に確実に受け取れる点が魅力です。
ネットスーパーでは、特定の時間に配達希望が集中して希望時間に受け取れなかったり、指定時間帯は外出できなかったりという問題がありました。
こうした問題に対応するのがドライブスルーサービスだったのです。
ネットスーパーの課題と今後の展望
普及が進むネットスーパーですが、現在のビジネスモデルにはいくつかの課題もあります。
一つは、配達スタッフの人件費や配達車両の維持費、燃料費といったコストが余分にかかることです。
顧客が負担する配送料が高すぎると利用が進まないため、いかにコストをかけず効率的に配達するかが鍵となります。
また、ネットスーパーは実店舗に比べて、感覚的な情報を提供しにくいのも課題です。
商品の見た目、持ったときの重量感・質感、香り、陳列の様子などは、実店舗でないとわかりません。
実店舗ならいくつかの商品を実際に手に取って比較することができますが、ネットスーパーだとそうした比較がしにくいというのもデメリットです。
こうした課題を解決するには、外部委託や最新技術の導入などの取り組みが求められます。
例えば、配送まですべてを自社でまかなうとコストがかさむなら、その部分だけ外部委託するという手もあります。
情報提供の方法は、AIによるリアルな情報の提供でかなり解決できるかもしれません。
高齢化と人口減少で地方を中心に買い物難民が生まれているほか、日中買い物に行く余裕のない共働き世帯の割合が増加しています。
そんな社会課題に応えるサービスであるネットスーパーは、新たな取り組みによって課題を解消できれば、今後ますます拡大していくと考えられます。
ネットスーパーと実店舗を比較

ネットスーパーと実店舗を比較したとき、最も大きな違いは、お客様と直接対面するかしないかという点です。
オンライン上で完結するネットスーパーに対し、実店舗はお客様とコミュニケーションをとりながら販売するため、言葉などで購入を促すことができます。
お客様からの意見をもらいやすく、営業の改善にお客様の生の声を生かしやすいというのも、ネットスーパーにはない特徴でしょう。
一方、ネットスーパーは店舗を構える必要がないので、導入コストや維持コストが抑えられる点が大きな特徴です。
また、実店舗の立地が多少悪くても、近隣エリアに住む顧客の利用が望めるというのもネットスーパーの強みです。
ネットスーパーのメリット・デメリット
経済産業省「令和4年度 電子商取引に関する市場調査」によると、ネットスーパーを含む「食品・飲料・酒類」分野のBtoCに占める電子商取引の割合は、前年比で9.15%の大幅な伸びとなりました。
しかし、分野の売上に対する割合はわずか4.16%に過ぎず、今もなお実店舗での購入が主流であることがわかります。
以下では、ネットスーパーと実店舗のメリット・デメリットを比較します。
ネットスーパーを設ける場合、独自の強みを伸ばし、弱みをカバーできるような運営を心がけることが重要です。
まず、ネットスーパーのメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。
メリット①重い・かさばる商品を購入しやすい

ネットスーパーは商品を自宅まで配達してくれるため、重い商品やかさばる商品でも購入しやすいというメリットがあります。
具体的には、水や米、トイレットペッパー、ティッシュペーパーなどはネットスーパーで購入すると便利です。
食料品や日用品のまとめ買いをするときも、ネットスーパーならわざわざ自宅まで持ち帰る必要がありません。
特に、重いものを運ぶのが大変なお年寄り、小さな子ども連れ、障害のある方などには大きなメリットです。
メリット②購入額が明確
購入額が明確なので、無駄な買い物をしにくい点もネットスーパーのメリットです。
ネットスーパーでは、必要な商品を順番に検索しながらカゴに入れていき、最後に合計額を確認したうえで購入を決定します。
予算をオーバーするようならカゴ内の商品を削除すればいいので、予算の範囲内での買い物を徹底しやすいのです。
実店舗での買い物でありがちな衝動買いを防ぐことができ、支出を抑えることにもつながるでしょう。
メリット③出かけずに必要なものが手に入る
食料品や日用品などを必要なときに買い物しなければ、生活ができません。
しかし、育児や介護で手が離せない、一人暮らしで体調を崩しているなど、外出したくてもなかなか出かけられないケースがあります。
こうしたときに便利なのがネットスーパーです。
家にいながら必要な商品の注文ができ、自宅の玄関まで届けてくれます。
コロナ禍においてネットスーパーの利用が増えたのも、このメリットによる効果でした。
デメリット①実物を見ることができない
ネットスーパーのデメリットで特に大きいのが、商品の実物を見て購入できない点です。
大量生産の加工品や調味料など、1品ごとに違いがないものであれば問題ありませんが、野菜・果物・肉・海産物といった生鮮食品は1つずつ、色や大きさ、形が違います。
ネットスーパーでは、スタッフが無作為にピックアップしたものが配達されるため、イメージしていた商品と異なるものが届くことがあります。
デメリット②事前の計画性が必要
ネットスーパーはインターネットで注文したものが自宅に届くため、事前に買うものをある程度決めておかなければならない点もデメリットです。
作りたい料理の献立や必要な日用品を事前にリストアップし、抜けや漏れのないよう注文する必要があります。
実店舗でよくある「実際の商品を見てから買うかどうかを決める」「店頭で特売のものを使った献立を考える」「買い忘れていたものに気づいて買い足す」といった買い方ができません。
ネットスーパーのなかには、当日昼までに注文すれば当日中に商品が届くサービスもありますが、どちらにしても事前の計画性が求められます。
実店舗のメリット・デメリット

ネットスーパーの登場後も、スーパーマーケット市場の主力は実店舗です。
実店舗のメリット・デメリットも紹介します。
各項目を見るとわかるように、実店舗とネットスーパーは課題や欠点を補い合える関係です。
どちらかに注力するというより、両方をあわせて活用することで、トータルの売上や客数を伸ばせる可能性があります。
メリット①実際に商品を見て購入できる

実店舗は、生鮮食品など1つずつ特徴が異なる商品でも、実際手に取って好きなものを選べる点が大きなメリットです。
並んで陳列されている商品を手に取って大きさや形、色などの見た目はもちろん、産地やメーカー、価格、原材料、賞味期限といった商品情報をもとに比較することもできるので、買い物に納得感が生まれやすくなるでしょう。
また、ネットスーパーでは感じられない、触感、重量感、香りなどの付帯的な情報を判断材料にできるのも魅力です。
メリット②スタッフとコミュニケーションが取れる
来店したお客様とスタッフが対面で直接コミュニケーションを取れるのも、実店舗にしかないメリットです。
顧客は、専門知識を持つ売り場スタッフに直接質問ができるほか、より自分の好みに合った商品の提案を受けることもできます。
また、こうした点は店側にもメリットとなります。
商品の魅力を直接訴求して購入に結びつけたり、お客様の意見をその場でもらって販売や営業に活かしたりといったことができるためです。加えて、年代・性別・来店人数・服装・来店時間帯など、お客様ごとの属性を肌で感じられることも、マーケティングの観点から重要なメリットになるでしょう。
メリット③複数人で買い物できる
ネットスーパーは基本的に注文する方が1人で購入しますが、実店舗であれば家族や友人と一緒に買い物できます。
単に必要なものを買うだけではなく、同行者と買い物することでショッピングをイベントとして楽しむこともできます。
こうした家族や知人との買い物体験に価値があると思ってもらえれば、新たなファンの獲得につながるかもしれません。
これはネットスーパーにはない強みです。
デメリット①混雑しているとゆっくり考えながら買い物ができない
実店舗は平日の夕方や土日など混雑している時間帯に行くと、多くの買い物客で店内が混雑しています。
カートを使用したり小さな子どもを連れていたりして、狭い通路でほかの買い物客に接触してしまうことも少なくありません。
本当は商品の前でじっくり比較検討したくても、ほかの買い物客の邪魔にならないようにするため、検討もそこそこに買い物を終わらざるを得ないこともあるでしょう。
買い物を早く済ませようとする顧客が増えると「ついで買い」のニーズが見込めなくなるので、店舗としても貴重な売上アップの機会を失うことになりかねません。
デメリット②重いものやかさばるものを持ち帰るのに苦労する

米や飲料などの重いもの、ティッシュペーパーやトイレットペーパーなどのかさばるものを持ち帰るのが大変なのも、実店舗ゆえのデメリットです。
車で買い物に行けば道中は楽になりますが、レジから車まで運び、車から室内まで運ぶのはひと苦労です。
重いものやかさばるものだけでもネットスーパーを利用すると、日々の買い物の苦労が減るかもしれません。
デメリット③車で買い物に行くと駐車場を探す必要がある
車で買い物に行くと持ち帰りが楽になりますが、駐車場探しに手間と時間がかかるというデメリットがあります。
郊外型のショッピングセンターは駐車台数に余裕があるケースが多いものの、都市部のスーパーは駐車台数が限られており、混雑する時間帯は駐車場が空くまで時間がかかることもあります。
時間や手間をなるべくかけたくないのであれば、混雑時間帯を避けて買い物に行く必要があるでしょう。
ネットスーパーを運用するのに便利な備品
この章では、ネットスーパーを運用する際に便利となる備品を紹介します。
折りたたみコンテナ

折りたたみコンテナとは、プラスチックでできた折りたたみができる品物入れです。
ネットスーパーでは、品物の配送や配送前商品の一時保管に使われます。
通常のコンテナは数が多いとスペースを取ってしまい置き場所に困りますが、コンテナが空の場合はたたんで積み重ねて、空きスペースの確保が可能です。
材質は、ポリプロピレンが主でプラスチック素材の中でも軽量で衝撃などに強く耐熱性も優れています。
画像は、家庭用1番人気のオリコンP32Bと、少人数のご家庭用にベストなP16Bが人気です。
発泡スチロール

箱発泡スチロールは温度を保つ力に優れているため、温かい物も冷たい物も電力などのエネルギーを使うことなく長時間保つことが可能です。
軽量であることから魚介類や農産物の輸送、クーラーボックスなどに利用されています。
保冷剤

保冷材は低温を保つために使用される保冷用品です。
物体を「冷やす」のではなく「温まるのを防ぐ」ものとしての商品です。
保冷剤自体が温まってもまた冷凍させることによって何回でも繰り返し使うことができ、使用すると昇華してしまうドライアイスと比べても利便性、経済性に優れています。
人気があるのは、キャッチクールブローでプラ容器タイプの保冷材です。
丈夫なつくりのため繰り返しの使用が可能で、3温度帯ございます。(0℃ / -11℃ / -21℃)
備品のことなら折兼にご相談ください
ネットスーパーの運営には、実店舗とは異なる独自の備品が必要です。
ネットスーパーに適した備品を選ぶことで、より効率的な運営ができるでしょう。
折兼には、売り場や店舗の装飾、備品に関する専門スタッフがいます。
数多くのスーパーの売り場を手がけた経験とノウハウで、ネットスーパーの特性に合わせた備品を選定いたします。
ネットスーパーの備品でお悩みの方は、ぜひ折兼の専門部隊までご相談ください!
ネットスーパーは今後さらに拡大していく見込み
近年、多くのスーパーマーケットが参入しているネットスーパーは、実店舗にはない魅力がたくさんあります。
あらためて、ネットスーパーと実店舗のメリット・デメリットをまとめると次のとおりです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
ネットスーパー | ・重い商品やかさばる商品を購入しやすい ・購入額が明確でわかりやすい ・わざわざ出かけなくとも必要なものが手に入る |
・実物を見て買うことができない ・事前に買うものを計画する必要がある |
実店舗 | ・実際に商品を見て購入できる ・スタッフとコミュニケーションを取りながら買い物ができる ・複数人で買い物ができる |
・混雑しているとゆっくり買い物ができない ・重い商品やかさばる商品を買うと持ち帰るのが大変 ・車で来店すると駐車場を探す必要がある |
ネットスーパーは今後さらに拡大していく見込みですが、実店舗と上手に組み合わせることで、トータルでの売上アップを狙えるでしょう。
ネットスーパーを効率的に運営するためには、商品の保管・配送に適した備品をそろえることが重要です。
ネットスーパーの新規展開を予定している、あるいは見直しを検討しているなら、専門部隊を擁する折兼にお任せください。
まずはご相談をお待ちしています。