拡大する冷凍食品市場の現状
2023年の冷凍食品市場における見込みの市場規模は1兆2,724億円です。
また、2024年の冷凍食品市場の規模は1兆2,909億円(2022年比5.0%増)と予想されています。
冷凍食品市場が堅調に伸びていることを踏まえ、スーパーマーケットをはじめとする小売店は売上アップに向けて対策を立てることが大切です。
本記事では、冷凍食品市場の現状や、冷凍食品の販売に必要な冷凍ケースの種類などについて詳しく解説します。
スーパーマーケットでは冷凍食品が絶好調
2020年以降、コロナ禍による影響を受け、冷凍食品の売上が大きく伸びています。食品スーパーの売上推移では、冷凍食品が総菜やレトルト食品を抜いて、最も売り上げているのが現状です。
2019年12月の冷凍食品の売上と比較すると、2022年10月では16%アップしています。
売上増加率で言えば、総菜の7%やレトルト食品の8%を大きく上回る結果となりました。
さらに、1店舗あたりの冷凍食品の平均売上規模も、2021年には約3180万円と、2019年の約2871万円から300万円以上も増加しています。
このような冷凍食品の伸びが著しい背景には、即食ニーズの高まりがあります。
冷凍食品は長期保存ができるだけではなく、電子レンジやトースターなどで短時間調理が可能です。また、味に関してもエスニック系メニューのような風味や香りが決め手となるジャンルにおいては、冷凍技術の進化によってチルドよりも味や香りが良くなっています。
個人消費も堅調
経済産業省によると、2020年のコロナ禍以降、飲食料品小売業指数と飲食店・サービス業指数は対照的な動きを見せています。
緊急事態宣言の頻繁な発令により、飲食店業界は厳しい状況が続く一方、飲食料品小売業は堅調に売上を伸ばしました。この中でも冷凍食品が個人消費において増加しています。
コロナ渦ではリモートワークが増加したことで、外食よりも自宅で食事をとる人の比率が高まりました。仕事をしながら自炊をするのは大きな負担になるため、手軽に調理できる冷凍食品が重宝されたのでしょう。
冷凍ケースの種類
冷凍ケースとは、食品を魅力的に陳列し、適切な温度で保管するためのケースのことです。
スーパーマーケット、コンビニエンスストア、総菜店など、さまざまな店舗で利用されています。
メリットは、食品ごとに適切な温度調整ができることです。
食品の種類と適温については以下のとおりです。
食品の種類 | 適温 |
---|---|
冷凍食品やアイスクリーム | -25℃~-18℃ |
冷凍の精肉や鮮魚 | -16℃~2℃ |
チルドの精肉や鮮魚 | -3℃~2℃ |
惣菜やデイリー食品、加工品 | 3~7℃ |
野菜や果物 | 5~10℃ |
食品の品質を維持するためにも、適切な冷凍ケースを選択し、温度調整することが大切です。
この章では、冷凍ケースの種類別に特徴やメリットなどについて詳しく紹介します。
オープンタイプとクローズタイプ
冷凍ケースは、大きく分けてオープンタイプとクローズタイプの2種類です。
オープンタイプは、ケースが閉め切られておらず開放されているため、陳列物が見やすく、かつ、商品が取り出しやすくなっています。
ただし、外気に触れる仕様のため、安定した温度管理が難しい、電気代がかさむなどのデメリットがあります。
クローズタイプは冷気が外に漏れない設計のショーケースで、冷凍食品や低温食品の陳列に主に使用されます。
クローズタイプには、リーチインショーケース、対面クローズショーケース、アイスクリーム陳列用の特殊なドーム型タイプなどがあり、中に入れる食品に応じて選択します。クローズタイプは扉を開け閉めするため、お客様が商品を手に取りづらいものの、適切な温度管理が可能です。
どちらのタイプを選択するかは、陳列する商品や業態のニーズにより異なります。
リーチインケース
リーチインケースは、冷蔵・冷凍用のクローズタイプのショーケースです。
扉があり手を伸ばして食品を取り出す仕組みから名付けられました。
主にコンビニで飲料やアイスクリームの陳列に使われているショーケースですが、最近ではスーパーやドラッグストアでも利用されるようになりました。
リーチインケースのメリットは、省エネルギー性能に優れていることです。
オープンタイプは室内の空気にさらされるため冷気が逃げやすいのに対し、リーチインケースは扉で遮断されるため、少ない消費電力で庫内温度を一定に保ちやすい特長があります。
また、リーチインケースの多くは複層ガラスを採用しており、外の空間との間に空気の層を挟むことで断熱性能を向上させています。
一方、扉を開け閉めする必要があるため、生鮮食品の陳列場所では使いづらいとされています。
導入コストが高く納期も長いことにも注意が必要です。
しかし、省エネ性能基準を満たすリーチインケースであれば、政府の補助金によって導入コストを削減できます。
平台ケース
平台ケースは、商品を平らに並べることができるショーケースです。
大量の冷凍商品を陳列可能で、お客様が手軽に手に取ることができます。
スーパーマーケットや食品小売店などでよく用いられています。
多くの平台冷凍ケースにはスライド式のガラスデッキが採用されており、扉を開かなくても中の商品を確認できます。
扉がないオープンタイプのものは冷気が逃げやすいため、温度管理に関しての注意が必要です。
冷凍機の内蔵型と別置き型のメリット・デメリット
冷凍ショーケースには、冷凍機の内蔵型と別置き型があります。
それぞれのメリットとデメリットは次のとおりです。
内臓型
メリット
- 冷凍機の内蔵により、コンセントで電気を供給するだけで稼働できる
- 排水用のタンク受けや蒸発装置を別途設置する必要がない
- 設置後に店内レイアウトの変更や冷凍機の移動が可能
- 配管工事が不要
デメリット
- 1台ごとに独立しているため、関連商品を連続的に陳列できない
- 機械音や排熱の影響がある
- 冷凍機収容スペースが必要なことで、庫内の容量が比較的少ない
別置き型
メリット
- 排熱や機械音などがほとんどない
- 複数のケースを使用できる
- ランニングコストが低い
- ケースを連結することで関連商品を連続的に陳列できる
デメリット
- 屋内外に設置スペースが必要
- 配管設備が設置が必要なため業者への依頼が必須
- 設置後の店内レイアウトの変更や冷凍機の移動が難しい
ショーケースの種類は、食品や使用環境に応じて選択しましょう。
オススメの冷凍ケース
それでは、具体的にはどのような冷凍ケースを購入すればいいでしょうか。
ここでは、節電効果面やデザイン面でオススメのレイテック社の冷凍ケースを紹介します。
節電効果が高い冷凍ケース
主力商品のひとつ「LIEBHERR(リープヘル)」は、他にはない画期的な技術による高効率インバーター制御によって、消費電力は他社オープン型ショーケースと比較して、約9割の削減を実現しました。
電気料金が高騰している現状において、大変注目が集まっている商品です。
デザイン性のある冷凍ケース
AHTシリーズは、流線型のデザインが美しい、ヨーロッパ発のプラグインショーケースです。
日本にはない独自の構造でお客様の視認率アップに貢献します。
また、国内製の冷凍機内蔵型ショーケースと比較して消費電力を約80%削減できます。※1
搭載するノンフロン冷媒R290は、効率の良い運転で省エネ性能をアップし、これからの時代に合わせた環境にやさしい店舗作りが可となります。※2
※1 他社製7尺オープン型ショーケースとAHTプラグインショーケースSYDNEY210(-)VSADを比較した場合の削減量です。
※2 一部製品は受注生産モデルとなります。通常在庫品は代替フロンR404A仕様となります。
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冷凍食品市場を理解し売り上げアップに繋げよう!
冷凍食品市場は堅調に推移しており、今後もある程度は伸び続ける見込みです。
この機会に冷凍食品コーナーを充実させたり、販促物の工夫で集客に力を入れたりするのも1つの方法です。
今回紹介した冷凍食品市場の現状や冷凍ケースの種類、メリット・デメリットなどを参考に、冷凍食品販売の戦略を立案しましょう。