トップシール包装やメリット、機械について紹介
トップシール包装は、主に豆腐やカップ飲料、デザートなどの食料品パッケージに用いられる包装です。トップシール包装は商品の魅力を引き立てるとともに、スマートな印象を与えます。
また、従来の包装と比較してフィルムの使用量が少ないため、SDGsやエコの観点からも利点があります。このようなトップシール包装を行う際に使うのが、トップシール機です。
本記事では、トップシール機やトップシール包装の役割、メリット・デメリットなどについて詳しく解説します。
日常的に使われているトップシール包装
スーパーマーケットやコンビニエンスストアで販売されている豆腐や惣菜などによく見られる、四角いトレーや丸いカップ状の容器の上に貼り付けられているシールを「トップシール」といいます。トレーを使用しているため、「トレーシール」とも呼ばれています。
例えば、豆腐のトップシールには、豆腐の種類や製造日、賞味期限、原材料、栄養成分などが記載されており、商品の詳細情報が一目でわかります。トップシールは身の回りのさまざまな商品に採用されており、日々の買い物において商品を選びやすくする役割を果たしています。
トップシール包装とは
トップシール包装は、成型された容器に商品を充填し、蓋となるフィルムを熱シールすることで密封する包装方法です。商品の鮮度維持や品質保持に優れており、多くの食品に利用されています。 サラダパックがトップシール包装の一例です。
サラダパックがトップシール包装の一例です。サラダパックは、透明なプラスチック容器に新鮮な野菜が充填され、その上に薄いフィルムが熱でシールされています。このトップシールには商品名や賞味期限、栄養成分、生産者情報などが印刷されており、消費者が商品の情報を簡単に確認できるようになっています。
メリットとデメリット
メリット
- 情報提供の効果
商品に関する重要な情報(商品名、賞味期限、原材料、栄養成分など)を簡潔に表示できます。これにより、消費者は商品の情報を得ることができ、商品をスムーズに選べるようになります。 - 品質維持
トップシール包装は、商品を成型容器でしっかりと密封するため、食品の品質を維持できます。外部からの影響を最小限に抑えることで商品の品質を保つことが可能です。 - 商品の可視性
透明のトップシールを使用したり、透明なプラスチック容器と組み合わせたりすることにより、容器内を視覚的に確認できます。これにより、消費者は商品の状態を事前に確認しやすくなります。 - 環境にやさしい
トップシール包装はトレーの上面をフィルムで癒着させるため、蓋材が不要となり、その分プラスチックの使用量を削減できます。また、CO2排出量が少ない素材のトレーを採用すれば、さらなる環境負荷の低減が可能です。
デメリット
- トップシール包装には、フィルムのほか成型容器を使用するため、包装コストがかかります。
トップシール機の導入やメンテナンスにも費用がかかるため、慎重に検討するべきでしょう。
トップシールに適した包装資材
イージーピールフィルム
イージーピールフィルムとは、その名の通り、簡単に開けることができるフィルムのことです。
通常のフィルムの場合、容器とフィルムの接着強度が強く、開封が困難ですが、イージーピールを使用することでこれを解消します。
イージーピールは、剥離の種類によって異なりますが、フィルムの間またはフィルムと容器の間で剥がれる仕組みになっているため、容易に開けることができます。
内容物が吹き出すことなく、綺麗に剥がすことができるため、デザートや豆腐容器などの蓋材としてよく使われています。
PETフィルム
PETフィルムは、他のフィルムと比較して伸び縮みしにくい寸法安定性という特徴があります。
これにより、印刷時や容器にフィルムを貼り合わせる際に模様のずれが少なくなります。
トップシール機の紹介
トップシール機は、コストや機能、利便性などをチェックし、自社の条件を満たしたものを選ぶことが大切です。ここで、おすすめのトップシール機を3つ紹介します。
卓上型トップシール機 TR-59L (株式会社テクノリサーチ)
TR-59Lは金型交換が可能なトップシール機の中でもコンパクトな卓上モデルです。
AC100V電源で動作し、金型交換が簡単にできるため、店舗のバックヤードなどでさまざまなサイズの容器にトップシールを施すことができます。デザインフィルムにも対応しており、小さな容器の場合は2つ同時にシールすることが可能なので、生産量の向上が期待できます。
安全性にも配慮し、非常停止ボタンと安全ゲートを搭載しています。
エアーレストレーシーラー NEO2000 (株式会社第一包装機製作所)
従来のトレーシール機ではエアー源が必要でしたが、NEO2000は電源のみで動作し、エアー源は必要ありません。
また、金型はワンバケット方式を採用したことにより、生産切替えの際、型替えの省力化を行うことが可能です。
コンプレッサーも不要で動作時にだけ電力を使用するためエコな製造に貢献します。
その他、コンベアを使用しない搬送方式を採用したことにより、1連と2連を切替えて使用することができるため、生産量や生産ニーズに合わせて幅広く使用することが可能です。
オートマチックトレーシーラー SEALPAC A7max (NASCO株式会社)
最先端技術を駆使し、さまざまなアプリケーションに対応する連続式ガス置換トレーシーラーです。
シールパック社のガス置換テクノロジーを導入し、1台の機械でガスパックやトレースキンパックに柔軟に対応できます。
また、金型交換システムの導入により、異なる形状のトレーにも迅速かつ簡単に対応でき、生産性向上と製品の多様性を実現しています。
さらに、インサイドカット機能が採用されており、トップフィルムがトレーの外側にはみ出さない工夫がされています。
他の包装方法との違い
各包装方法の特徴を踏まえ、商品に応じて包装方法を変えることが大切です。
トップシール包装と他の包装の違いについて詳しく見ていきましょう。
トップシール包装
成型容器に商品を充填し、熱シールされたフィルムで密封する方法です。
鮮度維持と品質保持に優れ、幅広い食品に使用されます。また、商品に関する重要な情報を簡潔に表示できたり、透明のフィルムを使用することで商品の中身を見えるようにしたりできます。さらに、蓋材が不要な分プラスチックの使用量を削減できるほか、CO2排出量が少ない素材のトレーを採用すれば、環境負荷がより一層低くなります。
スキンパック包装
台紙と内容物を熱で密着させ、真空状態にする包装方法です。
密着しているため、ドリップが少なく保存期間が延長されます。
また、内容物が本来の形を崩すことがありません。
さらに、ドリップが漏れない構造のため、横に倒したり壁に掛けたりといったさまざまなタイプのディスプレイに対応しています。ただし、容器型の底材ではないため、 液体が含まれる製品には向いていません。
真空包装
包装袋内の空気を吸引して脱気し、内容物を真空状態にする方法です。
食品の劣化を防ぎ、新鮮な状態を維持します。
また、漬け込み料理の調理時間の短縮にも使用できます。
食品の劣化を抑えられる性質を活用し、提供日の前日から仕込みを始めることで生産効率を高め、人件費を削減することも可能です。
さらに、時期によって価格が変動する食材を安い時期に大量に仕入れ、真空包装することでコスト削減する方法もあります。ただし、袋内の空気を抜いて真空状態にするため、潰れやすい製品は向いていません。
深絞り包装
ボトム材を成形し容器状にし、内容物を入れた後、トップ材でフタをし、真空・熱圧着を行う包装です。
真空状態にしてから不活性ガスを封入する方法もあります。
容器の大きさを内容物に合わせられるため、食べやすいサイズにカットしてから包装することも可能です。また、内容物が外から見えるため、販促効果も期待できます。
MAP包装(ガス置換包装)
パッケージ内の空気を適したガスに置換し、食品の劣化を防ぐ方法です。
一般的に使用されるガスは主に二酸化炭素、窒素、酸素です。容器内の空気を追い出す代わりにガスを封入するため、酸化による食品の劣化を抑えることができます。
トップシール機のご相談なら折兼へ
トップシール包装を導入するにはトップシール機が必要です。
機能や価格などを考慮して、最適な機器を選定しましょう。
折兼では、機械の専門スタッフがいますのでお客様が取り扱う食品にあった最適な包装機をご提案致します。機械導入をお考えの方はぜひご相談ください。
トップシールは環境にやさしい包装形態
トップシール包装は商品を成型容器に充填し、フィルムを熱シールして密封する包装方法で、鮮度維持や品質保持に優れ、食品に広く利用されています。メリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
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情報を速やかに提供できる 鮮度を維持できる 商品の内容が外側からわかる 環境にやさしい |
開封に手間がかかる 包装コストがかかる |