![](https://www.orikane.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/08/機械_KV_真空包装機_業務用_選び方_700×465.jpg)
業務用真空包装機とは
真空包装とは、トレーなどを包装する際に袋内の空気を抜き、内部を真空状態にした包装のことを言います。袋内の空気を抜くことで、製品の化学的な変質や微生物による変質を抑制することを目的としています。真空包装機はこの機能を用いた機械で、真空包装後のフィルムは製品に密着した状態になります。
真空包装をすることで、中の食材の鮮度を長持ちさせたり、事前に仕込みをしておき時間短縮や人件費削減につながっていきます。
家庭用真空包装機との違い
この章では業務用と家庭用の違いと、それぞれのメリットデメリットについて説明していきます。
業務用と家庭用の違いとメリット・デメリット
業務用真空包装機と家庭用真空包装機の1番の違いは、真空能力になります。
家庭用は食品などを入れた袋の中だけを真空(脱気)にします。
業務用は袋の中に入れた食品の空気も抜き取ります。
他にも、家庭用は一部を除き液体を包装することができません。
また、対応する袋も限られてきます。
業務用 真空包装機
![業務用真空包装機](https://www.orikane.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/07/卓上型.png)
メリット
・食品内の空気も抜くため長期保存が可能
・短い時間で味の浸透ができる
・ほぼ全ての真空袋が使用可能
・液体も真空包装できる
デメリット
・導入費用が高い
・家庭用より大きいため、場所を取る
・ヒーター線やオイルなど、消耗品代が別途かかる
家庭用 真空包装機
![家庭用真空包装機](https://www.orikane.co.jp/wp/wp-content/uploads/2023/05/HIPPO-e1683182476582.jpeg)
メリット
・導入費用が安い
・機種によっては高い真空度が出せる
・長期保存などを目的としない場合、コストパフォーマンスが高い
・袋の中の空気を抜くだけなら十分効果がある
デメリット
・家庭用機を買ったところの袋しか使えないなど、対応する真空袋が少ない
・液体の真空包装ができない(一部除く)
業務用真空包装機の選び方
業務用真空包装機と言っても様々な種類、大きさがあります。
また、同じ大きさでも用途によってタイプが変わります。
この章では真空包装機の種類、大きさなどに触れていき、真空包装機を選ぶ際のポイントについて説明していきます。
ノズル式かチャンバー式か
真空包装をする方法として「ノズル式」と「チャンバー式」があります。
まず、ノズル式とチャンバー式について解説していきます。
ノズル式
![ノズル式](https://www.orikane.co.jp/wp/wp-content/uploads/2023/05/45340-e1683182579647.jpg)
メリット
・チャンバー式に比べ短時間で真空ができる
・比較的安価
・シール可能な袋の幅さえ要件を満たしていれば、袋の長さに制限が無い
デメリット
・チャンバー式と比べ真空状態が弱い
・液体の真空包装がやりづらい
・エンボス加工がされていないなど、向いていない袋がある
チャンバー式
![チャンバー式](https://www.orikane.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/08/チャンバー式_700×465.jpg)
チャンバー式とは、チャンバーは小さな部屋という意味で、袋に入れた製品をボックス内へセットし、ボックス内部の空気を抜いていく事で真空状態を作ります。
メリット
・ノズル式では難しい液体(少量)を真空包装する事も可能
・業務用の真空包装機に多く用いられている方法
・シール装置もボックス内に設置されているので高い真空度を得られる
デメリット
・ノズル式より真空状態を作るまで時間がかかる
・真空包装できる袋のサイズが機械ごとに決まっている
卓上型か据え置き型か
チャンバー式真空包装機は主に卓上型か据置型に分けられます。
卓上型
小型の為、テーブルの上や少しのスペースがあれば使うことができます。
真空包装する製品が小さく、真空袋が縦300mm×横400mm以内ではあれば、卓上型をおすすめします。熱い製品を扱う場合は卓上型のホットパック対応機種が対応しています。
据置型
卓上型よりも機械が大きくシールできる幅が長いため、一度に複数の製品を並べられます。
そのため、卓上型に比べると処理能力が数倍上がります。
1回の生産量、1日の真空包装回数が多い場合はこちらをおすすめします。
包装方法
『真空包装をする』と言ってもその種類は様々です。真空包装の種類について解説していきます。
1.真空包装
真空包装は袋の中の空気を抜いて真空にするシンプルなタイプで、酸化や腐敗、食品の変色などを防止します。真空包装することで体積が小さくなるので、梱包時や保管時にかさばりにくくなります。幅広い製品に適していますが、生野菜や柔らかい製品は潰れてしまうため向いていません。
2.ガス置換包装
ガス置換包装とは袋を真空にした後に窒素ガスなどの不活性ガスを封入する方法です。酸化や腐敗を防ぐだけでなく、ガスがクッションの役割を担うので柔らかい食品でも形を崩さずに保存できるのが特徴です。
3.脱気包装
脱気包装は完全に真空にするのではなく、袋の中に残す空気の量を調整できる方法です。生野菜や柔らかい製品など、保存に多少の空気を必要とする製品の保存に向いています。
包装物の量や形態
チャンバー式のシールタイプは3種類あります。食材や商材に合わせて最適なシールタイプを選ぶことで、効率的な運用が実現できます。
L字シール
![L字&逆L字](https://www.orikane.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/08/L字&逆L字_700×465.jpg)
長尺袋(新巻鮭、太刀魚など)、小袋の多数パックに対応。
真空包装する製品が大きく、真空袋が縦では入りきらない所ならL字シール型がおすすめです。チャンバー内の横側にヒーター線が付いているため、製品が大きい場合でも対応ができます。
ダブルシール
![ダブルシール](https://www.orikane.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/08/ダブルシール2_700×465.jpg)
小袋の多数包装に対応。
真空包装する袋の数が多い所なら、両サイドをシールできるダブルシール型がおすすめです。チャンバーボックスの上下にヒーター線が付いているため、1回の作業で同時に複数の袋にシールができます。
コの字シール
![コの字&逆コの字](https://www.orikane.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/08/コの字逆コの字_700×465.jpg)
長尺他、多種の袋サイズに対応し、小袋の多数包装にも対応。
小さい袋も縦では入りきらない大きな袋も使う所なら、コの字シール型がおすすめです。
上下と横にヒーター線が付いているため、どちらも対応ができます。
真空包装機のシールバーを選ぶときは包装する袋のサイズで選びましょう。
液体や粉末などを真空包装するならチャンバー内に傾斜がある機械を選べば、液こぼれを防ぎ、真空包装も綺麗に行えます。
消耗品も含めたコストパフォーマンス
真空包装機に必要な代表的な消耗品について、説明していきます。
真空袋
当たり前ですが、機械だけあっても何も出来ません。
機械は決まったけど、真空袋はどこに頼めばいいんだろうとお悩みの方、ご安心下さい。
折兼では袋の選定から販売まで対応できます。
オイル
真空包装機の心臓部となる真空ポンプを動かすのに必要です。
こちらの交換を怠ると、いつもより真空が甘くなったり、場合によっては真空ポンプが動かなくなる事がありますので、定期的に交換が必要となります。
シールバーに貼るテープ(テフロンテープ)
機械を何度も使用していると、シールをした袋のシール部分にあるテープが焦げ付いたり破れたりしてきます。このような状態で使用すると、シール不良が発生することがありますので劣化が見られたら交換をしましょう。
ヒーター線
テフロンテープは劣化していないのにシールが出来ない。そんな時はテフロンテープを剥がすとヒーター線が出てきます。こちらが切れてしまうとシールができません。その為、お手元に予備を必ず1個は置いておくことをオススメします。
設備予定場所の電源
業務用真空包装機の電源は100Vの機種もありますが、200Vが主流のため、設置予定場所の電源準備が必要です。また、据置型の場合は特に機械が大型となりますので設置場所の確保及び搬入ルートの確保も重要となります。
アフターフォローの有無で選ぶ
購入先によっては、機械を直接送るのみの対応で機械の受取や設置場所への据付調整等をご自身でやらなければいけない場合があります。
従って、安易に安いから購入するのではなく、サービスやアフターフォローがしっかりしているか、確認してから購入先を選びましょう。
業務用真空包装機の機能
業務用真空包装機を選ぶにあたり、どのような機能があるのかを知っておくことも必要です。
代表的な機能が4つあります。
- ホットパック仕様
- ガス置換機能
- オイルセルフ交換機能
- 安全対策機能
どのような機能かを次の章で説明していきます。
1.ホットパック仕様
ホットパック対応の真空包装機は、従来の卓上型のコンパクトさに加え熱い製品のまま真空包装できるので、真空包装前に食材を冷ます時間の短縮が可能です。また、冷ましている間に埃や菌などが付着するリスクも減らすことが出来ます。
![ホットパック](https://www.orikane.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/08/ホットパック①②_700×465.jpg)
2.ガス置換機能
ガス置換包装とは「製品の充填時に袋から空気を除去し代わりに不活性ガス(窒素及び二酸化炭素など)で置換後、密封する包装のことです。
製品の酸化防止、微生物の繁殖の抑制、静菌などを目的とします。
食品包装の使用例:ポテトチップスなどの油菓子、ピーナッツ、洋菓子など
3.オイルセルフ交換仕様
オイルセルフ交換仕様は、製品の側面に給油口と排油レバーがあり、前面に排油ホース差込口があります。これによりサービスマンを呼ばなくても自身で簡単にオイルが交換できる仕組みになっています。
![オイルセルフ交換](https://www.orikane.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/08/オイルセルフ交換_700×465.jpg)
4.安全対策機能
機械には様々な安全対策を施してあります。
メーカーによって安全対策の種類が異なりますので、その一例を紹介します。
オイル交換時期のお知らせ機能
3ヶ月または500時間を経過するとオイル交換時期のお知らせが画面に表示されます。
機械清掃マニュアル
本体に付属されている液晶画面に機械の清掃方法が表示されます。
画面に則って清掃を行えば、機械寿命の延長や、より安全に使えることが期待できます。
緊急非常停止機能
本体には緊急非常時に機械を停止させるスイッチが付いています。
押すことですぐに機械を止めることが出来ます。
他にも様々な安全対策が施されていますので、選ぶ時の参考にしてください。
おすすめの業務用真空包装機と価格
真空包装機には様々な種類があり、それぞれに特徴やメリットがあります。
まずは卓上型か据置型か選ぶ場合、真空包装をする物のサイズで選びましょう。
卓上型 真空包装機
![卓上型](https://www.orikane.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/08/卓上型_700×465.jpg)
約2パック/分程度の包装能力の為、少量生産するお客様に向いています。
軽量かつコンパクトの為、テーブルの上や少しのスペースがあれば使うことが出来ます。
包装物の最大寸法が「横400×縦600×厚さ180(単位:mm)」以内の製品を扱う場合に適しています。価格は約40万円〜です。
卓上型 ホットパック対応真空包装機
![ホットパック対応機](https://www.orikane.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/08/ホットパック対応型_700×465.jpg)
コンパクトさに加え、熱い製品のまま真空包装できるので、真空包装前に食材を冷ます時間の短縮が可能です。また、冷ましている間に埃や菌などが付着するリスクも減らすことが出来ます。
価格は約55万円〜です。
据置型 バッチ式真空包装機
![バッチ式](https://www.orikane.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/08/バッチ式_700×465.jpg)
卓上型よりも機械が大きい分、シール長さが長い為、一度に複数の商品を並べられます。したがって、卓上型に比べると処理能力が数倍上がりますが、価格も上がります。
価格は約150万円〜です。
ベルト式連続真空包装機
![ベルト式](https://www.orikane.co.jp/wp/wp-content/uploads/2020/08/ベルト式_700×465.jpg)
シール長さが長い為、一度に複数の商品を並べられます。更に、据置型真空包装機は都度商品を並べる、取り出すを繰り返す必要がありますが、ベルト式は真空・シールしたものは後方に排出される為、取り出す作業が無い分、据置型真空包装機より更に処理能力が高くなります。
真空包装機の導入方法
真空包装機を導入する際にどの包装機を選定すれば良いか悩んでしまいますよね。ご安心下さい。株式会社折兼ではこちらに記載した全てのタイプの真空包装機を取り扱っております。
実際に真空包装機を導入する際には、是非一度お問い合わせ下さい。お客様の要望を聞きながら、最適な機種をご提案致します。その他の機械も取り扱っておりますので、お気軽にご相談下さい。
店舗に合う業務用真空包装機を選ぼう
最後に当記事のおさらいです。
真空包装の方法
ノズル式とチャンバー式があります。ノズル式はノズルで空気を吸い込み真空包装します。
チャンバー式はチャンバー内を減圧して真空包装します。
業務用で使われている真空包装機は主にチャンバー式です。
包装方法の種類
包装方法には3種類あり、真空包装、ガス置換包装、脱気包装があります。
真空包装は機種によっては温かいものや水分を含んだものを包装できます。
しかし柔らかいものや形の崩れやすいものは包装には向いていません。
ガス充填包装はポテトチップスやナッツなど油を使った酸化しやすい製品の包装に向いています。
脱気包装は柔らかいものや形の崩れやすいもの、生野菜など本来の形をあまり変えたくないものに向いています。
おすすめの真空包装機
常温で生産量があまり多くないものなら卓上型真空包装機、温かいものを包装するなら卓上型ホットパック対応型、生産量が多く、1回で複数真空包装するなら据置型バッチ式真空包装機、設置場所があり、大量生産をするならベルト式真空包装機をおすすめします。