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ハム包装は奥が深い?包装の素材や種類、選び方について

2020.11.20

ハムの包装は奥が深い?

一言でハムと言っても色々な種類があり、またその種類によって適切な包装資材も違います。素材ひとつを取っても中々奥の深い世界です。
この記事では、ハムの種類、色々な包装方法をご紹介していきます。

ハムの種類

ハムの本場といえばドイツ。
冬のドイツは気候が厳しく、土地も痩せて、豊かな作物には恵まれない環境だった頃の12月頃に、丸々と太った豚をつぶしてハムが家で作られ、これを食いつないで長い冬をしのぎました。
しかし、普通の家では年に1頭つぶせたら良いといわれていたほど、豚は貴重な食べ物でした。そのため、脂身・内臓・骨髄、血にいたるまで捨てられることなく加工され食べられていました。こうして作られたのがハムです。
そして、日本人では考えつかないような無駄のない知恵の積み重ねで作られた多彩なハムが誕生しています。
この記事では現在日本でよく食べられているハムの種類を紹介していきます。

骨付きハム

骨付きハムは、豚のもも肉を骨付きのまま成型して加工したハムです。
加熱処理したものと、低温で長時間乾燥させ燻製にしたものがあります。
欧米でハムといえば骨付きハムのことをいいます。
高価でボリュームがあるので日本ではホテルのパーティー用に特注されたものがほとんどです。骨付きハムは「ボンインハム」と呼ばれることもあります。

ボンインハム

ショルダーハム

ショルダーハムは骨抜きした豚の肩肉を塩漬け、燻製・加熱処理したハムです。
赤肉が多いハムです。作り方はロースハム・ボンレスハムと同じで、違うのは肉の部位だけです。

生ハム

生ハムとは豚肉を長い時間かけて塩漬けし乾燥・醗酵したもの、もしくは塩漬けのあと燻製したハムです。世界的にも燻製するものが大多数で加熱するものは少ないです。日本では、ドイツ系の生ハムが多く流通しています。
基本的にドイツ系の生ハムで加熱・加工している商品はありません。日本では燻製しない生ハムは「プロシュート」と呼ばれています。

生ハム

ボンレスハム

ボンレスハムは、豚のもも肉から骨を抜き、塩漬け・燻製・加熱したハムです。
ボンレスハムのボンは「骨」、レスは「なし」という意味で、骨のついていないハムのことを意味します。ちなみに、骨のついているハムのことを「ボンインハム」と呼びます。
骨のついていないハムはたくさんありますが、ボンレスハムと呼ばれるハムは、豚のもも肉のかたまりを塩や香辛料に付けて乾燥させ、燻製させたものに限られます。ボンレスハムは、脂肪が少なくあっさりとした食感と味わいが特徴です。見た目はロースハムに似ていますが、ロースハムよりもぷりぷりとした肉感があり、色合いはロースハムと比べるとやや赤みが強いです。

ロースハム

ロースハムは豚にロース肉を塩漬け・燻製・加熱したハムです。
ボンレスハムとの違いはボンレスハムは豚のもも肉、ロースハムは豚のロース肉を使います。
ちなみにロースハムという名前は日本独特の呼び名で海外ではロインハム(ロインはロース肉のこと)、またはロールドハム(肉をまるく巻いたハムを表現)と呼びます。
ロースハムの特徴は、柔らかな食感ときめの細かさです。適度に脂肪を含んでいるため、じわじわと旨味を感じます。見た目はボンレスハムよりもやや薄いピンクと感じる人が多くいます。

ロースハム

魚肉ハム

魚肉ハムは魚肉の肉片を塩漬けにしたものを原料としています。
魚肉ソーセージとの違いは、魚肉ソーセージは主に魚肉をすり身にしたものを原料としています。

魚肉ハム

ハムの包装方法の種類

ハムに使われる包装方法の種類は一般的に使用されるのは

  1. 真空包装
  2. 深絞り包装
  3. ロケット包装
  4. ガス置換包装

の4種類がです。
ここでは、ハムの包装方法と袋の種類・材質について詳しく説明していきます。

真空包装

ハムで使われる包装形態の1つが「真空包装」です。
真空は「大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間の状態」のことを言います。袋内の空気を抜き、袋の中の食品に密着させます。食品を真空パックするには、袋に内容物を入れた後、真空機で空気を抜いていき、その後、袋の口を熱シールによって閉じます。

①酸化を防ぐ 
②カビや細菌を防ぐ 
③内容物を固定させて陳列しやすくする 
④かさを減らせる
 

これらの特徴があげられます。
真空するために適した袋は、ナイロンとポリエチレンを貼り合わせてできたナイロンポリ袋を使います。ナイロンポリ袋は、やわらかく商品と密着しやすい特徴があり、ピンホールとよばれる穴があきにくいです。衝撃にも強く、耐寒性にもすぐれています。
日持ちをさせたい場合は、酸素を通しにくいガスバリア性のついたナイロンポリ袋を使いましょう。
真空包装はハムはもちろん、魚・サラミ・ソーセージなど幅広く使われます。

深絞り包装

ハムの包装形態で一番よく見かけるのが、深絞り包装です。
ハムだけでなくサラダチキン・かにかま・ソーセージなどでもよくみかけます。
深絞り包装とは、ボトム材とトップ材と呼ばれる2種類のフラットなフィルムを使用します。
ボトム材は、フィルムを商品に応じて熱を加え真空して型に伸ばし成型します。このことを「絞り」と呼ぶため、深絞りと呼ばれるようになりました。
深絞りする事によりボトム材が容器のような形になります。

その中に内容物を入れ、その後トップ材でフタをします。
作業者は内容物を凹みに入れるだけなので、効率よく包装することができます。
深絞りのボトム材は伸びやすい厚手の無延伸フィルムが相性がよく、その中でも共押し出しフィルムが最も相性が良いとされています。

ロケット包装

ロケット包装は、チューブフィルムに内容物を入れ円筒上になった後、両端をアルミワイヤーで止め、絞った形のものをいいます。
ハム、魚肉ソーセージ、チーズかまぼこ、もやしなどでも見られます。
ロケット包装はハムやソーセージの包装の歴史の中では最も古く、惣菜類はスタンド袋やピロー包装に変わってしまったものがほとんどですが、ハムやソーセージはいまだに多く残っています。

ロケット包装

ガス置換包装

ガス置換包装とは、密封したフィルム内の空気を除去し他のガス(窒素、二酸化炭素(炭酸ガス)、酸素あるいはこれらの混合品)を充填するものです。
食品の酸化防止、微生物の繁殖の抑制、殺菌あるいは静菌などを目的とします。
JIS規格の定義では「ガス置換包装」とは「内容物の充填時に容器から空気を吸引排気し、代わりに窒素及び二酸化炭素のような不活性ガスで置換して密封し、又は不活性ガスで強制的に容器内空気を置換して密封し、物品の変質などを防止することを目的とする包装」とされ、「容器には、ガスバリア性の優れた包装材料を用いる」とされています。
ガス置換包装は精肉、加工肉、油菓子、削り節、洋菓子など色々な食品包装に用いられ、近年ではワインの酸化防止や食品の保存のため飲食店舗や一般家庭でも使用されています。

ハムの包装素材

ハムの包装素材はさまざまな種類があり、包装方法もガス置換包装、真空包装、深絞り包装、熱収縮包装など中身に応じたフィルムを選ぶことが必要です。
使われている素材も色々な物がありますので、ここでハムの包装に使用されている材質について詳しく説明していきます。

アイオノマーPE

アイオノマーPEは、海外輸入品であるSURLYN(サーリン)という商品名で有名ですが、今は三井・ダウポリケミカルが全て国産化しハイミラン®として販売しています。一般的に「イオン含有高分子で、特に金属イオンあるいは第4級アンモニウムにより部分的あるいは完全に中和された高分子」に定義されてます。

特徴は
・低温シール性
・ホットタック性(熱シール直後のシール強度を表す指標)
・金属に対する接着性

主な用途
成型・自動車用途(ゴルフボール等)
押出コーティング用途(酒、ジュースなどの紙容器等)
フィルム用途(深絞り包装等)
改質・塗料・接着用途(PEの代替品等)

新しい用途としては液体充填用やロック&ピール®があります。

PVA,EVOH/ビニロン

PVAとは、繊維として使用されているビニロン(ポリビニルアルコール)をフィルムにしたものです。
乾燥状態では単層プラスチック中、最もガス遮断性に優れております。
ただし、水に弱い特徴を持つため、両面に耐水加工をして使用する場合が多い。
食品用フィルムとしては、PVAを延伸したもの(ボブロン)、PVAとエチレンを共重合したもの(EVOH)、これを延伸したものなどがあります。
ガスバリヤー性に優れており油脂性食品・味噌・漬物などの酸化・変色防止包装、削り節、お茶・ ハム・チーズなどのガス充填包装、脱酸素封入包装、真空包装、香気保存包装などに使用されています。ただし、水蒸気遮断性は良くないので防湿包装には不向きです。

PVDC(ポリ塩化ビニリデン、サラン)

ポリ塩化ビニリデンはPVDCの記号で表記されます。
酸やアルカリ等への耐薬品性に優れ、ガスバリア性にも優れた無色透明の弾性のあるプラスチックです。耐熱温度は130~150℃になります。塩化ビニル(PVC)と混同される事がありますがガスバリアー性、防湿性、保香性などについてはPVDCの方が遥かに優れています。
一般的にKOP,KPET、KONなどの『K』の部分はPVDCがコートされたものです。
用途としてはラップフィルムの「サランラップ」旭化成、「クレラップ」呉羽化学工業は家庭でも馴染みがあります。この他にハム・ソーセージなどのロケット包装の収縮タイプが使われております。
1990年代後半にダイオキシン問題が発生し敬遠されておりましたが、ゴミの焼却施設と焼却条件の適正化が行われました。現在は800℃以上の燃焼温度で焼却が行われ、ダイオキシンはほとんど発生しなくなりました。

ハムの包装の選び方

ハムの包装は、機械でボトム材を連続で成型する深絞り包装と、一つずつ手詰めや自動給袋包装機で連続して包装していく方法の大きく2通りに分けられます。
ここでは包装にあたって必要なサイズや耐熱性、防湿性と最近よく話が出てくる環境配慮についてご説明します。

サイズ

ハムはものによってサイズがさまざまです。
サイズにマッチした包装資材を選びましょう。
大きすぎる包装を選ぶと余白が目立って寂しい印象を与えてしまい、見た目が悪くなってしまいます。

耐熱性

ハムは加熱調理殺菌をすることで食中毒菌による危害を無くすことが出来ます。加熱調理殺菌のための温度は中心温度63℃以上を30分以上維持する必要があります。
そのため使われている包装資材も耐熱性が必要になります。
フィルムは、加熱調理殺菌を何度何分するかによって、使用する材質のグレードが変わってきます。
耐熱性のあるフィルムを使用することが重要です。

防湿性

ハムの包装資材は防湿性を有する資材を用ることが必要です。
農林水産省が定めるプレスハムの規格では、ハムの中の水分は、60%以上75%未満と定められています。
ハムは、ある一定以上の防湿性が必要です。
また、ブロックに切断したものや薄切りしたものにおいては、通気性のない資材を用いて密封されていることと明記されております。
防湿性と酸素バリア性をもっているフィルムを使うことが重要です。

環境配慮

近年環境に対する配慮の声が大きく上がっており、食品メーカーでも色々な事をして対応しています。
例えば、日本ハムでは「もう切ってますよ!焼豚」における底材フイルムを20%薄肉化(220μm⇒180μm)することにより、製品あたりのプラスチック廃棄物削減量が20%削減。同様にCO2 排出量も20%の削減。
それ以外にもバイオマスが入ったフィルムを使用したカーボンニュートラルの考え方から二酸化炭素を増やさないとい取り組みも増えてきております。

おすすめのハム包装

ここではおすすめの自社で扱っている規格袋について、2つ紹介します。

三方袋

●クリロン化成
・彊美人
<特徴>
他社にはない透明感と光沢感。特許技術の低カール。
共押し出し製法(複数の樹脂を、複数の押出機から別々に押し出し、特殊な構造のダイの中で積層して複合フィルムを作る方法。)で作成しているため、突き刺し強度に不安あり複数の樹脂を、複数の押出機から別々に押し出し、特殊な構造のダイの中で積層して複合フィルムを作る方法。

・ハイバリア彊美人
<特徴>
彊美人の特徴プラス、脱酸素剤にも対応する酸素バリア性。

熱収縮用チューブ袋

●クレハトレーディング
・クレハロンML VS-20
<特徴>
98℃・10分程度のボイル処理(※)が可能。
(※内容物に合わせて、記載した範囲のボイル条件で使用可。)
熱水収縮により、内容物にフィット。
光沢・透明性があり、内容物がキレイに見える。
酸素や水分を通しにくく、内容物を新鮮に保ちます。
フィルム表層とラベル糊との相性よし。
耐衝撃性・耐ピンホール性により、内容物を保護。

ハムの包装で品質が変わる

ハムの包装は品質維持や向上に一役を担ってきましたが、今後は環境配慮の観点でも素材を選定していく必要があります。
その包装資材を使用して酸化を防ぎたいのか、水分が逃げないようにしてパサツキを防止したいのか、見た目をよくしたいのか等いろいろな観点から検討する必要があります。
今回ご説明した内容は包装に関する事柄の一部分です。リスクを回避する意味でも、包装資材を選ぶときは専門業者に相談することから始めましょう。最適な包装資材や包装方法の提案はもちろん、商品の価値をより高めるアドバイスも貰えるはずです。包装資材の専門業者と協力してよりよい商品を作っていきましょう。

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