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商品の魅力を最大限に引き出す、おいしく見せる撮り方

2021.12.10

商品の魅力を最大限に引き出す、おいしいシズルの撮り方とは?

本記事では、パッケージ、カタログ、売り場のPOP等に使用する料理や食材のシズルをどのようにおいしそうに撮影できるかをご紹介します。

シズルとは、ついヨダレが出てしまう程おいしそうに感じる表現をいいます。ジュージュー肉が焼ける音や、焼きたてパンの香ばしいにおい、みずみずしいトマトなど、音や匂い、ビジュアルなど、シズルの表現方法は様々あります。今回は、ビジュアル=写真をメインにおいしく見せるシズルの撮影方法をご紹介します。

食品のおいしさアップ!写真撮影のポイント3つ

飲食店や商品の売り上げを大きく左右するのがシズルです。おいしく見える撮影のポイントや注意点を押さえておくだけで、写真のクオリティが大きく変わります。特に下記の3つのポイントが大切になります。
 
1.光の演出で料理の見え方が変わる!?
2.主役か?全体か?どこにフォーカスを当てるか
3.撮影の構図で決まる!料理の魅せ方

1.光の演出で料理の見え方が変わる!?

写真撮影で最も重要なのは「光」です。光の調整によって写真のシズル感が大きく変わってきます。特に一番大切なのが「半逆光または逆光で撮ること」です。被写体(料理や食材)に光がどちらから当たっているかによって言葉を使い分けます。

  • 順光・・・被写体に対して光が真正面から光が当たっている
  • 半逆光・・・被写体に対して真後ろより少し斜め上側から光が当たっている
  • 逆光・・・被写体に対して真後ろから光が当たっている

順光では、光が被写体に強く当たっているためポテトチップスの形や質感がはっきり写らないです。一方、半逆光では、ポテトチップスの形や質感がはっきりと分かります。また、逆光は半逆光よりも陰影が強くなり、より形と質感が強調されます。
 
屋内で撮影する場合、自然光を利用して撮影することをおすすめします。できれば、窓際の一番明るい場所で逆光または半逆光で撮影すると良いです。自然光の光が足りない場合や、逆光で手前に影ができてしまった場合は、レフ板を手前に置くことで光が反射されて暗いところや影を調整することができます。

2.主役か?全体か?どこにフォーカスを当てるか

撮影時に「主役」を決めることが大切です。料理や食材単体の場合はいいですが、食べるシーンや複数の料理を撮影する場合は、主役を決めて一番手前に置き撮影します。そうすることで、メインの料理に目線が行き、おいしさやその料理の特徴がより見た人に伝わります。

また、「主役」を決めずに料理全体にフォーカスを当てて撮影したい場合は、配置や料理や食材を引き立てる器や小物にこだわって、しっかりとテーブルコーディネートすることが大切になります。

3.撮影の構図で決まる!料理の魅せ方

構図は、写真の印象を左右します。料理や食材をおいしく見せるためにおすすめの構図を紹介します。

  1. 日の丸構図
  2. 対角線構図
  3. 俯瞰構図
  4. C字構図
  5. S字構図
  6. 三角構図

1.日の丸構図

日の丸構図とは、被写体を中央に配置する構図のことです。一品料理などによくこの構図が使われ、被写体を力強く強調して見せることができます。一方で簡単な構図なため、ありがちな写真になってしまいバランスをとるのが難しいとも言われています。

2.対角線構図

対角線構図とは、対角線上に被写体を配置する構図のことです。撮影字の四角い画面内に斜めの線を引くイメージで撮影します。2点以上の料理や食材を並べて撮影する時におすすめです。視線に流れをつくり、写真の奥行きが出て立体感のある写真になります。

3.俯瞰構図

俯瞰構図とは、真上から被写体を撮影する構図のことです。インスタグラムなどのSNSで、おしゃれで映える構図としてよく見られます。お皿の丸いかたちを見せたり、高さが低い料理、テーブルにたくさんの料理を並べた時など絵になり、綺麗な写真を撮影することができます。

4.C字構図

C字構図とは、料理のお皿やコップの端を少し見切れた状態で撮影する構図です。料理のおいしさや味を伝えるためにアップで撮りたいときに、料理を大きく見せることができ、よく使用される定番の構図になります。

5.S字構図

S字構図とは、フレーム内に被写体を並べた時に、S字のような曲線が見られる構図となります。お皿が2枚ある場合によく用いる構図で、手前と奥に料理を並べることで奥行き感のあり、バランスよく撮影することができます。

6.三角構図

三角構図とは、フレーム内に三角形を作るように被写体を配置した構図になります。料理や食材を3品以上並べる場合、一番見せたいメインを手前にピントを合わせて他の2つをサブとしてぼかして撮影することで主役とサブのメリハリのある写真が撮影できます。

シズル感が伝わる料理写真

見た人が瞬間的に「あ!美味しそう!」と声に出してしまうようなシズル感のある写真を撮影するには、被写体である料理や食材の新鮮さ、みずみずしさ、臨場感をリアルに伝えることが大切です。そのために、それぞれの食材の特徴や良さを最大限に引き出すことで見る人の食欲をそそることができます。

ジューシーなお肉

焼肉、ステーキなどのジューシーなお肉のシズル感を出すには、肉汁が溢れてジュージューとした音と香ばしい煙をモクモクと立てながら焼けている様子がポイントになります。鉄板の上で肉汁がパチパチと弾けている様子や焦げ目が少しついているより一層シズル感が際立ちます。

熱々な鍋

寒い冬に欠かせない鍋料理。具材がグツグツと音を立てて沸騰している様子や、暖かい鍋の熱が今にも伝わってくるような湯気は、鍋料理のシズル感を出すためには欠かせないです。料理のおいしさはもちろん、写真からその温度感も伝わってくることも重要となります。

とろけるチーズピザ

ピザのシズル感を出すには、釜で焼いた時の焦げ目や出来立て熱々感、チーズのトロトロ感がとても重要になります。また、ピザをお皿から持ち上げた時のチーズが伸びる様子も臨場感があり、おいしそうに見える写真を撮るためのコツになります。

とろ〜りシロップのパンケーキ

若い女性に大人気のパンケーキ。表面の綺麗な茶色の焼き目にクリーム色のバターを乗せて、上からメープルシロップ、はちみつ、キャラメルソースなどをたらすことでおいしさがより一層伝わってきます。たらす瞬間、又はたらした直後は生地にシロップが染み込まず照りが出てより一層魅力的な写真になります。

みずみずしい新鮮野菜

赤、緑、紫、黄色など色鮮やかな新鮮な野菜やフルーツは、フレッシュに見せることでよりシズル感が増します。そのため、水滴などをしたたらせることでみずみずしく、そのままかぶりつきたいほどの新鮮な野菜を撮影することができます。

キンキンに冷えたビール

CMや広告にもよく登場するビールですが、おいしそうに撮影するのが難しいと言われています。シズル感のあるビールの写真を撮影するためには、ビールの透明感、水滴のついた冷えたグラス、クリーミーで真っ白な泡がポイントになります。特に泡はビールのおいしさを表現するのに重要で、ボリューム感や泡のきめ細かさでシズル感が変わります。泡が減ってきてしまう場合は塩を入れるとボリュームを増やすことができます。

より料理を引き立てる食器の選び方

主役の料理や食材を魅力的に撮影することも大切ですが、その主役をより引き立たせるために食器選びも欠かせないです。例えば、「お母さんの味」をコンセプトにした肉じゃがには、平皿よりも少し高さがある和食器、フルーツがたっぷり乗った色鮮やかなタルトには、真っ白でシンプルな丸いお皿等、料理や食材に合わせて、食器の色や柄、形やデザインなどを選ぶ必要があります。

食器の色で決まる!料理イメージ

盛り付ける料理が映えるために、どんな料理にどんな色の食器が合うかをご紹介します。

どんな料理や食材にも合う「白」

和食、洋食、中華等、ジャンルを問わず使うことができます。シンプルなため主役の料理や食材を引き立たせたり、他の食器やカトラリーにも合わせやすいです。

高級感やかっこいい雰囲気に合う「黒」

シンプルなイメージがいいけど、白の食器では少し物足りないと感じる場合にオススメです。また、黒もどのジャンルの料理にも合い、高級感やおしゃれなイメージにピッタリです。

主役を柄や色合いで更に引き立たせる「青」

染付の和食器や北欧調やアンティークの絵皿など個性豊かな食器が多い青い皿ですが、綺麗な青色や柄をうまく生かすことで料理の雰囲気がより一層魅力的になります。

形やデザインで映える料理

平皿、深皿、小鉢や角皿などさまざまな形の食器があります。同じ色でも形やデザインが違うだけで雰囲気ががらりと変わります。

洋食にぴったりの平皿

プレートタイプの平皿は、パスタ、肉料理、魚料理、サラダなど洋食の料理ならほぼなんでも合います。また、盛り付けで高さを出したいときなどに綺麗に見せることができるのが特徴です。

和食や汁物に合う深皿

煮物などの具材がゴロッとした料理やカレーやシチューなどの料理には、深皿がぴったりです。料理のボリューム感によって皿の大きさや深さを考え選ぶことをオススメします。

全体を引き締める効果がある角皿

正方形や長方形、六角形など角皿でも様々な形があり、横長の角皿の場合は焼き魚にぴったりです。また、丸いお皿が多い場合にテーブル全体の雰囲気を引き締める効果もあります。

デザインの出来栄えを左右するシズル

食品系のデザインにシズルは欠かせない存在になります。
においや音、ビジュアルなど様々なシズルが世の中には溢れていますが、今回は写真のビジュアルをメインに、見た人に料理や食材のおいしさ、新鮮さ、特徴が伝わるかをご紹介しました。
 
パッケージ、カタログ、広告等、それぞれの媒体でセールスポイントとなるのがシズルになります。商品を買う消費者はこのセールスポイントに惹きつけられて購入することもあるため、料理や食材の特徴をよく見極めて、どうすればおいしそうに見えるかということを意識して商品の魅力を伝えることが大切になります。

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