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炭素税とは?炭素税の必要性とメリット・デメリットについて解説

2024.02.09

世界では炭素税が導入されている

工場

世界的に地球温暖化が問題視されており、その要因の一つに二酸化炭素が挙げられております。
現在、世界中で二酸化炭素排出量を減らそうという動きが強まっており、北欧では炭素税を導入
することで二酸化炭素排出量の削減などさまざまな成果を出しています。
実際に日本でも炭素税の導入が検討されており、私達も炭素税に関する知識を深めることが求め
られています。

そこで、本記事では炭素税を導入する必要性や実際の導入事例についてご紹介します。

炭素税とは?

炭素税とは、環境破壊や資源の枯渇に対処する取り組みを促す環境税の一種で、炭素に価格を
付けて二酸化炭素の排出を抑制しようとする政策のことです。

温室効果ガス排出を削減し、気候変動や環境への悪影響を抑制したり、省エネルギーやクリーン
エネルギーへの転換を促し、環境にやさしい行動を促進させることが導入の目的に挙げられます。

主に、二酸化炭素を排出する化石燃料や電気の使用量に応じて企業や個人に課せられることが多い税金ですが、日本では本格的に導入が進んでいない税金で、日本人にとっては馴染みの無い税金であると言われています。
しかし、日本でも既に環境省によって前向きに導入が検討されています。

炭素税が必要な理由とは

温度上昇

地球温暖化が進み続けると、2100年には地球の温度が最大で5.8℃上昇してしまうことが危惧されています。現状でも、世界では洪水や干ばつなどの異常気象が発生しており、日本国内でも大雨による洪水や土砂崩れなどの問題は発生しています。

このような問題を防ぐためにも、まずは地球温暖化の原因となる二酸化炭素のような温室効果ガスの削減に向けた取り組みが必要であると考えられ、各国では炭素税の導入・検討がされています。

日本における炭素税

現在、日本では炭素税に類似した「地球温暖化対策税(※1)」が2012年より導入されており、石油や天然ガスなどの化石燃料の利用に課税されています。他にもエネルギー消費税(※2)グリーン投資促進税制(※3)などが導入され、二酸化炭素排出量の抑制に注力しています。

しかし、二酸化炭素の排出量1トン当たり289円になるように税率が設定されており、炭素税を本格導入している欧州と比べると、10分の1にも満たない低い税率が設定されており、増税や新たな炭素税の導入を余儀なくされています。

日本でも2021年3月より本格導入に向けた検討が始まったと言われており、近い将来に炭素に価格を設けるカーボンプライシングや炭素税が本格導入されると考えられています。

※1地球温暖化対策税
二酸化炭素排出量削減を目的として、石油や石炭などの化石燃料に課せられている税金のこと。

※2エネルギー消費税
エネルギーを使用する事業者や個人に課される税金として、化石燃料の使用に応じて課税されるエネルギー消費税のこと。

※3グリーン投資促進税制
低炭素技術や再生可能エネルギーへの投資を促進するために、投資家に対して税制上の優遇措置を提供するグリーン投資促進税制のこと。具体的には特定のグリーン投資に対して、税制上のメリットや減税が行われている。

炭素税のメリットとデメリット

炭素税を導入することで、二酸化炭素排出量の削減に繋がるなどメリットがありますが、必ずしも良いことばかりではないと考えられています。
この章では、炭素税によるメリットとデメリットをご紹介します。

炭素税のメリット

炭素税を導入することで、以下のメリットが発生します。

  • 消費者の意識が高まり、省エネ製品の購入が促進される。
  • 税収によって地球温暖化を主観的に考える企業・消費者が増え、これまで以上に地球温暖化対策の取り組みが加速して、自然と地球温暖化の対策に向けた取り組みを進められる。
  • 福祉などの社会問題解決に向けた財源の確保。

炭素税のデメリット

一方で炭素税によるデメリットもあります。

  • 業種によっては事業の衰退につながる
    鉄鋼業や化学工業など、事業の運営に多量の温室効果ガス排出が避けられない事業者・企業では税収が負担となって企業成長の衰退や、規制の緩い国へ産業が流出することで、競争率の低下や二酸化炭素の総排出量の増加につながる事が懸念されています。
  • 消費者でも炭素税の上乗せで物価高騰や低所得者の納税負担の増大
    物価高騰の傾向が続いている中、さらに炭素税を導入することで貧困層の負担増大に繋がります。

サプライチェーン排出量とは

サプライチェーンとは、原料調達に始まり、製造、在庫管理、物流、販売などを通じて消費者の下に届くまでの一連の流れを指している経営用語です。

なかでも、サプライチェーンにおいて発生するあらゆる温室効果ガス排出を合計した排出量を「サプライチェーン排出量」と呼び、排出主体や排出フェーズに応じて、3つに区分されています。
この章では、それぞれの区分と、サプライチェーン排出量による算出が必要な理由について紹介
します。

それぞれの区分について

サプライチェーン排出量

企業におけるサプライチェーン排出量はそれぞれ「Scope1」「Scope2」「Scope3」の3つに区分されております。
一般的にScope1は工場などによる直接排出によるもの、Scope2は電力や火力など他社から供給されている間接供給によるもの、Scope3は原材料の調達や輸送、物や人の移動によって発生するものと区分されています。

Scope1
事業者が自ら発生させている直接の排出エネルギー。

Scope2
他社から供給された電気、熱などの使用に伴う間接排出。

Scope3
原材料の輸送や商品の出荷、製品の使用や廃棄、社員の通勤など、Scope2を除いて発生する間接的に発生するエネルギー。

サプライチェーン排出量が必要な理由

ほとんどの場合、商品を製造する際に発生する温室効果ガスと、サプライチェーン排出量を比較
した場合、およそ4倍程度サプライチェーン排出量の方が多くなると考えられています。

そのため、自社が積極的に温室効果ガスの排出抑制に努めたとしても、輸送段階や商品の使用段階など、全ての工程で発生する温室効果ガスの排出量を把握しなければ、温室効果ガス排出量の抑制には繋がらないと考えられています。

サプライチェーン全体において発生する温室効果ガスを把握して、包括的に削減に取り組むことが大切です。

企業のCO₂削減について

企業として、二酸化炭素排出量の削減を達成するためには、ただ目先の二酸化炭素排出量削減に取り組むだけでなく、サプライチェーン排出量を俯瞰した対策を進める必要があります。
この章では、企業における二酸化炭素排出量の削減に関する方法を紹介します。

CO₂排出量の把握

計算

企業で発生する二酸化炭素の排出量を削減するために、まずは企業全体で発生させている二酸化炭素の量を把握することが求められます。
排気量の算出は環境省によって基準が定められた複数の方法が存在します。

①原油換算による計算方法
事業などで1年間に使用した燃料・熱量・電気を集計し、それぞれの換算係数を用いて熱量(GJ=ギガジュール)を求めた後、原油換算係数(0.0258)をかけてエネルギー使用量を原油に換算した値で求めます。

例:合計使用熱量(GJ)×0.0258(原油換算係数)
 
②CO₂換算による計算方法
省エネ法によって、事業などの活動による生産量・使用量・焼却量から二酸化炭素排出量を計算するための算定法。算定係数を定めています。
 
③電気使用量による計算方法
電力会社な他社から供給された電気使用量から、その電気を使用することで行われた活動の二酸化炭素排出量を計算します。

カーボンオフセットについて

カーボンオフセット

カーボンオフセットとは、温室効果ガスの排出量を削減する取り組みの代わりに、二酸化炭素や
他の温室効果ガス排出量を保証して相殺する取り組みの事です。日常生活においてはどうしても削減できない温室効果ガスが発生します。

しかし、この排出されてしまう温室効果ガスの代わりに排出量削減や温室効果ガスの吸収量増加につながる活動に出資することを指しています。
事例としては、商品購入代金の一部や、イベントにおいて参加者が支払った参加費の一部を二酸化炭素は削減する活動に投資する方法が挙げられます。

省エネの取り組み

節電

企業における二酸化炭素の排出量を削減するために、社内全体において省エネに取り組むことが一番簡単な方法です。取り組み例として、まずは従業員がこまめに電気を消すなど節電を心掛ける、ブラインド等を活用した空調設定や省エネにつながる備品を導入するなどの事例があります。 

再生可能エネルギーの導入

電力やエネルギー

二酸化炭素排出量を削減するのに、再生エネルギーの導入も有効手段であると考えられています。
再生可能エネルギーとは太陽光や風力、地熱など自然界に常に存在するエネルギーを指しており、石油や天然ガスなどの有限な化石エネルギーと違い、どこにでも存在し、かつ枯渇しないというメリットがあります。
このようなエネルギーを活用することで、安定的に電力を供給できるだけなくエネルギーを作る際に発生する二酸化炭素の排出量を抑制することができます。

炭素税の対策に向け、食品業界でできること

炭素税の導入が本格的にスタートした際に、飲食店やスーパーマーケットなどでできる二酸化炭素削減に向けた取り組みについてご紹介します。

エコ資材への切り替え

エコ資材

テイクアウトや惣菜・弁当容器として店舗で活用しているプラスチック容器を紙や木材、植物由来原料などのエコ資材へ切り替えることで、プラスチックの使用量削減に繋がり、二酸化炭素排出量の削減に繋がります。

エコ素材には紙、木材、竹、などさまざまな材質があり、中に入れるメニューや店舗の雰囲気に合わせて使い分けることができます。
また、環境にやさしいプラスチックとして、一部植物由来原料を含んだバイオマスプラスチックやリサイクル原料を混ぜたリサイクルプラスチックなど、プラスチックの機能を持ちながら二酸化炭素排出量の削減に貢献できるプラスチックも存在しています。

賞味期限延長に繋がる包装資材や機械の導入

賞味期限延長

食品の賞味期限を延長する方法に、真空包装や冷凍などの機械を導入することが挙げられます。
賞味期限を延長させることで食品の廃棄ロスを減らし、廃棄の過程で発生する二酸化炭素を削減
することにも繋がります。また、賞味期限延長で食品の廃棄ロスを減らすほか、調理工程の手間を省くメリットもあり、コスト削減や人件費削減に繋がります。

炭素税について正しい知識を身に着けよう

日本国内でも二酸化炭素排出量の削減や地球温暖化の防止が求められますが、そのためには日本でも炭素税の仕組みを整備していくことが大切であると考えられています。
炭素税の導入によって、地球温暖化の抑制だけでなく、経済の発展を期待することも可能です。
そこで、まずは私たち消費者が炭素税に対する理解を深めて、どんどん取り組みを広めていくことが大切です。
炭素税に対して正しい知識を持ち、二酸化炭素排出量の削減に取り組んでいきましょう。

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