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容リ法とは?取り組むことと、リサイクルの大切さをわかりやすく紹介

2022.04.08

経済成長に伴ってできた容器包装リサイクル法

1950年代中頃~1970年代初め頃に高度経済成長期を迎えて以降、「大量消費・大量生産」で日本経済は目覚ましい発展を遂げてきました。
同時に廃棄物の量も増えて最終処分場がひっ迫する問題も発生するようになりました。
 


日本は衛生意識の高さや「包む」文化を大切にする国民性により、過剰包装される場面が増えています。実際に日本人は毎日一人当たり1キロのごみを排出しており、そのうち体積比で半分以上が容器包装廃棄物であると言われています。
そのため、食品容器・包装は過剰包装による廃棄物の増加が問題視され、持続可能な社会に向けて廃棄物を削減していく必要があるため、容器包装リサイクル法が制定されました。
 
しかし、容器包装リサイクル法がどんなものなのか理解し、具体的な行動ができていない人も少なくありません。
 
そこで今回の記事では、容器包装リサイクル法とはどのような制度なのか、企業・行政・一般消費者それぞれの役割と、何を実施していく必要があるのかについて紹介していきます。

容器包装リサイクル法とは?

平成7年(1995年)、「容器包装リサイクル法(=容リ法)」が制定され、容器包装の分別や回収、リサイクル方法が決められました。
容器包装リサイクル法とは、家庭から排出される容器包装についてリサイクル制度を構築することにより、「ごみの減量」と「資源の有効活用」を図ることを目的とした法律です。
 
この法律は一般消費者・行政(市町村)・事業者で役割分担を行い、社会全体でリサイクルが行われる仕組みを構築しています。
それぞれ役割を明確化し、正しく取り組むことで、廃棄物の削減に繋がります。

どうして作られたの?

生活が豊かになるにつれ、ごみの量が増え続けて処分場がひっ迫していくことが問題視されていました。特に家庭から出るごみの容積において約62%を容器包装が占めており、これらを資源としてリサイクルしていく必要があります。

環境省:容器包装廃棄物の使用・排出実態調査の概要(令和2年度)
 
制定した当時、一般廃棄物をこのまま処分し続けると7~9年以内に廃棄物であふれてしまうことが危惧されていました。これを解決すべく容器包装リサイクル法が制定されました。

容器包装リサイクル法によって、どんなことをしなければならないの?

容器包装リサイクル法では、一般消費者による「分別排出」と「排出抑制」、行政の「分別収集」と「保管」、事業者の「再商品化(リサイクル)」によって成り立ちます。
それぞれが自らの役割を果たすことはもちろん、それぞれの取り組みを知り、相手を思いやって行動することが大切です。
 
特に一般消費者が正しく分別を行わないと、行政で作業をする作業員がケガや火災などの事故に巻き込まれる危険性があります。
 
また、事業者は「再商品化」の義務を果たさなければ、企業名の公表や罰金を伴う場合もあり、企業存続に大きな影響を与えてしまいます。
 
このような事態を起こさないためにも、まずは容器包装リサイクル法を正しく理解し、行動することが大切です。

容器包装リサイクル法のしくみ

容器包装リサイクル法は、事業者・行政・一般消費者が連携しており、それぞれの責務を果たすことで効果が得られる仕組みとなっています。
一般消費者・行政・事業者の取り組みや注意点について、それぞれ解説します。

一般消費者

一般消費者は、自治体のルールに基づいて素材ごとに分別を行う「分別排出」と、そもそも排出するごみを減らす「排出抑制」が求められます。


分別排出
市町村ごとに定められている排出ルールに従って分別を行うことが大切です。
分別を行うなかでも、「洗う、取る(ラベルを剥がすなど、材質ごとに細かく分ける)、つぶす」を守る事が大切です。

特に、ペットボトルなど洗浄を行わず、汚れが付着した状態でごみとして出してしまうと、リサイクルできなくなってしまうので確実に洗浄した状態でごみを出すことを心がけましょう。
 

その他、分別において一般消費者が注意しなければならない事が3点あります。
 
①  作業員のケガに繋がる危険物
ハサミやカミソリなどの刃物類、注射針のような医療廃棄物は作業員が仕分けを行う際、気付かずに手を切ってしまうアクシデントが発生しています。
上記のような刃物類、電池などは各市町村が定めるルールに沿って廃棄しましょう。
また、医療廃棄物はかかりつけ医へ返却、もしくは医師の指示で処分することで、思わぬ事故を未然に防ぐことができます。
 
②  火災につながる危険物
電池やライターや電子機器は、圧力がかかる事で発火の危険があります。実際に電池が発火し、リサイクルセンターが火事になってしまう事例も発生しています。石油からできたプラスチックは、一度火がつくと燃え広がってしまう危険性が非常に高いので注意が必要です。
 
・ゲーム機
・加熱式たばこ
・モバイルバッテリー
・電池
・ライター

上記5点は特に発火の危険性が高い廃棄物です。
これらが含まれていないか、必ず確認するようにしましょう。
また、これらの廃棄物は各自治体が定める方法で処分することが大切です。
 
③  家庭ごみを収集袋へ入れるときは袋を重ねて処分しない
市町村が指定する収集袋でごみを出す際、家庭ごみをレジ袋などで2重・3重袋で排出してしまうと、危険物やリサイクル除外品が入っていないか確認するのに、作業員が袋を破る必要があり、二度手間となってしまいます。
 
一般消費者の中には、レジ袋に入ったごみをそのまま収集袋に入れて捨てる方も多いですが、ごみは直接収集袋へ入れるようにしましょう。


排出抑制
ごみを分別することはとても大切なことですが、そもそもごみを排出しない、3R(リデュース・リユース・リサイクル)を意識することも非常に重要です。日本では過剰包装が問題視されておりますが、包装の簡略化やリユースできる容器の活用により、ごみを削減することができます。
 
実際に、カフェでマイボトル持参によって割引される例や、お菓子・洗剤などさまざまな場面で容器包装の簡略化が進められています。

さらに、欧米で進んでいるはかり売りが日本でも導入されるようになり、お客様が持参した容器に商品を詰めて販売することで、ごみの削減効果が高まっています。

行政

行政では「分別収集」「保管」の役割を担っています。

分別収集
市町村ごとに容器包装の収集・分別・洗浄を行ったのち、法律で定められた分別基準に適合させることが求められます。

保管
分別後は、それぞれ一定の大きさの塊になるよう加工を行い、リサイクル事業者に引き渡すまでの間、保管されます。

事業者

事業者には、「再商品化(リサイクル)」責務が求められます。
 
対象となる事業者は、以下の3種類です。

・特定容器製造等事業者(例:容器・包材メーカー)
・特定容器利用事業者 (例:食品メーカー)
・特定包装利用事業者 (例:小売業者等)


※ただし、小規模事業者は適用除外となります。
 
【適用外となる基準】
製造業     …売上高2億4,000万円以下、かつ従業員数20名以下
商業・サービス業…7,000万円以下、かつ従業員5名以下
 
主に、製造した容器の再商品化を行うことと、事業者で利用・製造・輸入した容器や包装の量などを記載し、5年間保管する帳簿の記載が義務付けられています。

しかし、一般消費者が使用した容器や包装を事業者がすべて回収して再商品化することは現実的に不可能です。
そこで、再商品化義務を果たすため、3つのルートがあります。

指定法人ルート
行政が分別収集・保管した容器包装を主務大臣が指定した指定法人「公益財団法人 日本容器包装リサイクル協会」へ委託料を支払い、再商品化を代行してもらいます。
現在、ほとんどの事業者がこの方法を取っています。
委託料金は、以下のような方法で算出されます。

① 再商品化義務量
容器包装の使用実績量をもとにして、毎年実施される国の調査結果で定められる算定係数を乗じて計算します。
 
※算定係数…全国の家庭から排出される容器包装廃棄物量のうち、全国の企業がリサイクルしなければならない量の割合のこと。
 
② 再商品化実施委託単価
当該年度のリサイクルで見込まれる総費用を全国の企業からのリサイクル委託申込見込み量で割って計算されます。
これは、前年度の11月頃に策定され、協会よりHPに公表されます。
 
①②を掛け合わせた金額が実施委託料となります。
 
参照:日本容器包装リサイクル協会「どのようにして支払う金額が決まるのか」


委託料金を下げるためには、エコ容器の導入や、発泡素材など重量の軽い素材へ切り替える方法が効果的です。特に、エコ容器への切り替えは消費者に環境への取り組みが伝わりやすく企業イメージを向上させる効果もあります。

自主回収ルート
自ら回収、または委託回収を行い、再利用する方法です。
主にガラスびん飲料など容器再利用などが挙げられます。


独自ルート
行政が分別収集・保管した容器包装を、事業者自らリサイクル事業者へ委託して再商品化する方法です。
この方法には、主務大臣の認定が必要となります。

守らない場合はどうなる?

万が一、義務を履行しない場合は、国による「指導・助言」、「勧告」、「公表」、「命令」を経て「罰則」が課されることとなります。
罰則では状況に応じて罰金が科せられる場合もあります。
 
特に容器包装リサイクル法では、従来自治体が行っていた容器包装廃棄物処理の責任のうち、「再商品化」の部分を事業者の責任とする形で、日本初の拡大生産者責任(EPR)が導入されました。
拡大生産者責任とは、製品の使用後のコストまでを生産者へ負担させる考え方です。

容器包装リサイクル法対象アイテムとリサイクル法について

容器包装リサイクル法によって対象となる容器包装が認知されていないのが現状です。容器包装リサイクル法の対象アイテムは、主に中身の商品を使用した後に不要になるものが対象となります。
 
対象となるアイテムには素材別の「識別マーク」の表示が義務付けられているので、この識別マークを目安にして分別排出することが大切です。
(※一部の自治体では、分別ルールが異なる場合があります。)

・プラスチック製容器包装(飲料・酒類・特定調味料用のPETボトルを除く)
・飲料用・酒類・特定調味料用のPETボトル
・紙製容器包装(飲料用紙パックでアルミ不使用のもの及び段ボール製容器包装を除く)
・飲料用スチール缶
・飲料用アルミ缶
 
上記が主な識別マークの例です。
             
こちらより、お住まいの市町村ごとのリサイクル方法が閲覧できます。
 

リサイクルに必要な準備

容器をリサイクルに出す際に、汚れていたり異なる材質が混じっていると、作業者の負担が増えたり、場合によってはリサイクルできなくなってしまうことがあります。
このような事態を防ぐためにも以下の3点に注意しましょう。
 
①  中身をきれいに洗浄する
容器や包装に汚れが溜まっていると、リサイクルできないので、きれいに洗浄し、しっかりと乾かして処分するようにしましょう。
 
②  キャップやラベルはしっかりとはがす
キャップやラベルなど、異なる素材が混ざっていると、作業者による無駄な仕分け作業が発生してしまいます。
 
③  かさばらないように潰して処理する
ごみがかさばってしまうと、ごみ回収車の1度に回収できる回収量が減ってしまいます。
潰してできるだけコンパクトにすることを心がけましょう。
(※一部の自治体では、分別ルールが異なる場合があります。詳しくは自治体の処分方法をご確認ください。)

ガラスびん

【リサイクルの流れ】
色分けされたガラスは細かく砕かれ、金属や異物を取り除いた後、新しいガラス原料、もしくは断熱材や建築資材などその他の製品として生まれ変わります。リサイクルされる全体の70%がびん原料として使われ、ガラスびんに再利用されています。

参考:日本容器包装リサイクル協会「ガラスびん」
 
【注意事項】
以下の製品はガラスびんであってもリサイクル対象外となりますので注意が必要です。
・耐熱ガラス
・乳白色のガラス
・薬品が入っていたガラス

ペットボトル

【リサイクルの流れ】
分別回収されたペットボトルは、市町村で異物を除いた後、一定の大きさの塊に圧縮した状態で保管されます。この圧縮された塊をベールと言います。

ベールをリサイクル工場で細かく砕いて再利用することで、繊維や卵パック・洗剤ボトルなどに生まれ変わります。
また、ペットボトルに再利用する工場もあります。

紙製容器包装

【リサイクルの流れ】
回収・分別後、機械に入れて液状に溶かし、新しい紙として再生されます。
95%近くが段ボールの中芯や板紙などの製紙原料に生まれ変わります。また、残りは固形燃料、敷きわらのような家畜用敷料などに活用されます。
 
【注意事項】
素材によってはリサイクル対象外となります。
自治体や識別マークを確認し、分別を行いましょう。

プラスチック製容器包装

【リサイクルの流れ】
市町村で異物を取り除いた後、一定の大きさの塊に圧縮し、市町村で保管します。その後は、商品によってリサイクル方法が異なりますが、パレットや再生樹脂としてマテリアルリサイクルされます。また、合成ガスなどにケミカルリサイクルされる場合もあります。

リサイクル義務のない包装

これまでリサイクル対象の商品を紹介してきましたが、中には対象外となる商品があります。
主な対象外商品は以下の通りです。

①アルミ缶・スチール缶・紙パック・段ボール
アルミ缶・スチール缶・紙パック・段ボールは容リ法ができる以前から市町村が収集した段階で有価にて販売され、リサイクルされているため、容器包装リサイクル法での再商品化義務では対象外となり、企業の再商品化費用負担の義務が発生しません。
 
②商品の保護に関係が無いもの
例:ストロー・カトラリー・おしぼり・のし紙(ただし、包装紙と兼用の場合は対象となります。)
 
③物を包む機能が無いもの
例:プラスチック製のバランやフィルムケース
 
④商品の一部となっているもの、または商品
例:紅茶のティーバッグなど、プラスチック製タンブラー、不織布のエコバッグなど
 
参照:日本容器包装リサイクル協会「イラストで見る容器・包装」

容器包装リサイクル法による効果

容器包装リサイクル法の施行後は、一般廃棄物の最終処分量は減少傾向が続いています。
容器包装リサイクル法により、企業・行政・一般消費者がそれぞれの役割を認識し、行動できるようになったことで、リサイクル率の向上につながりました。

また、SDGsやプラスチックごみ問題がより重要視されるようになったため、今後、さらにリサイクルや容器包装の削減が広がっていくと考えられます。

最終処分場の残余年数

一般廃棄物最終処分場の残余年数は平成7年度(1995年)に8.5年であったものが、平成31年度(2019年)には21.4年に増加しました。

参照:日本容器包装リサイクル協会「容リ法の成果と課題」

リサイクル率

一般廃棄物のリサイクル率は、施行された平成7年度(1995年)は9.8%であったのに対し、平成31年度(2019年)には19.6%と改善しております。

参照:日本容器包装リサイクル協会「容リ法の成果と課題」

プラスチック容器のリサイクル量

プラスチック容器のリサイクルについて、回収が始まった平成12年(2000年)の6,700万tより、平成30年(2018年)の6億4,700万tへ10倍近く拡大しました。

参照:(公団)日本容器包装リサイクル協会「容器包装リサイクル制度について」

容器包装リサイクル法を正しく理解し、できる事に取り組もう

家庭ごみを識別マークごとに正しく分別し、自治体で回収され、容器包装リサイクル法に基づいてしっかりとリサイクルされていることがわかりました。
しかし、現在もプラスチックごみ問題などが発生していることが現状です。
                                            
容器包装リサイクル法は、一般消費者・行政・事業者の協力のもと成り立つ法律です。
ごみの廃棄量問題解決のためにも、容器包装リサイクル法を正しく理解し、それぞれが責任を持って行動することが大切です。

私たちができる小さなことから取り組んでいきましょう。

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