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地球のことを考える研究所

この記事の研究テーマ

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飲食業界やコンビニ業界におけるエコな取り組み事例を紹介

2023.02.17

エコ&サステナブルな取り組みを紹介

エコ&サステナブル

近年「持続可能な社会の実現」「SDGs」などの言葉を見聞きするようになりました。持続可能性な社会の実現には、一個人ではなく社会全体で取り組むことが必要であり、すでにこうした活動を行っている企業も多くなりました。

この記事では、飲食店や外食産業、小売店などの「食」を取り扱う事業者が導入できるエコ&サステナブルな取り組みを各企業の導入事例とともに解説します。自社で行う取り組みのヒントにぜひお役立てください。

食に関してできるエコやサステナビリティへのアクションとは

家族との食事

「食」は私たちの生活に欠かせないからこそ、環境や社会のためにできる取り組みが多くあります。この記事では、環境庁や各自治体、企業など、官民問わずに行われている食に対してのエコやサステナビリティへのアクションの事例を解説します。

環境負荷の少ない資材の採用

テイクアウトやデリバリーだけでなく、イートインでも食品を提供すると「廃材」が発生します。
以下のような廃材を持続可能な素材に見直す、極力出さないなど取り組みが行われています。

  • 容器や食器の素材をプラスチックではなく紙や竹などの植物由来のものにする
  • 石油由来の資材から、石油使用量を削減できる植物由来の資材に切り替える
  • 生ごみから作った堆肥(コンポスト)から作物を育て食材として利用し、食材の生ごみをまた堆肥にするフードサイクリングの実施
  • イートインでは消耗素材を使わない など

CO2削減が実現する機器や設備の導入

以下のような、食に関する活動で発生するCO2そのものを削減する取り組みも、環境への配慮として有効です。

  • 宅配などに使用している自動車や原動機付自転車をガソリンではなくEVにする
  • LED照明や太陽光発電装置など最新の省エネ設備を積極的に導入する
  • 廃食用油のリサイクルや肥料化 など

フードロス(食品ロス)削減のための取り組み

廃棄による環境への多大な負荷や資源の無駄遣いの原因となる「食品ロス」が社会問題となっています。できるだけ食品の廃棄を防止するために、以下のような取り組みが導入されています。

  • 賞味期限が近い商品のポイント付けや値引き販売
  • 各家庭からの余り食材の回収および分配による再利用 など

ロスとなった食品や食材をWeb上で購入し好きなときに受け取りができる無人受け取りサービス「Fuubo」や、企業からロスとなる食品や食材を募集し、Web上で60~100%オフで購入できる「トクポチ」など、食品ロスの削減を目的としたサービスも誕生しています。

社会インフラ化

「持続可能な社会」には、自然環境を壊すことなく次世代へ残すだけでなく「誰もが取り残されない」社会の実現も含まれています。食におけるサステナビリティの観点から、コンビニ業界を中心に以下のような取り組みも広がっています。

  • 買い物弱者(高齢者など)への支援
  • 震災発生時のライフライン化
  • まちの安心・安全拠点化 など

飲食業界におけるエコ&サステナブルな取り組み事例

ハンバーガー

ファストフードやカフェ、ファミリーレストランなどのチェーン店やフランチャイズ店を中心に、すでに飲食業界のリーディング企業はエコ&サステナブルな取り組みを行っています。飲食業界における環境に配慮した取り組みの事例を解説します。

マクドナルド

「日本マクドナルドホールディングス」では、おもに以下のような環境に配慮した取り組みを行っています。

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  • 紙ストロー、紙カップ、木製カトラリーの導入
  • 店舗で提供している全紙製容器およびトレイマットに「FSC森林認証(将来も豊かな森が維持できるよう管理しているかを国際的な基準でチェックし、証明する制度)」を受けた製品のみ採用
  • ニーズに合わせた簡易包装
  • プラスチックバッグの削減
  • ハッピーセットのおもちゃ回収ボックスを店舗に設置しリサイクル
  • プラスチックごみをEVバイクの電力に
  • 店舗で排出した廃油用油を鶏の配合飼料としてリサイクル
  • コーヒーの豆かすをレタスの堆肥としてリサイクル

環境のほか、プレミアムエイジ(シニア)クルーや外国人クルー制度を導入し、誰もが働きやすい環境や地域社会へのサポート活動も行っています。

モスバーガー

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「モスフードサービス」は、環境保全活動に積極的な取り組みを行ってきた企業です。現在国内すべてのモスバーガー店舗が「エコマーク飲食店」の認定を受けています。おもに以下のような環境に配慮した取り組みを行っています。

  • テイクアウト用の使い捨てカトラリーには非食用米由来の資材を採用
  • 店舗にグリーンカーテン(ゴーヤや朝顔などのツルの強い植物によって日差しを遮る取り組み)を設置
  • 直営3店舗で使用する電力をバイオマス発電へ切り替え
  • イートイン時の使い捨て容器の非提供(陶器の皿とカップで提供)

創業当初からの「医食同源」の考えのもと、健康志向だけでなく食の安全、食の楽しさを柱とした飲食の提供も実現しています。

スターバックスコーヒー

「スターバックスコーヒー」では、「2030年までに二酸化炭素(CO2)、水使用量、廃棄物の50%削減」を企業としてのグローバルコミットメントとして掲げています。おもに以下のような環境に配慮した取り組みを行っています。

  • 環境負荷の低い店舗のための国際認証「Greener Stores Framework」を導入した店舗を全世界10,000店に展開
  • テイクアウト時は繰り返し使えるリユースカップを推奨
  • イートイン時は使い捨て容器の非提供(マグなど)で、使い捨てカップ75%削減
  • 出店工事で店舗から出た廃棄物の約85%を鉄や紙の原材料としてリサイクル
  • フードの陳列ケース撤廃によるフードロスの削減

サトレストランシステムズ

「サトレストランシステムズ」では、「二酸化炭素の排出量削減」「食品廃棄物の削減」の2つのテーマを軸に、おもに以下のような環境に配慮した取り組みを行っています。

  • 高効率の厨房機器と空調設備の導入
  • ガスを利用した照明用発電(10W程度)の排熱(コージェネレーションシステム)の導入
  • 看板照明や店内照明をLEDへ
  • オール電化店舗の導入により二酸化炭素排出量を20.1%削減
  • 食材や仕込みの小ポーション化
  • 廃油脂をハンドソープへリサイクル

コンビニ業界におけるエコ&サステナブルな取り組み事例

コンビニエンスストア

食を担う業種のひとつであるコンビニ業界でも、多くの企業がエコ&サステナブルへの取り組みを行っています。4つのコンビニエンスストア企業の事例を紹介します。

セブンイレブン

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「セブン&アイホールディングス」では環境宣言「GREEN CHALLENGE 2050」を定め、以下のような地球環境への負荷低減のための取り組みを行っています。

  • 植物由来(バイオマス)の素材を30%配合したスプーンやフォークを採用
  • 太陽光パネルや温暖化への影響が少ない冷蔵ケースを設置
  • バイオマス素材30%配合環境配慮型のレジ袋
  • ペットボトル回収によるnanacoポイントの付与
  • 日本コカ・コーラ株式会社と共同による循環型ペットボトルの開発
  • 賞味期限が近づいた食材の購入を促進するエシカルプロジェクトの実現
  • フェアトレード(公正取引)による開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を促す活動

ローソン

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「ローソングループ」では、「脱炭素」および「地球環境保全」のため以下の取り組みを行っています。

  • 穴あきプラスチックスプーン、フォークの導入
  • 省エネタイプ要冷機器や太陽光発電の導入
  • 配送車両によるCO2排出量50%削減を目標にした効率的な物流システムの構築
  • 植物由来の素材30%配合のレジ袋
  • プラスチック容器を紙製に変更する、または薄くする
  • 洗剤、ドライフルーツ、ナッツの量り売り制導入
  • 森林認証商品の取り扱い

ファミリーマート

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「ファミリーマート」では、企業としてのサステナビリティへの取り組みを「with Sustainability!」としてハンドブックにまとめています。おもな取り組みは以下の通りです。

  • 一部のサラダ、サンドイッチ、弁当商品の容器を薄肉化およびバイオ素材を配合した容器へ変更
  • プラスチックフォークから竹箸の提供に変更
  • こども食堂応援プロジェクトの実施
  • 累計約50トンの食品寄付の実施
  • 商品ラベルシールを紙製に変更
  • 従業員の同性パートナーにも社内制度や福利厚生を適用

ミニストップ

「ミニストップ」は、地元環境支援や環境への配慮をベースとした以下のような取り組みを行っています。

  • 募金とソフトクリームの売り上げ1%を寄付する「花の輪運動」
  • 小中学生を受け入れ、接客や品出しの体験をさせる「チャイルドインターンシップ」
  • 国産FSC認証木材活用店舗の推進によるCO2排出量33%の削減

今日からできるエコ&サステナブルな取り組みとは

エコな消耗容器を使用した食事

太陽光発電を始めとしたエコ効率の良い機器の導入や廃油のリサイクル事業などは、環境への負荷削減効果が大きい分コストもかかります。中小規模の飲食店や小売店、個人経営の店舗では資金面からも環境への大々的な取り組みはできないというところも多いでしょう。
 
環境や社会への取り組みは、企業の規模に合わせて継続的に導入できる方法を選ぶことが重要です。スモールステップで取り組めるのが、エコな消耗容器やパッケージの導入です。「1商品だけ」「特定のラインナップのみ」「テイクアウト商品のみ」など段階的な導入もできます。

折兼の環境への取り組み

食品パッケージを展開する折兼は、「食の安心・安全と安定供給」「流通を支えるインフラ」を提供する企業です。豊かな社会の実現のために、以下のような「持続可能な開発目標(SDGs)」や環境負荷低減への取り組みも行っています。

バガス(さとうきびの搾りかす)、竹、麦など複数の植物由来素材を採用

さとうきびの搾りかすや竹、麦から作られた植物由来のバガスシリーズを採用しております。
石油資源を使用していないので石油資源の使用量削減に繋がるほか、生分解性によって海洋プラスチックごみ問題の解決に貢献することもできます。

植物由来プラスチックを使用した商品の開発と拡販

プラスチックの一部に植物由来原料のプラスチックを混ぜたバイオマスプラスチック商品の開発にも力を入れております。
プラスチックと同等レベルの機能性を保ちながらも石油資源の使用量削減に貢献できます。
また、一部バイオマスプラスチックは一定の環境かで分解する生分解性を有しています。

リサイクルトレーの開発と拡販

折兼では、スーパーマーケットにリサイクルトレーの回収ボックスを設置することで、地域住民とスーパーマーケット、企業が連携したリサイクルスキームを実現しています。
回収されたトレーは、リサイクルトレーとして新たに生まれ変わります。

環境省が推進する「プラスチックスマートキャンペーン」への参加

世界的な海洋プラスチック問題の解決に向けて、個人・自治体・NGO・企業・研究機関など幅広い主体が取り組みを進める事を後押しするキャンペーン「プラスチック・スマート – for Sustainable Ocean -」に折兼のバガス商品が参加しています。

オールジャパンで海と人をつなぐプロジェクト「海と日本PROJECT」への参加

日本財団、総合海洋政策本部、国土交通省の旗振りのもと、オールジャパンで海と人と人をつなぐプロジェクト「海と日本PROJECT」に参加しています。
これまでに「海と日本PROJECT」のロゴ入りのオリジナルカップなどを制作しております。

エコ資材の総合カタログ「weeco」を発刊

環境負荷低減への取り組みのひとつとして、折兼では環境に配慮した食品パッケージ「weeco」を展開しています。weecoには、「エコな資材」というだけではなく、提供する食品の種類やパッケージのデザイン、店舗のテーマなどお客様のニーズにフィットさせることができます。

weecoをご活用いただくことで、「食品をおいしく見せる」「おしゃれに見せる」などのデザイン訴求はもちろん、環境に配慮をした企業活動をアピールすることも可能です。飲食店やイベントスペース、テイクアウト容器とさまざまな飲食事業者に導入された実績があります。環境にやさしい取り組みを、weecoで今すぐ始めてみませんか。エコ資材の総合カタログ「weeco」も発行していますので、ぜひご覧ください。

さまざまな企業でエコの取り組みが進んでいます

飲食業界やコンビニ業界における、エコ&サステナブルな取り組み事例を紹介しました。食に関する事業を展開しているなら、今後環境への負荷軽減や持続可能性に配慮した取り組みは必須となります。食品パッケージの素材の見直しをはじめとした、今日からできる企業活動をぜひ考えてみましょう。

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