
季節感を伝える装飾とは

店舗装飾は、店の雰囲気や商品の見せ方を大きく変える要素です。
洋服を衣替えするように、季節に応じて店舗装飾を変更している店舗も多いでしょう。
例えば、6月をテーマにした店舗装飾であれば、てるてる坊主や傘など梅雨を題材にしたもの、7月ならスイカや海水浴など夏休みを題材にしたものが例として挙げられます。
季節を伝える店舗装飾にすると季節商品を魅力的に見せられ、お客様の目を引き、集客効果が得られるといったメリットがあります。
今回は6~8月の店舗装飾、売り場の作り方について解説します。
季節の装飾を行うメリット

季節に応じて店舗装飾を変更するには人手や費用も必要ですが、メリットは多くあります。
季節を伝える店舗装飾がもたらす効果やメリットを解説します。
視覚に訴えて購買意欲を上げる
季節感を取り入れた装飾やディスプレイに、思わず足を止めた経験をした方も多いのではないでしょうか。季節に合わせた装飾にすると新鮮さや期待感が高まり、お客様を売り場や店舗へ引き込む役割を果たします。
例えば、店舗の入り口にうちわや風鈴、花火など、夏を連想させる装飾をすれば、新規のお客様の集客はもちろん、既存のお客様が目新しさから売り場を見に訪れ、商品を手に取る効果も期待できます。
商品の案内、提案がこちらからできる
扇風機は涼しい風を送る、冷却スプレーなら熱くなった体を冷やすといったように、季節商品は気候や環境に合わせた使い方をします。
ところが、季節商品を陳列しても、「使い方が分からない」「使うシーンが想像できない」といった理由で、お客様が商品の必要性を感じず素通りしてしまうこともあります。
そのため、商品購入後の具体的な使い方や、使用イメージをお客様に提案することが大事です。
例えば、扇風機はリビングを模した装飾とともに陳列することで、自宅に設置したときのイメージを持ちやすくなります。さらに「風の強さをコントロールできる」「リモコンで操作できる」「羽がないので指を怪我する心配がない」など、陳列する扇風機の持つ機能や特徴の説明をPOPなどで掲示すれば、お客様の持つ悩みや課題に最適な解決策を提案できたり、お客様自身が自覚していないニーズにも気づかせたりできるでしょう。
夏(6月-8月)の行事一覧
季節感を店舗装飾に取り入れようにも、テーマや題材が決められないという方も多いのではないでしょうか。店舗装飾のテーマとしてヒントとなるのが、季節の行事です。以下に、夏の行事を月別にまとめました。
6月
- 梅雨入り
- 父の日
- ジューンブライド
7月
- 梅雨明け
- 七夕
- 夏休み
- 海水浴
- 夏祭り
- 土用の丑の日
8月
- 盆休み
- 帰省
- 夏祭り
- 花火大会
6月に適した売り場の作り方

6月は梅雨や結婚式のイメージを持つ方も多いでしょう。この章では6月の特徴を紹介します。
6月はどんな月
6月は旧暦で”水無月(みなづき)”と呼ばれています。英語で6月を意味する”June”は、ローマ神話のユピテル(ジュピター)の妻ユノ(ジュノー)が由来です。ユノ(ジュノー)は結婚や出産を統べる女神で、女性の結婚生活を守る神としても知られています。
6月に結婚した花嫁は幸せになれると言われ、6月に結婚式を挙げることを「ジューンブライド」とも呼びます。
6月の草花、花
一般的に6月に咲く草花や花には、シロツメクサ、バラ、ツキミソウ、ユリ、ラベンダー、ツユクサ、ハナブショウ、ミズバショウ、アジサイなどがあります。
6月の行事
第3日曜日 | 父の日 |
---|---|
10日 | 時の記念日 |
21日頃 | 夏至 |
6月の旬な食材
旬の野菜 | たで、しそ、さやいんげん、アスパラガス、カボチャ、ジャガイモ |
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旬の魚介 | アオリイカ、アジ、コウイカ、アナゴ、スルメイカ、アユ、ウニ、イサキ、クルマエビ、ケガニ、イワシ、サザエ、カジキマグロ、トリガイ、カツオ、ホヤ、カマス、マダコ、カワハギ、カンパチ、キス、キビナゴ、サワラ、スズキ、ドジョウ、トビウオ、メバル |
旬の果物 | あんず、梅、キウイ、さくらんぼ、夏みかん、パイナップル、びわ、マンゴー、メロン |
6月の売り場に使える装飾品の紹介
梅雨の時期は「梅雨明けや夏が待ち遠しい」と、お客様は爽やかを求めています。
旬の食材を陳列するときには、ジメジメした印象を取り去るような、夏を感じさせるディスプレイを取り入れるのが良いでしょう。
父の日にはごちそうメニューとして食材をレシピと一緒に見せ、お酒とおつまみを並べてついで買いを促すのもおすすめです。
父の日

「黄色」が「父の日」のメインカラーとして定着しており、黄色のバラの花をプレゼントする方が多くなっています。夏を先取りするという意味合いで「ひまわり」もよく使われます。
のぼり・パネル・ポスターなどを掲示すれば、父の日を失念していたお客様にもプレゼント購入のきっかけを意識していただけます
梅雨

暗くなりがちの「梅雨」の季節、鬱陶しい季節だからこそ、
装飾、売場カラー、ポップはカラフルな物を使用し、暗いイメージを吹き飛ばすぐらい、色とりどりの楽しい雰囲気で、気分を盛り上げてくれる売場にしましょう。
7月に適した売り場の作り方

梅雨が明け、夏休みにも入る7月は、本格的な夏が到来する季節です。
この章では7月の特徴を紹介します。
7月はどんな月
7月は旧暦で”文月(ふみづき)”と呼ばれています。英語の”July”はユリウス暦を創造した
「Julius Caesar(ユリウス・カエサル)」が由来です。
7月の草花、花
気温が高くなり
日照時間も長くなる7月は、ヒマワリ、アサガオ、オニユリ、ヤマユリ、クロユリ、キョウチクトウ、ベゴニア、サルスベリ、ダリア、シロツメクサなどの多くの草花が咲きます。
7月の行事
第3日曜日 | 海の日 |
---|---|
7日 | 七夕 |
13~16日 | 新盆 |
27日 | 土曜の丑の日 |
7月の旬な食材
七夕のメニュー | そうめん |
---|---|
新盆のメニュー | 精進料理、白玉団子、そうめん、型菓子 |
土用の丑の日のメニュー | うなぎ、「う」のつく食べ物 |
旬の野菜 | 青唐辛子、アシタバ、インゲン、エダマメ、オクラ、キュウリ、シシトウ、ズッキーニ、ツルムラサキ、トウモロコシトマト、ナス、パプリカ、ピーマン、モロヘイヤ、レタス |
旬の魚介 | アジ、アナゴ、アユ、イワシ、ウナギ、カジキマグロ、カマス、カワハギ、カンパチ、キス、スズキ、ドジョウ、ハモ、アワビ、スルメイカ、ホヤ |
旬の果物 | あんず、いちじく、梅、キウイ、さくらんぼ、スイカ、パイナップル、桃、マンゴー、メロン、ぶどう、マスカット |
7月の売り場に使える装飾品の紹介
食べ物に関連する7月のイベントに、土用の丑の日があります。
蒲焼き、白焼き、うな丼など、うなぎを使った食品、山椒やうなぎのたれなどの関連商品を、土用の丑の日を連想させるうなぎやうちわのイラストを施したディスプレイとともに陳列する小売店が多く見られます。
夏休みに海水浴やキャンプに出かける家庭も多くなるため、浮き輪や水着、帽子など、アウトドアシーンを連想させる装飾を取り入れるのも良いでしょう。
七夕

七夕は大人も子供達も楽しめるイベントです。
夏のクリアランスセール、お中元コーナー等と並行して、笹や短冊を使った七夕飾りのディスプレイ・店舗装飾で、七夕祭りを盛り上げ、集客に繋げることも一案です。
土用の丑の日(うなぎ)

売場のイメージは赤、黒を基調としたシックなデザインで高級感を演出。
今年は何日が土用の丑の日か、ご存じの方は少ないかもしれないので、早めに売場の装飾、演出を行い、土用の丑の日=特別な日であることを感じさせ、期待感を高めてもらいましょう。
8月に適した売り場の作り方

8月は、お盆の帰省などで人が集まる機会が多くあります。この章では8月の特徴を紹介します。
8月はどんな月
8月は旧暦で”葉月(はづき)”と呼ばれます。旧暦の8月が現在の9月にあたることから、「木の葉が紅葉して落ちる月=葉落ち月(はおちづき)」が転じて「葉月」になったと言われています。
英語の8月を意味する”August”は、ローマ皇帝のAugustus(アウグストゥス)を由来とすると考えられています。
8月の草花、花
8月にはひまわり、グラジオラス、ツキミソウ、サルスベリ、アサガオ、ユリグサ、リンドウ、シロツメクサ、サルスベリ、ススキなどの草花が咲きます。
8月の行事
13~16日 | 旧盆 |
---|---|
15日 | 終戦の日 |
8月の旬な食材
旧盆のメニュー | 白玉団子、そうめん、型菓子 |
---|---|
旬の野菜 | アオトウガラシ、アシタバ、インゲン、エダマメ、カボチャ、オクラ、キュウリ、新しょうが、シシトウ、ズッキーニ、ツルムラサキ、トウガン、トウモロコシ、トマト、ニンニク、ピーマン、ミョウガ、モロヘイヤ、レタス |
旬の魚介 | イワシ、アナゴ、アユ、イワシ、カジキマグロ、カマス、カワハギ、カンパチ、キス、スズキ、サンマ、アワビ、ウニ、スルメイカ、コンブ、サザエ、クルマエビ |
旬の果物 | あんず、いちじく、かぼす、シークワーサー、すだち、パイナップル、梨、桃、マンゴー、メロン、ぶどう、マスカット |
8月の売り場に使える装飾品の紹介
帰省やお出かけ、親戚が集まって食卓を囲むことが増える8月。
お盆の墓参りや帰省を想起させるPOPを掲示したり、提灯、盆飾りなどディスプレイしたりするのが良いでしょう。
また、8月は日本各地で夏祭りや花火大会が開催されるため、うちわや太鼓、花火、浴衣など、祭りを連想させるにぎやかな店舗装飾を施すのもおすすめです。
お祭り

提灯、団扇、花火など、色味をカラフルに使うことで、遊び心やワクワク感を掻き立てます。
マリン

夏と言えば「海でしょ!」と答える人は多いと思います。
海に関するアイテムを装飾・ディスプレイに使えば、リゾート、マリンレジャーの開放感を演出し店や売場が夏になり、お客様のマンネリ化を防ぎます。
夏に適した売り場の作り方


夏のディスプレイ・店舗装飾には、
暑いからこそ涼しさを求めて涼感のある雰囲気を演出と暑さを求めて暑い夏をイメージ通り演出の2種類あり、店内や売場の空間、商品、日程、に合わせて上手く活用することで、お客様の気分をリラックスさせ、楽しい印象を与えることが出来ます。夏の季節感を演出し、お客様に夏の価値を伝える売り場づくりが大切です。
店舗装飾のことは折兼にお任せください
夏の店舗装飾は、エネルギッシュさや、海や青空を連想させるような季節感あるものがお客様の目を引きます。ただし、夏の店舗装飾やディスプレイの内容によっては、逆にお客様に不快感を与えてしまうことも。
例えば、夏の太陽を過度に連想させる装飾によって、お客様が「暑苦しい」と感じてしまうことがあります。
商品を魅力的に見せつつ、お客様の購買欲をかき立てる店舗装飾を採用したいなら、折兼にご相談ください。店舗装飾に強みを持つ折兼の専門チームが、売上や集客効果につながるような季節感ある売り場づくりのお手伝いをします
夏は季節のお出かけや集まりの需要が高くなる季節です
夏向けの店舗装飾がもたらすメリットや、売り場づくりのヒントとなる6~8月それぞれの季節の特徴や行事、おすすめのアイテム、装飾方法を解説しました。
この時期は、ジメジメした梅雨から梅雨明け後の急激な気温上昇など、気候の変化が著しい季節です。また、夏休みやお盆休みなどの長期休みもあり、家族でのお出かけや親戚が一堂に会する機会が増え、各地で花火大会や夏祭りも開催されます。
夏らしい季節感が伝わるような店舗装飾を施して、お出かけや帰省時のおもてなしといった需要をくみ取った商品を展開し、売上アップ、集客アップを目指しましょう。
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