エコマークの目的とは?
エコマークは、環境に配慮した商品選びや関連企業の環境改善への取り組みを促し、持続可能な社会を築くことを目的としています。
本記事では、エコマークの意味や特徴、目的などについて詳しく紹介していきます。
そもそもエコマークとは?
エコマークは、環境に配慮した商品やサービスに付与されるマークです。
「私たちの手で地球を、環境を守ろう」という意味を込めたデザインになっており、1988年に財団法人日本環境協会が実施した一般公募の中から環境庁長官賞(現・環境大臣賞)に選ばれた作品を元に制定されました。
中立の第三者機関である「日本環境協会」が定める基準を満たした商品やサービスにエコマークが付与されます。運営には多様なステークホルダーが参加しているため、公平性・透明性に優れています。
地球と環境を守る
エコマークは、「地球(earth)」と「環境(environment)」の頭文字である「e」を表現しています。「私たちの手で地球を守ろう」という願いを込めて、人が地球を包み込むようなデザインが採用されました。
持続可能な社会を作る
エコマークは、持続可能な社会を実現するために必要な環境への配慮を促すために作られました。持続可能な社会とは、地球環境や自然環境の適切な保全により、次の世代が必要とするものを損なうことなく、現在の世代の要求を満たせる開発が行われている社会のことです。
エコマークには、持続可能な社会の実現に向けて、消費者と事業者が適切な行動をとれるように誘導する役割があります。
商品のライフサイクルを考慮する
生産から廃棄にいたるまでのライフサイクルと4つの環境評価項目において認定基準を設けており、申請された商品やサービスの環境への影響を審査します。使用時の消費エネルギーがどれだけ少なくても、製造に大規模なエネルギーが必要となれば環境に優しいとは言えません。
そのため、次の4つの環境評価項目を審査します。
- 省資源と資源循環
- 地球温暖化の防止
- 有害物質の制限とコントロール
- 生物多様性の保全
全ての評価項目において認定基準を満たした場合にのみ、エコマークの表示が認められます。
環境を意識した商品選択を促す
エコマークには、消費者に環境を意識した商品の選択を促す役割があります。
また、日本環境協会はエコマークアワードやエコマークフォーラム、日本最大級の環境展示会「エコプロ」への出展などを通じて、認定基準をクリアした商品の環境的側面に関する情報を広める取り組みも行っています。
エコマーク商品の認定方法について
エコマーク商品認定の取得には、運営が定める審査を受けて認定基準をクリアする必要があります。認定を受ける方法やエコマーク認定のメリットなどについて詳しくみていきましょう。
エコマーク商品認定の取得方法
エコマーク商品認定を受けるためには、商品類型ごとに定められた認定基準を満たす必要があります。商品類型がある場合はエコマーク認定審査に申し込み、商品の認定審査を受けます。
認定審査の内容は、プラスチックや衛生用紙などジャンルで異なります。
例えば、プラスチック製品では、再生プラスチック材料の使用割合や点火剤、着色剤、リサイクルのための材質表示などが審査対象です。
認定基準をクリアしたとの審査結果の通知を受けた後は、使用料を支払ったうえでエコマーク使用基本契約を締結します。
認定後も必要に応じて現地監査を受けることがあります。
商品の仕様などを変更する際は申請を行い、承認を得ることが必要です。
また、該当する商品類型がない場合、または基準対象外となっている場合は次の流れで手続きを行います。
- 「新規商品類型」を提案(年1回の募集)
- 選定結果の公表・通知
- 提案が選定された場合は認定基準案の公表および意見の募集
- 運営の判断のもとで新認定基準の制定
- 認定審査の申し込み
このように、現時点では該当する商品類型がなくても、エコマークの審査を申し込める可能性があります。
エコマーク商品認定のメリット
エコマーク商品認定を受けることには、次のメリットがあります。
- 環境に配慮していることを客観的に証明できる
- 消費者が企業に興味を持つきっかけになる
- 環境意識の高い消費者や企業にアピールできる
- 認定商品をエコマーク事務局のホームページに掲載してもらえる
- 認定商品をメルマガや情報誌で紹介してもらえる
- グリーン購入法に対応できる
エコマークの表示により、環境に配慮した商品であることを客観的に証明できるため、環境配慮に関心がある消費者や企業へのアピールとなります。また、国や各自治体になるべく環境に配慮した商品を購入することを義務付けている「グリーン購入法」に対応できます。
環境に優しいマーク(ラベル)の種類
エコマーク以外にも上記のような環境に優しいことを示すマークがあります。
法律で義務付けられている識別表示マークについて、実際のマークを見ながら詳しく確認していきましょう。
国・第三者機関の環境ラベル
この章では、国・第三者機関の環境ラベルの例を紹介します。
国際エネルギースタープログラム
パソコンをはじめとしたオフィス機器について、稼働中・スリープ時・オフ時の消費電力の基準を満たした商品に付与されます。
カーボン・ニュートラルラベル
温室効果ガスの排出を実質的にゼロにする「カーボン・ニュートラル」の取り組みが第三者機関に認証されたスマートフォンや衣類など幅広いジャンルの製品に付与されます。
省エネラベリング制度
省エネ法で定められた省エネ基準の達成度を示すマーク。緑色のマークは省エネ基準を達成している商品に、橙色のマークは達成していない製品に付与されます。対象となる製品は、県全般や電球、エコキュートなど。
代表的な環境ラベル
環境ラベルの中でも代表的なものをいくつか紹介します。
再生紙使用(R)マーク
再生紙の利用促進や普及啓発を目的として、古紙パルプの使用率を表示するマーク。印刷紙をはじめとした紙製品に付与されます。
バイオマスマーク
地球温暖化の防止や循環型社会の形成を目的として、生物由来の資源を利用・活用している商品に付与されるマーク。レジ袋や食品容器、衣料品、事務用品、園芸用資材など幅広いジャンルの商品に付与されます。
MSC「海のエコラベル」
水産資源と環境に配慮し適切に管理された、持続可能な漁業で獲られた水産物に付けられるマークです。
森林管理のエコラベル(FSC認証)
持続可能な社会を実現するための適切な森林管理が行われた木材およびその製品に関わった組織に与えられるマークです。
表示が義務付けられているマーク
第三者機関や国が認証するマークのほかに、法律で表示が義務付けられているマークもあります。一例を紹介します。
アルミ缶マーク・スチール缶マーク
アルミ缶とスチール缶を区別するために、飲料や酒などに表示されるマークです。
PETボトルマーク
ペットボトルを他のプラスチック製容器を区別するために、飲料や酒、醤油などの容器に表示されるマークです。
紙製容器包装マーク
紙製容器を区別するためのマーク。ダンボールや内側にアルミニウムが貼られていない飲料用紙パックには表示されません。
プラスチック製容器包装マーク
ペットボトルを除くプラスチック製容器に表示されるマークです。
小型二次電池マーク(4種)
回収・リサイクルが法律で定められている充電式の小型二次電池を区別するマークです。
塩化ビニル製建設資材マーク
塩化ビニル製建設資材をその他のプラスチック製建設資材と区別するためのマークです。
環境に優しいマークが付与されている商品の紹介
この章では、環境に優しいマークを実際に取得した商品を紹介していきます。
再生紙使用マーク|ペーパータオル エルヴェール エコドライ
大王製紙(株)が販売する「エルヴェール」は再生紙素材の商品の中でもワンランク上の品質と使用感です。
バイオマスマーク|CPLAカトラリー
(株)パックスタイルが販売する「CPLAカトラリー」はバイオマスマーク65%を取得した環境に優しいカトラリーです。
森林管理のエコラベル(FSC)|FSC未晒おしぼり 透明無地
(株)九州紙工が販売する「FSC未晒おしぼり」は自然な風合いの平型おしぼりです。
エコマークは「環境に配慮した商品やサービスに付与」されるマーク
エコマークは商品類型ごとに定められた4つの環境評価項目において認定基準を満たした場合にのみ与えられます。持続可能な社会を目指して環境に配慮した商品を使用したい場合は、エコマークが付与された商品を選びましょう。
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