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おせち料理の由来と歴史
![おせち料理の由来と歴史](https://www.orikane.co.jp/wp/wp-content/uploads/2024/12/おせち料理の由来と歴史.jpg)
お正月に食べるおせち料理の起源は、諸説ありますが弥生時代にまで遡るといわれています。
まずは、どのようにおせち料理が生まれたのか、その由来と歴史を見ていきましょう。
おせち料理の由来
おせち料理の由来は、弥生時代に広がった「節供(せちく)」だと言われています。
弥生時代には中国より稲作が伝来し、全国へと広がっていきました。
そして「節(せち)」を季節の変わり目とする、暦(こよみ)の文化が広がった時代でもあります。
暦ごとに、神様に自然の恵みや稲の収穫を感謝する行事「節供」が生まれ、一説ではこれがおせち文化の原点になったと言われています。
その後時代は流れ、平安時代になると宮中行事として「節会(せちえ)」と呼ばれる、暦ごとの儀式が行われるようになりました。
その節会で提供されたのが、「御節句(おせちく)」という、おせち料理の原型です。
この時点ではお正月だけでなく、「五節会(ごせちえ)」と呼ばれる1月1日、1月7日、1月16日、5月5日、11月の辰の日のすべての日で、御節句が食べられていました。
江戸時代になると御節句は宮廷や幕府だけのものではなく、庶民にも浸透するようになりました。
幕府が五節句(1月7日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日)という祝日を定めたことで、庶民も年に5回、おせち料理を食べるチャンスが巡ってきたのです。
1月1日は五節句には含まれていませんが、五節会から続くお正月を祝う文化は別格とされ、長年大事にされてきました。
そのうち、五節句の中でも新年を祝うお正月のおせちが特にめでたいとされ、重視されるようになったのです。
なお、「おせち」という呼び方が定着したのは戦後からです。
御節句を略しておせちと称し、百貨店で販売したことがきっかけで、広くその名が普及しました。
おせち料理の変遷
平安時代以降のおせち料理は、五節句の際に神様にお供えする料理が中心で、宮廷などごく限られた人しか食べられませんでした。
江戸時代以降は庶民もおせち料理を口にするようになり、徐々に一般的なものとなりました。
ただし、江戸時代のおせち料理は現在のものと比べると質素だったといわれています。
明治時代以降、徐々に食材が豪華になり、さらに西洋文化の影響を受け、肉料理やサンドイッチなどが取り入れられるなど、伝統的な和食中心の構成から少しずつ変化が見られるようになりました。
大正時代になると、より縁起を担ぐような食材が増え、華やかなおせち料理へと変化していきます。
料理店や百貨店でも売り出されるようになるなど、現代のおせち事情の走りともいえる出来事がありました。
昭和は戦中・戦後の食糧不足でおせちも十分に作られないときもありましたが、経済成長と共に華やかなおせち料理が戻ってきました。
流通網の発達やテレビの普及に伴い、よりバラエティに富んだ内容のおせちが登場するようになりました。
そして昭和後期から平成にかけて、家族構成の変化や女性の社会進出が顕著となり、徐々に手作りよりも購入する家庭が増加してきました。
現在ではネット通販やスーパーなどで購入する家庭が増え、自分で作るケースは減りつつあるようです。おせち料理の中身も、和洋折衷の変わり種が一般的になりつつあります。
おせち料理の構成と意味
おせち料理はもちろんのこと、入れ物である重箱にも意味が込められています。
ひとつひとつの意味を知ることで、おせち料理の構成を考えるヒントになるでしょう。
重箱の意味と構成
重箱は、おせち料理を詰めるだけでなく、幸せを重ねるという意味も込められています。
また、重箱は家族や親族が集まるお正月に、皆で同じ料理を囲むための大切な器でもあります。
皆で同じ重箱のおせちをいただくことで、一体感を生み出し、家族の絆を深める役割も担っているといえるでしょう。
なお、重箱は地域や家庭によって段数が異なります。
一般的には三段、五段、七段の奇数段が用いられているのですが、これは奇数を縁起の良い数と捉える風習があるからです。
かつては四段重が基本で中には五段にする家庭もありましたが、現在では三段重が主流となり、五段以上はほとんど見かけなくなっています。
段数の意味にはこだわらず、一段や二段のおせち料理も多く見られるようになりました。
ここからは、伝統的な三段重の構成を説明します。
どの段も、冷めても美味しく味わえるような料理を詰めるのが基本です。
一の重
酒の肴となる料理がメインです。
甘味のある栗きんとんや伊達巻なども一の重に入っています。
- 祝い肴(数の子、田作り、黒豆、昆布巻き、たたきごぼうなど)
- 口取り(紅白なます、伊達巻、栗きんとんなど)
二の重
焼き物と、箸休めとなる酢の物を一緒に入れます。
- 酢の物(紅白なます、酢れんこんなど)
- 焼き物(タイ、海老、ブリの照り焼き、牛肉の八幡巻き、松風焼きなど)
三の重
煮物はれんこんやごぼうなど、縁起のいい食材を使います。
- 煮物(筑前煮など)
祝い肴と縁起物
おせち料理には、それぞれに意味を持つ縁起物が詰められています。
ここでは、代表的なおせち料理とそのいわれをいくつかご紹介します。
(※いわれには諸説あります)
料理 | いわれ |
---|---|
黒豆 | まめまめしく健康に働き続けられるようにという願いが込められている。 |
数の子 | ニシンの卵である数の子には、たくさんの卵があることから子孫繁栄の象徴として食べられている。 |
田づくり | イワシが田んぼの肥料として使われていたことから「田作り」と呼ばれるように。五穀豊穣を願う縁起物とされている。 |
紅白かまぼこ | 赤は魔除け、白は清浄を表し、おめでたい紅白の色合いがお正月にふさわしいとされている。 |
伊達巻 | 形が巻物に似ていることから、知識が増えるようにという願いが込められている。 |
栗きんとん | 黄金色に輝く財宝を連想させる金色の見た目から、金運上昇の願いが込められている。 |
昆布巻き | 「喜ぶ」という語呂合わせから、縁起の良い食べ物。子孫繁栄の願いも込められている。 |
海老 | 腰が曲がるまで長生きできるようにという長寿の願いが込められている。 |
紅白なます | 紅白の水引を表しており、平和への祈りと祝いの意味が込められている。 |
地域ごとの特色
おせち料理は、地域によって味付けや入れる料理が異なり、それぞれの食文化を反映しています。
ここでは代表的な関東風と関西風の違いを見てみましょう。
関東では、濃い味付けや甘い味付けが好まれています。
おせち料理を重箱にぎっしり詰めることで、持ち運んでも崩れないようにするのが特徴です。
魚料理にはサケが使われることが多くなっています。
関西では、出汁を活かした薄味で、素材本来の味を楽しむ料理が中心になります。
関東とは反対に詰め込まず、美しく盛るのが特徴です。
魚料理にはブリやタイが多く使われています。
また、これまでは地域に根差したおせち料理が一般的でしたが、食文化の多様性に伴い、全国各地のご当地料理も注目を集めています。
顧客のニーズに合わせて、ご当地料理を取り入れてみるのもよいでしょう。
例:
北海道や東北/氷頭なます→サケの軟骨を酢漬けにしたもの
石川県/べろべろ→卵と寒天を固めたもので甘じょっぱい味付け
岡山県/ままかり→ままかり(サッパ)という魚を酢漬けや寿司などにする
鹿児島県/こが焼き→魚のすり身を卵・豆腐・砂糖などと合わせて蒸し焼きにしたもの
変わるおせちの食文化
![変わるおせちの食文化](https://www.orikane.co.jp/wp/wp-content/uploads/2024/12/変わるおせちの食文化.jpg)
伝統的なおせち料理は縁起物を中心とした構成で、かつては手作りされることがほとんどでした。
しかし、おせち料理の変遷で紹介したように、ライフスタイルの変化や家族構成の変化によって、おせち文化も大きく変化しています。
ここでは、現在のおせちの食文化について詳しく紹介します。
手作りから購入へ
かつて、おせち料理の準備は各家庭の一大イベントでした。
しかし、社会の変化や食文化の多様化などに伴い、おせち料理を手作りする家庭は減っています。
またひと昔前は、お正月三が日はスーパーが営業していないことも多かったのですが、近年では元日から営業している店舗も多く、わざわざ保存性の高いおせち料理を作る必要がなくなってきたのも理由のひとつです。
代わって需要の高まりを見せているのが、購入するおせち料理です。
作る手間が省け、手軽にプロの味が楽しめるとあり、年々購入する家庭が多くなっています。
ECサイトやスーパー・百貨店では9月ごろには予約を開始し、料理店も10月には予約販売を開始するケースが多いようです。
核家族化と少人数化
核家族化によって、従来の三段重や五段重といった大型のおせちでは量が多すぎて食べきれないという声が聞かれるようになりました。
食べ切れずに捨てるのはもったいない、食品ロスを減らすべきという考えも広がり、従来のおせちを選ぶ人が減りつつあります。
一方、近年注目されているのが、少量のおせち料理です。
1~2人用といった少量タイプのおせちが販売されるようになり、それぞれの家庭の状況に合わせて選べるようになりました。
さまざまな種類のおせちを楽しめ、かつ、食べ残しが出ない点がメリットです。
百貨店や料亭などでは、少量のおせちを複数組み合わせたセット商品なども販売されています。
洋風・中華風おせち
近年は伝統的な和風のおせちに加え、洋風や中華風などの変わり種おせちが人気を集めています。
洋風おせちの魅力は、華やかさと現代的な味付けです。
テリーヌ、ローストビーフ、マリネなど、彩り豊かで見た目にも美しい料理が揃っています。
また、味付けも日本人好みにアレンジされているため、子どもから大人まで幅広い世代に受け入れられています。
一方、中華風おせちは、豪華な食材と大人数で囲むのにぴったりなボリューム感が魅力です。
フカヒレ、エビチリ、アワビの醤油煮など、高級食材を使った手間のかかる料理が贅沢な気分を盛り上げます。
このように、洋風・中華風おせちは、伝統的な和風おせちとは異なる魅力があります。
店舗のジャンルや顧客のニーズに合わせて、洋風や中華の要素を取り入れるのもおすすめです。
おせち容器の進化と選び方
![おせち容器の進化と選び方](https://www.orikane.co.jp/wp/wp-content/uploads/2024/12/おせち容器の進化と選び方.jpg)
おせち料理は作るものから購入するものへと変わったことで、さまざまな使い捨ての重箱が登場し、容器にも変化が現れています。
おせち料理の販売を成功させるためには、容器選びが鍵になるといっても過言ではありません。
ここではおせち料理に適した容器の特徴や選び方を紹介します。
伝統的な重箱の魅力と現代的な素材の容器
お正月の食卓を華やかに演出する重箱は、単なる容器ではなく、日本の伝統文化を象徴する存在と言えるでしょう。
しかし、伝統的な重箱を販売用のおせち料理に用いるにはコストが掛かりすぎて現実的ではありません。
そこで注目したいのが、現代的な素材で作られたおせち容器です。
販売戦略を成功させるためにも、素材、デザイン、そしてターゲット層に合わせた容器を選びましょう。
メリット | デメリット | 適切なターゲット層・価格帯 | |
---|---|---|---|
プラスチック製 | ・軽量 ・低価格 ・デザインが豊富 |
・高級感不足 ・商品によっては環境への配慮が欠ける |
・ファミリー層 ・低~中価格帯 |
木製 | ・高級感 ・環境に配慮 |
・高価格 ・取り扱いに注意が必要 ・在庫管理の難しさ |
・高齢層 ・贈答用 ・高価格帯 |
紙製 | ・軽量 ・低価格 ・デザインの自由度 |
・耐久性不足 ・水漏れの可能性がある |
・個食需要 ・低~中価格帯 |
プラスチック製は、低価格でデザインの自由度も高く、大量生産に向いています。
ファミリー層や若い世代をターゲットとした、カジュアルなおせちに最適です。
ただし、高級感を求める層にはやや不向きといえます。
また、プラスチックごみによる環境破壊が問題視されている現状を踏まえ、天然素材や、環境にやさしいプラスチック素材を採用したエコ容器の採用も検討したいものです。
木製は、伝統的なおせちや特別なシーンにふさわしい高級感を演出できます。
しかし、価格が高くなりがちで、取り扱いにも注意が必要です。
また、プラスチック製に比べて在庫管理の面でも難易度が高いため、販売戦略を綿密に練る必要があります。
紙製は、軽くて処分が簡単なことに加え、近年デザイン性の高いものが増え、注目を集めています。
特に、個食ニーズの増加や環境意識の高まりから、需要が高まっています。
エコを意識した商品展開にも、紙製容器の採用は有効な手段となるでしょう。
ただし、耐久性や耐水性に課題があるため、素材の選定や保管方法に工夫が必要です。
環境への配慮
おせち料理の販売には、使い捨て容器またはリユース容器が必須となります。
しかし、プラスチックごみ削減の観点から、使い捨て容器への風当たりは強くなっています。
環境負荷を低減するためにも、リユース容器を選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
リユース容器は、繰り返し利用できるため環境に優しく、ゴミの削減にも繋がります。
例えば、竹や木材、再生プラスチックなど、環境に優しい素材で作られた容器を選ぶことで、持続可能な社会の実現に貢献できます。
おせち容器を選ぶポイント
おせち料理の販売は、冷蔵あるいは冷凍のどちらかがメインとなります。
特に冷凍で販売する場合は、容器の耐冷温度や、解凍時の外観に変化がないか注意しなくてはなりません。
一般的に、冷凍販売する場合は、-30℃以下の急速冷凍で鮮度を保持することが多くなりますが、この低温に耐えられる素材であることが大切です。
また、急速冷凍中だけでなく、運搬中の衝撃で破損したり、解凍中の結露により変形や破損したりする可能性があるため、これらの問題をクリアした容器を選びましょう。
おすすめのおせち容器
ここからは、おせち料理の販売に適した、おすすめの容器を紹介します。
おせち料理にふさわしいデザインであることはもちろん、環境問題にも配慮した商品を選定していますので、ぜひご検討ください。
ファルカタ容器
![ファルカタ容器](https://www.orikane.co.jp/wp/wp-content/uploads/2024/12/ファルカタ容器.png)
1つ目は、ファルカタ材という木材を使った商品です。
桐に似た木目を活かした風合いは和洋中どんなおせちにもマッチし、高級感を演出します。
ファルカタ容器は折り畳んだ形で納入されるため、木製商品なのに在庫の保管スペースを必要としません。
内側はグラシン紙貼りで耐油・耐水性も備えており、さまざまなおせち料理に対応可能です。
紙容器
![紙容器](https://www.orikane.co.jp/wp/wp-content/uploads/2024/12/貼り箱容器.png)
2つ目は、黒漆塗りの風合いが美しい高級感あふれる紙製おせち容器です。
紙容器でありながら、重箱のような風格を持つため、オーソドックスな和のおせち料理が美しく映えます。
ここで紹介している六ツ仕切以外にも、サイズ違い・色違いで11種類用意しているため、ピッタリなおせち容器が見つかるでしょう。
パルプモールド容器
![パルプモールド容器](https://www.orikane.co.jp/wp/wp-content/uploads/2024/12/ユーカルプ容器.png)
3つ目は、環境に優しいユーカリパルプを使用した商品です。
耐油・耐水性に優れたパルプモールド容器は、油分の多い中華のおせち料理にも対応できます。
ナチュラルな見た目でおしゃれな雰囲気があるため、カジュアルなおせちに適しています。
おせち容器なら株式会社折兼にお任せください
![おせちの容器選びなら株式会社折兼にお任せください](https://www.orikane.co.jp/wp/wp-content/uploads/2024/12/おせち容器は折兼にお任せ.jpg)
おせち料理の内容や価格帯に合わせて、適切なおせち容器を選ぶことは、売上アップにもつながります。自社のおせち料理にふさわしい容器をお探しの方は、ぜひ折兼にご相談ください。
折兼では、冷蔵や冷凍など、おせちの販売形態に合わせて、折兼スタッフが最適な容器を提案いたします。今回紹介したおせち容器以外にも、多数の容器を取り扱っていますので、お客様のニーズに合うものが見つかります。
おせちを販売するための容器もアップデートが必要
今回は、おせち料理の由来や構成、変遷についてお伝えしました。
おせち料理やニーズが変化している今、おせちを販売するための容器もアップデートする必要があります。
顧客ニーズに合わせたおせち料理を考えるだけでなく、それに対応できる容器選びも合わせて行うことで、売上アップにつなげましょう。