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割り箸の様々な形状や材質における解説と専門業者に相談するメリット

2020.08.26

割り箸は用途とコストに応じて吟味する必要がある

飲食店において割り箸は重要なアイテムの一つです。割り箸には、料理の一部としての役割があり、料理にふさわしい割り箸を提供することにより、料理の価値を高めることもできます。
反対に、料理にそぐわない割り箸を使えば、料理の価値だけではなく、お店の価値も下げてしまい、次回以降の来店に影響を及ぼすことにもなりかねません。

割り箸は、形状や素材によって適したシーンや料理が変わりますので、飲食店で扱うものを検討する際には、それぞれきちんと理解した上で、料理全体の価格と割り箸のコストを照らし合わせながら決定する必要があります。

割り箸は形状によって用途が分けられる

割り箸は形状によって元禄、天削、上小判、利久などの呼び名があり、長さも16cm~24cm程度まであります。
また、同じ長さであっても厚みが違っているものもあります。このように色々な長さや太さがある理由は、料理によって割り箸の用途が違ってくるからです。

例えば、駅弁の割り箸は16cm~18cmぐらいまでの長さを使います。これは、駅弁容器の寸法に合わせ適した長さにしているためです。
反対にホテルなどの割り箸は21cm~24cmぐらいの長さを使います。これは、宿泊施設で出す料理をとるのに適した長さのためです。
それでは、呼び名による割り箸の特徴について説明をしていきます。

元禄(げんろく)|安価で最も多く流通している

元禄箸

元禄箸は現在の日本において、最も多く流通している割り箸です。
四方の角(面)を切り落とし割れ目にも溝をつけており、箸先の断面は八角形になっています。
元禄という名は元禄時代に金の含有量が少ない元禄小判が元となっており、割り箸の四方の角を削ったり、割れ目に溝をつけて木の分量を減らしたことが由来となっています。

厚みは4.00mm~4.80mmぐらいで厚みがあるほど折れにくく、主な材質はアスペン、菩提樹(ぼだいじゅ)、モクレン材で中国やベトナムからの輸入品が多いです。価格面では最も安価な割り箸と言えます。かつては国産の松、ヒノキなどの元禄箸も流通していましたが、生産量や価格が合わず今ではほとんど見る事が無くなっています。

天削(てんそげ)|高級料亭やおもてなしの場

杉柾天削

天削箸は割り箸の持ち手(天)側の角を斜めに削り落とすことで木目を強調する形状をしています。
この形は、おもてなし用の箸として、鍋をつつく時でも上下を逆にしなくても良いという意味があります。
箸の先端部分は丸く加工されることが多いです。ホテルや高級料亭など客単価が高めの業態で使われたり、家庭ではハレの日など特別な日に使ったりします。

大正時代に奈良県吉野地方で考案されたのが始まりで、今でも吉野地方にある杉を使い、年輪が平行になった柾目がきれいに揃った天削箸は見た目もさることながら香りも素晴らしく、割り箸の最高級品として人気があります。また通常の天削箸には割れ目に溝はありませんが、元禄箸のように割れ目に溝のある加工をした天削箸を元禄天削(げんろくてんそげ)と呼びます。

小判(こばん)|割りにくいものの汎用性が高い

小判は、上小判とも呼び、断面が長方形ではなく小判型に見えることから付けられた呼び名です。
元禄箸と違い割れ目に溝が無いことが特徴です。
昭和や平成時代の初期頃まではうどん店、ラーメン店、喫茶店など多くの飲食店が使っていましたが、最近は下記の理由からあまり見かけなくなりました。

  1. 上小判の原材料の多くである松や白樺の木が割り箸に使われることが少なくなった
  2. 海外からアスペン材を原材料とした安価な割り箸が普及した
  3. 元禄箸と違い溝が無いことで割る際に、どちらかに木が片寄って割れてしまう
    ※箸が折れる、片寄って割れてしまうと縁起が良くないと言われている。

竹割箸(たけわりばし)|油を吸わないため飲食店で使われる

竹双生箸

竹割箸は竹が原材料の割り箸で、竹双生箸、竹天削箸が代表的な割り箸です。
竹双生箸は、持ち手側の頭が繋がっており、先端に行くほど丸く細くなっています。
竹天削箸は、持ち手側が斜めに削られ、箸の途中まで割れ目に溝があり、先端の断面は半円に近いカットになっています。

長さは21cmまたは24cmのサイズが一般的で、竹双生箸、竹天削箸ともきれいに割ることができます。竹は成長速度が早いので、割り箸となる原材料も多く供給ができます。
また、油を吸わないこと、強度があることから多くの飲食店で使われるようになっています。
最近では竹を圧力乾燥した炭化箸という名の竹天削箸も使われるようになってきました。

祝箸(いわいばし)|お正月などお祝い事

白楊祝箸

祝箸は両端が細く、中間が太くなっており、断面図は全て丸箸で「両口箸」とも呼ばれています。中間部分の膨らみが俵を示し、縁起が良いとされており、一方の端は神様が使い、もう一方を人が使う「神人共食(しんじんきょうしょく)」を意味しており、主に結婚式やお正月などのお祝い事で使われています。
しかし、お祝いの席では割り箸が仲を割るとして敬遠されることから1本ずつの祝箸が使われます。提供する際は、裸ではなく「寿」や「祝」という文字が表記された箸袋に入った状態が多いです。

割り箸の素材と種類

割り箸は日本人の木の文化と共に開発されたものであり、1700年〜1800年頃から使われるようになったと言われています。箸の生産が生活を営むための生業として始められたのは奈良県で、当時は奈良県産の杉が多く使われていました。
素材は杉の他に松、ヒノキ、白樺、竹が国産品としてありますが、現在では原材料が少なくなったことや国産品は価格が高いということもあり、高級箸を除いた割り箸の生産はほとんどなく、海外からの輸入品が多くなっています。
次の章では、素材の種類によって形状や価格の違いを説明していきます。

安価で広く使われる|アスペン・白樺

PS白楊元禄

安価で広く使われているのがアスペン白樺です。

アスペンは、和名を「白楊」と言い、木質がやわらかく、白くて軽いのが特徴です。
成長が早い広葉樹でカナダや中国、ロシアが原産国です。木質がやわらかいため、厚みを4.2mm以上にしないと折れやすいというデメリットがあります。

白樺は木質が粘り強く硬めで、カナダ、中国が原産国として多いです。
樹液が多いので木材としての利用は少なく、利用されないまま倒木してしまうことがありました。しかし、樹液を煮沸して取り去り、割り箸として有効活用されるようになりました。
最近は白樺原木の量が確保できないことにより、割り箸としての供給は減少しています。木質はかたいため、厚みは4.00mm程度でも折れることはありませんが、繊維の関係で片寄った割れ方になってしまうデメリットがあります。

油に強く耐久性が高い|竹

マスキ_炭化の竹天削

竹は油や火に強く、きれいに割れるのが特徴です。
きれいに割れるので、天ぷら、うなぎ料理などの日本料理、中華料理などで使われます。
また、火に強いため焼肉料理にも適しています。

竹は成長が早く竹林を維持するには頻繁に手入れを行う必要があることから、割り箸としての供給量は安定しています。
デメリットとして、梅雨時期の水分を含んだ竹を割り箸として使うと竹特有の虫やカビが発生する恐れがあります。現在は製造過程で乾燥を行い、虫やカビの発生を防止しています。
竹箸を保管する際は高温多湿のところは避けて、保管期間もなるべく短くした方が良いでしょう。
虫やカビなどのクレームを避けたい場合は圧力乾燥した炭化箸をおすすめします。

高級感がある|杉

杉_箸

杉は木目の鑑賞性、きれいに割れる割裂性、木の芳香、適度な強度など優れた特徴があります。
国内の割り箸の発祥地と言われる奈良県の吉野地方にある吉野杉が代表格で、杉の柾目が揃ったものは割り箸の最高級品と言われています。
価格は高くなりますが、高級料理店やホテルなど客単価が高い業態や家庭などのおもてなしに向いており、割り箸も料理の一部と言えるものが杉素材の箸です。
形状は天削、利久、卵中が多いです。
価格が高いので、客単価が安い飲食店ではコストが合わないのがデメリットです。

お祝い事に用いられる|柳

祝箸

柳は丈夫でしなやかさがあり、折れにくい特徴があるためお祝い事で使われます。
祝箸は、お祝い事で使われることが多いため、「割って使う」割り箸ではなく、両端が細くまん中あたりが太くなっている1本ずつの箸が組み合わされています。理由として、お祝い事の席で、万が一お箸が折れてしまうと縁起が良くないと言われているためです。

また、柳の木は水で清められた神聖な木として縁起が良いとされ、白木の香りが邪気を祓うといわれています。
箸の長さは「末広がりの8寸」(約24cm)で縁起をかつぐという意味合いがあり、箸袋に入れた状態で提供されます。
デメリットは価格が高いことです。最近では柳に色合いが近く価格が安いアスペンが使われることがあります。

割り箸の包装の種類

割り箸はどのような包装形態で提供されるのでしょうか。一般的に飲食店で割り箸を用いられる際には、裸または箸袋に入った状態で提供されます。裸の場合は一切袋に入っていない状態であり、箸袋に入った状態はポリ完封、紙完封、スミ切という3パターンがあります。それでは、この包装形態によってどのようなメリット、デメリットがあるのかを次章にて詳しく説明をします。

裸箸

裸箸

袋に入っていない箸を裸箸と呼びます。
ラーメン店や中華料理屋などで、箸立や箸置きに入っていたり、レストランでカトラリーケースにスプーン、フォーク、ナイフなどと一緒に入ってることが多いです。

メリットとして、箸袋を使っていない分コストを抑えることが出来ます。
デメリットは、置き場所によりますが清潔面にやや不安を感じられやすいことです。
しかし、箸の原料である木や竹は元々抗菌性を持っているため、寿司、駅弁、おにぎりなどを入れる器として使われていましたので、自ら菌を発生させることはありません。

ポリ完封

ポリ完封

ポリ完封箸は1膳ずつポリエチレンやOP素材のフィルムで完全包装されている箸です。
ポリエチレンやOP素材は水を通しませんので、箸袋が水などで多少濡れたとしてもに中身の箸が濡れることはありません。中身が見えるので妻楊枝を入れても開ける時に爪楊枝の先で手指を刺す心配が少ないことからスーパー、コンビニ、持ち帰り弁当店で使われることが多く、清潔で安心性が高い包装形態と言えます。
また、フィルム素材は紙よりも安いことからコストを抑えられます。
デメリットは、ゴミとして処理する際、ポリエチレンやOP素材はプラスチックゴミであることと、紙よりも空気透過性が低いため、保管状態が悪いと箸にカビが発生しやすい点です。

紙完封

紙完封

紙完封箸は1膳ずつ紙で完全包装されている箸を言い、多くのスーパー、コンビニ、持ち帰り弁当店などが使っています。紙素材なのでポリエチレンやOP素材のフィルムのポリ完封箸に比べると環境への負担が少ないです。

売上規模を上げる一環として、また自分の店のアピールのため、店名や住所、電話番号などの情報を紙に印刷し、お箸と一緒にお店情報を広く発信することが可能です。
紙完封箸は約10,000膳からオリジナル完封箸が作れますので、大手チェーンでなくても個店レベルでの製作が可能であり、実際に多くの飲食店でオリジナル完封箸が多く作られています。

デメリットは、大量生産をした場合でもポリ完封箸より若干高価になることと、紙が水などで濡れてしまうと中身の箸まで濡れてしまうことです。

スミ切箸袋

ハカマ

スミ切箸袋は箸の先端を入れる袋部分の角を斜めにカットしたタイプの箸袋で、箸自体を見せる形状になっています。

一般的に多く使われている箸袋サイズは2種類です。
左:5型8寸(37.7mm×190mm)、右:5型ハカマ(37.7mm×130mm)

加工されている分、箸をセットにした場合は完封箸よりも高くなります。
しかし、完封箸は機械を使わないと製造できませんが、スミ切箸袋の場合は手作業で箸を入れることができます。そのため、飲食店によっては割り箸と箸袋を別々に購入し、アイドルタイムなど時間が空いた時に手作業で箸を入れている店もあります。

オリジナル箸袋も約10,000枚から製造できますので、店名、住所、電話番号を入れて自分の店をアピールをすることができます。

割り箸などの店舗資材は専門業者プロステーションへ

飲食店を開業するにあたり割り箸や箸袋は、料理や客単価とのバランスが必要です。消耗品だからといってコスト優先にしまうと、料理と割り箸や箸袋のバランスが合わなくなり、料理のみならず店の価値も下げてしまうことがあります。
反対に割り箸やオリジナルの箸袋がお客様に受け入れられた場合、お客様がSNSなどで店のアピールをしてくれることもあります。
どのような割り箸や箸袋を選択をしたら良いかお悩みの時には、食品包装資材専門店であるプロステーションにご相談ください。

現物を見ながら使用するものを決めることができる

プロステーションは名古屋市昭和区、名東区、春日井市に店舗あり、食品包装資材に精通し、店や料理に合った商品を適切に提案できる専門スタッフがいます。
店内ではアスペン、白樺、杉、竹などの材質の割り箸や裸箸、紙完封箸、ポリ完封箸、スミ切袋入箸や5型ハカマ、5型8寸などの箸袋を各種販売しており、現物の見た目や使い心地、コストなどが比較できますので、安心して選択できるとともに料理との相性を考えて決めることができます。

もし、ご希望の商品が無かったとしても取り寄せが可能です。また、オリジナルの完封箸や箸袋を承っており、経験豊富なスタッフが、ご希望に応じて適切に対応致します。

発注量が多ければコストダウンが見込める

割り箸は消耗品ですので、発注量が多くしてコストを下げることが望ましいです。専門業者であれば、発注量を確保することもそれに応じたコストの相談にも乗ってもらえるメリットがあります。

食品包装資材専門店のプロステーションは、割り箸に限らず、飲食店が使う業務用ラップやクッキングペーパー、洗剤など多くの店内消耗品を扱っています。また、テイクアウト容器や持ち帰り袋など多くのテイクアウト資材も販売しています。ご希望に応じてサンプルの提供をしています。店舗資材をまとめてお任せしていただくことでコストダウンの依頼にも対応致します。

安定的な供給を続けてもらうことが可能

発注量が多くなることで、商品コストが下がるメリットはありますが、発注量が増えたことで、資材の欠品により安定的な供給を続けてもらえなくなるというのは避けなくてはなりません。そのような事態の発生を防ぐため、専門業者から卸してもらうことで安定的に資材を供給してもらえる体制を整えることが大切です。

食品包装資材専門店であるプロステーションでは、事前に必要予定数を教えていただければ商品の確保をするとともに、もし何らかの理由で対象資材の商品が欠品したとしても代替品の提案をさせていただきます。安定的な資材の供給をお考えであれば、プロステーションをご利用下さいませ。

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