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プラスチック容器のリサイクル方法は?環境に配慮した容器選びのポイントまとめ

2020.08.20

プラスチック容器の適切な分別によって環境を守ることが求められている

プラスチック容器は耐久性、耐水性、耐油性に優れ、加工がしやすく安価な素材なので、食品などのパッケージとして幅広く使われています。

反面、ポイ捨てなどで、長い期間分解されずに環境中に残ってしまい、環境や生態系にダメージを与えてしまうので、正しく廃棄する事が大切です。

廃棄の際に適切に分別すれば、その後の工程で負担やエネルギー消費も少なくなり、結果的に環境保護につながります。

この記事では、プラスチック容器リサイクルの現状と適切な分別方法について、詳しくお話をします。

プラスチック容器のリサイクルの基本

日本でのプラスチック容器のリサイクルについては、平成7年(1995年)に制定された「容器包装リサイクル法」によって、現在の分別や回収、リサイクル方法が決められました。
施行当時は、家庭から出るごみ容量の約60%が容器包装で、一般廃棄物の最終処分場(埋立地)が、何も対応しなければ7~9年で溢れてしまう状況でした。
家庭から排出される容器包装についてリサイクル制度を構築することにより、「ごみの減量」と「資源の有効活用」を図ることを目的として制定されました。

この法律により、一般廃棄物の最終処分量は平成7年(1995年)の1,360万tから、平成30年(2018年)には384万tと、なんと約70%も減少しました。

市町村からの引取り量の推移

また、プラスチック容器のリサイクルについては、回収が開始された平成12年(2000年)の6,700万tから、平成30年(2018年)の6億4,700万tへ、10倍近くに拡大しました。

市町村からの引取り量の推移

この法律では、消費者は「排出抑制」「分別排出」、市町村は 「分別収集」、事業者は「再商品化(リサイクル)」の責務を負うという、各々の役割分担を明確化することにより、ごみの減量やリサイクルの推進に貢献してきました。

容器包装リサイクル法で定められる「容器包装」

容器包装リサイクル法は、容器(商品を入れるもの)と包装(商品を包むもの)のうち、中身の商品が消費されたり、中身の商品と分離された際に不要になるものを「容器包装」として定義しています。現状では下記4つの素材が、リサイクルの対象になっています。

  1. ガラス製容器
  2. PETボトル
  3. 紙製容器包装
  4. プラスチック製容器包装

リサイクルの対象商品には素材別に「識別マーク」の表示が義務付けられていますので、これを目安に分別廃棄することができます。(※一部の自治体では分別ルールが違うことがあります)

識別

なお、同じ容器や包装でも、それ自体が商品の場合は、リサイクル法で「容器包装」には該当しませんので、注意が必要です。例えば、容器でいえばプラスチック製の水筒や、包装でいえば不織布のエコバッグなどです。

プラスチック容器の2つのリサイクル法

実は、容器包装リサイクル法で回収されたプラスチック容器包装は、2つの方法によってリサイクルされています。それが材料リサイクルと、ケミカルリサイクルです。

回収された使用済みのプラスチック容器包装は、専用の施設で金属やガラスなどの異物が取り除かれ、ベールという大きな塊に圧縮されます。

そこから材料リサイクルとケミカルリサイクル、それぞれの工場にベールが送られます。

材料リサイクル

材料リサイクルとは、廃棄プラスチックを、別のプラスチック商品の材料として再利用する方法です。先ほどのベールから更に異物を取り除き、細かく粉砕して加熱したものを、再度固めて製品化します。 主にパレットや農業資材などが、材料リサイクルの再生品として製造されてます。

ケミカルリサイクル

ケミカルリサイクルとは、廃棄プラスチックを、高温で化学的に分解して原料に戻し、再利用する方法です。この方法では、いったん油やガスに戻され、再度プラスチックの原料や、発電用のガスとして再利用されています。

事業者はごみをどう処理すべきか

事業者が排出するゴミは、家庭が排出するゴミと区分して、「事業系ごみ」と呼ばれています。この事業系のごみについては、「産業廃棄物」と「一般廃棄物(産業廃棄物以外)」の区分があり、一般廃棄物に関しては地域にもよりますが、市町村が有料で回収しているところが多いようです。
一般廃棄物として、家庭ごみと同時に回収が行われるため、事業者が排出するゴミも適切に分別することが必要です。

廃棄物の区分

プラスチックごみは深刻な問題となっている

このように容器包装リサイクル法では、ごみの減量や資源の再利用に大きな役割を果たしてきました。しかし一方で、適切に処理されなかったり、意図的にポイ捨てされたごみの一部が河川から流れ込み、海洋ごみとして海を汚染しています。
海洋ごみにもさまざまな種類がありますが、もっとも深刻なのがプラスチックごみです。
プラスチックごみは海洋ごみの65%を占め、なかなか分解されずに中には何100年以上も、海洋を漂うものもある、と言われています。

仮

リサイクルの推進ももちろん大切ですが、この問題を解決するには、プラスチックの使用量を減らす「リデュース」の考え方が非常に重要です。

海洋プラスチック問題とは

「海洋プラスチック問題」とは、丈夫で安定性に優れているプラスチックが海洋に入り込んでしまうと、何十年も場合によっては何百年も分解されずに残って海洋を汚染してしまうという問題です。このプラスチックごみを海洋生物が誤って食べて死んでしまったり、体にからまって傷ついてしまうことで生態系に大きな脅威を及ぼしています。

日本では、年間のプラスチック廃棄量940万t(※1)に対して、約6万tが海に流れこんでいます。(※1 環境庁:2018年 プラスチックを取り巻く国内外の状況)
また、世界全体では中国やインドネシアなどを中心としたアジア諸国を中心に、年間の流入量は約800万tにも及ぶといわれています。
このままいくと、2050年には海洋プラスチックごみが海にいる魚の量を超えてしまい、生態系に深刻なダメージを及ぼすのではないか、と警告されています。

マイクロプラスチック問題とは

最近では「マイクロプラスチック」についても非常に問題視されています。
これはサイズが5mm以下の微細なプラスチックごみのことで、海岸に流れ着いたプラスチックごみが、紫外線や波の影響を受けて長い年月をかけ分解したものや、もともと歯磨き粉などに混ぜる小さなプラスチック粒子(マイクロビーズ)が下水道を通じて海に放出されたりするなどして作られたものです。
日本近海でも調査の結果、目で見る事はできませんが、存在している事が判明しています。

このマイクロプラスチックは有害物質が含まれていることが判明しており、それらが海の生態系に広く入り込んで、食を通じて人体にも取り込まれている可能性もあります。これも海洋の生態系に大きな影響を与えていると言われています。

解決のためにできることは?

増え続ける海洋ごみに対し、一人一人がごみを減らす努力をすることが、何よりも重要です。例えば、個人ですぐに実践できるものとして、3R(スリーアール)があります。Rとは「Reduce(リデュース)」「Reuse(リユース)」「Recycle(リサイクル)」の3つの頭文字を取ったもので、地球の資源を有効に使う、循環型社会を目指す行動のことです。

3r
  • Reduce
    使用する資源の量を減らすこと
  • Reuse
    使用した製品を廃棄せずに繰り返し使用すること
  • Recycle
    廃棄物などを原料やエネルギーとして再利用すること

食品の容器ではリユースは難しく、リサイクルも資源を有効に使う観点では非常に大切ですが、全ての廃棄ごみを適切に処理できるとは限りません。海洋プラスチックの半数以上を占めるプラスチックごみを減らすには、そもそもプラスチックごみを出さない(リデュース)ことが非常に有効です。

環境に配慮した容器選びの2つのポイント

環境に配慮した容器を選ぶときは、どのようなものを選んだら良いのでしょうか。ここでは、1つの視点で考えてみます。

  1. 分別しやすい容器を選ぶ
    ごみをしっかり分別して廃棄することで、資源としてリサイクルすることができます。
  2. 環境にやさしい素材でできた容器を選ぶ
    プラスチック容器は正しく廃棄されないと、マイクロプラスチック化されて環境を汚染する恐れがあります。プラスチックに変わる素材の容器が、多数開発されています。

分別しやすい容器を選ぶ

1つめは、分別しやすい容器を選ぶことです。

紙やプラスチックの複合素材で分別が難しかったり、洗えないなどの理由で可燃ごみで廃棄すると、焼却時にCO2が発生して、地球温暖化につながります。 「識別マーク」がわかりやすく表示されており、分別しやすい容器を選ぶことにより、資源をしっかりリサイクルすることができます。

環境にやさしい素材でできた容器を選ぶ

2つめは環境にやさしい素材でできた容器を選ぶことです。
資源をリサイクルをすることは大事ですが、海洋プラスチック問題やマイクロプラスチック問題を解決するには、そもそもプラスチックのリデュースをすることが大事です。

ここ最近では、脱プラスチック素材の需要の高まり受けて、非プラスチック素材で作られた環境にやさしい容器がたくさん生み出されています。
また、機能面でも、プラスチックに劣らないようなものも増えてきました。

環境にやさしい素材でできた容器集

環境にやさしい素材でできた容器をご紹介します。
今回は、以下の3つの素材をご紹介いたします。

  • FSC認証の紙容器
  • 廃材を利用した容器
  • 石からできた資材

FSC®認証の紙容器

FSC認証とは、FSC(Forest Stewardship Council®:森林管理協議会)の基準に則り、適切な森林管理を認証する制度です。

世界中で森林の破壊や劣化が大きな問題となっていますが、木材などの材料は私たちの生活に不可欠なため、森林をまったく使用しないということはできません。 そこで、適切な管理が行われている森林の木を使い、破壊や劣化を招くことなく木材消費を促進しようという取り組みです。

FSC認証を受けた紙だからといって、通常の紙素材と全く変わりません。
このFSC認証の紙から作られた容器を使うことで、プラスチックごみの削減に貢献ができます。

廃材を利用した容器

もともと廃棄していた材料を原料にして容器を作る事ができれば、とても環境に優しいと思いませんか?それが「バガス」を使った容器です。
「バガス」とは、さとうきびの搾りかすのことです。一部はボイラーなどの燃料に使われていますが、それでも使い切れない分は、従来は廃棄されていました。
その廃棄されていた材料を、容器として再生させたものが、「バガス容器」です。

石から出来た素材

日本に豊富に埋蔵されている「石灰石」を主成分とした新素材が開発されました。それが「LIMEX(ライメックス)」という素材です。

このライメックスは、一見すると紙のようで印刷もできますが、耐水性に優れており、紙とプラスチック、両方の特性をあわせもつような材質です。 現状では、レジ袋、持ち帰り用バッグ、カトラリー、名刺やPOPなどで製品化されています。 (写真は LIMEX Lunch Box 〔ライメックスランチボックス〕)

この素材は石灰石(炭酸カルシウム)にポリプロピレンなどの樹脂を練り込むことによって作られ、原料に木を一切使わず、紙の製造時と比べて使用する水も大幅に削減できるので、限りある資源の節約になります。
また、紙と同じようにリサイクルすることも可能です。

環境に配慮した容器を使用してプラスチックごみを減らそう

プラスチック容器の廃棄ゴミを識別マークに従って分別すると、自治体によって回収されて、容器包装リサイクル法に基づいてしっかりとリサイクルされていることがわかりました。しかし、正しく廃棄されなかった一部のプラスチック容器が海に流れ込んで、海洋プラスチック問題などを発生させています。
これを解決するには、プラスチックの3R(リデュース、リユース、リサイクル)が有効で、その中でも特にリデュースが大切です。
非プラスチック素材の環境にやさしい容器を使って、プラスチックごみを減らしてみませんか。

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