衛生対策に必要なエアシャワーとは?
エアシャワーとは、主にクリーンルームの出入り口に設置され、クリーンルーム内にほこりや髪の毛を入れないようにエアーを衣服等に当て、付着したほこりや髪の毛等を取り除く機器です。
エアシャワーの効果的な使い方
エアシャワーは下記の動作を繰り返し行います。
- 従業員が機械内部に入るとセンサーが感知し、扉がロックされます。
その後、両側面・天井からエアーが吹き出します。 - エアーを一定時間浴びると扉のロックが解除され、先に出口扉が開きます。
退出すると、出口扉がロックされ入口扉のロックが解除されます。
エアシャワーの入室前にやること
エアシャワー入室前にも色々な衛生対策を施すことができます。
最も一般的なのが、白衣を着た後に粘着ローラーで全身に付着しているほこりや髪の毛を取り除いてからエアシャワーへ入室することです。準備室で事前に汚れを落とすことで、エアシャワー内へほこりや髪の毛の持ち込みを抑えることができます。
さらに、靴底を洗浄することで、より汚れをエアシャワー内に入れないよう対策を取ることもできます。
エアーの出る角度を調整
一般的にエアーが出る吹出口は両側面+天井に設置されています。
吹出口は簡単に角度調整ができるため、従業員に向けてエアーが当たるよう調整しましょう。
エアーを浴びる時間の設定
エアシャワーを浴びる時間はタイマーで設定可能です。
一度に入る人数やエアシャワーの大きさ、また従業員を円滑にクリーンルームへ通すことを踏まえた上で時間設定をしましょう。
ただし、エアシャワーは起動後すぐに強いエアーが吹出すので、使った直後はほこりや髪の毛が空気中に舞っている可能性がありますので、次に使う時は少し時間を置きましょう。
また、エアシャワーにはエアーが出る吹出口が片側と両側のがあり、吹出口の数が異なります。
片側のみのタイプをお使いになる場合は、時間の設定を長くすることをオススメします。
全身にあたるような工夫
エアシャワーを効果的に使うには、全身にエアーがあたるような工夫が必要です。
特に体の側面は付着したほこりや髪の毛が落ちにくい箇所の一つですので、効果的にあたるよう両腕を頭の上にあげながら回転してください。
フィルターのお手入れも大切
エアシャワーを一定期間使用するとフィルターが目詰まりして風速が低下してしまうため、フィルターの交換が必要になります。使用頻度にもよりますが、目安として2~3年とされています。
また、フィルターを外して洗うことを推奨しているメーカーもあるため、定期的に水洗いして目詰まりを防ぎましょう。
エアシャワーの種類と価格
エアシャワーは大きくわけると『手動扉仕様』と『自動扉仕様』の2種類に分けられます。
性能面は変わりませんが、置く場所や予算によって選定が変わります。
一度に何人入るのかなどで変わるので、メーカーと相談とご相談ください。
次に、手動扉と自動扉仕様の違いについて説明致します。
手動扉仕様の価格とメリットとデメリット
手動扉仕様はドアノブがついていて、主に一人用として導入されていることが多いです。
価格は定価でおよそ100~150万円
メリット及びデメリットは以下の通りです。
メリット
・省スペースで納まる
・電源(三相200V)は一個口のため、電気工事が最小限で済む
※三相200V電源は主に業務用電源として使われています。
デメリット
・出入り口共に外側に開く扉のため、扉を開く際のスペースが必要
・メーカーの規格品が多く、大きさがあらかじめ決まっている場合が多い
自動扉仕様の価格とメリットとデメリット
1回の入室人数が多い場合は、自動扉となります。
価格は定価でおよそ200~300万円
メリット及びデメリットは以下の通りです。
メリット
・手動扉と比べレイアウト設計がしやすいケースが多い
・片開きと両開きの自動扉に分かれ、両開きはより多くの従業員が入室可能
・手動扉と違いドアノブを触れることがないため衛生的
デメリット
・電源はエアシャワー用・扉用とそれぞれ1つずつ必要
・設置スペースが大きくなる
シートシャッター扉仕様の価格とメリットとデメリット
自動扉で、省スペースに納めたい場合はシートシャッター扉がオススメです。
価格は定価でおおよそ300~350万円
メリット及びデメリットは以下の通りです。
メリット
・扉は上下にスライドするため、省スペースで設置可能
・自動扉と同じくドアノブに手が触れない為、衛生的
デメリット
・電源はエアシャワー用・扉用とそれぞれ1つずつ必要
・導入コストは自動扉仕様より大きい
エアシャワー導入のメリットとデメリット
この章では、エアシャワーのメリットとデメリットを紹介します。
メリットとデメリットを知ることでエアシャワーがどのような機器であるのかがわかります。
メリット① 付着したほこりや髪の毛を落とすことができる
エアシャワーでほこりや髪の毛を落とすことによって、クリーンルームに持ち込む汚れを抑えることが期待できます。
エアーを浴びる際に行う、エアシャワー内での行動マニュアルを作りましょう。
例:エアー作動中は手を上げて2回転してくださいなど
メリット② 従業員同士の意識付けの向上
食品工場の衛生対策向上に欠かせないのは従業員の意識の持ち方です。
クリーンルーム内に汚れを絶対に持ちこまないなど、エアシャワーの使い方やルールを管理徹底することで、従業員の衛生意識が変わることが期待できます。
例として、大きな食品工場ではエアシャワーの出入り口に監視役の従業員が立ち、エアシャワーの浴び方などルールに沿っているかをチェックしているケースがあります。
デメリット 導入の前に確認が必要
一方で、エアシャワー導入に関し注意することが2つあります。
1つめは、設置スペースの確認です。
小さいものでも人ひとりが入れるので、設置スペースもそれだけの大きさが必要となります。
2つめは、電源の確認です。
種類によっては電源のタイプが特殊であったり、複数必要な場合があります。
エアシャワー本体の電源は三相200Vです。対応電源がない場合は準備する必要があります。
自動扉用とシートシャッター扉は本体に加え、別に電源が必要になりますので、合わせて注意が必要です。
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衛生対策にはエアシャワーが有効的
食品工場内での衛生対策の一つとしてエアシャワーを導入するケースは多いですが、使い方を間違えると効果は薄れてしまいます。
クリーンルームにほこりや髪の毛を持ち込ませないために、エアシャワーの使い方やルール管理を徹底することが必要です。
衛生対策の一環として、本記事を参考にエアシャワーを選びましょう。