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パルプモールド?バガス容器?今さら聞けないエコ容器の基礎知識

2021.03.29

パルプモールド・バガス容器とは?

近年、環境に優しい容器として「パルプモールド・バガス容器」が注目され始めています。

もともとパルプモールドは卵パックや家電製品などの緩衝材として50年以上も前から使用されていましたが、使用シーンは限られていました。
しかし、製造技術の向上で食品容器への応用が可能となり、世界的な環境意識の高まりとともにプラスチック製容器の代替品として注目を集めています。

パルプモールドは一般的に古紙等の木材パルプを原料として使用しています。
また、パルプモールドの中でも非木材パルプのバガス(サトウキビの非可食部)を使用したものをバガス容器と呼びます。

最近では、パルプモールドやバガス容器をテイクアウトやフードコートの提供用容器として導入する企業も増えはじめ、少しずつ私たちの生活の中で目にする機会が多くなりました。

そんな「パルプモールド・バガス容器」について、なんとなく環境に優しいことは知っているが、注目されはじめた背景、容器の製造方法、使用するメリット・デメリットについて正しく理解出来ている人は意外と少ないのが現状です。
本記事では、食品容器として使用される「パルプモールド・バガス容器」についての基礎知識をご紹介します。

環境にやさしいエコ容器が注目されはじめた背景

プラスチックは丈夫で軽く価格の安い素材のため全世界で急速に普及し、今では世界全体で年間約4億トンのプラスチック製品が生産されています。

これまで排出されたプラスチックは再生資源として中国や東南アジアに輸出されていましたが、輸入国におけるリサイクル過程で不適切に処理され、海への流出を引き起こしていると指摘され、「海洋プラスチック問題」の要因となっています。

また、プラスチックは石油資源の枯渇や地球温暖化の観点からSDGsと深く関係していて、プラスチックの使用量削減は世界全体で取り組むべき課題として関心が高まっています。

海洋プラスチック問題の解決やSDGs達成を目指す世界的な流れは世の中に浸透したプラスチックを中心とする包装の在り方に大きな変化を促しており、日本では環境省主導でプラスチックとの賢い付き合い方を推進する「プラスチック・スマート」というキャンペーンが展開されています。

海洋プラスチック問題とは?

私たちの生活の中で使用されたプラスチックが最終的に海へ流出して発生したゴミのことを「海洋プラスチック」といいます。2019年の環境省の発表によると、毎年全世界で400万トン以上のプラスチックが海に流出しています。

プラスチックは海に流れ着く過程で衝撃や劣化により細かくはなりますが、完全に自然分解されることはなく半永久的に残ります。
特に5ミリ以下の微細なプラスチックは「マイクロプラスチック」と呼ばれ海洋生物への影響や海洋汚染の要因となっています。

有害物質が吸着したマイクロプラスチックを誤食した魚を食べると間接的に体内に蓄積します。
現時点では人体への影響について解明されていませんが、肺への悪影響などの可能性が示唆されています。

SDGs(エスディージーズ)とは?

SDGs(エスディージーズ)とは「Sustainable Development Goals」の略称で、2015年の国連サミットで採択された「2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す」国際的な目標のことです。17の大きな目標と、具体的な169のターゲットで構成されています。
SDGsの取り組みによりビジネスチャンスの拡大や企業イメージの向上が期待でき、近年急速に関心が高まっています。

食品容器・包装に関係する主な目標としては次の3つがあります。

12. つくる責任 つかう責任
天然資源の持続可能な管理と効率的な利用の観点から、これからは生産者だけでなく消費者にも資源の有効活用の意識を持つことが求められています。

14. 海の豊かさを守ろう
海洋汚染の防止と生物多様性の保護の観点から、私たち1人1人に海に流出するゴミ削減のための取り組みが求められています。

15. 陸の豊かさも守ろう
陸域生態系の保護と持続可能な利用の促進の観点から、森林保護の取り組みが求められています。
SDGsについてより具体的に知りたい方は、別の記事を参照して下さい。

パルプモールド・バガス容器の製造方法

パルプモールド・バガス容器は一般的に下記のような工程で製造されています。
※あくまで一般的な製造例ですので異なる可能性もございますのでご了承下さい。

  1. 原料の溶解
    原料(古紙やバガスなど)をパルパーと呼ばれる機械に投入しカッターで粉砕、撹拌(かくはん)しながら水に溶解します。
  2. 抄き上げ
    水に溶解した原料をろ過し異物を取り除いた後、金網状の抄き型で抄き上げ積層します。
  3. 成形
    成型方法は大きく2種類あります。

     ● プレス成型する
     抄き型ごとプレス型に投入し、上下からプレスしながら成形と圧縮脱水を同時に行います。
     金網状の抄き型と一緒に圧縮脱水するため膜厚が薄くなり片面が網目状となります。

     ● プレス成型しない
     抄き上げ積層した後もプレス成型せず乾燥固化します。
     プレス成型しないので膜厚が厚く、耐荷重が高いのが特徴です。
  4. 乾燥
    成型後乾燥炉へ移し乾燥させます。
    しかし膜厚の薄い商品はプレス成型時に充分脱水できるので乾燥炉へ入れない場合もあります。
  5. 裁断
    乾燥後、最終的な商品形状にカットし仕上げます。
  6. 検品・梱包
    最後に商品を検品、梱包します。

パルプモールド・バガス容器のメリットとデメリット

プラスチック容器からの切り替えの流れが活発化する中、購入者や最終消費者が一番気になるのはパルプモールド・バガス容器のメリット、デメリットだと思います。
そこで、代表的なメリットを3点、デメリットを1点紹介します。

メリット①:資源の有効化活用

パルプモールド・バガス容器が環境に優しい理由の1つとして、使用している原料があります。
代表的な原料は古紙(新聞紙、牛乳パック等)、バガス、竹、麦があり、いずれも今まで廃棄されていた資源が有効活用されており、森林保護に繋がっています。

バガス

「バガス」とはサトウキビから糖汁を絞った後に出る搾りかすです。 サトウキビは砂糖の原料となる農作物で、2002年時点で12億トン以上生産されており、バガスは全世界で年間1億トン以上発生しています。 主にボイラー燃料、飼料原料、農業堆肥として有効利用されていますが余剰分は廃棄されています。

「竹」はアジアを中心に豊富に自生しており、生命力が強いので枯渇する心配の少ない植物です。 また、一般的な木の成長は50~60年程度の年月が必要ですが、竹は成長速度が早く3~5年で収穫が可能となります。

パルプモールド・バガス容器で使用される「麦」は主に非可食部の麦わらです。 世界的な人口増加とともに麦の生産量も増え、非可食部の麦わらの処分が問題となっています。 燃料、飼料、堆肥、帽子などとしても活用されていますが、余剰分は焼却されています。

メリット②:有害物質を排出しない

プラスチックは石油から原料を精製する過程で大量の二酸化炭素を排出しています。
また、製造過程で健康に悪影響を及ぼす有害物質を排出する恐れがあり、使用後に焼却すると  ダイオキシンなどの有害ガスを発生させるものもあります。

一方パルプモールド・バガス容器は、石油から精製をして作るものではないので二酸化炭素を排出しませんし、植物由来の原料のみなので製造過程で有害物質が発生することもありません。
また、使用後の製品を焼却しても有害ガスは発生しません。二酸化炭素は排出しますが
「カーボンニュートラル」の考え方により地球温暖化への影響はありません。

「カーボンニュートラル」とは、植物を焼却して排出される二酸化炭素は原料の植物が成長過程で吸収した量と等しいので、大気中の二酸化炭素の増減に影響を与えないという考え方です。

メリット③:土に還る

パルプモールド・バガス容器は全て植物由来の原料で作られ、成形の際も接着剤を使用していないので、仮に自然界に流出しても微生物による分解で土に還ります。

プラスチックは自然界に流出した場合、長い年月をかけ衝撃や劣化により微細化はしますが完全に分解することはなく半永久的に自然界に残り続けますので、この点からもパルプモールド・バガス容器は環境負荷の少ない容器と言えます。

2020年10月の北九州市立大学の研究発表によると、土壌中に埋めたバガス容器は90日後には約60%が自然分解し土壌環境中において数ヶ月で十分分解が可能であることが明らかとなりました。

デメリット:強度が弱い

パルプモールド・バガス容器のデメリットとして強度が弱い点が挙げられます。
原料が植物由来なので紙容器と同様の特徴があり、復元性が低いので外部から強い力が加わり変形した場合もとの形に戻すことが難しいです。また、湿気の多い環境で使用すると変形してしまう可能性があります。

しかし、最近では耐水・耐油加工された商品や内側にフィルムを貼った商品も発売されているので、使用する用途にあわせて商品選択することで強度面の問題を解決することが十分可能です。

おすすめのバガス容器

近年、食品容器としてパルプモールド・バガス容器が注目され始めたことにより各社から多くの商品が発売されています。今回紹介する商品は株式会社パックスタイルのバガス容器です。
パックスタイル製のバガス容器は大きく「BBシリーズ」「ABシリーズ」「WBシリーズ」の3種類があり、鮮魚・精肉・青果・惣菜・テイクアウトと幅広い使用シーンを想定した豊富な商品ラインナップを取り揃えているのが特徴です。

いずれの商品も100%植物由来の原料で作られているので生分解性があり土に還るので環境に配慮した商品です。

BB・ABシリーズ

BB・ABシリーズは、竹(Bamboo)とバガス(Bagasse)を原料として作られた容器です。

BBシリーズは竹90%とバガス10%、ABシリーズは竹10%とバガス90%を原料としており、漂白をかけていない、温かみのある風合いで弁当やハンバーガーなどと相性抜群です。

バガス容器でよく見るテイクアウト用のクラム型容器以外にも、寿司容器やオードブル容器などの珍しい商品や、米の貼り付きを防止するPLAフィルムをラミネートした商品、中身が確認できる窓付き商品など計40種類以上の商品を取り揃えており、電子レンジ対応の為あらゆるメニューで使用していただくことが可能です。

WBシリーズ

WBシリーズは麦(Wheat)のわらとバガス(Bagasse)を原料として作られた容器です。

麦とバガスの配合割合により色合いが異なり、50%ずつ配合した場合は麦の繊維の風合いが出て 野菜や果物などの青果物と相性が良く、麦5%、バガス95%で配合した場合は白を基調とした風合いとなり弁当容器として適しています。

弁当容器やテイクアウト用の容器の内側にはPLAフィルムがラミネート加工することで耐油性・ 耐水性が向上し、米の貼り付きも防止しています。
WBシリーズの容器も全て電子レンジ対応なので安心して使用して頂けます。
お惣菜の容器としても活躍しています。

環境に配慮したパルプモールド容器を導入しよう

科学の進歩と急速な開発により私たちの生活は便利で快適なものとなりましたが目先の利益を追求し続けた結果、多くの環境問題が発生しています。
今後さらに世界中の消費者の間で海洋プラスチック問題やSDGsの関心が高まることが予想され、世界全体で改善に向けた取り組みを行う必要があります。

2020年には日本でもレジ袋の有料化が施行され、今まさにプラスチックから環境に配慮した容器・資材への切り替えが求められています。
そんな中いち早くパルプモールド・バガス容器に切り替えることで、企業・店舗のイメージアップだけでなくビジネスチャンスの拡大が期待できますので、特徴を正しく理解し、導入を検討して みてはいかがでしょうか。

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