PAD印刷とは?
PAD(パッド)印刷とは、インクをシリコンパッドに転写しスタンプのように被写体に印刷を行う印刷手法です。
主にワンポイントの印刷に特化しています。
最大の特徴は、柔らかいシリコン製パッドを使用することにより、曲面や凹凸のある立体物に印刷ができることです。
さらに、他の印刷手法と比較して、細部まではっきりと印刷することが可能です。
オリジナルのデザインで商品のイメージアップへ
「オリジナルのデザインを食品容器に印刷したい!」と思われたことのある、飲食店の経営者や農家の方は多いのではないでしょうか?
しかし、食品容器へのオリジナルの印刷は、「オリジナルの印刷価格の1枚当たりの価格」や「1回の製造LOTが多い」などの問題が多数あります。
この記事では、オリジナルのデザインを食品容器に印刷したいとお考えの方に向けて、小ロット・ワンポイント印刷が可能なPAD印刷の特徴を紹介します。
PAD印刷が使われている製品
「PAD印刷」は、身の回りにある多くの商品に使用されています。
身近な物では、パソコンのキーボードの文字や、電卓の数字の印刷に使用されています。
その他には、ボールペン、時計、車のハザードボタンなどにも使用されています。
PAD印刷のメリットとデメリットの紹介
PAD印刷は、柔らかいシリコンパッドを使用して、スタンプのように押し付けて印刷をします。
特殊な印刷方法であるからこそ、PAD印刷に向いている容器やデザインは限られています。
ここからはPAD印刷のメリットとデメリットを紹介します。
メリット①:曲面、凹凸面の印刷を綺麗に仕上げることが可能
弾力のあるシリコンパッドが、曲面や凹凸面、凹面の内側底面にも密着し印刷できます。
他の印刷方法では実現できない、パッド印刷の一番の特長です。
曲面印刷(球体)
プラスチック蓋(凹面の内側底面)
メリット②:細部まではっきりとした印刷が可能
細かな印刷や半調刷り※により濃淡の表現が可能です。
また、インクの乾燥が早いため、連続印刷(多色印刷・重ね打ち)が可能です。
※印刷濃度を50%程度に下げ、暗い部分を明るく印刷する手法
下図のワインのデザインのように、細かな文字や陰影を高精度に表現することができます。
デメリット①:広範囲に印刷ができない
シリコンパッドのサイズが限られており、広範囲へは印刷ができません。
パックスタイルのPAD印刷は、容器の種類やデザインによりますが、最大50mm×50mmの大きさとなります。
そのため、PAD印刷はワンポイント印刷に特化しています。
デメリット②:ベタ塗りができない
PAD印刷は、インクをシリコンパッドに転写し、スタンプのように被写体に印刷を行うため、印刷手法上、広いベタ面はインクが均一になりにくく、印刷にムラができることがあります。
塗りつぶしになるようなデザインは、避けていただくことで仕上がりがきれいになります。
主にPAD印刷と比較検討される印刷方法
印刷手法は全くの別物ですが、「グラビア印刷」と「シルク印刷」は、PAD印刷と比較されることが多いです。
それぞれ得意な点、不得意な点がありますので、使用目的にあった印刷手法を選択してください。
グラビア印刷
名前の由来は、雑誌のグラビア写真を印刷していた方法であったことから、グラビア印刷と呼ばれるようになりました。
微細な濃淡が表現できるため、写真画像など細かな印刷に適しています。
版ができるまでには時間がかかりますが、耐久性が高く、印刷スピードが早いため、大量印刷に適しています。
グラビア印刷はプラスチック容器の場合、成型前のフィルムまたはシートに印刷をします。
その為、成型によって伸びが複雑な側面等への印刷には向きません。
また、平面でも多面取りしている成型品では印刷位置や伸び方が一定でないので印刷が均一にならない場合が多いです。
成型後の定位置の印刷手法であるPAD印刷やシルク印刷とは、この点が大きく異なります。
メリット
- 大ロット印刷に向いている。
- 版製作時に凹版部の深さ・形状に融通が利くため、インキの転移量の幅が広く、細かい濃淡の表現を再現することに優れている。
デメリット
- 製版が複雑でコストが高い。
- 側面や凹凸面への印刷は不向き。
シルク印刷
シルク印刷とは、シルクスクリーン印刷とも呼ばれ、インクをナイロンやポリエステルなどの樹脂で作った穴を開けた版板(スクリーン)に擦り付けて文字や絵を印刷する方法です。
スクリーンの素材は、もともと絹(シルク)であったため、シルク印刷という名称がつけられました。
メリット
- 版代は色ごとにかかるが、数量が多いほど低コストで大量生産ができる。
- 紙や布に加えて、金属や樹脂など多くのものに印刷を施すことができる。
デメリット
- 平面又はロール状の物にしか印刷できない。
凹面にもシルク印刷は出来ますが、版が入るサイズの平面が確保された物にしか印刷できません。下の容器の蓋のように、凹凸面があると印刷できません。
印刷手法 比較表
ご紹介した3種類の印刷手法を表にまとめました。
パックスタイル製品のPAD印刷を用いた事例
パックスタイルでは、容器へ印刷する数ある印刷手法の中から、小ロット・ワンポイント印刷に特化したPAD印刷を活用しております。
これまでに、PAD印刷を活用した容器を、多くのスーパーマーケットや、飲食店でご採用頂いております。
パックスタイルのPAD印刷の特長は大きく2点あります。
①角型容器の側面に細かい図柄が印刷できる
日本では非常に珍しい成型後の角型容器へ印刷が可能です。
②小ロット印刷に対応
別注印刷の製造ロットは、印刷方法や容器の形状により大きく異なります。
パックスタイルの角型容器の側面印刷は、製造ロットが約1万枚ですので、在庫リスク低減につながります。
グラビア印刷
シートから印刷するグラビア印刷では、製造ロットが10~20万枚程度です。
※製品サイズにより変わります。
容器の曲面印刷
製造ロットは、5万枚程度です。
季節性の食品を入れる際に活用
透明の容器にワンポイントで、季節に応じたイベントの印刷をするだけで、汎用の透明容器が行事専用容器に早変わりします!
各季節の行事を印刷したカップをご用意しております。
※納期は、版下確定後約1ヵ月かかります。
イベントデザインのPAD印刷過去事例
自社ブランドをアピール
蓋や側面にブランド名や企業名、さらには商品名やキャッチコピーの印刷をすることで、透明容器が食材を引き立てるおしゃれな容器へと変身します。
PAD印刷は、カットフルーツやミニトマトを入れる容器に向いており、「細かくはっきりとしたデザインが可能」という長所を活用できます。
一部バガス容器への印刷も可能
PAD印刷は、環境にやさしいバガス(サトウキビの搾りかす)容器にも活用できます。
バガス容器は耐油・耐水仕様のため、直接食品を入れても油漏れなどの心配がありません。
※ご飯はこびり付くのでクッキングシート等を敷いて下さい。
バガス容器について詳しくはこちらに掲載しております。
商品仕様
天面への50mm角が目安です。
※天面以外の印刷や、その他ご要望がありましたら、別途ご相談ください。
「名入れスタイル」でのご注文も承っております
ご紹介した食品容器の名入れについては、折兼が運営する「名入れスタイル」をご覧ください。
お持ち帰り袋や食品消耗資材、さらには店舗の備品まで名入れ可能です。
透明容器や、パックスタイル一押し!エコでおしゃれなバガス容器への印刷をご希望の方は、ぜひ名入れスタイルから詳細をご確認ください。
PAD印刷を活用して、商品のイメージアップに繋げよう!
食品容器への印刷手法には、多くの種類があります。代表的な印刷の種類として、「PAD印刷」「グラビア印刷」「シルク印刷」が挙げられます。それぞれの印刷手法にはメリット・デメリットがありますので、特徴を正しく知ることが大切です。
パックスタイルが導入している、PAD印刷の主なポイントは、下記4点です。
- 1万枚から別注可能な小ロット印刷対応
- ワンポイント印刷が可能
- 細部までこだわったデザイン
- 曲面や凹凸面への印刷が可能
パックスタイルは、PAD印刷を活用して、「凸部に印刷したい」、「小ロットでの印刷をしたい」などのお客様のご要望にお応えしてきました。
PAD印刷で、ワンポイントの印刷をすることで、他社商品との差別化に繋げることができます。
PAD印刷に限らず、容器の印刷に関するご要望ありましたら、数ある印刷手法の中から最適な手法をご提案させて頂きます。ご相談、お問い合わせ下さい。