冷凍弁当の導入で悩みを解決
お昼や夕方など、弁当がよく売れる時間帯は比較的短いのではないでしょうか?
お弁当は、販売を予測し製造、又はお客様の注文を受けてから製造しています。
その中で、
- 日によって売れ行きが大きく違うことや、消費期限が非常に短いことで、廃棄ロスが発生する。
- 通販や宅配弁当などの販路拡大を模索しているが、有効手段が見つかっていない。
といった声が、弊社に多く届いています。
そこで、このような弁当製造のお悩みを解決する手段の1つとして、「冷凍弁当」をご紹介します。
冷凍弁当は、新たな販路拡大による売上アップや、業務効率化によるコストダウンが可能です。
この記事では弁当を製造している方向けに、冷凍弁当の基本的な説明から、冷凍弁当におすすめの容器まで分かりやすくご説明します。
冷凍弁当とは?
冷凍弁当とは、明確な定義はありませんが、「冷凍食品の詰め合わせ」のことです。
多くの方々は、食事の一部に「冷凍食品」を使うことがあると思います。
例えば、唐揚げや餃子などの惣菜が人気商品となっております。
そのため、冷凍食品=おかずのイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
この記事で紹介する冷凍弁当は、メインの料理といくつかの副菜がひとつの容器に入っているタイプを指します。
近年の冷凍食品は、1食分を手軽にバランスよく済ますことができる上、冷凍技術の進歩により、味付けも大きく向上しています。
近年注目されている冷凍弁当
大手スーパーマーケットやインターネット通販などで冷凍弁当を見かけることも多いのではないでしょうか?
新型コロナウイルスの影響で、休日における外出の減少、さらには企業のテレワーク推進により自宅で食事を取ることが多くなっています。食事を作る手間がかからず、保存期間が長い冷凍弁当は、一人暮らしの方や、健康志向の方、ご高齢の家族向けに今非常に人気となっております。
冷凍弁当の主な魅力は3つあります。
- フードロスの削減により、損失減少を可能に!
- 多様なニーズを持ったお客様への販路拡大が可能に!
- 冷凍技術が進化し、美味しい冷凍弁当が製造可能に!
次の章では、冷凍弁当の3つの魅力を詳しくご説明していきます。
メリット1. フードロスによる損失を減らせる
フードロスとは、「まだ食べられるのに食品が捨てられてしまうこと」を言います。
日本では、まだ食べられるのに廃棄される食品が522万トン(*1)あると言われております。
これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料援助量(2020年で年間約420万トン)の1.3倍に相当します。
ご家庭での食べ残しや使いきれなかった食材の廃棄、小売店など店舗での売れ残り、飲食店や製造会社でも期限切れなどが理由で、フードロスは毎日身近なところで起こっています。
そこで、冷凍弁当を導入することで、日によって売れ行きが大きく異なることや、消費期限が非常に短いことで発生していたフードロスを、大きく減らすことができます。
もちろんその理由は、冷凍することで食品の品質を長く保つことができるからです。
様々な研究や実験によると、冷凍食品は「-18℃以下の冷凍庫で温度変化をできるだけ少なくして保存した場合、素材や加工方法等にもよるが、8ヶ月から24ヶ月間は最初の品質が保たれる」(*2)という結果が出ています。
常温の弁当の消費期限が当日~数日後となっている点と比べると、冷凍弁当は消費期限が長く魅力ある存在のため、フードロスで悩まれている弁当製造業の心強い味方となり得ます!
メリット2. 多様なニーズを持ったお客様への販路拡大が可能に!
冷凍弁当は、常温よりも消費期限を長くすることができます。そのため、計画的に生産することで、大量に作り保存しておくことができます。
現在、冷凍弁当はインターネット注文での宅配を中心に、管理栄養士を始め、食と栄養のプロが考えた献立が多数展開されています。糖質はもちろん、カロリーや塩分の計算が綿密にされていますので、健康志向の方に強く支持されています。
計画的な生産でこだわりを詰め込んだ冷凍弁当を製造することで、健康志向の方だけでなく、新たな顧客層に訴求することも可能です。
メリット3. 急速冷凍技術により、美味しい冷凍弁当が製造可能に!
冷凍する際に、栄養や美味しさをキープする鍵は、「最大氷結晶生成帯(-1℃~-5℃)を早く通過させることができるか」です。
最大氷結晶生成帯を、30分以内に通過して凍結することを「急速冷凍」と言います。
急速冷凍で使われている食材の代表に、お肉が挙げられます。
お肉は通常の冷凍庫で冷凍、解凍を行うとドリップが出てしまいます。
解凍時に出るドリップの中には旨味成分や栄養が入っているので、解凍したお肉の味は落ちてしまいます。
しかし、急速冷凍されたお肉なら細胞の組織を壊さず冷凍できるので、解凍しても旨味成分や栄養が残った状態で美味しく食べることが可能になりました。
希少部位やブランド牛を広くインターネット通販等で拡販するために、美味しさと品質保持期間を伸ばすことができる急速冷凍を活用する事例がよく見られます。
お肉だけでなく、冷凍弁当にも急速冷凍を活用して冷凍することができます。容器+トップシール、容器+ピロー包装、容器+真空包装を組み合わせて、販売する手法が今のトレンドになっています。
冷凍弁当の容器にはどのような機能が必要?
長時間のレンジアップや、冷凍するための耐寒性など、常温の弁当に比べ、冷凍弁当の容器に求められる機能は、多岐に渡ります。
- 通常より長いレンジアップが可能な耐熱性
- 運送中の容器割れを防ぐ耐寒性
- 地球にやさしい容器の活用
弁当容器の材質別、冷凍適正について
弁当の容器によく使われている材質について、ご紹介します。
容器の材質は、大きく分けて①プラスチックと②紙・バガスに分類することができます。
容器を冷凍弁当で使用する際、間違った使い方を避けるため、材質の特徴をよくご理解くださるようお願いします。
また、同材質でもトレー形状・シート厚みなどにより下記性質とは異なる場合があります。サンプル及び現品にてご確認頂きますよう、よろしくお願いします。
①プラスチック
弁当の容器に使用されているプラスチックの材質は、主にPS(ポリスチレン)、PSP(発泡ポリスチレン)、PPF(フィラー入りポリプロピレン)、発泡PP(発泡ポリプロピレン)の4種類があります。
①耐熱性 | ②電子レンジ | ③輸送中の破損を防ぐ耐寒性 | ④環境への対応 | |
PS(ポリスチレン) | 80℃まで | × | ○ | × |
PSP(発泡ポリスチレン) | 80℃まで | × | ○ | × |
PPF(フィラー入りポリプロピレン) | 130℃まで | ○ | ○ | × |
PP発泡(発泡ポリプロピレン) | 130℃まで | ○ | ○ | × |
②紙・バガス容器
紙自体は火をつければ簡単に燃えてしまいます。
しかし、熱だけの場合は、200℃くらいであれば燃えないので、十分な耐熱性があります。
また、段ボールでの冷凍輸送等で十分な使用実績があることから、紙の耐寒性は十分にあります。
耐熱・耐寒共に問題が無い紙・バガスの容器ですが、選ぶ際に注意点があります。
それは、紙・バガスにどのような耐水加工がされているかです。
紙・バガス自体には耐水性が無いため、何らかの形で耐水加工を施す必要があります。
耐水加工に使用する素材によっては、レンジアップが不可になってしまうこともあります。
紙と耐水加工のフィルムの組み合わせ別に、特徴を説明します。
- 紙・バガス容器(PEコーティング)
紙コップに代表されるように、紙にPE(ポリエチレン)を塗布している容器も多いです。
メリット:安価
デメリット:レンジ不可 - 紙・バガス容器(PLAフィルム貼り)
PLA(ポリ乳酸)フィルムは、植物由来かつ生分解性があるため、環境にやさしいフィルムです。
パックスタイルでは、PLAフィルムを貼っている容器を多数取り揃えております。
メリット:植物由来かつ生分解性のある素材で環境にやさしい
デメリット:高価、トップシールのフィルムの選択肢が限定的 - 紙・バガス容器(PETフィルム貼り)
PETフィルムを貼った場合、耐熱温度を220℃まで高めることができます。
メリット:耐熱性をより高めることができる
デメリット:シールの強度が強くないことがあり、注意が必要
①耐熱性 | ②電子レンジ | ②輸送中の破損を防ぐ耐寒性 | ③環境への対応 | |
紙・バガス容器(PEコーティング) | 60℃まで | × | ◎ | 〇 |
紙・バガス容器(PLAフィルム貼り) | 130℃まで | ○ | ◎ | ◎ |
紙・バガス容器(PETフィルム貼り) | 220℃まで | ○ | ◎ | 〇 |
冷凍弁当におすすめのバガス容器について
パックスタイルでは、バガス製の弁当容器を多数取り揃えております。
今回は、BB(竹・バガス)弁当とWB(麦・バガス)弁当、BB(竹・バガス)デリを紹介します。
BB弁当シリーズ
BBとは、Bamboo(竹)+Bagasse(バガス)から取った略称で、竹とバガスから作られたパルプモールド容器です。
耐油・耐水性を向上させるために、植物由来のPLAフィルムを貼り合わせています。
自然本来の温かみのある風合いが弁当や惣菜とよく合います。
※ラミ製品で使用しているPLAフィルムは、コンポストなど一定の条件下で生分解されます。
WB弁当シリーズ
WBとは、Wheat(麦)+Bagasse(バガス)から取った略称で、 麦の外皮とバガスからできたパルプモールド容器です。
耐油・耐水性を向上させるために、植物由来のPLAフィルムを貼り合わせています。
白色を基調としており和洋中問わずさまざまなメニューと相性が良いです。
※ラミ製品で使用しているPLAフィルムは、コンポストなど一定の条件下で生分解されます。
BBデリシリーズ
バガス容器に耐熱性のあるPETフィルムを貼り合わせたBBデリには3つの特徴があります。
※PETラミ製品で使用しているPETフィルムには生分解性はありません。
- 竹とバガスを使用した環境にやさしい植物由来のエコ容器
BBデリは、成長の早い竹と本来廃棄されるはずだったバガス(サトウキビの搾りかす)の混合素材からできた、植物由来の業務用・使い捨てテイクアウト容器です。
自然界に流出しても微生物による分解(生分解)で、土に還る環境に優しいエコ容器です。 - 電子レンジや耐油性・耐水性も備える「安心」の性能
耐油・耐水性を備えているので、数多くのメニューに対応しています。また、耐熱性の高いPETフィルム加工をしているため、冷凍からレンジアップ、さらにはトップシールにも対応しています。※別途トップシール機が必要です。 - 3種類から用途に合わせて選択可能
BBデリは仕切りの異なる3種類をシリーズ展開し、使用するメニューに合わせて容器を選ぶことができます。
容器の購入なら「容器スタイル」へ!
冷凍弁当に使用する容器は、通販サイト「容器スタイル」で購入する事ができます。
容器スタイルでは、パックスタイルの製品以外にも様々な弁当容器を取り揃えています。
冷凍弁当で使用する容器の選定は、慎重に検討しよう
冷凍弁当は、冷凍技術の向上により、弁当の製造の事業者には多数のメリットがあります。
しかし、冷凍・解凍・レンジアップ、さらに輸送など、冷凍弁当に使用する容器には多数の機能が求められます。
そのため、冷凍弁当を検討する際は、必ず使用する食材を入れて、耐寒性・耐衝撃性・耐熱性のテストを行ってください。
今後、世界中でプラスチック容器削減の要求が見込まれます。
機能面や環境を考えて、冷凍弁当にエコな紙・バガス容器を採用している事業者も多いです。
これからの弁当販売の主流になり得る魅力を持った冷凍弁当を、機能面・環境面を考えて、エコな容器で使用することはいかがでしょうか?