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ピロー包装のメリット・デメリットは?ピロー包装機の種類も解説

2020.07.22

ピロー包装とそのメリット・デメリットを解説

ピロー包装とは一枚のフィルムを背中合わせで筒状にした状態でシールをし、指定の長さで底部をシールして切断した形状の包装形態で、この形が枕に似ているため、ピロー包装といいます。

この包装形態は製品の形状や長さに左右されにくく、トレーを使わずに高速で密封包装ができる機種もあるので、最も普及している包装スタイルです。メリットとしてガス充填を使って保存期間を延ばすことで、商品を運ぶ際の広域・国内での長時間流通が可能となります。

デメリットもあり、包装体の中は真空や無菌化はできないことと、包装時に微量の熱が掛かるため熱に弱い製品は向いていません。この記事では、ピロー包装のメリットやデメリットと合わせ、包装に必要な機械(ピロー包装機)について説明していきます。

ピロー包装とは

ピロー包装とは製品がピロー(枕)に似た形に包装されるため、この名前が付きました。食品包装でも良く使われており、おにぎりや菓子パン、袋入りのインスタントラーメンなどの包装がピロー包装です。

ピロー包装で使用する包装機は1930年代にアメリカで開発され、日本国内ではインスタントラーメンと共に開発が行われました。本格的に生産されるようになってから50年以上の歴史があり、多くの市場に投入され活躍しています。

フィルムの包装形態 ピロー包装の種類

ピロー包装の構造として、まずフィルムがローラーにより送り出され、製袋機で筒状をつくり、センターをシールします。その後中身を充填・装填しつつエンドをシールすると同時にカットして密封します。

この時の形がサイドにシール跡がなく、枕(ピロー)のような形をしているのでピロー包装といいます。背面シールを立てると両手を合わせた形になるので合掌袋ともいいます。ピロー包装を応用した包装方法でシュリンク包装、ガス充填包装などもあります。

横ピロー

医薬品や食品の包装に多く使われる

様々な包装方法がある中でもピロー包装は良く使われており、スーパーやコンビニなどに置いてあるおにぎりや菓子パン、お弁当、インスタント麺やシュウマイ・餃子といったトレーに入った冷凍食品、袋に入っている飴や箱で包まれているキャラメルなどはピロー包装で作られています。

他にも薬局に置いてある医薬品の包装にも使われており、薬の防湿性をより高めるために、PTP包装やSP包装をした医薬品を、さらにポリエチレンなどで二次包装しています。

PTP(press through pack)包装
薬を包装する方法の1つで、錠剤やカプセルをプラスチックとアルミで挟む方法。 プラスチック部分を強く押す事でアルミが破け、中の薬が1錠ずつ取り出すことのできる仕組みです。

SP(strip package)包装
薬を包装する方法の1つで、特殊加工したフィルムの袋に薬を入れ、シールして密閉する方法。 ストリップ包装ともいわれる。 この方法で薬を空気にさらすことなく保管できます。

ピロー包装のメリット・デメリット

食品包装で最もメジャーなピロー包装ですが、すべての食品に使用できるわけではなく、向き・不向きがあります。
ここでは、ピロー包装のメリットやデメリット説明していきますので、ピロー包装の特徴・特性を理解し、どんな製品にピロー包装が適しているかを確認していきましょう。

メリット①シュリンク包装で安全、便利に!

シュリンク包装は包装する製品の外周形状に沿ったタイトな包装形態に仕上がるので、一度開封したら復元できず、いたずら防止包装としての安全性が期待できます。

また、仕上がりが綺麗なため商品価値の向上に用いられるほか、シュリンクフィルムの特徴である収縮力による結束効果で複数製品のマルチパックにも利用されています。

シュリンク包装は主に下記のような製品を包装するのに使われています。
牛肉、豚肉、鶏肉、魚介、野菜などを載せたトレー、カップラーメン、ヨーグルト、ドリンク缶、四つ割の白菜、キャベツなど

シュリンク

メリット②ガス充填包装による広域・長時間流通が可能

ガス充填包装とは、袋内に窒素ガスや二酸化炭素(炭酸ガス)などの不活性ガスを充填し、袋内の酸素量を減らすことで、微生物の抑制や酸化の防止をすることを目的とした包装形態です。酸素による悪影響を抑え、加工食品などの鮮度保持や保存期間の延長を期待でき、それにより広域・長時間流通が可能となります。

ガス充填包装は主に下記のような製品を包装するのに使われています。
かつお節・ナッツ類・日本茶葉・潰れやすいチップス等のお菓子・煮干し・菓子パンなど

ガス置換

デメリット①真空や無菌化はできない

ピロー包装、シュリンク包装、ガス充填包装は空気を含んで包むため包装内の真空化はできません。空気に触れさせたくない製品は真空包装機やそれに対応した包装機が必要です。

ピロー包装、シュリンク包装、ガス充填包装が向いていない製品は以下の通りです。
油を使った酸化しやすい揚げ物(かりんとうやコロッケなど)、加工した食品(ウインナーやソーセージなど)

デメリット②包装時に熱がかかる

ピロー包装時にエンド部でフィルムを圧着する時に熱がかかるため、チョコレートやキャラメルなど、熱が悪影響になる製品の包装はあまり向いていません。ただし、熱の影響を受けにくい横型逆ピロー包装機などもあります。

ピロー包装機とはどのようなものか

ピロー包装機には複数種類があります。
大枠で分けた場合でも下記の3つの項目に分けられます。

  1. ピロー包装機 (縦型ピロー包装機・横型正ピロー包装機・横型逆ピロー包装機)
  2. シュリンク包装機(スリーブシュリンク包装機)
  3. ガス充填包装機(ガスフラッシュ包装機)

次の章ではそれぞれの包装機の特徴や工程内容について説明していきます。

ピロー包装機

ピロー包装機は、一枚のフィルムを背中合わせでシールして筒状にし、指定の長さで底部を溶着して切断した形状の包装形態です。この包装形態は被包装体の形状や長さに左右されにくく、トレーを使わずに高速で密封包装ができる機種もあり、食品や薬の包装用で最も普及している包装スタイルです。

ピロー包装機には縦型ピロー、横型ピローがあり、包装する製品で適した機械が変わります。

Pa-2005AN

シュリンク包装機

シュリンク包装機は、被包装品の外周形状に熱収縮フィルムを密着させ、タイトな包装形態に仕上げます。

《シュリンク包装機の工程》

  1. 熱収縮フィルムを使い袋に穴を開けて空気を抜く
  2. 後工程のシュリンクトンネル内の熱風でフィルムを収縮させる

食品包装以外ではCDやDVDケース、化粧品ボトル、文房具、集積包装などで使われます。

PS S5000Xhs-hsr

ガス充填包装機

ガス充填包装機は、包装内に不活性ガス(炭酸ガス・窒素ガス・酸素ガスなどの混合ガス)をフィルムに充填し、包装内のガス組成を人工的に変化させます。

ガス充填包装機の工程

  1. ガスを導入するパイプから不活性ガスを筒状にしたフィルムへ充填する
  2. 製品をコンベアより供給し、センターシール、エンドシールの工程を連続的に行う
PG FW3410GB

ピロー包装機の導入方法

包装機を導入時は考慮するポイントも多いため、どの包装機を選べば良いか悩間れる方も多いです。機械を選定する時は、専門の業者に相談することも検討しましょう。

折兼では記載してある全てのタイプのピロー包装機を取り扱っております。
実際にピロー包装機を導入する際には、是非一度お問い合わせ下さい。
お客様の要望を聞きながら、最適な機種をご提案致します。
その他の機械も取り扱っておりますので、お気軽にご相談下さい。

身近にあるピロー包装、導入にはピロー包装機が必要

ピロー包装とは一枚のフィルムを背中合わせで筒状にした状態でシールをし、指定の長さで底部をシールして切断した形状の包装形態で、この形が枕に似ているためピロー包装と呼ばれています。

《3つのメリット》

  1. 製品の形状や長さに左右されにくく、密封包装が可能。
  2. シュリンク包装をすることで、いたずら防止としての安全性を保ちつつ、商品価値の向上。
  3. ガス充填することで、保存期間を延ばすことができ、国内での広域・長時間流通が可能。

機械の種類は主に3つで、

  1. ピロー包装機 (縦型ピロー包装機・横型正ピロー包装機・横型逆ピロー包装機)
  2. シュリンク包装機(スリーブシュリンク包装機)
  3. ガス充填包装機(ガスフラッシュ包装機)

ピロー包装と包装機の特徴をしっかり理解して、ピロー包装のメリットを最大限に発揮させていきましょう。

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