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食品包装に印字をする方法は?新表示への対応は

2020.08.07

食品包装に印字をする方法はいくつかある

食品包装には名称や原材料名、アレルギーなどを必ず表示させなければならない『食品表示法』という法律があり、これを表示させるには食品包装に印字をする必要があります。
2020年4月から新表示に変わっている為、切り替えがまだ済んでない方は早急に対応が必要です。本記事では新制度で求められる表示内容・食品包装に印字する方法についてご紹介していきます。

2020年4月に食品表示法が新制度に完全移行しました

2015年4月より施行された新しい食品表示法は、5年の猶予期間を経て2020年4月に新表示になり、完全移行となりました。もともと食品表示のルールを定めていた法律は下記の3つありました。

・原材料や原産地、原産国について触れていた『JAS法』(品質に関する適正表示)
・添加物内容やアレルギーについて触れていた『食品衛生法』(衛生上の危害発生防止)
・栄養成分表示について触れていた『健康増進法』(国民の健康増進)

この3つの法律はそれぞれに表示ルールを定めていたので複雑でわかりづらいものでした。これを分かりやすく統合したのが『食品表示法』です。
食品表示法が施工されることによって何が変わったのかを次の章で説明します。

食品表示法

新制度で求められる表示内容

新しくなった食品表示法の制度には大きく分けて11の変更点があります。

  1. 加工食品と生鮮食品の区分の統一
  2. 製造者固有記号の使用に係るルールの改善(※)
  3. アレルギー表示に係るルールの改善(※)
  4. 栄養成分表示の義務化(※)
  5. 栄養強調表示に係るルールの改善
  6. 栄養機能食品に係るルールの変更(※)
  7. 原材料名表示等に係るルールの変更(※)
  8. 販売用に供する添加物の表示に係るルールの改善(※)
  9. 通知等に規定されていた表示ルールの一部を基準に規定
  10. 表示レイアウトの改善
  11. 経過措置期間

このように食品表示法の実施と共に11の制度に変更がありました。
そして、この中で印字に関係するのは、※印の6項目です。
変更内容について詳しく知りたい方は消費者庁ホームページをご参照ください。

罰則もあるので十分に注意して対応する

食品表示の基準を守らなかった場合、国による指示や命令が出されて、その事実が公表され、最大で3年以下の懲役や300万円以下の罰金、法人なら3億円以下の罰金が科せられるなどの罰則があります。
法的な罰則以外にも、製品の回収や謝罪などに時間と費用がかかる上、社会的な信用を失うなど、事業継続が困難となるといったデメリットも考えられます。

食品表示法の執行の流れ

食品包装に印字をする方法

これらの基準を守る為に食品包装への印字やラベルを貼り付けるといった方法があります。
はじめに、食品包装に印字をする方法を3つ説明します。

  1. インクジェットプリンタ
  2. サーマルプリンタ
  3. レーザーマーカー

この3つの違いは何か?メリット・デメリットは何か?これらを次の章でご説明します。

1.インクジェットプリンタ

インクジェットプリンタ

インクジェットプリンタは、粒子化したインクを直接用紙に噴きつけて印字する方法を用いた機械です。家庭用プリンタは主にインクジェットプリンタが使われています。

メリット
①ラインに組み込みやすい
②必要な分だけ印字するのでロスが少なく、ランニングコストが安い
③非接触で噴きつけの為、凹凸のある包装紙にも印字が可能


デメリット
①使う頻度が少ないとインクが詰まりやすい
②大量に印字をする場合、インクの交換回数が多くなり、コストが悪くなる
③インクの種類によっては水などで色が滲む

2.サーマルプリンタ

卓上プリンター

サーマルプリンタは、印字したい内容を熱を加えて表示させる方法を用いた機械です。
サーマルプリンタの印字方法には専用の紙に直接印字する感熱式と、インクリボンを用いて印字する熱転写式の2種類があります。お店で渡されるレシートや、新幹線のチケットなどは主にサーマルプリンタが使われています。

メリット
①小型軽量に適した簡易的な構造のためコストが低い
②食品包装機に取り付け易い構造
③印字できる文字の種類が豊富


デメリット
①インクリボンが高価
②感熱式の専用の紙は時間が経つと色褪せたり、変色しやすい
③熱転写式はプリンタが大きくなる

3.レーザーマーカー

レーザーマーカー

レーザーマーカーとは、高エネルギー密度のレーザー光を使い対象物の表面に印字する方法を用いた機械です。最近ではPETボトルなどのLOT番号の印字はレーザーマーカーが増えてきています。

メリット
①表面加工の為、印字された文字などは半永久的に残る
②インクなどの消耗品がないため、導入後は低ランニングコスト
③レーザー光による高精度なマーキングの為、陰影が明瞭で小さな文字でも判別可能


デメリット
①導入費用が高い
②人体保護装備や安全予防対策、レーザー安全管理者が必要
③一度印字したものは消せない (再度上から照射する必要がある)

食品包装にラベルを貼る方法

食品包装に印字する方法とは別に、既にデザインがプリントされたラベルを貼り付ける方法もあります。その際にはラベルプリンタ(ラベラー)が必要となります。この章ではラベルプリンタについてご説明します。

ラベルプリンタ

ラベラー

ラベルプリンタとは、製品価値を高める、状態を保護するなど様々な目的のために製品にラベルを貼る作業を行う自動供給装置のことです。ラベラー、ラベル貼り機、ラベリングマシンとも呼ばれます。

メリット
①様々な製品や材質に対応
②初期コストが安い
③視認性、デザイン性のある複数の内容を一括表示できる


デメリット
①剥がれる、剥がされる
②表示内容やレイアウトの変更時に新しく作成が必要
③ラベル台紙などのゴミが出る

食品包装への表示は利用者にとっても重要な情報

比較表

2020年4月に新しい食品表示法が施工され、印字されたデータは利用者にとって、より大切な情報となりました。印字方法も複数ある中でどれを選べばいいか悩まれると思います。
本記事では各プリンタの特徴やメリット・デメリットについて記載してまいりましたが、扱う製品によって適したプリンタは変わってきます。最後に各プリンタの比較表を明記しますので、プリンタ選びの参考にご活用ください。

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