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宅配もできる冷凍弁当の始め方をご紹介

2022.10.07

なぜ宅配冷凍弁当なのか?

コロナ禍で「食」を取り巻く環境は、大きく変化しました。
非常事態宣言下では、外出の自粛、外食・レストランの営業時間の短縮もあり、テイクアウトやデリバリーサービスも伸長しました。
 
一方で、2020年の国税調査において、一般世帯のにおける1世帯当たりの人員は 2.21 人で 2015 年に引き続き減少となっており、高齢者のみの世帯や一人暮らし世帯も増加しています。
また、共働きの世帯が増え、料理をじっくり作ることよりも、料理を手早く簡単に用意することが重要視されるようになりました。

特に、何食分かを一度にまとめて届ける宅配冷凍弁当は、手軽さはもちろんのこと、賞味期限も長いことから、一人暮らしや共働き世帯にピッタリの形態です。 
それでは、宅配冷凍弁当を始めるには、どのようなことが必要でしょうか。 
宅配冷凍弁当の市場動向から、急速冷凍機の選び方、冷凍弁当用パッケージの注意点など解説していきます。

宅配冷凍弁当の市場とは?

冷凍弁当

インターネットで「冷凍弁当」と検索すると、既にさまざまなサービスが展開されています。
単身世帯や共働き世帯にとって、宅配冷凍弁当はどのような存在なのでしょうか。

栄養バランスが計算されている
管理栄養士によるメニュー設計がされていますので、バランスの良い食事を摂ることができます。

手間が掛からず大幅な時短ができる
宅配なので、買い物に行く手間がなくなります。
電子レンジで温めるだけなので、調理の手間が省けます。

コンビニ弁当と同程度の価格である
まとめ買いするとコンビニ弁当を下回る価格にもなります。

半年以上の長期保管ができる
冷凍技術の進歩で、時間が経っても美味しく、好きな時に食べられます。

メニューが豊富
複数の宅配冷凍弁当サービスを利用すると、飽きることなく続けられます。

このように、単身世帯や共働き世帯にとって宅配冷凍弁当は、大変重宝されているサービスとなっています。 今後、宅配冷凍弁当を始められる方は、上記5点を押さえることが大切です。

特化型宅配冷凍弁当が人気

ひとくちに宅配冷凍弁当と言っても、メニューの種類は様々です。
どのメニューも栄養バランスが良いことはもちろんですが、ターゲットを明確化した特化型の宅配冷凍弁当サービスも人気です。

特化型は、主に【ヘルシー】【ダイエット】【制限食】【シニア】の4つに分けられて、それぞれのターゲットや弁当の内容も明確化されています。

特化型冷凍弁当の特徴

【ヘルシー】
「バランスの良い食事」や「不摂生な食事を見直したい」人をターゲットにした冷凍弁当は、低糖質、減塩など、健康的な食事として食材や献立のバランスを考えて作られたものが多く、健康に気を遣いたい人や、不摂生な食生活を見直したい人に向けたものとなっています。
弁当の中身も、「塩分2g~3g前後」や「成人1食分の適切なカロリー(おかず250kcal前後)」で調整されていることが多いです。

【ダイエット】
「ダイエット」や「筋トレ」をターゲットにした冷凍弁当は、低糖質、高タンパク質に特化した作りになっているものが多く、理想とするカラダづくりを目指す人や、糖質を抑えたい人、トレーニング用の食事管理や出産後の女性に向けたものとなっています。

【制限食】
塩分や糖質、たんぱく質など特定の栄養素を制限した冷凍弁当は、自宅療養中の人や、制限をしつつ美味しい食事を摂りたい人などに向けたものとなっています。
「制限食」とは、体の悩みに合わせて特定の栄養素を計算されて作られた冷凍弁当です。制限される栄養素は主に「糖質」「塩分」「たんぱく質」「カロリー」の4パターンに分かれていることが多いです。

【シニア】
高齢者向けの弁当は、「やわらか食」といって噛み潰しやすく、飲み込みやすい工夫がされていることが特徴です。また、味つけも高齢の方の好みに合わせて和食中心のものが多いです。
柔らかい食事には、「刻み食」「ソフト食」「ムース食」の3タイプがあります。

急速冷凍技術を活用

冷凍弁当のメリット

調理現場において、冷凍弁当の利用にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

  • 調理面
    下(前)処理が施されているため、食事(提供)前の調理が簡単に済み、調理作業が容易になるため、調理時間を大幅に短縮できます。
  • 品質保持面
    素材を新鮮なうちに急速冷凍することで、新鮮さや風味、栄養素や色までもそのまま、長く保つことができます。
  • 安全面
    マイナス18℃以下の状態で冷凍されていることにより、食中毒の原因となる微生物(細菌・カビ)の活動・繁殖を抑えられます。
    また、微生物が活動できない低温で貯蔵している食品であるため、保存料などを使用しなくても長期保存が可能になります。
  • 衛生面
    不可食部分を取り除いてあるため、調理場汚染の原因となる生ゴミが発生しません。
  • サービス面
    長く保存でき、季節や場所に関係なく利用できるうえ種類も豊富であるため、食事の内容を豊かにできます。

急速凍結とは

冷凍食品の定義の中に、「急速凍結していること」という項目があります。

一般的な方法で凍結すると食品の細胞が劣化し、急激な品質の劣化を招いてしまいます。
食品中の水分は 1℃あたりから凍り始め、5℃程度でほぼ凍結して氷結晶になるのですが、この温度帯を通過する時間が長いと氷結晶が大きくなり、食品の組織を大きく損ねてしまうからです。

つまり、食品の組織の損傷を少なくするためには、この温度帯をできるだけ早く通過させる「急速凍結」が必要となります。
急速凍結とは、「食品に30℃以下の低温の冷気や液体で、おおむね30分以内のできるだけ短時間に最大氷結晶生成温度帯を通過して凍結させ、18℃以下まで冷却し保管する」というものです。

次の章では、急速冷凍技術の活用方法を紹介していきます。

冷凍する時の温度帯

急速冷凍で品質の向上

一般の冷凍方法(緩慢冷凍)では、どうしても味が落ちてしまい納得のいく品質を再現できないことがほとんどです。また、ドリップが出てしまう、変色してしまうことで商品価値が落ちてしまいます。
しかし、急速冷凍することで商品価値が落ちる問題を解決します。
さらに長期保存ができる、解凍するだけで簡単に食べられるなど、冷凍本来の強みを生かすことで商品に付加価値をつけることができます。

冷凍後、解凍した肉の比較

画像上:緩慢冷凍後に解凍(ドリップが出ている)
画像下:急速冷凍後に解凍(ドリップが出ていない)

出来たてを急速冷凍し生より新鮮で提供

通常、食品は製造されてからお客様が食べるまでに輸送なども含め数日かかり、その間食材の鮮度は少しずつ落ちてしまいます。
一方、急速冷凍は、冷凍した時点での品質を長期間維持することが可能です。
できたてを急速冷凍することで、冷凍していない商品以上に高い品質で提供することができます。
実際に冷凍した食品は冷凍していない食品と比べ、栄養素が多いという研究結果も出ています。

急速冷凍で人手不足の解消

急速冷凍であれば、製造後1年以上経った商品でもほぼ変わらない品質で提供できます。
そのため、仕込みから完成品まで幅広くまとめて作り保存しておくことができますので、空き時間を有効活用できます。

急速冷凍で生産効率の向上

手の空いた時に製造し急速凍結することにより、品質を保持できます。
閑散期に製造することにより、繁忙期に慌てず、待たせずに出来立てと同じ品質を提供することが可能になります。

急速冷凍機にはどんな種類があるのか

急速冷凍機は、大きく分けて「エアブラスト冷凍機」「ブライン冷凍機」の2種類があります。

エアブラスト冷凍機は、冷たい空気を吹きかけることで食品から熱を奪います。
ブライン冷凍機は、低温の液体に漬けることで食品から熱を奪います。

エアブラスト冷凍機、ブライン冷凍機ともに食品から温度を奪う媒体と、熱伝達を上げる要素が備わっているため、両者にさほど大きな差はありません。
 重要なのは、空気と液体どちらが冷凍したい食品の特性に合っているかということです。
 
エアブラスト冷凍機は、庫内の風の吹き方が均一でないため、食品の置く位置を考えて配置しなければ、食品内の温度の下がり方にムラができてしまいます。
 
ブライン冷凍機は、液体がまんべんなく食品に触れることで温度を下げることができますが、空気と同様で、食品に触れる箇所によってムラがでてしまうことがあります。
また、包装してから液体に漬ける必要があるため、包装することで変形してしまう場合は使用を避けた方がいいです。
 
急速冷凍機は、両方のメリットとデメリットをよく認識したうえで、冷凍したい食品に合わせて選びましょう。

宅配冷凍弁当用のおすすめの包装方法と種類とは

ここまでは、急速冷凍技術や急速冷凍機を紹介しました。
この章では、冷凍弁当におすすめの包装方法や種類を解説します。
 
そもそも冷凍弁当に合う包装方法とは、どのようなものがあるのでしょうか。
 冷凍弁当におすすめの包装方法は、以下の3つがあげられます。

  1. 真空包装
  2. スキンパック包装
  3. トップシール包装

真空包装

真空包装は、包装内の空気を吸引して脱気することで包装の内部を真空に近い状態で密封している包装形態です。三辺が熱シールされている三方袋や、チューブ状になったチューブ袋がよく使われます。
シール強度が高く密閉された袋のため、袋の外側にある酸素の侵入を防ぎます。

スキンパック包装

スキンパック包装は、商品と台紙の間をすき間なく熱で圧着することにより、完全に密封・真空包装することができます。
スキンパックは完全密封のため、食品から出るドリップを抑制することができ、食品の鮮度保持・賞味期限の延長が可能です。

トップシール包装

トップシール包装は、主にイージーピールとPETフィルムと呼ばれる材質のフィルムを使います。
イージーピールを使うことで、容器と蓋材のフィルムがはがれやすくなります。

冷凍弁当容器の材質

現状の宅配冷凍弁当容器とは

冷凍弁当

現在、多くの宅配冷凍弁当に使用されている容器の材質には、PPフィラー(フィラー入りポリプロピレン)プラスチックが使用されています。

PPフィラーは、ポリプロピレンにタルクを配合することにより、耐熱温度を130度までに高めた素材です。電子レンジ対応容器、耐熱食品容器として利用されています。

また、耐寒性も必要です。
プラスチックの特性上、-30度を下回ってしまうと、丈夫だったプラスチックは落とした衝撃でガラスのように簡単に割れてしまいます。これは、異物混入にも繋がりますので、注意が必要です。
 
宅配弁当容器はPPフィラーの容器にトップシールされているものが大半ですが、プラスチックの特性でもある密封性も高くなるため、「電子レンジで温めた際に水滴が食品に付いてしまい、あまり美味しくない」という声がありました。
 
宅配冷凍弁当の利用者からは、地域によって容器をきれいに洗い、資源ごみとして捨てなければならないので、ゴミの量が増えて困っているという意見もあります。

耐熱温度とは、それ以上熱を加えてしまうと容器が溶けることや、形を保てなくなくなってしまう温度のこと。

これからの宅配冷凍弁当容器とは

冷凍エコ弁当

地球環境問題の深刻化から、政府からの環境規制、海外市場のグリーン化、市場競争やグローバル化の進展により、企業経営の環境配慮へのシフトは余儀なくされます。
環境に取り組みをしている企業は、消費者に選ばれるだけでなく、自治体、地域住民からも信頼を得ることができ、投資家や金融機関へのアピールにもつながります。
 
エコ宅配冷凍弁当容器を使用することで、企業のイメージ向上にもつながります。
エコの宅配冷凍弁当容器や資材は、エコ以外の素材(石油由来のプラスチック製品)に比べるとコストは上がりますが、それでも、環境のためにエコ資材を選んで使うという前向きな姿勢は、誰から見ても納得、応援ができます。

それでは、エコな宅配冷凍弁当容器とは、どのようなものでしょうか。

環境にやさしいエコな「バガス容器」

ここでのおすすめは、「バガス容器」です。バガスとは、砂糖の生産過程でサトウキビから出る搾りかすのことで、全世界で年間1億トン以上発生し、通常はボイラー燃料、飼料、堆肥として活用されますが、余剰分は廃棄されています。
この本来捨てられていた材料を使用して作られたのが「バガス容器」です。
 
既存のPPフィラーのプラスチック容器からバガス容器に置き換えるだけで、プラスチックの使用量を削減できるだけでなく、PETフィルムをラミネート加工することにより、耐熱温度が220度となり、今まで冷凍弁当では提供できなかった料理も作れるようになり、メニューの幅も広がります。
※PETラミ製品で使用しているPETフィルムには生分解性はありません。

また、30度より下回ると割れてしまうプラスチックと比べ、バガス容器は植物の繊維質でできているため、割れることもないので異物混入対策にもつながります。
 
他にも、バガス容器を使った弁当の利用者からは、「レンジで温めた際に程よく水分が抜けるので美味しい」という声や、「加熱した状態で持っても容器が熱くない」「可燃ゴミとして捨てられるので、捨てやすい」という声もあります。

宅配冷凍弁当容器のポイント

ここまで、現状の宅配冷凍弁当容器とこれからの宅配冷凍弁当容器を紹介してきましたが、宅配冷凍弁当容器を選ぶ際のポイントを整理します。

  1. 耐熱温度・耐寒温度は、何度か
  2. 環境に配慮した容器か
  3. 利用者にとって、使いやすい・捨てやすい容器か

これからの宅配冷凍弁当は、味、カロリー計算、価格だけでなく、容器が利用者にとって使いやすいかどうか、環境に配慮しているパッケージなのかも、今後のサービスの選ばれる条件の一つになると思われます。

宅配冷凍弁当を始めてビジネスチャンスを拡大しよう!

ここまでで紹介したように「宅配冷凍弁当」のニーズはとても高まっています。

  1. 栄養バランスが計算されている
  2. 手間が掛からず大幅な時短ができる
  3. コンビニ弁当と同程度の価格である
  4. 半年以上の長期保管ができる
  5. メニューが豊富

このように、単身世帯や共働き世帯、高齢者世帯にとって宅配冷凍弁当は、なくてはならないサービスとなっています。
 ただ、差別化も難しくなってきますので、これから宅配冷凍弁当に参入される方は、SDGsやプラスチックスマートキャンペーンなどの環境に取り組む姿勢も正しく伝える必要があります。
 
どうしてプラスチック容器ではなく、このパッケージを使用しているのかなど、ストーリーで利用者に訴求することも必要です。
そして、その訴求が伝われば、これから展開する宅配冷凍弁当ビジネスは大きく成長していくと期待できます。

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