
「折兼バガスチャレンジ!」とは?

「折兼バガスチャレンジ!」とは、折兼が力を入れている「環境にやさしいバガス素材」が、自然の中で分解する性質を活用し、土に分解していく様子を実験する取り組みです。
バガス容器やカトラリー(食事で使ったものでもOK!)と埋める場所さえあれば、簡単にできる実験となっています。
現在は、SDGsキャンプや学校での課外授業などで小学生を中心に、たくさんの子ども達が「折兼バガスチャレンジ!」に挑戦してくれています。
バガスとは?

バガスとは、さとうきびの搾りかすを指しています。折兼では、バガスに竹や麦を混ぜることで容器を作っています。材料となるさとうきびの搾りかすや竹、麦の皮はもともと捨てられてしまうもので、それらを活用しています。
二酸化炭素の排出量を減らすことができる
バガスは100%植物から作られていて、石油を使用していないので、二酸化炭素の排出量を減らす効果もあります。
二酸化炭素の排出量を減らすことで地球温暖化を防止することができ、北極の氷が溶けてしまう異常気象や熱中症などの問題の解決にもつながります。
また、原料となる植物は成長段階で光合成をしており、ごみとして燃やす時に出る二酸化炭素は、光合成で植物の体内に吸収したものであるため、吸収する二酸化炭素の量と排出する二酸化炭素の量が同じである「カーボンニュートラル」という考えが成り立ちます。
※光合成:植物が成長するのに、二酸化炭素(CO2)と水(H2O)を吸って酸素を出すこと。
※カーボンニュートラル:二酸化炭素をいろいろな方法で吸収して、全体の量をゼロにする考え方。

さらに、バガス容器が作られてからごみとして処理されるまでの間に、プラスチックと比較して80%以上の二酸化炭素の量を減らすことができると言われています。
バイオマスプラスチックや紙など、他の環境にやさしい素材と比べても、バガス素材二酸化炭素排出量の削減効果が最も高いという結果もあります。
自然の中で分解する力を持っている
バガスは全て植物由来原料から作られており、もし風によって陸や海に飛ばされてしまっても、微生物の力で分解されます。
実際に、北九州市立大学と一緒に行った研究によると、土の中では約70日、海の中だと約150日で分解されることがわかっています。
一方で、プラスチックは一度流れ出てしまうと、細かくなることはあっても完全に分解されることは無く、永遠に自然界に残り続けてしまいます。
この細かくなって残り続けているプラスチックが、マイクロプラスチック問題につながっていると言われています。
「折兼バガスチャレンジ!」の実際の事例について
「折兼バガスチャレンジ!」は現在、SDGsキャンプや学校などたくさんのところで取り組んでもらっています。また、折兼の社内でも分解する様子の観察実験を行っています。
今回は、愛知県教育・スポーツ振興財団が主催するSDGsキャンプで実験した事例と、折兼の社内で行っている事例をそれぞれご紹介します。
「折兼バガスチャレンジ!」~SDGsキャンプ編~
愛知県教育・スポーツ振興財団では、愛知県内の小学生とその家族を対象に、定期的にSDGsキャンプや防災について学ぶキャンプなどをやっています。
その中でも3月、5月、6月に開催されたキャンプの3回シリーズでは「折兼バガスチャレンジ!」を開催していただき、参加した小学生やその家族にバガス容器が分解されていく様子を、シリーズにわたって観察してもらいました。
第1回のキャンプ ~使ったバガス容器を埋めてみよう~

「学び、実践しようSDGs!春休みの自然体感キャンプ」(2022年3月28日~29日)
このキャンプは、愛知県内に住む小学5,6年生を対象に、愛知県岡崎市にある愛知県青年の家にて1泊2日で開催されました。キャンプでは、となりにある愛知県立農業大学の見学や、段ボールで作ったピザがまでピザを焼くなどの飯ごう炊飯が行われました。
バガスの生分解性実験(実験初日)
2日間の食事で実際に使用したバガス容器を使って本当に土の中で分解されるのか、生分解性実験を行いました。
バガス容器は場所が違う3か所の土をそれぞれ集め、3つのポリバケツに分けて埋められました。
折兼バガスチャレンジ!SDGsキャンプ編のスタートです!
第2回のキャンプ ~1か月経過したバガスの様子を観察してみよう~

「学び、実践しようSDGs!春の自然体感キャンプ」(2022年5月7日)
このキャンプは、愛知県内の小学生とその家族を対象に、愛知県岡崎市にある愛知県青年の家にて、5月7日に開催されました。
キャンプでは、バーベキューや、誰でも楽しめるニュースポーツ「モルック」体験や、間伐材を使ったボールペン作りなど、家族で楽しめるイベントが盛りだくさんでした。
バガスの生分解性実験(39日経過)
前回のキャンプから開始した「折兼バガスチャレンジ!」の途中観察を行いました。
約1か月経過したバガス容器は、形状は残っていても、穴が空いていたり、柔らかくなっており、分解が進行していました。
容器を見た子供たちからは、「微生物の力でここまで分解すると思わなかった!」とコメントをいただきました。
第3回のキャンプ ~2か月経過したバガスの様子を観察してみよう~

「家族で学び、実践しようSDGs!自然体感キャンプ」(2022年6月11日~12日)
このキャンプは、愛知県内の小学生とその家族を対象に、愛知県岡崎市にある愛知県青年の家にて、6月11日~12日に開催されました。
このキャンプでは、バーベキューや、施設内にある植物の自然観察を行うとともに、さまざまなニュースポーツを体験する2日間となりました。
バガスの生分解性観察(75日経過)
一部、形が残っているものもありましたが、触るとすぐに崩れてしまい、容器の原形が無くなっていました。
「折兼バガスチャレンジ!」~社内で実験編~
折兼では、2022年6月13日から実験を行っています。
社内では、虫かごにバガスから作られたBBカトラリーを入れて、毎週月曜日に定期的に掘り起こして撮影を行い、分解の実験を行っています。
用意したのは、虫かごと土です。
土を採取する場所によって土に存在する微生物の量が変化するので、さまざまな場所の土を用意して、それぞれの分解スピードを実験することもおすすめです。
6月13日(1日目)
折兼バガスチャレンジ!スタート。BBカトラリーを埋めて分解の実験を行います。

6月20日(7日目)
少しやわらかくなっていましたが、形はしっかり残っていました。

6月27日(14日目)
形は残っていましたが、ふにゃふにゃでやわらかくなっていました。触るだけで簡単に曲がってしまいます。

7月4日(21日目)
触るだけでポロポロと形がくずれてしまいそうなくらい、やわらかくなっていました。

7月11日(28日目)
原形は完全に無くなっていて、それぞれがバラバラに分解された状態になっていました。

7月19日(36日目)
バラバラになった物がさらに分解され、小さくなっていました。

7月25日(42日目)
形状に大きな変化はないですが、触るだけでポロポロとくずれてしまうほど、先週よりもやわらかくなっていました。

8月1日(49日目)
大きく形が残っているもの以外は完全に分解されていました。

8月8日(56日目)
形が残っていたものも完全に分解がされていました。 ※他のシリーズの商品を同時実験中

このように、分解の様子を簡単に実験することができます。
分解していく様子を定期的に写真に収めると、分解の過程を記録に残すことができます。
バガスが分解するには、気温、湿度、使用する土の養分(微生物の量)の条件が関わっており、
温度や湿度が高いほど分解のスピードが速いことがわかっています。
※実験に使用するバガスのサイズや気候条件によって分解スピードが変わります。
大人の方へ
折兼では、さとうきびの搾りかすであるバガスと成長が早い竹、非可食部である麦の皮を有効活用して、100%植物由来の使い捨て容器やカトラリーを製造・販売しております。
これらのバガスシリーズは、微生物の働きによって土中で約70日・海洋で約150日・コンポストでは約1日で完全分解されることが証明されています。
折兼では、この自然で分解される性質を教育に活かし、生分解性実験を行う「折兼バガスチャレンジ!」に取り組んでいます。
この取り組みによって、環境にやさしい素材が存在することを子ども達に理解してもらうとともに、環境問題やSDGsについて考え、行動に移してもらうこと、環境にやさしい商品を選択するエシカル消費の意識を高めてもらうことを目的としております。
「折兼バガスチャレンジ!」は、バガス容器と土があれば親子で簡単に取り組むことができます。
夏休みの自由研究や親子での食育や環境問題に関する勉強として、ぜひご活用ください。
親子でSDGsについて学んでみよう
SDGsや環境問題と聞くと、難しいと感じてしまうことが多いかもしれませんが、実はとても簡単にSDGsや環境問題について学ぶことができます。
環境にやさしいものを選択したり、環境問題について考えて、情報発信をしていくことも大切な取り組みです。

SDGsや環境問題について学んで、みなさんの身近でできる小さなことからSDGsに取り組んでいきましょう!
親子でぜひ、「折兼バガスチャレンジ!」に挑戦してみてください。